Q.なぜ八尾の別荘は燃えていたか?




A.七瀬美雪(ラリってた)が八尾の別荘に火を付けて、千家貴司(ラリってた)が灯油をぶちまけたからである。
そしてそれをやらかした黒幕は週刊少年マガジン『金田一少年の事件簿』の主人公金田一一(故意)である。
彼らは放火の罪があるが八尾は別に訴えることのしない心の広すぎるお方なので3人は感謝すべきである(1人別の罪で捕まってしまっているが……)。
情状酌量の余地がないのは誰の目にも明らかである。
そもそもこの強引な展開が無かったら千家くんはガチの放火でもするつもりだったのだろうか?
アニメはアニメであの展開は器物損害である。

タイトル回収終了。
以下おまけ。





狭間ヒカルはうなされていた。
それは単にインフルエンザだけに苦しめられているわけではなかった。

(で、出来の悪い子で……ごめんなさい……)

不動高校囲碁部の部員の彼女もまた同じ部活の仲間の小角部長と後輩の海峰と不動高校に入学した経緯が一緒なのであった。
2次募集組。
それは囲碁部3人という少ない人数の全員に課せられた呪いであった。
勉強も囲碁も名門開桜学園狙いであったのだが、補欠2位での受験結果であり1人両親の引っ越しという理由で開いた1枠補欠が開いたらしいがもう1枠が開くことはなくそのまま2次募集の不動高校に入学した過去が金田一一や七瀬美雪、千家貴司、村上草太、他諸々の生徒入学時に繰り広げられていた狭間の過去である。
一緒に受験した親友は合格をもらい羨ましかったけど祝福した。
親友の名を語って入学を辞退させてしまおうとか、そんな事を考える様なことはない純粋な子であった。
――それから彼女は落ちぶれていった。
ついには親から「予備校の四ノ倉学園か極問塾のどっちかに入って学力を上げなさい!」と説教を受けたばかりだ。
四ノ倉学園はいつかに起きた殺人事件後も首吊り者と入学者が跡を絶たない。
あの殺人事件で亡くなったいじめっ子だった3人の亡霊が自殺に見せかけていたずらに生徒を吊るし回っているなんて噂もあるくらいだ。
極問塾は最近の殺人事件後もっと規制を掛けなくてはならないとかで益々厳重になって監獄っぷりに拍車が掛かっているらしい。
監獄より厳しいって噂だ。
どっちも入りたくない、そんな心労も溜まった結果インフルエンザにかかってしまう。

(私も美雪ちゃんみたいに頭が良かったらな……)

努力しても努力しても追い付けず……。
差が大きく離される一方……。
生徒会長兼演劇部兼オカ研部長。
たまに囲碁部マネジャーをやっていたり、スキー部の合宿に参加したり、スキー部の代役が持ち上げられたり。
それどころか殺人事件に50件以上巻き込まれていたり……。
いつ勉強しているんだろうって思うんだけどそれでも学年上位を保有しているのだ。
最近はミステリー小説も読み始めているらしい、すごい!
行方不明になっている元生徒会長・遠野英治と付き合っているという噂もあり先輩と一緒についつい広めてしまったこともある。
いま遠野先輩は何をしているんだろう?
学校を中退した噂はないけどまさか駆け落ちして結婚していたりするのかな?
すごい厳しい家みたいだしあり得るよね、なんて友達と最近噂を流していたな。
美雪ちゃんすごいマンセーから遠野先輩どこ行ったに話が変わったけどいまはそんな噂は役に立たない。
海峰くんが人を殺してしまった、という噂の方を広めなくては……。
こんな特大スクープを広められないでくたばる私なんてありえない!!
誰か、だれかに言わなくちゃ……。



狭間の脳内で色々な話が渦巻いているが身体がいうことを聞かないでいる。



(意識が……)

各参加者の不利な点を上げていこう。
的場勇一郎や冬木ウメの高齢、神小路陸や斑目るり、海峰学の人生の経験不足が否めない中学生以下の幼すぎる年齢(佐伯くんもだって、こやつめ)、日本語が通じない佐伯航一郎の伯父。
そしてインフルの病原菌が体内で暴れ回っている狭間であろう。
インフルであるインフル。
彼らのデメリットは生まれの問題だししゃーないで済むのに対し、彼女は健康な時だってあるのによりにもよってという悔やみきれないものがそこにはあるだろう。

そして八尾の別荘周辺で転がっている。
この別荘が登場する事件が起きた際の容疑者に数字が1人以外全員に付いているという法則があった。
我らが『金田一』、『七瀬』という主人公とヒロインにすらあった法則だ。
この事件の為に2人がこういう苗字だったと思うと燃えないだろうか(偶然であるというリアリスト諸君の方がむしろ正しいだろうが一応そういうことにしておこう。金田一の苗字は仕方ないが、もし美雪の苗字に数字が無かった際はお留守番か離れ離れになっていたであろう。そもそも千家くんが事件を引き起こすことすら無かったかもしれない)。

そこに本庁の警官、通称六星に瞬殺された警官Bがこの場を発見してしまうのは時刻が早朝を迎える寸前である。




(ちっ、やっぱり連城さんたちとの合流が難しいか?あのクソガキ共め、けしからん)

3対1という不利な戦いを26分24秒でほぼ無傷で制した警官はやはり時間を掛けすぎてしまったかとちょっと後悔していた。
説得でせめて変な考えだけでも取り除いてやろうかと警官説得をしてやったのだがやはり最初の殺し合いという場に巻き込まれたというショックもあるのかして取り除くのがほぼ不可能であった。
説得さえしなければ時間も半分まで短縮出来たのだが腐っても愛する国の住民だ。
警官の名にかけてそんな職務放棄は彼には出来なかった。
連城たちと合流したいのだが分断されると再会するのは投下を50回や100回繰り返さないとできないというパロロワの暗黙の了解もあり彼もそんなメタな事情に巻き込まれてしまう。

あの4人がどこに行ったのか目処も付けられないまま辿り着いた先には燃えた小屋と倒れている女子生徒であった。

「君!?大丈夫か!?」

警官は慌てて彼女に近付いていく。

「はあはあ……」

彼女は息があるみたいだ。
だがこの小屋の火事は危険だ。
火災の際には麻酔性ガスで二酸化炭素、一酸化炭素、シアン化水素など。
刺激性ガスで塩化水素、アクロレイン、アンモニア、窒素酸化物などの毒性ガスが発生される。
そんな場所へ人間は置いてはおけない。
すぐさま距離を離した。
警官は燃える小屋を見ながら何故都合よくこちらに火の手が回らない不自然な燃え方をしているなと六角村で起きた館の火災を思い出しながら小屋を背にした。




「うーむ……、私が口を付けてしまった水など飲みたくないだろうしな……」

彼女の身体が熱を帯びている。
すぐさま水を飲ませねばと行動に移そうとするが警官は自らの水を既に口にした後であった。
仕方なく申し訳ないと思いながら狭間のデイパックを開ける。

(これは手錠だな。一般人が持ち歩いていい物ではないな)

警官は狭間のデイパックから手錠を預かった。

(だがこれでは病人の荷物を奪い去る泥棒と変わらんな。私も変わりの物を彼女に渡しぶつぶつ交換としよう)

彼は自分が使いそうになかった鎧とか兜を狭間のデイパックに入れて物々交換をしたことにする。
これならば安心して身を護れるだろう。

「さあ、口を開いて」

狭間の口にむりくり水を流し込む。
『ゴク』と喉が鳴ったのでどうやら水分補給がうまくいったらしい。

「あ、ありがとう……ございます」
「おっ、目が覚めたか!?」

だが彼女の症状は風邪、あるいはそれ以上に悪い病気だ。
病気がうつることも厭わず警官は看病を続ける。

「ここは……?」

口調も絞り出すものになっている。

「安心しろ、廃墟みたいになってはいるが造りは丈夫みたいだ」

赤い逆鱗の場所に警官は辿り着いていた。
少しちらかっているし埃っぽいが状況も状況なので我慢するしかない。

「海峰くんは……?」
「いや、誰もいないぞ」
「そうですか」

海峰とは誰かはわからない。
だがくんを付けている辺り彼氏の名前なんかなとか警官が想像していると斜め上な話を聞かされる。

「うちの不動高校の1年生の囲碁部で私の後輩海峰学くんが人を殺すのを目撃しました。私の推理では50パー毒殺、30パー暗殺、30パー不意打ちだと予想します。確実に事件です。私がシャー芯を忘れた時芯の入れ物ごとくれた海峰くんとは到底思えません。悪魔かなんかが取り付いているんです。お願いします、海峰くんの狂気を止めてください!!あの子は人の首を絞めたり切ったりするような残酷なことをする後輩ではないんです!!おお願いします、おねがっ…………ゴホ、ゴホッ」

いきなりダムが決壊した如く饒舌になったがちょっと思考が回っていない様だなと警官は思ったがそれでも人殺しを目撃したとあっては黙っていられない。

(大体50+30+30=110じゃないか……)

さて、本格的に連城との合流が難しくなる警官。
海峰学を連行させなくては、調査せねば。
どれから実行に移そうか悩んでいると――。


ダダダダダダッ。


インフルエンザの子には真似できないスピードで階段を駆け上がるスピードダッシュであった。




「ふふふ……、みーつけた」

小泉螢子が次なるターゲットを発見した。
警察と同じ年くらいの女子学生。
どうして自分はこの年でくたばってしまうのかという理不尽。
老い先が短い老人ばかりを助け、未来ある若者を振り払うカルネアデスの板だと!?
ボートに乗っていたのはみんな自分の人生を4~5倍も生きながらえた奴だったではないか。
手を振り払った奴も自分の3倍は生きていそうな奴だった。
とんだ老害である。

この世全ての悪(アンリマユ)を取り込んでいるわけではないが、なんかそれくらい憎しみという物を小さな身体1つで身にまとっていた。

「な、七瀬くん!?」
「え……、美雪ちゃん?」

狭間も警官の声に釣られる。
確かに彼女は七瀬美雪の顔をした鬼であった。

「また、……また!!!!!」

憎悪を包む嫉妬。
湧き上がるこの衝動はなんだ!?
『七瀬美雪』――。
彼女に対する嫉妬。
自分が死んでいた為に忘れていた嫉妬。

「また七瀬かよ!!!」

さっきのデブも衝動的に殺してしまったのだが、その体型に腹がたったから殺したと自分を偽っていた。
いや、別に偽りではない。
本当に嫌いだ。
だが、それ以上に――。

「七瀬美雪が嫌いだッ!!」




「僕の時期生徒会長は七瀬くんに決まったんだよ」

最近自分のお兄ちゃんから『七瀬』という苗字がよく出る。
誰だろう、と聞くとお兄ちゃんは「後輩だよ」と答える。

お兄ちゃん、兄さん、英兄さん、エーくん、エー兄ちゃん、エージ、にいに、兄貴、トーエー。
私が好きだという気持ちに比例して遠野英治の様々な呼び方が溢れてくる。
隠さずいうと、お兄ちゃんに振り向いてもらいたかった。
お兄ちゃんと一緒にいたかった。
エーくんと結婚して子供つくりたかった。
でも、やっぱりそれは出来ない世界。
それは私じゃなくて世界がおかしいんだよ。

だから、いつか、悲恋湖で一緒に身を投げる。

そんな、ささやかなことで人生が終わっても悔いはない。
でも、ふざけた事故で人生が全部狂った。
キス1つエーくんに出来ないまま海に沈んでいった。

「七瀬くんみたいな子と話してると教えがいがあってね」
「風邪で休んだ七瀬くんの家にプリント届けに行ってきてね」
「流石に僕も七瀬くんに怒ったよ」

よく名前が挙がるのだ。
顔が似ているとかいう奴の名前の女が。
嫉妬深いんだって最近ようやく気付いた。
エーくんに対する気持ちが溢れて兄妹じゃ収まらない……。
いいよな、七瀬は。

血が繋がってなくてさ……。

――でもお兄ちゃんは私だけ見てくれているんだ。
それでも足りない……。

私とエーくんの絆は――。
たとえエーくんがすべての記憶が無くしてしまったとしても、私との記憶だけは残り続ける。
結ばれた絆だッ!!




「ちっ」

やばいぞあいつは……。
あのガキ共は遊びの範疇の殺意であった。
だがこの殺意は本物だッ!!
六星と同じ狂った目をしてやがる。

それでも小柄な女1人だ。
あしらうのなんか警官が本気出せば気絶なんか容易だ。

(だがこの子を放っておくわけにはいかねーよな)

まだ名前すら知らなく、何故か気を付けて欲しいって人間の方の名前しか知らないくらいの仲だが見捨てる、放置という選択肢はない。
だが背負ってとなると満足に実力を発揮できない。
既に覚悟を決めた人間って奴は実力とか関係なく最悪の結果だけを見せつけてくるのは人生からたくさん学んだ。
六星なんかはいい例だ、2人ならだと完全に油断していた。

(俺の命だってまだ捨てるわけにはいかねえ!!)

家のローンはまだ半分も払ってないし、こないだ2人目の守るべき命が産まれたばかりなのだ。
殉職なんてしてたまるかよ。
俺は彼女を背負う。
申し訳ない顔をしているがなんにも申し訳ないことなんてない。

(だってそれが警察という俺たち、私たちの仕事なんだからよ!)

さあ。一世一代の大勝負、賭けるのは命、架けるのは大切な我々市民の命。
護り切る覚悟は、できている。

「ちっ」

舌打ちをしながらこの女を振り切るか、この場を振り切るか。
これからどう動いていこうか。



刹那で駆ける。






そして私も。
遠野英治のことを想いながら――。



刹那で駆ける。






(美雪ちゃんって流石いっぱいの事件に巻き込まれただけあって怖い顔するなあ)




刹那で意識が落ちる。



【一日目/早朝/赤い逆鱗@香港九龍財宝殺人事件】


【六星に瞬殺された警官B(腕を折られた方)@異人館村殺人事件】
[状態]疲労(中) 、狭間を背負っている
[装備]金田一と長嶋刑事を繋いだ手錠@金田一少年の殺人
[所持品]基本支給品一式
[思考・行動]
基本:殺し合いを止める
0:連城たちと合流する。
1:六星竜一がいればこんどこそ止めてみせる。
2:女の子(螢子)を撒くか気絶させるか。
3:あのクソガキ共(多間木、海堂、古谷)は必ず逮捕する。
4:海峰を警戒。

[備考]
※参戦時期は六星に腕を折られる寸前。
※どんなキャラかわからなくなったら、基本舌打ちしながら殴りかかる人だという認識で大丈夫です。
※2人の子持ちらしい。
※インフルエンザがうつる可能性が1番高い?



【インフルエンザで休んだ不動高校囲碁部の部員@血溜之間殺人事件】
[状態]気絶、インフルエンザ、疲労(極大)、警官Bに背負われている
[装備]
[所持品]基本支給品一式、兜霧子が詰められた鎧と兜@異人館村殺人事件
[思考・行動]
基本:三日待つ。できればその間にインフルを治したい。
0:美雪ちゃん怖いなあ……。
1:海峰が人を殺していた事がショック。
2:海峰が人を殺した事を一刻も早く多くの人に知らせなければならない。
[備考]
※参戦時期は、風邪を引いた後。
※仮名は「挟間ヒカル」です。不動高校二年生です。女の子です。
ウィキペで調べた適当な囲碁用語と、進藤ヒカルを組み合わせました(『血溜之間』の登場人物は囲碁用語+棋士の名前が多いので)。
※とても早とちりな性格なので、海峰が高槻さんを殺したと誤解しています。
※とても噂好きな性格なので、海峰が高槻さんを殺した話を色んな人にばらします。
※それはそれとして、インフルエンザなので結構インフルの症状が出ますし、場合によっては感染します。
下手すると体育館で説明聞いた時点でインフルエンザに感染した奴がいるかもしれません。
※美雪とは不動高校で7番目くらいの親友という立ち位置(狭間視点)。
※美雪からは不動高校で18番目くらいの親友という立ち位置(美雪視点)。
※小泉螢子を七瀬美雪と勘違いしています。



【小泉螢子@悲恋湖伝説殺人事件】
[状態]健康(ただし指にめっちゃバンドエイド巻いてます)←バンドエイドは関東だけでしか呼ばないらしい
[装備]金田一お手製ボウガン@墓場島殺人事件
[所持品]基本支給品一式×2、ランダム支給品0~1、尾ノ上のランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本:全員殺せばいいってね。
1:めっちゃ殺す。
2:お兄ちゃん大好き。七瀬嫌い。
3:体重重い奴は特に憎い。年寄りも難い。
[備考]
※参戦時期は、しんだ後。
※原作で台詞がないのでほぼオリキャラです。女版遠野みたいな感じ。
※七瀬美雪、楊蘭と酷似した外見をしている為、それだけで結構人が寄ってきます。
※金田一は遠野に昔、「あんたの螢子がよろこぶと思ってるのかよ!」と説教してましたが、
螢子は死んでもキーホルダーを握っていた程度には自分の手を突き放したSKを憎んでいます。
※高遠はジゼルに「犯罪者の血縁者まで犯罪者って事ぁないでしょ」と言ってましたが、まさにその通り。
遠野と螢子は単に両方頭おかしかっただけで、犯罪者の血縁者が犯罪者であるというような意図で螢子がこんな感じなわけではないです。
※ブラコンです。
※ヤンデレというか多分病んでるだけです。
※遠野先輩の前では理想の妹になっている、……筈。
※彼女がおかしいのではなく世界がおかしいと思っています。
※七瀬美雪という名前を聴くだけで殺意が5割増し。
※Q遠野先輩をなんて呼んでいたのか?Aお兄ちゃん大好きというのが伝われば全部正解です。




027:理由など無くても死ぬときには死ぬ 時系列 029:脱出派の一番星
027:理由など無くても死ぬときには死ぬ 投下順 029:脱出派の一番星
020:すべてが終わる前に、明かりが帰る前に 六星に瞬殺された警官B
012:安い誤解 インフルエンザで休んだ不動高校囲碁部の部員
004:尾ノ上死す 小泉螢子

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最終更新:2016年08月22日 19:01