ドリームズドリームズ

夢の中の地図を記述しよう。

それしか現実への対抗策が無いのなら。
基本設計コンセプト †

心理テストや心理療法の一種である風景構成法や箱庭療法などの心理テスト:心理療法を参考にして制作。風景構成法や箱庭療法は被験者に心の中にある風景を実際に作るという作業を行い、観察・分析する事で被験者の心を見るというような療法で現在、一般的なほどに広まっている。『ドリームズドリームズ』はそのような箱庭系心理テスト:心理療法をゲーム化したもの。

元々は別件で製作している百合系TRPG内の“マップ製作用ゲーム”として考案したもので、様々な好みのあるプレイヤーが好きな世界観で遊べるよう、プレイヤー自身が想像として持っている風景を記述ルールに沿ってアウトプット、それを公平な立場であるゲームマスターがまとめ、百合系TRPG内の舞台として使うという事を元のコンセプトとしていた。
これをシンプルにブラッシュアップしていったところ“マップ自体をプレイヤーに想像させる”という行為はある意味で風景構成法や箱庭療法に近いのではと考え、そこで現在最も風景構成法や箱庭療法を必要としている低年齢層の子供のためにスピンアウトとして『ドリームズドリームズ』が派生として生まれた。そのタイトルの通り“夢の世界”が舞台になっている。子供達に夢の世界を描かせ、要素を抽出し、ゲームマスターによってプレイヤーが描いた夢の世界には無い社会的な要素などを指摘して修正。そのままでは客観的な、平面的な夢の世界なので、ゲームマスターがお客さんとしてプレイヤーと共にプレイヤーが作った夢の世界に入り、主観的な視点から微調整を掛けていく。プレイヤー主導であるためプレイヤーがいればいるほどそれはもう千差万別の夢の世界を作り上げられる。最終的にゲームマスターとプレイヤーらが協力して夢の一つ一つをリンクさせて地図を完成させるというものとなった。夢はそれだけでは個人的なものであり、どんなに明るい、メルヘンチックな夢であっても閉鎖している。それを他人の夢とリンクさせる事で夢をパブリックへと解放、更なる影響を与え、PLのマインドにも影響を与えようとするもの。私が思うに箱庭療法に足りないのはこの部分で、だから総合されたデータから分析が可能なのだが、箱庭をリンクする事でマインドに変化を起す事が可能ではないかと考える。この考え方は多分正しい。
地図を作るだけなのでゲーム度は低いが、一度完成された地図を元にTRPGをプレイするという事が可能になるのでこのようなゲームがあっても良いではないかと思う。

概要と特徴、シーンポイントとリンク †

解りやすいように「家」というモデルを出し、説明する。「家」はどこにでもあるが、それぞれ違う。自分が住んでいる:住んでいた「家」を思い出して欲しい。「家」は様々な要素で構成されている。ここでは田舎で一般的な“ちょっと広い庭付き一戸建ての家”を例に出す。
家には最初に「入り口」がある。扉や柵、表札や新聞ポストなどがあるかは別にして、「入り口」の周囲は植木やブロック塀で囲まれて入れないようになっている。入れないこともないが強引に入る人は世間では不審者や泥棒などと呼ばれるだろう。田舎の方では塀などが無い家もあるが、今回は無視する。
「入り口」から入っていくと大なり小なり「玄関へと続く道」がある。日本庭園風に飛び置石が配置されてあったり、レンガ道になっていたり、車を置くスペースだったり、すぐに「玄関」に続いていたり。周囲を見渡せば小さな庭があるかもしれない。ガーデニングでお花がいっぱいだったりするかもしれない。
そして「家の玄関」。引き戸になっていたり、木の扉かもしれない。
「家の玄関」から中に入ると「一階フロア」や「2階へと繋がる階段」があるだろう。もちろん2階が無い家もある。「一階フロア」には「茶の間」や「台所」や「トイレ」などがあるのが一般的だと思われる。「家の玄関」も様々。水槽が置いてあるかもしれない。

このように「家」は様々な要素で作られている。おそらくは一つとして同じ「家」はない。同じ建築物だとしても住む人により「家」は変わっていく。

そして各要素は移動できるように繋がっている。

TRPG『ドリームズドリームズ』では各場所のポイントを『シーンポイント=S:』、場所と場所を繋ぐ道:関連を『リンク=Link:』と呼称する。ちなみに各場所のポイントを集めた、この例では「家」となっている場所の事を『プレース=P:』と呼称。

ここでは「家」をモデルに説明したが、大体これと同じような事を「夢の世界」で行っていく。最初は大雑把に描いていくのが良いだろう。細かい事は後で付け足せば良い。

TRPG 『ドリームズドリームズ』ではゲームマスターを“夢の世界の案内役”と位置づけている。ゲームマスターはプレイヤーと共に夢の世界へ潜り、最初のシーンポイントとなる「夢の扉」へと誘う。(ゲームマスターがプレイヤーにする最初の質問は「どんな場所にいるか?」が適当。「何が見える?」とか「何が聞こえる?」 PLの想像上の五感を使わせても良い)そうして「夢の扉」から冒険はスタート。扉を開けてからすぐに見える景色をプレイヤーに想像させ、言語化し、シーンポイント名と共に記述していく。最初は大雑把でも良い。その方がストレス無く進む。これで「夢の扉」と言うシーンポイントから「夢の扉の先(仮)」というシーンポイントが繋がる(リンクし)。あとはプレイヤーの任せるままシーンポイントを作っていく。離れているシーンポイントでもプレイヤーが「こことここは繋がっている」というのなら(明らかな矛盾が無い場合には)、そこにショートカットとなるリンクを繋ぐ。1時間もすればそのプレイヤーによる夢の世界のマップは作られる。

つまりはそのようなMAP製作TRPG。一度世界を作ってしまえば、プレイヤーは想像で遊ぶ事もできるだろうし、想像からお話も作れるかもしれない。多人数で誰かの夢の中を探検する事や新しい場所を作る事も出来るだろう。

記述方法 ver2.0 20100725 †

地図、マップ。そのマップには大きなレベルから言えば世界地図があり、日本地図があり、区域地図があり、県地図があり、地区の地図があり、それぞれの町の詳細の地図がある。もっと細かいレベルなら地域の地図があるだろうし、家の見取り図も地図と言える。

T『ドリームズドリームズ』は、舞台は夢の世界でありながらもそれらの地図を再現しようとするものである。もし多くの人が『ドリームズドリームズ』に関わったのならばデータ量が膨大になり管理不可能になるだろう。その整理のために「記述コード」という物が必要となる。

大まかに『ドリームズドリームズ』の記述コードはF(folder)>L(Library)>P(Place)>S(Scene)の順でマクロからミクロへと表記される。逆を言えばPはSの集合体、LはPの集合体とも言えます。Sから順を追って説明する。

  • S:
シーンポイント要素。SceneのS。S:に続く形でシーンポイント名を記述、最大200文字&3行以内でシーンポイントの内容を記述していく。

  • Link:
リンク。あるところのシーンポイントと、そこから繋がるシーンポイントを記述し、接続する。実際にハイパーリンクを張る(web使用時)。このlink:は同じ階層の要素しかリンクできない。後述する「P:」「L:」も同じく。移動条件記述も可能で例えば「この場所とこの場所は歩いて3分掛かる」等と設定を付ける事ができる。何も記述がなければ常識的な移動方法・移動速度でシーンポイントとシーンポイントを渡る事になる。

基本的にはこの「S:」「link:」にてシーンポイント、またはシーンポイントの連なりが構成されていく。そして「S:」がある程度増えた場合、それをまとめる記述が必要になる。それが以下の「P:」と「L:」。

  • P:
シーンポイント要素の集合体。PlaceのP。家に例えるならS:が部屋(群)、P:が家を指す。「S:」が5つ以上作られた場合、この「P:」によってグループ化、つまりまとめる事が出来る。重複化を避けるために特徴的かつわかりやすく名称を付けなければならない。

  • L:
プレース要素の集合体。LibraryのL。シーンポイント要素の集合の「P:」が5つ以上作られた場合、または空欄でもこれから作るとした場合、ライブラリとしてまとめる事ができる。またL:は「集落」も意味する。最低限数のL:であっても集落として見なされる。

  • F-x.x.x.x.x.x:
ライブラリ要素の集合体。FolderのF。F-x.x.x.x.x.xのxは各地図の言葉が入り、左から世界、国、地域、県(夢の街でもあるのか不明だが)、地方、街の名前を示す。いわば大まかな住所みたいなもの。『ドリームズドリームズ』は夢の世界が舞台なので基本的に「F-x.x.x.x.x.x」の一番左に「dream」が入り、「F-dream.x.x.x.x.x」となる。そして右端にはL:の名称が自動的に入ります。dreamから続くx×4は国、地域、県、地方に倣う限り自由に設定して構わない。例えば夢の世界に妖精の国があり、東南西北の地域(もっとロマンチックな地域名でも構いませんが)があり、その地域でも種族によって所が違う、というのを設定する場合、「F-dream-fairyland-south-Pixietown-17th street-(L:内容)」(=夢の世界にある妖精の国の北区、ピクシーの街の17番ストリート)となる。

デフォルト値は「F-dream-(プレイヤー、またはプレイヤー達の)land-field01-town01-area01-(L:内容)」とする。このデフォルト値は自由に変えられるとする。夢の世界でなければ「F-dream-」の「dream」も変わる。実際の世界なら「Earth」となるだろう。例として日本の山形県某市なら「F-Earth-Japan-touhoku-yamagata-*****-(L:内容)」となる。
どうしてこのような記述が必要かというと、1つの夢の世界だけでは子供は飽きてしまうからだ。だから前作った夢の国とはまったく違う夢の国を作り、リンクさせるために「F:」要素はある。Aが作った夢の国とBが作った夢の国をリンクさせるためでもある。

テーブルトーク・RPGに利用するには †

Aが作った夢の国、Bが作った夢の国、Cが作った…etcをリンクさせる事で、それぞれの夢の国に住む人たちに影響を与える。例えば攻撃的な機械の国の住人と平和的な妖精の国をリンクさせる事でどのような影響があるのか。戦争が起こるかもしれないし、物資を交換するかもしれないし、人を派遣してその国を守るかもしれない。そうした事を話し合っていく。そして実際に影響させて、微調整や新たな記述を書いていき、総合的な夢の世界が出来上がる。重要なのが、攻撃的な、尖った国が出来上がった場合で、この尖った要素を丸めるために他人の夢の国を配置するという事である。『ドリームズドリームズ』では「攻撃的な尖った国」や「ネガティブでストレンジな国」の制作を禁止事項としていない。禁止してしまえば風景構成法や箱庭療法の効果が無くなってしまうからだ。夢は夢で対処する、それが『ドリームズドリームズ』の考え方である。

子供用に作ったため、大人が遊ぶには少し捻らなければならない。例えばペドフィリアの変態どもが『ドリームズドリームズ』を遊ぶには何らかの縛りを掛けるのが有効である。シーンポイントの内容に「幼女」という要素を絡めるなど。脳内でシミュレートしてみたがこれはこれでなかなか楽しい。水槽のシーンポイントで普通なら「幼女の人魚が餌を食べる」というところを「魚が餌の幼女を食べている」とすると一気にストレンジ度が上がり、その後作られていくシーンポイントのネタ的ハードルが上がる。で、ここでも重要なのが「F-dream-」から続く場合、その条件下で作った誰かの夢の国と繋がる事になる。存在の否定をしていないのだ。まあしかし、変態どもの夢の国と子供達の夢の国は限りなく離しておきたいので「F-dream-pedophilia_wonderland-」として国と国の距離を設定して遠くに飛ばす事をおすすめする。しかし、離れていても、存在する。誰かが嫌だといってもそれは存在するのだ。

これ以上の記述は複雑化するだけでいらないだろう。
できれば全体が個性を殺さずに和になるように、私は希望する。

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最終更新:2017年12月17日 13:53