召喚即ブレスが起こる条件

召喚で出てきたモンスターが＠の行動前にブレスやロケットを放ってきてゲームオーバーになってしまい憤慨した経験のあるプレイヤーはいるだろうか。
あるいは、うっかりハルマゲドントラップを踏んでしまい大量に流れるログと減り続けるHPを呆然と眺めた経験のあるプレイヤーも多いだろう。
この恐ろしい挙動に関する仕組みを分かる範囲で解説した。

どのようなときに「召喚即ブレス」が起こるか

基本的には、生成されたばかりのモンスターが＠の行動を挟まずにブレスやロケットや魔法を使ってくることはない。
しかし以下のときはこの救済処置が行われず「召喚即ブレス」を食らう危険がある。

・FORCE_SLEEPフラグのないモンスターが召喚されてきたとき
・＠の行動処理中に召喚が行われたとき
・＠でなく他のモンスターが狙われたとき
・難易度LUNATIC(本家悪夢モード)であるとき

生成直後のモンスターが魔法やブレスを使わない処理について

ここには、"MFLAG_NICE"という内部フラグが関わってくる。
モンスターが生成されるときには一体一体に"MFLAG_NICE"というフラグが立つ。
このフラグが立っているモンスターは＠に魔法を使ってこなくなる。
＠の行動順が回ってきて＠が行動を済ませて＠のターンが終わるとき、全てのモンスターの"MFLAG_NICE"が解除される。
それ以降は召喚されたモンスターも通常通りに特技や魔法を使ってくるようになるわけである。
なお、＠が麻痺や意識不明瞭で動けないときにも「行動順が回ってきたが動けなかった」として"MFLAG_NICE"の解除処理が行われる。

FORCE_SLEEPフラグのないモンスターについて

FORCE_SLEEPフラグの設定されていないモンスターは生成されるときに"MFLAG_NICE"フラグが立たず、生成直後でも遠慮なしにブレスや魔法をぶっ放してくる。
FORCE_SLEEPフラグの有無は思い出文章からは確認できず、r_info.txtを見ないとわからない。

FORCE_SLEEPフラグは強力な遠隔攻撃を持つほとんどのモンスターに設定されているのだが、
確認した限りでは以下のモンスターには設定されていない。
『影のジャック』
『シュド＝メル』
ナズグル
幽体ワイアーム
バシリスク、大バシリスク
EX妖精
数は少ないものの、よりによってコイツらか…と呻きたくなる面子である。
とくにナズグルはサウロンやアングマールの魔王による特殊召喚でまとめて出てくるので非常に危険。戦うときには穴熊を。

＠の行動処理中の召喚について

先にMFLAG_NICEの働きについて書いたが、ではトラップを踏むなどして＠の行動中に敵対的な召喚が行われたときにはどうなるのだろうか。
1.＠の行動順が回ってくる。
2.＠の行動で敵対的な召喚が行われる。召喚されたモンスターにはMFLAG_NICEが付与される。
3.＠の行動が終了し、MFLAG_NICEが消える。
4.召喚されたモンスターの行動順が来る。
このようになる。実質的にMFLAG_NICEが機能しないのである。

「これなら＠の加速が十分に高ければ回避できるのでは？」と思われるかもしれないが、
ここにはさらにもう一段の罠がある。
全てのモンスターと＠は"energy_need"という値を持っている。
ゲームターンが経過するたびにこの値が加速値に応じて減少し、0になったら行動可能になる。
召喚によりフロアに生成されたモンスターは、(平均100の乱数値-1d100)のenergy_need値が設定される。
ではこのとき＠のenergy_need値はいくらかというと、行動の最中なのでまだ設定されていない。
行動が終了したときに(平均100の乱数値)が設定され、次はモンスターの側から計算が始まる。

例：モンスターの加速が10でENERGY_NEED値が50、＠の加速が40でENERGY_NEED値100のときの行動順判定
turn1:＠の行動終了
turn1:モンスターのENERGY_NEED値に-20
turn2:＠のENERGY_NEED値に-42
turn2:モンスターのENERGY_NEED値に-20
turn3:＠のENERGY_NEED値に-42
turn3:モンスターのENERGY_NEED値に-20(行動順が回ってくる)

このように、＠の加速が相当上回っていても＠の行動起因の召喚で出てきたモンスターより先に行動するのは容易ではない。
ハルマゲドントラップを踏んだときに周り中のモンスターに先に行動されてしまうのはこの処理による。

＠の行動処理中に敵対的な召喚が行われる要因は意外に多く、

• 箱や床のトラップにかかる
• 召喚魔法に失敗する、シャッフルで悪い目を引く、カオス領域魔法失敗のペナルティを受ける
• 召喚の杖やサモンモンスターの巻物などを使う
• アンバーの王族を倒して血の呪いが発動する
• レベルアップのときカオスパトロンやメイドの主人に罰を受ける
• EXTRAモードで建物を家探しして敵に襲われる
• イケタ、モズグス、神奈子(神への挑戦クエスト中)を倒す
• ほか太古の怨念が発動する一部の魔法など

ちなみに呪われた装備品による召喚や太古の怨念発動はここには入らない。

＠でなく他のモンスターが狙われたときの処理

MFLAG_NICEフラグが立っているモンスターは、＠に対して魔法やブレスなどの特技を使うことはない。
しかし＠でなく他の敵対的モンスターに対してはMFLAG_NICEの有無に関係なく魔法やブレスを使えるようである。
つまり＠が騎乗しているときにはその騎乗モンスターに対して「召喚即ブレス」が来ることがある。
当然＠もまとめてダメージを受ける。

ほか、友好的なモンスターが周囲にいるときに召喚で出てきたモンスターがその友好的なモンスターを狙ってブレスを放ち＠が巻き添えになることも考えられる。

難易度LUNATIC(本家悪夢モード)

難易度LUNATIC(本家悪夢モード)のときにはMFLAG_NICEの付与処理自体が全く行われない。
さらにモンスターの加速が+5され、生成階層の大幅ブースト判定が行われ、生成されたモンスターの次の行動までのターン数が大幅に短縮される。
ここまで来るともはやあらゆる召喚に＠を葬り去る可能性がある。
悪夢モードの序盤を切り抜けた歴戦の＠の心をへし折る必殺の罠である。