人工衛星

じんこうえいせい

異世界への転移によって日本がそれまで保有していた人工衛星は全て失われ、GPS等の測位衛星も利用できなくなった。
しかしながら人工衛星は現代社会にとって不可欠な技術である上、召喚先の世界情勢は緊迫しており軍用衛星の需要は地球時代以上に増しており、結果、世界で唯一人工衛星を配備運用可能な日本は、単独で大量の人工衛星を打ち上げねばならなくなった。

中央暦1640年1月21日(転移翌年)に情報収集衛星2機*1、中央暦1642年4月25日(転移から3年後)時点で情報収集衛星4機が運用されていることが確認されているが、その他の人工衛星については不明。
中央歴1643年7月時点(転移から4年後)では、実用化されたH3ロケットにより観測*2・通信・気象衛星などが多数打ち上げられている。

今後の予定として、経済効果や精密爆撃能力の獲得を目的に日本版GPS衛星の打ち上げを行い、中央歴1642年から3年以内(web版はパーパルディア皇国戦から5年以内)の実用化を目指している。
この他にも、偵察衛星による常時監視体制の構築の必要性が作中で唱えられており、弾道ミサイル保有国家の出現に対する備えと合わせて、早期警戒衛星の機能を付与した偵察衛星の配備が計画されている*3
Xバンド防衛通信衛星についても、仕様変更の上で数を10機に増やして中央暦1641年から順次打ち上げ予定*4

しかしながら、転移先の惑星は地球よりも衛星打ち上げに不利な環境であることが書籍版で語られており、そのためのH-2B改造など関係者は対応に追われた(下記:打ち上げ重量の変化について、に詳細を記述)。
人工衛星の寿命は地球換算ではだいたい7~10年、試験衛星で2~4年ほどだが、打ち上げた時の燃料の量で決まるため、あくまで目安である。

※出典:ウィキメディア・コモンズ H-IIA 12号機によるIGSレーダ2号機の打ち上げ(https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:H-IIA_F12_launching_IGS-R2.jpg

打ち上げ重量の変化について


転移先である新惑星は地球よりも巨大であり、このため人工衛星打ち上げ重量の大幅な低下という問題が発生した。
これについて、web版ではH-2Bの能力を説明する際の文頭に“地球であれば”と記される形で仄めかされる程度であったが、書籍版第3巻ではロケットの打ち上げ能力が大幅に低下している事が明記されている。
また、上記の情報収集衛星2機を打ち上げる為に用いられたH-2Bに(突貫で)改造が施されていることが言及されており、この経験をフィードバックした新型ロケットが開発され、中央暦1642年頃から運用されている(第三巻時点)。

しかし、その後の打ち上げで「一定高度を過ぎると重力加速度が弱まる」という現象が起き、H3ロケットの実用化と合わせて、結果的に打ち上げ可能なペイロードは増加、問題なく多数の衛星が打ち上げられている(第六巻時点)。

独自考察※公式からの情報ではないため注意

作中での活躍


アルタラスに存在するムーの空港の使用許可を求める際に、日本外交官の柳田がムー大使のユウヒに人工衛星で撮影した写真を提示し、彼を驚愕させた。
同様の事は神聖ミリシアル帝国でも起きており、帝前会議にてグラ・バルカス帝国本土の場所を把握するために日本製の地図が提示された事から日本が人工衛星を有している事が知れ渡り、僕の星と同様の物を実用化している事から皇帝ミリシアル日本に対し興味を持つ様になる。

エストシラント沖大海戦では事前偵察によって、攻撃目標となるパーパルディア皇国海軍本拠地の場所をRF-4Eと共に発見する。

また、衛星写真によりアニュンリール皇国が他国に隠れながら高度な文明を築いている事や、魔導戦艦を有していることを暴いている。

なお、先進11ヵ国会議での時点では、偵察衛星は4機しか稼働しておらず*5、また、観測所も不足していたため、さすがの日本も大きな動きや地形しか把握できず、グラ・バルカス帝国の神聖ミリシアル帝国強襲を察知することはできなかった。

グラメウス大陸に関する動乱では、同大陸の発見や岡 真司が日本との連絡のために活用された。
また、C-2墜落の原因となった大規模太陽風を監視観測するために太陽観測衛星が打ち上げられ、磁気嵐の予測体制が構築された。

(順次加筆をお願いします)
関連項目
用語日本国僕の星情報収集衛星人工衛星について

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  • 小型衛星の大量投入で質をカバーかな。量産効果でコストも低下 -- 名無しさん (2018-01-21 01:04:42)
  • 新しいコメントが上に表示される様に編集を行いました。コメントの内容はそのままですが、何か問題点があった場合は諸氏の判断で改善をお願いします。 - mk41 2018-01-28 00:04:04
    • 編集者用相談ページでのアンケートの結果により、表示は昇順(ブログと同じ)の方が良いということになりましたので再度改定を行いました。 - mk41 2018-02-03 16:09:35
  • 魔法技術がとにかく欲しいよね。パルキマイラが浮かんでること考えると。この技術を手に入れたらペイロード50倍、100倍も夢じゃない気がする - 名無しさん 2018-02-20 18:44:33
  • 魔帝も僕の星の打ち上げは大変だったろうな。容易に宇宙へ進出出来る環境じゃないから。衛星運用や打ち上げ技術は日本以上だったかもな。 - 名無しさん (2018-04-12 20:29:22)
  • 二つの月に魔帝の宇宙基地があったりして。 - 名無しさん (2018-04-12 20:36:32)
  • ニュートン力学がここでも成り立って万有引力定数も地球の世界と同じなら第一宇宙速度は地球のほぼ1.6倍になるから化学ロケットでの衛星打ち上げは相当厳しそうだな - 名無しさん (2018-06-16 12:46:04)
  • 今更になってロケットに3段目を追加する事の有効性に気づいた…。H2Bなんて総重量変わらず(=補強やタンク増設なし)でペイロード倍増したよそれでも3tだけど - mk41 (2018-08-02 02:34:52)
  • 衛星運用の最大の問題点は基地局の不足よね。 - 名無しさん (2019-02-26 19:51:34)
    • 打ち上げにはとかく不利な状況でも、C-2遭難の反省で何とか太陽観測衛星を打ち上げて運用している模様 - 名無しさん (2019-03-11 13:17:04)
  • だいち1号機(質量4t)みたいな大型衛星打ち上げるのは難しいが、今はだいち2号(質量2t)みたいな中型共通プラットフォームにセンサー1~2個の衛星ばかりになっているので、なんとかしてるでしょw - nanashi (2019-06-10 08:31:04)
  • あと、地球では日本の情報収集衛星はレーダー衛星と光学(赤外線対応)衛星がペアで運用されるんでな、よっぽどのことが無い限り二万キロ以上の距離をエッチラオッチラ航海してくるグ帝艦隊を見失うなんて事は…ゲッフンゴッフン! - ハインフェッツ (2019-08-18 22:54:38)
  • 日本国人工衛星ミ帝国興味もつは - 名無しさん (2019-08-21 19:27:06)
  • 技術試験衛星9号機( ETS-9 )の全電化衛星技術は異世界で欲しいが自律軌道制御は別の衛星で実証した方が良いかもしれないな - 名無しさん (2019-08-25 02:46:25)
  • 魔帝の僕の星を破壊するための攻撃衛星もそのうち作らなきゃダメかもな - 名無しさん (2019-09-22 23:32:05)
    • 現実にロボットアームを持つ攻撃衛星(妨害衛星)の作成に着手した模様 - 名無しさん (2019-09-30 20:42:19)
  • JAVAのwebにあった衛星速度の式に「V=(398600/(6378+H)^1/2」の惑星半径を2.5倍、地球重力定数を異世界の惑星質量6.25倍すると衛星高度200kmで約12.4km/s。衛星速度が地球と近くなるまで惑星質量を減らして高度200kmの重力定数を予想すると大体地球の2.46倍ぐらい。高度ごとに重力定数を調整しないと全高度で地球と同じ速度にならないな - 名無しさん (2020-10-11 08:25:29)
  • 衛星速度が地球と同じぐらいになるよう重力定数を調整した場合静止軌道は高度29万5千km、重力定数地球の1.27倍の時、衛星速度3.3382km/s、衛星周期23時間45分ぐらい。もうちょっとだけ高度高い方が24時間になりそう - 名無しさん (2020-10-11 08:58:13)
  • GPSも衛星周期が重要そうなので予想すると、衛星高度1万4千3百km、衛星速度約4.391km/s、計算上の惑星質量は地球の1.462倍ぐらい、衛星周期12時間。もう少し低いかもしれない - 名無しさん (2020-10-11 23:34:56)
  • 一桁間違えていた異世界の静止軌道は高度2万9千5百kmだ - 名無しさん (2020-10-11 23:36:41)
  • 日本の人工衛星、ミリシアルの中枢部は知っているし、ムーの中枢部も確実に知っている。しかし - 名無しさん (2020-12-06 09:40:36)
    • 続き。一般には知られていない。知られていればとっくにグ帝に伝わっているだろう。 - 名無しさん (2020-12-06 09:43:12)
  • 人工衛星の正確なスペックや運用の実態は公開してないだろうけど、存在や構想の情報はその辺の本屋でも普通に売ってるからそのあたりが知られるのは時間の問題かな? - 名無しさん (2021-02-12 07:09:34)
  • 気象衛星打ち上げまで天気予報どうしてたんだろうな - 名無しさん (2021-05-27 12:23:49)
    • 靴を放り投げて予測 - 名無しさん (2021-11-09 19:17:38)

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最終更新:2020年04月13日 16:33

*1 外伝Ⅱによると、中央歴1640年2月にエスペラント王国を発見する事になるJAXA運用の観測衛星が打ち上げられた、とある。しかし、情報収集衛星打ち上げからあまりにも間がない事から、JAXAが地表観測のために光学衛星の運用に協力していたのでなければ、種子島のH-2系ではなく内之浦のイプシロン系で別の観測衛星を打ち上げたと推測される。実際には2016年12月20日に打ち上げられたイプシロン2号機の組立を1年近く繰上げられれば、ではあるが

*2 エスペラント王国事変の原因になった太陽風対策用の太陽観測衛星を含む

*3 出典:第四巻P138~140

*4 出典:外伝ⅡP13~14

*5 曰く常時監視には30基は最低必要