あっさり終わった初回公判と違って今回は証人尋問、しかも証人が被害者本人ということもあっていろいろと思うところがあります。完全に蛇足なページですが一応、感想などを書いておこうと思います。

検察側、弁護人側の証人尋問のメモをざっと作りましたが、正直これ読んで弁護人に良い印象を持った方というのあまりいないのではないかと思います。実際、私もそうでした。何しろ裁判長から注意を受ける数が多すぎるし、質問の意図もよくわからない。ですが尋問が進むにつれて次第に弁護人の目指しているところが見えてきました。つまり、被害者は被告人を怖いと言っているけれども、実際にはどうなの? 口で言ってることと行動がリンクしていないんじゃないの? という所を攻めていっているのだな、と個人的には解釈しました。渋谷で行われたカレンダー発売記念の握手会に関する質問で、そうした意図があることを弁護人本人が言っています。

しかし、弁護人には別の意図もあったと見ています。弁護人の質問を聞いてると、被告人・大西秀宜(以下、大西被告)が逮捕前に自らの主張の拠り所としていた部分、つまり被害者Aが書いたブログは本人の意志ではないとか、逆に自らのブログに通っている大学に関する書き込みがあった際には本人によるものだとか、自らの都合のいいように解釈して強弁していたわけですが、そういう部分を弁護人は証人A本人に確かめているわけです。当然のことながら大西被告が望むような回答は返ってこなかったわけですが、弁護人にとってはそれは問題ではないのです。お前(=被告人)、一応俺は本人に訊いたからなと。

もちろん、逮捕前の主張からして、大西被告は証人Aによるこれらの回答を受け入れることは100%なく、別の人(例えば事務所やマネージャー、警察など)によって言わされているのだと主張するのでしょう。しかしながら証人尋問というのは虚偽の証言を行った場合には偽証罪に問われます。しかも法定刑は3ヵ月以上10年以下の懲役という重い罪です。なので、これを受け入れないと主張するということは証人を告発しますか? ということになる。もちろんそのこと自体は問題がないのですが、まあ普通に考えて勝てる戦いにはならないですな。だって本人が書き込んだかなんて通信記録調べたらすぐわかるもの。

というわけで、これは法廷で指摘しておかないと被告人が納得しないという箇所を証人尋問で訊いているのだと思って、やり取りを聞いていました。個人的には、そう考えると弁護人の質問が胸にストンと落ちるのです。あれは裁判官じゃなくて被告人に向けた質問なわけです。

そういう点に関しては弁護人ってのは大変だなという感情も抱きますが、しかし回答が聞き取れなくて繰り返し回答させるとか(しかも複数回)、実名を出してはダメだと言われているのに何度も固有名詞を口にしてしまうとか、進行の手続きを無視しようとしてことごとく裁判長に却下されるとか、そういう点は大いに問題ありと言わざるを得ません。

まあ、自分は法曹界の人間ではないですし、弁護人の資質に関してあれこれ言ってもしょうがないですが。

個人的には証人Aが今年4月にストーカー被害を公表した文章をブログに上げたのは独断だったということや、SKE48への移籍話について大西被告の存在は関係ない(という認識である)ときっぱり明言したことは興味深い点でした。

その証人A、尋問の前日には古巣のアイドルグループが公演中の舞台を見に行って、多くのメンバーと写真を撮ったりしていました。翌日の公判のことはいちいち言っていないでしょうが、おそらくはそこで英気を養って証人尋問に臨んだのでしょう。つらい経験だっとは思いますがこの裁判に関してはこれで出番は終わりです。あとはプロにお任せで、次回公判の12月7日はまさに舞台真っ最中なので、もう頭の片隅にも入れておかなくてもよろしい。舞台に集中してもらえればよいかと思います。

それにしても、古巣のアイドルグループは先輩も同期も後輩もいい仲間やね。



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最終更新:2019年02月20日 22:12