初心者向け軍事Q&A 海上兵器



用語


面舵とか取舵とか何?

面舵は右、取り舵が左へ舵……船版ハンドルを曲げる事を言います。
何でこういう言い方するかと言うと、中国が昔干支である十二支を用いて方角を表ていたから。あそこは羅針盤発祥の地なのでその名残です。
北を子、東を卯、南を午、西を酉って感じで、アナログ時計で言う1~12時の方向を子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の順番で表現している感じ。

今でも何時の方向に~っていう表現あるじゃない。それが近い。

面も取も十二支関係ないじゃないと思うだろうが、それは訛った結果である。
卯面舵(ウメン舵→ウム舵→オモ舵)から訛った結果が面舵。
同じように酉舵→トリ舵→取り舵である。

「それじゃあ左右逆じゃないか」と思ったそこのあなた、車の回転式ハンドルみたいなやつを想像してはいけない。
昔々の船の後ろについてるギコギコ漕ぐやつあるじゃない。あれの帆船版の舵が前提なのである。
あれ、右に曲げると左に船が曲がるのよ。 左は逆に。
そういった理由。

ちなみに英語だとそれぞれ
面舵=Starboard(side)
取舵=Port(side)

舵板を意味するSteer Board(ステアボード)が右舷にあって、これが訛って右舷側に舵を取ることをStarboard(スターボード)と呼ぶようになったんだとか。
Portは左舷を港側にして接岸することが多かったことに由来する。右舷側にある舵が障害になるから。

訛りのせいで元が良くわからなくなるのはよくあること。

ヨーソローって何?

宜候の略。「よう-そうろう」って読む。

戦場での号令。曲がりたいときに艦長とか航海長とか当直士官とかが操舵員に対して「何度ヨーソロー」って言うんです。
操舵員が指定された角度に曲げてそこに向かってまっすぐになったところで「ヨーソロー何度」と答る。

艦橋って何?

乗組員に指示を出すための指令所。英語だとBrridge(ブリッジ)と呼ぶ。
艦の中央付近にあるでっかい構造物(檣楼とか艦橋構造物とか言われる)の中にある。操舵装置や羅針盤なんかが置いてあって、艦の重要区画の一つです。
が、最近の艦は戦闘指揮機能がCICに移っているため、艦橋は専ら航海のための区画になっています。

CICって何?どうなってるの?

戦闘指揮所(Combat Information Center)のこと。

ここには電子機器の塊である艦の、すべての情報が集ってきます。現代の艦で最も重要な区画で、戦闘中は艦長とかはここにいる。
もちろん内部は完全非公開。日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法施行令第5条の規定で『入るな』とでっかく掲示されてます。

というわけで当然、新世界技術流出防止法を考慮しなくても異世界の観戦武官たちがここに入っているわけがない。
かといって艦外に居たってこともないと思うので、おそらく艦橋にいたと考えられる。
そっちには指示してる人がいないからブルーアイが何が何やらになってるのも当然といえば当然である。

艦種について


軍艦ってみんな戦艦なんでしょ?

合ってるけど違います。

確かに戦闘艦全般を「戦艦」と呼ぶ場合もありますが、基本的にこの呼び方は軍艦の分類の一つとして使われます。
大雑把に説明すると、「最強の大砲を載せてガッチガチに装甲を施した艦」と言えます。滅茶苦茶強そうに聞こえますが、残念ながらこいつらはすでに過去の遺物と化しています。

昔は艦とまともに戦えるのは艦だけでしたが、時代と技術が進むにつれ航空機がどんどん力をつけ、気づけば艦船の宿敵と化していました。
当時の大砲はどう頑張っても射程40kmあたりで限界が来ます。水平線の距離を考えると命中が期待できるのは20kmちょい程度です。対して航空機は100km以上先の空母からどんどん飛んできます。完全にアウトレンジで攻撃を受けるわけです。
「じゃあ撃ち落とせばいいじゃん」と思われるかもしれませんが、当時の対空砲火は千発撃っても命中が出るか出ないかといった代物です。今はFCSがあるのでちゃんと当たりますが、人力照準だとびっくりするほど当たらんのです。

さらに追い討ちをかけるようにミサイルが登場し、艦砲はサブウェポンへと変化。駆逐艦やもっと小さい艦艇が長射程と高火力を兼ね備えるようになり、それに伴い戦艦の時代は幕を閉じました。

が、それでも90年代まで生き延びた戦艦も存在します。これにはいろいろと細かい事情が絡んできますが、あくまで「対地攻撃用」として使ったためらしいです。この用途に限って言えば戦艦は非常に高いコストパフォーマンスを誇るとか。
逆に言えばもうそれしか用途ないけど。
従来通りに対艦兵器として使えば、燃料代は高いし攻撃は届かないしで論外です。
対地用に使おうにもそれだけに作るにはコスパが悪すぎ、そもそもそのは場合巨大な大砲はともかく重装甲は不必要なので論外です。

…でも、それでも他の艦にはないロマンを秘めているのもまた事実なのです。

それはそれとして、本作では日本が『戦艦』を新たに配備する予定があるそうです。今のところ詳細はみのろう先生のみぞ知る状態ですが、なんでも特殊な方法での登場だそうです。
上記のとおり普通の戦艦を作ったところで意味がないので、物語の流れがどう転じるか今後の展開に注目が集まっています。

軍艦の分類はどうなってるの?

ものすごい大雑把に分類すると

  • コルベット(PG)-とても小さめのやつ
  • フリゲート(FF)-コルベットと駆逐艦の中間くらいのやつ
  • 駆逐艦(DD)-小さめのやつ
  • 巡洋艦(C)-軽装備だけど遠くに行けるやつ
  • 戦艦(BB)-大口径砲と分厚い装甲を持ったやつ
  • 航空母艦(CV)-戦闘機とか載ってるやつ
  • 潜水艦(SS)-潜るやつ
  • 他各種補助艦艇(新人の訓練用とか兵器の試験用とか武器や燃料の補給担当とか色々ある)

  • 巡視船(P)-沿岸警備用のやつ。軍艦じゃないけど一応

となる。もちろんもっと細かい分類はあるし、他にも種類は有る。
(そのまま他所で言うと訂正される可能性があります。だいたいこういうもんなんだという認識程度に)
昔は大砲の大きさとか排水量なんかで分けてたけど、現代は艦種はその保有国の主張次第になってる。
本編で「巡視船」である「しきしま」を、ムーが「戦艦」、ミリシアル帝国が「重巡洋艦」と思い込んだ描写は多分この辺が原因。

で、これらの記号の後にGとかHとかNとかがついて、その艦の運用目的の方向性がより具体化されたりする。

G→ミサイルを主たる兵装とする(≒イージス艦、は日本ローカル)
H→ヘリコプターの高い運用能力
N→原子力艦

他多数。AとかKとか。
Mとか国によって違う意味を指すのがついてくることも有る。

ちなみに日本の海上自衛隊の保有している艦は全部駆逐艦に分類されます。「護衛艦」と呼ばれているのは自衛隊特有の事情があってのことです。
全長250メートルもあって空母っぽく見えるのもあるけど空母じゃないのよ? 駆逐艦なんです。いいね?

なぜ空母は「CV」なの?

まず、先に書いた英字2~3字の分類法は当然、アメリカのものになります。
(イギリスのものではないことに注意が必要です)

航空母艦を英語にすると「Aircraft Carrier」となります。
じゃあなんでだってなるわけだが、
アメリカは艦種号「AC」を既に使っていました。「A」はアメリカ海軍ではAssistant、つまり補助艦全般を示します。そして「C」はCollier、石炭運搬船を示します。

そして、アメリカ海軍初の空母は、よりによってこの給炭艦である『AC-3 ジュピター』から改装されることになります。
なので色んな意味で「AC」は使えなかったわけです。

なので、「Assistant」としないように先頭に「C」、2字目は“aViation”(航空)の2文字目のV。
米海軍は戦闘機部隊をVF、哨戒機部隊をVPと、固定翼機をVで示す習慣があり、その語源はAviation。
で、用例の多いAを飛ばして被りにくい2文字目のVを採ったようです。

そして、1922年にジュピターはアメリカ初の空母『CV-1 ラングレイ』となります。

+ 以下冗長につき折りたたみ。
「CA」は装甲巡洋艦の意味があるから……と言うのは少し矛盾があります。
というのも、アメリカの装甲巡洋艦は当初、「Armourd CRuiser」で「ACR」と名乗っていたからです。
装甲巡洋艦が「CA」に変更されたのは1920年6月で、ジュピターの空母改装はこの年の3月に始まっています。
軍隊は官僚組織の最たるものであって、たとえアメリカでも改装後の『ジュピター』に割り当てる記号をまったく決めずに手を付けることはまず考えられません。
なので、「CA」の採用前に空母は「CV」となることが決まっていた、ことになります。

ちなみに「ACR」から「CA」に変更したのは「重巡洋艦」となったから、と、Wikipediaなどには書かれているのですが、これも謎です。
もともと「重巡洋艦 (Heavy Cruiser)」なる艦種が出現したのは1922年のワシントン海軍軍縮条約以降。きっかけはジャパカス日本が『加古型巡洋艦』を建造したことに端を発します。後に1930年のロンドン海軍軍縮会議で条約が更新される際、備砲が6.1インチ(15.5cm)を超える巡洋艦を“Cruiser category A”として保有数を制限しました。これに伴い、『加古型軽巡洋艦』は(建造中に1番艦が事故で遅れ、2番艦が先に竣工したこともあって)『古鷹型重巡洋艦』となります。
ロンドン会議に参加していないイタリアは、この時点では「重巡洋艦」という艦種名を採用しておらず、従来の「装甲巡洋艦」としていました。後に、日独伊三国軍事同盟締結の際に日本に合わせて「重巡洋艦」に変更されました。

同じ英語圏でもアメリカとイギリスは同じではありません。
むしろイギリスは、第二次世界大戦まで旧植民地のアメリカを見下すところがあったため、それぞれ別の表記を選ぶことがしばしばありました。
「巡洋戦艦」などは、現在は「Battle」と「Cruiser」から「BC」もしくは「CB」とされていますが、これは実はイギリス式。
アメリカは「Combat Cruiser」の略で「CC」としていました。
ただし、アメリカは第一次世界大戦まで巡洋戦艦を保有しておらず、1916年に初めて計画されましたが、ワシントン条約で全てキャンセルされたため、「CC」として完成した艦はありません。
本来「CC-1」となるはずだった艦は、艦体のみ流用して『CV-2 レキシントン』として完成します。

「V」について、“to fly”(飛ぶための)を意味するフランス語の“Voler”に由来する説があったりする。
+ なぜにフランス語? ってなるけど……
そもそもアメリカは移民で成立した国で、この当時もうユーロ・ラテン、ゲルマン、アングロ・サクソン、コーカソイド、果てはモンゴロイドと多種多様な文化が入り乱れていたので、それ自体はそう不思議ではないです。日本の戦闘機の連合軍コードネームはアメリカが命名することが多かったのですが、日本名やイタリア名をつけたこともあります。
    • 二式単座戦闘機→Tojo(東條)
    • 三式戦闘機→Tony
また、航空機の翼のイメージがV、という説もあるようです。
ただ、これらは俗説止まりで、あまり有力ではありません。

HMSとかUSSとかって何?

これは艦船接頭辞というもので、一部は艦種を表しているが、基本的にそうではない。

HMSというのは「His Majesty's Ship」で、「国王陛下の船」という意味になってる。*1
つまりイギリス籍。仮にインヴィジブルだったら「HMS Invincible」となる。
USSは「United States Ship」。合衆国籍だね。
タイコンデロガだったら「USS Ticonderoga」。

こんな感じのを各国が使っており、海上自衛隊も「JDS」もしくは「JS」を使っている。
「Japanese Defense Ship」の略。
護衛艦「ひゅうが」の場合は「JS Hyūga」となる。
ただ、海上自衛隊としては「DDH "HYUGA"」という表記を使うことのほうが多い。

大日本帝国海軍は使ってなかったが、英語圏の本で一貫性を持たせるために
「Japanese Majesty's Ship」の「HIJMS」
「Imperial Japanese Navy」の「IJN」
というような感じで、あちらが勝手につけてたりはした。

このようにすべての国が使っているわけではなく、現在でも中国の人民解放軍なんかは使ってない。

ウクライナに至っちゃ「U」一文字。表記時にはナンバーを入れて「U153 Prylouky」(ミサイル艇『プルィルークィ』)という感じで書く。

ちなみにペイントナンバーというのもあるが、あれはイギリスやその連邦とかが主に使ってる。


その他


撃ちぃ方はじめ! の、ぃはなんで?

聞き間違い防止の為にわざとこのような言い方にしている。
潮風や波音、発砲音等がうるさい中でも正確に聞き取れるようにこうなった。
あと電話も今ほど綺麗に聞こえませんでしたので。

つまり誤解を防ぐための名残。
これは旧軍で海に限らず陸でもやってた。

あと正しくは「打ち方」だったりする。

戦艦を沈めるのにどれくらいの攻撃が必要なの?

超弩級戦艦であれば……日本の扶桑型とか伊勢型とかこの辺にあたります。
大和型の45口径46センチ砲であれば9発。
金剛型の45口径36センチ砲であれば16発。
重巡用の50口径20センチ砲であれば50発。
軽巡用の50口径14センチ砲であれば116発。

このくらい耐えるらしいです。図解・連合艦隊にはそうある。ちなみに徹甲弾です。
戦艦がどれだけ沈みづらいのかがわかると同時に、魚雷がどれだけ怖いのかもわかるかと。
巡洋戦艦はこの面では戦艦とは似て非なるものです。
イギリスで生まれたこの艦種は、一部を除いて巡洋艦並みの装甲しかないからです。
+ でもイギリス以外の国の事情はちと違う。
ドイツ型は異なり、装甲は一定のものを維持しながら火砲の方を制限的にして高速を稼いでた。
なんで、ユトランド沖海戦は勝敗じゃイギリスの勝ちなんだけど、お互い戦艦の補完役として運用してしまった巡洋戦艦は、数はイギリスが優位だったのにイギリスが3隻被撃沈、ドイツは1隻被撃沈。
しかもイギリス艦は数発で原型も留めなかったり大爆発したりと悲惨な状況なのに対し、ドイツ艦は粘り強く浮いていた、という結果に終わった。

じゃあ日本はどうなのかというところなんだけど、実を言うと日本の超弩級戦艦は、第一次世界大戦の基準で見ると全部巡洋戦艦
だって扶桑型から八八艦隊計画までずっと金剛の設計がベースなんだもの
まずそもそもからして、金剛型の設計はオスマン帝国向けの戦艦を手直ししたもの。
そして第一次世界大戦の後、ユトランド沖海戦を調べ尽くした日本海軍は「低速戦艦と紙装甲の巡洋戦艦には存在価値が無ぇ」って結論づけて、軍縮条約を契機として保有していた巡洋戦艦のうち、金剛型は装甲増して戦艦に(この時期の金剛型は26ノット程度)、それ以前の型は廃艦にして、巡洋戦艦という種別を廃止してしまった*2
その後、金剛型4隻は装甲更に追加してクソ重くなった艦体を新造時の2倍の出力の機関で強引に30ノットに引っ張るように改装された。そうでもなけりゃ『霧島』が『サウスダコタ』・『ワシントン』に大立ち回りなんてできるわけがない。
そして大和型は金剛型以来の設計様式から脱却したんだけど……ぶっちゃけてこれ以上なくでかい重巡洋艦

アメリカについては、第一次世界大戦勃発の時点では米海軍は巡洋戦艦を持っておらず、1916年になって初めて構想が持ち上がった。
でも、この計画は1922年のワシントン海軍軍縮条約で全部キャンセル。工事が進んでいた2隻*3のみ、航空母艦の艦体に流用した。
なのでアメリカの巡洋戦艦はどれほどのものかは未知数だったんだけど、条約明けに最初にイチから設計された新型戦艦*4がアイオワ級であることを考えると、行き着いたところは日本と大差なかったのかもしれない。

なので、グラ・バルカス帝国の戦艦は、そのコンポーネントだけ見て地球基準の巡洋艦扱いにしてしまうと大和も巡洋戦艦になってしまうんだよ! 思い切りそういう設計だもん! やったね!!。

ちなみに海上自衛隊の護衛艦の最大口径は12.7センチで、徹甲弾は艦砲に使っておりません。
海上保安庁だと最大4センチですね。現在はどっちもミリメートル表記なんですが今回は統一ということで一つ。


対艦ミサイルは戦艦には通用しないって本当?

ある意味では本当。でもある意味では嘘。
現代の対艦ミサイルの弾頭は、よく勘違いされるけど榴弾ではなく徹甲榴弾(小型挺用はHEAT)。だからある程度の装甲貫徹力はある。(ハープーンで大体最大100mm前後とかなりあったりする)
それに弾頭重量は日米は28cm~30cm砲弾クラスと、かなり重い。駆逐艦や巡洋艦ならほぼ確実に一撃で大破or轟沈させ、正規空母も基本は貫通するので数発で撃沈可能です。
よく「現代の軍艦も対艦ミサイルの一発ぐらい耐えれるようにすべき!」と簡単に言う人が居ますが、巡洋艦並みの装甲にしても効果がほとんど無く、それ以上の装甲にしたら速度も落ち、コスパが非常に悪くなります。
しかし対戦艦は想定してないので、ガチガチに固めた戦艦の装甲は破れません。命中しても弾頭そのものが砕けるか、跳ね返されるか、表面で爆発してしまう。

だから、装甲の内側にある機関部とか弾薬庫とか、艦の心臓部を破壊することはできず、致命傷を与えられないわけです。それこそ、核弾頭か中露の大型誘導弾か46cm砲弾並と噂のASM3か現在開発中のシーバスター弾頭でも使わない限り。
戦艦を撃沈しようと思ったら、魚雷を複数命中させるか、装甲貫徹力の大きい大型徹甲爆弾を命中させるしか無い。

ただし金剛型のような巡洋戦艦は一部が戦艦並みの装甲なだけで基本は大戦時の巡洋艦に毛が生えた程度か場所によってはそれ以下なので既存の自衛隊の対艦ミサイルでも沈没する可能性はある、ちなみにグラ・バルカス帝国は大量の戦艦を保有しているが、充分戦艦だよ
これ以上固くしたら装甲材の重さで浮いてられんわ!!

とはいえ戦艦といえども、艦全体を装甲化することはできません。そんなことをすれば重量過多でまともに動けなくなります。
特に艦橋などの上部構造物には、装甲らしい装甲を設けることはできません。艦の重心が上がりすぎて、転覆や激しい揺れの原因になるからです。

だから上部構造物は、対艦ミサイルで簡単に壊れる。
そして、上部構造物を壊されるということは、対空砲やそこに取り付けられたレーダーや照準器や通信アンテナを壊されるということ。
戦艦といえど、レーダーや主砲の照準器を失ったら、もうまともには戦えません。いや、照準器は砲塔にも付いているけれど、そちらが健在だったとしても位置が低いため、射程が大幅に短くなってしまう。
ていうかその場合艦長などの要職が死亡する可能性が非常に高いので戦闘能力はほとんど無くなります。

加えて、艦上で対艦ミサイルが爆発したら、火災が発生する確率が大。対艦ミサイルの燃料が残っていたらなおさら。
そして、火災もまた戦闘力を大きく削ぐ要因になる。例として4000トン級の駆逐艦が対艦ミサイルを食らい、弾頭は不発だったけど残燃料が起こした火災で沈んだ、なんてこともあるからバカにできない。

さらにさらに特に装甲が分厚い重要区間以外の装甲は対艦ミサイルでも貫通可能で、その場合戦闘能力が下がるだけでなく、そうとう当たりどころが良かったり火災による弾薬庫引火などで大破などにつながる可能性もある。

つまり、対艦ミサイルだけで戦艦を沈めるのは非常に困難だけど、戦闘力を奪って撤退や降伏に追い込むのは難しくない。仮に生きて帰れたとしても、当分はドックから出られません。


魚雷ってそんなに怖いものなの?

現代の潜水艦用魚雷の射程距離は、少なくとも40kmに達する。加えて誘導魚雷だから、命中率は第二次大戦当時とは比べものにならない。

しかも艦底の下……つまり水の中だね。
こんなところで爆発すると、水が周りにあるじゃない。でも艦はそうでもないと。
爆発は艦のある方に向かって集中するわけ。

更に直接の衝撃波、艦がその集中した爆発で、設計の計算外の負荷がかかる。
こんな感じで、爆発力が無駄なく破壊力になる。

しかも構造的に重要な区画……舵とか機関とか色々なところにダメージです。
そうでなくとも、水に浸かってるところに穴が空くわけだから、そこから水が入ってくるわけで。
とても沈みやすく……そうでなくとも速力落ちるよね。

これが、ミサイルなんかよりも少ない火薬で出来る。だから怖いもんなんです。
魚雷が1発命中すれば、対艦ミサイルが3発命中したくらいの損害が出ると思って良い。
対潜水艦用の小型魚雷ならともかく、潜水艦の撃つ対水上艦用の魚雷なら、駆逐艦ならまず1発で轟沈。戦艦でも5~10発命中すれば確実に沈みます。
しかも水中を進むもんだから、光学式の管制で迎撃は出来ないときた。


魚雷の速度ってどのくらい?

現代のはだいたいのは50ノット前後。ロケット推進で60ノットのがあります。(噂だと89式は70ノットと言われてたりするけどあくまで噂なので注意)
スーパーキャビテーション魚雷なんかは200ノット以上出る。推力はロケットモーター。
戦時中のは40~45。

ちなみに潜水艦は最新鋭の原潜が水中で35ノットぐらいです。引退したロシア艦には45ノットのがあったそうですが。
もっとも、潜水艦の最高速度は機密中の機密。「そうりゅう型潜水艦」は最大速度が20ノットと公表されていますが
……ヘリコプター搭載護衛艦と一緒に作戦出来るようになってるんですよねぇ……ほぼ確実にコレ以上出るかと。


魚雷って迎撃方法無いの?

魚雷防御手段は今のところデコイです。対魚雷魚雷や対魚雷砲はまだ開発中。
誘導系は音紋に引き寄せられるようになってます。それと同じ音を出しながら進む魚雷があって、それがデコイ。
スクリューが回転すると泡が発生。その泡が潰れる音と、機械音などが複合されて、艦種どころか個艦の癖特定出来るんです。同型でも違う音になる。コレを専門的に解析する音響測定艦なんてのが海自にはあります。ひびき型が二隻。

で、囮ではなく迎撃ですが……
魚雷を魚雷で迎撃するのは「沈黙の艦隊」とか、最近だと「空母いぶき」なんかでよくやってるのを見ますが、あれは乗組員の熟練技術であって魚雷の性能ではない……はずです。どっちにしてもかわぐちかいじ氏の作品ですが。
今のところ標準機能としての対魚雷魚雷は無い。現在アメリカなんかが研究中の段階です。日本も重要なのでやってると思うけど実際のところは不明。

既存の魚雷の中にも、対魚雷用として使用できると言ってるのもありますがね。本当なんだかは不明。

大戦時のは無誘導ばかりで誘導を実用化してたのはドイツぐらいなものなので、基本は避けるです。
で、上記の通りの破壊力なので大体が怖いと……

大和なんかは魚雷が命中してもほとんどの乗組員が気づかなかったなんていうおかしい防御伝説がありますがね……浸水はしてたとは言え……
一方で、大和の最終決戦たる坊ノ岬沖海戦では片舷に傾いてるときにもう片方で被弾してバランス取ろうとして、穴すら空かず傾きを修正できなかったなんてのもあるけど。



海上自衛隊の船って全部イージス艦なんでしょ?

違います。
日本のイージス艦は現状8隻だけ。現在新たに2隻建造予定。

イージス艦というのは、後述するイージスシステムを搭載した軍用艦艇全般を指す。つまり搭載してないのも沢山有る。

ちなみに、日本は世界で二番目に多くイージス艦を保有している国で、アメリカ以外で初めてイージス艦を導入した国。


そもそもイージスシステムって何?

空からの脅威から艦隊や国土を守るためのシステムと思っておけば大体あってる。
そもそもイージスシステムというのは、ミサイルを撃ち落とすために生またもの。
現代の戦闘においてはミサイルの速度と射程、精度が技術の進歩とともにどんどん上昇している。飛行機や潜水艦からも発射出来たりものすごい遠くから水面ギリギリを超音速で飛ぶものなどが出現してきた。
飛行機に搭載できるミサイルも増えて同時に数十のミサイル攻撃をもって艦隊を撃破するようなやり方されると、原子力空母に搭載できる戦闘機でもかなり厳しい。

昔はこれに対処するのに、レーダーの数と同数までしか追尾して対応できなかった。それをレーダーの数以上に対応出来るようにしたのがイージスシステム。

そういったこともあり、次のようなことを可能にした。

  • 沢山の目標を発見追尾、更にその後どう動くのか予測。
  • その目標ごとに脅威度をそれぞれ判断して、優先順位をつける。
  • 高い優先順位をつけた目標に対してどの武器で迎撃するか割り当てる。
  • 撃墜が必要なコースを計算した上で飛翔すべき位置を入力して、ミサイルを発射する。
  • 発射した後に状況が変わるかもしれないので、常に探知・追尾を継続して、必要があれば修正。

流石にコレ全ては一隻では無理。
なのでデータリンク、つまり情報を共有して複数の艦艇でコレをやろうという話になった。これはイージスシステムを搭載していない補助艦艇であっても共有出来る。(数が多くなるとその分イージスシステムを搭載した艦は処理が大変なことになるが)

おそらくマイラスが「みょうこう」の写真を見て「よくわからないものが沢山ついてる」とか言ってたのはレーダー類を指している。


ただし、イージスシステムは1970年代開発のため最新のシステムに比べ同時迎撃能力など劣ってきている部分もある。
それでも全自動迎撃など他のシステムでは到底真似できない能力を多々持っており、全体的な能力ではまだまだイージスが他のシステムを圧倒していると言って良い。


イージス艦以外って必要なの?

必要なんです。
ルディアスも言ってたけど防衛予算少なめなんです。 召喚世界だとだいぶ増えてるみたいだけど。

ぶっちゃけイージスシステムは防空こそ凄まじいが、対潜は他とあまり変わらない。
さらにものすごい高い。
最新のイージスでない護衛艦あさひ型が建造費約700億円に対して、あたご型は約1500億円ぐらい。
この値段はイージスシステムはアメリカの世界規模の偵察衛星やレーダーサイト、基地、航空機や陸海上戦力からの情報も集積して個艦の探知エリア外の脅威にも対応できる点で他のシステムと一線を画しています。

つまり大量の衛星など軍事ネットワークを構築維持し利用する費用もシステム価格に含まれている。
例えば日本が独自に同じことをやろうとしたら年間数十の偵察衛星を打ち上げ維持しなければならずシステム価格は本体価格よりはるかに高く維持費も莫大なものになります。

さらに運用実績が違う。
一応和製イージスと呼ばれてるのもあるにはあるし、国産レーダーの方がすでに性能が上。同時迎撃も国産のが上回ってます。でも多くのシステムを統合してるのがイージスシステムで、構築の修正って簡単ではないわけで。
いつか上回る日は来るでしょうけど、少なくとも今ではない。

召喚世界ではアメリカが存在しない状態なので、この辺急務になってる。


アメリカのイージス艦が衝突してなんか当たり負けてるように見えるんだけど柔いの?

現在の軍艦はだいたいが避けるとか迎撃するとかそういう方針になってます。よって柔い。というか装甲化してない。
レーダーの塊みたいな状態ですからね……逆に戦車は固くなっておりますが。
だから機銃掃射でも受けるとレーダー類が結構な被害になる。もちろん機銃掃射で大ダメージと呼べる量を打ち込めるとは思えませんが。

ちなみに大戦時の艦艇よりスピードが落ちてたりする。燃費は今のほうが全然良いわけだけど。
理由は主たる攻撃手段がミサイルになって、それほど機動力を必要としなくなったから。

逆に巡視船はそれなりに装甲化してたりします。護衛艦より硬いのがちょくちょく出てきてます。
これは不審船に近づく工程が発生する上に、その不審船が機銃掃射とかしてくるから。ロケットランチャーとかまで出てくる事があるから。
だから巡視船は護衛艦よりも硬い。

もちろん迎撃能力はぜんぜん違うんだけど。

でもぶつかった船がタンカーだと戦艦以上の重量だから戦艦でもぶつかればただじゃすまないないんだけどね


護衛艦が全部駆逐艦って……なんか物騒な艦なのね

名前だけです。言いたいことはわかるけど。

昔、水雷艇っていう魚雷を主戦力とする艦があったんです。この艦種を駆逐していったからこの名前になりました。
水雷艇よりは大きいけど巡洋艦よりは小さい中間型という感じ。
魚雷というのは小型艦でも大型艦を沈めうるので怖がられていたんで、こういった艦種は大型艦には脅威でした。

ただ、大きさ的に(基準排水量1,000トン未満)航続距離問題があって最初のうちは遠くに行けなかったんですがね。

初期の駆逐艦にはもうひとつ問題があって、あまりに小さすぎて指揮に必要な設備が載せられない。
そこで、駆逐艦部隊を指揮する大型の駆逐艦、“嚮導駆逐艦”が建造されることになりました。
これは基準排水量1,000トンを超えています。
日本ではこれを“1等駆逐艦”と類別し、それまでの駆逐艦を“2等駆逐艦”、またあまりに旧式化したものは“3等駆逐艦”として区分しました。

で、我らがジャパカス大日本帝国海軍、あることに気が付きます。
「…………遠洋に出れる1等駆逐艦を、軽巡洋艦で指揮したら良くね?」
それというのも、日本は日本海とそこに接続する水域が時化やすいという事情があって、1,000トン未満の小型艦はあまり使い勝手が良くなかったのです。
それを決定づけたのは峯風型駆逐艦で、航続距離は3,600海里と、筑摩型防護巡洋艦を上回るものになりました。

この峯風型の改良型を第一号型駆逐艦*5大量建造する計画を立てるのですが、ワシントン海軍軍縮条約により計画は縮小。
この時、2等駆逐艦は新規に建造しないことが決まります*6
第一号型の小改良型で魚雷を53cmから61cmに拡大した第十九号型駆逐艦*7が建造された後、さらに個艦優勢主義を突き詰めた結果、「小型巡洋艦」と化した吹雪型駆逐艦が登場します。
この吹雪型が、現在の駆逐艦の原型になったと言われています。

ちなみに水雷艇的なものとしては、現在は一般的に少数の砲熕兵器と対艦ミサイルを搭載した“コルベット”の一種、とされるのが世界的な尺度です。
ただ、アメリカが戦後、コルベットにあたる艦を合衆国海軍が保有していないため、アメリカの艦種の定義を引用している海上自衛隊はミサイル艇(PG)と呼んでいます。本作でもはやぶさ型ミサイル艇が活躍。
コルベットは戦後は主にソ連が自国及び同盟国向けに建造していましたが、東側だけの存在ではなく、アメリカほど国力がないヨーロッパの西側諸国でも導入しています。

ミサイルの登場で駆逐艦は現在各国海軍の主力艦となっております。


原子力で動く艦ってどんな利点があるの?

ものすごく長い時間、燃料とか補給しないで動けるんです。有り余る電気があれば真水も作り放題だし。
米空母なんか15年も燃料棒そのまま使ってたり。

潜水艦これ大事。水も空気も作り放題。食料が続く限り潜りっぱなしになれる。
日本の通常動力の潜水艦は水とか節約節約また節約だけど、アメリカの原子力潜水艦はサウナまであったりする。

ただし、そのたまにの補給の時は艦を半分ぐらい分解する必要があったりするけど……10年以上長持ちするなら問題ないね。
ただ静音性は通常動力の方が上。


原子力って……そんな艦が沈んだらヤバイんじゃ……

もちろんヤバイことになります。

だから緊急停止する。これは地上の原発と同じ。
ちなみに緊急停止が失敗した事例は存在しない。
沈むまでにこの緊急停止をすることになってます。

まぁ沈没した潜水艦の核燃料は当然海の底で放射線をばら撒きつづけているんですがね?
でももともとは地底にあったものですし……何万年も経てば資源に戻るのではないかなーと。

万が一緊急停止に失敗して海中で原子炉が暴走したとしても、海ですからね……
海水にエネルギーを吸収されるので原発事故みたいな危険なことにはならないかと。危険は危険なんだけど。

リスクよりもほぼ無限の燃料が優先されてたりするわけで。


なんで潜水艦出てこないの?

しばらくしたら出てくるのでこれから読まれる方は読み進めてください。

まぁ一番の理由は「リスクとコストに見合う効果が期待できるのが今のところグ帝ぐらい」って事になります。
基本的に潜水艦の攻撃手段はどれも高コストなもので、パーパルディアあたりにはオーバーキルすぎるし魚雷のコストに見合わない。
また、別の理由もあって手薄な箇所の防衛にあたっていたのと、潜水艦の存在を秘匿したかったということ、あたりが理由になると思われます。

この世界、海中や海底地形の状況についての把握が追いついてないことも理由のひとつと考えられるんだけど……
どうしてそれが上がってくるかって言うと、まず潜水艦は現状日本とグラ・バルカス帝国のみが所有していること。
おかげで海中情報が足りてない。海洋観測艦の調査が必要になりますが、地球以上に広いこの星を海上自衛隊保有の3隻でやりきれというのは無理。
近海であれば活動してるでしょうけど。

ただ、まるっきりデータがないのは、多分日本が出現した大東洋文明圏外(フィルアデス大陸極東地域とロデニウス大陸)だけだと思われます。
なんでかって言うと、海底地形の把握が必要なのは別に水上の船舶も同じだから。
パーパルディアですら推定で5,000トンを超えそうなヴェロニアを建造しているし、ムーは日本の大型船舶が辿り着くことができ、ミリシアルに至ってはグレートアトラスターが入港できるくらい周辺海域を調査してる。
なので、少なくとも第二文明圏第一文明圏には、それなりの海図情報があると思われます。

確かに21世紀レベルの詳細な海中地形図があればそれに越したことはないけど、日本の潜水艦の高性能さをフルに活かせないってだけで、基本の戦術はグ帝と同じで日本の潜水艦も必要なときに潜るってスタイルだから、入手できる海図情報だけでも充分戦力として機能できると思われます。
っていうかしてるしね。実際に。

+ ん? グ帝と日本の潜水艦の性能は違う?
いやいや、常に潜りっぱなしができるのは原子力潜水艦だけだから!!
通常動力潜水艦は、基本戦術は第二次世界大戦の延長線上から変わっていません。
その中では最高峰と言われる日本の潜水艦ですら48時間持たないんです。

いちおう、シュノーケルという換気装置があります。
言葉のとおりで、給排気管の付いたマストだけ水上に出す方式。
ただ、換気量は限られるし、水中行動用のバッテリーを短時間でフル充電しようと思ったらやっぱり浮上するしかない。
それに行動が制限される。
間違って水吸い込んじゃうとサイホン管効果でとても残念なことになります。
それにこれ、第二次世界大戦前に考案されていたもので、ドイツのUボートは第二次世界大戦時にはもう装備していました。
日本も終戦直前だけど一部の艦に装備。
なので下手したら情報を与えるまでもなくグ帝が持っていてもおかしくないです。

ちなみに原潜の真水発生装置・酸素発生装置は単に熱による蒸留と電気分解なので、原子炉さえあればグ帝どころか、装置単品であればムーですら作れると思われます。


じゃあDEの護衛艦はなんで出てこない?

今の所本編には出てこず、特に質問も行ってないので作者以外にはわからない。
沿岸用護衛艦という名前でもあるので、遠くに行けないから使い勝手がーという問題も有る。

あれは基本対潜艦という側面が強いので、そもそも潜水艦が出てこなかった都合これからも余り出てこないんじゃないかな。予想だけど。
ハープーン積んでるから対艦攻撃できないことはないぞ。
でも3900t型のFFMのほうが先に出てきそうな気はする。


船底が赤く塗ってあるの何で?

錆止めと、フジツボとかカキ殻とかがつかないように。
滑らかな鉄板と余計な突起ザラザラがあるのとでは船速が違う。他にも色々あるけど主にコレ。
海水に鉄板とか数日で錆びるし、牡蠣落としする前と後では2~5ノットぐらい変わる。

ちなみにあの赤はAF塗料っていう有機化合物。むかしはスズの使ってたんだけど毒で問題になって禁止された。

軍用に限らずほとんどの船が使ってる。
例外は潜水艦ぐらい。それでも戦時中のは使ってたんだけど。
現代のは使用してる金属が違う。


海に長いこといると思うけど家にいる時間短くて住所とかどうなってるの?

独身の隊員は住所が護衛艦になってます。だから免許証を見るとすぐわかる。
日本全国どこに行こうが海外に派遣されようが、常に住所の場所に居ることになる。

例えば護衛艦「たかなみ」の場合は
「神奈川県横須賀市西逸見町1-無 海上自たかなみ」
となってる。


艦隊これくしょんとかアズールレーンとかあるけど、女である意味ってあるの?

船は女性の形容詞を使います。sheです。

これは大航海時代からの慣習で、海の神様であるポセイドンが男性神だったから。
海難に遭い難いように、神様に気に入られようと、艦船を女性として扱ったことの名残。

処女航海って言うじゃないですか。神様への紹介の儀式だね。

他にも色々あるが、だいたいセクハラとか言われそうなのばかりなので割愛します。
そんなわけで、女性の擬人化はおかしくはない。

まぁ……ビスマルクとかルーズベルトとか実在男性の名前がついてるのもあってなんとも言い難い感想を持つとは思いますがね……


日本の船の名前はなんでひらがなで、海外みたいに人名使ったりしないの?

まず中国艦ではないとわかりやすくするため。漢字を使わない言語圏だと日本漢字と中国漢字はほとんど同じに見える。

それに仮想敵国の中国が日本の護衛艦を特定するのを、日本側が無線傍受のときに取らえやすくするためというのもある。
漢字だと中国語読みで、日本語とは全く異なる発音を使って護衛艦を特定出来るわけですね。
でもひらがなだと日本語の発音どおりに特定するしかないからです。

あと旧海軍のイメージ周りが理由。自衛隊は軍隊じゃないんだよ―っていう。
他にもGHQがね……アメリカ人に漢字読めろというのも難しい話で……
今も同盟国でとても大事な関係ですし。

人名を使わないのは明治天皇のお言葉。
沈んでしまったら、その人に失礼であるという理由から絶対に承認されなかったそうです。
明治天皇は非常に軍艦が好きだったそうで、軍艦の命名に常ならぬ関心があったようです。
そういったこともありまして、日本に人名を関した軍艦は存在しません。

これは世界的に珍しい方で、海外はクイーンエリザベスとか人名の艦がたくさんあります。

ちなみに南極観測船のしらせ(自衛隊所属)は白瀬氷河で名所旧跡の名であり人名由来ではない。

日本ではなくアメリカであれば「DDG-118 Daniel Inouye(ダニエル・イノウエ)」という日系人の名前を冠したのがあります。
アーレイ・バーク級の68番艦です。現状唯一の軍艦名で使われた日系人となる。


艦砲ってやがては完全に消える兵器なの?

そんなことはない。過去に英国で砲の無い軍艦が作られたことはあったけど、結局一時的なブームで終わっている。
理由はもちろん有って、まず第一に、砲弾はミサイルより圧倒的に安いこと。対艦ミサイル一発分の値段で、127mm砲弾なら数十発から百数十発作れる。
また、艦砲は今でも充分役に立つこと。対空戦はもちろん、陸上の目標を攻撃するのにも有効。上陸作戦などでは、今でも艦砲射撃が行われることがある。
第三に、砲弾はミサイルよりずっと大量に搭載できること。コストはもちろんスペースも食わないためである。
それらの理由で、戦闘ではミサイルより使い勝手が良いことも多く、従って今後も艦砲がすたれることは無いと思われる。


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過去のコメント
  • 魚雷はホントに強い。日本国召喚ではグ帝海軍航空隊と潜水艦隊の皆さんが実証済み - ドリフ提督 (2018-05-23 20:23:38)
  • 潜水艦のところ保有数おかしくない?(現在18隻[おやしお型とそうりゅう型]更に2隻艤装中)じゃない - 名無しさん 2018-02-07 19:11:40
    • 海洋観測艦の数は書いてあるけど潜水艦の保有数は触れてないよ。しょうなん型ら三隻で間違いないよ。 - 名無しさん 2018-02-07 19:53:30
      • あ、そうだった、ごめん。観測艦以外にも海保の測量船とかで海図作ってるなら周辺(第3文明圏とか)までは展開できるんじゃね。 - 名無しさん 2018-02-08 01:31:19
        • この分野の主力は海保、なので近海の調査が終われば海自の護衛なしで出ていくのでは。増勢できれば。それ以前に世界会議によくたどり着いたね。この辺がファンタジー。 - う~ん、これは (2018-06-03 14:49:20)
  • 大型艦や潜水艦は機関を動かせるなら海水の淡水化にひつようなエネルギーには困らないと思う。第二次大戦ぐらいの技術レベルでも水上で機関を動かせるなら潜水艦も真水には困りにくい。水中だとひたすら節約だけど -名無しさん (2017-12-31 22:26:11)
    • 水上艦で言えば真水は水蒸気から作る、減圧して沸騰しやすくして海水を温めるわけだね。ガスタービンの排熱を利用して水を作ったり、洗濯したり、風呂を沸かせたりする。大戦中だと水が足りない(十分作れない)ので海水風呂。海自は十分作れるけど、海水風呂の癖をつけるようにしていると読んだ記憶はある。(「きり」はまだ造水能力が足りなかったそうな)潜水艦は更に条件が悪いので大戦中の潜水艦なんてお察しのレベル。 - う~ん、これは (2018-06-03 15:07:30)
  • 初心者向けか自信ないが船の真水について。第二次大戦の潜水艦はバッテリーに必要な水を作る必要があるので浄水能力は高かったが機関を動かす必要があるので空気を沢山使える時のみ。当時の水上艦の浄水装置は燃費が悪るかったので真水の節約が必要だったようだ、これは民間船も同じで1970年代ぐらいまでつづいたらしい。現代だと蒸気タービン船は廃熱を浄水装置に送って真水を沢山つくれる。ディーゼルも排気を動力に真水を作れる。民間船は海水風呂が懐かしいレベルなんだとか。ただガスタービンの護衛艦は真水が貴重らしい -名無しさん (2018-01-01 00:15:54)
  • 訂正 ディーゼル機関はジャケット冷却水を熱源として浄水器を動かすらしい -名無しさん (2018-01-01 00:37:53)
  • 円の面積から砲弾の威力を予想すると、半径^2/半径^2、46cm砲は36cm砲の約1.6倍、36cm砲は20cm砲の3.24倍、20cm砲は14cm砲の約2倍、面積の比率と大体近い必要砲弾数になるんだな。なら同じ技術で12.7cm徹甲弾作ったらたぶん140発より多くなるぐらいと予想する -名無しさん (2018-01-14 21:59:49)
  • イージスシステムの解説にアップデートの時期書いた方が良いと思う。1970年のシステムは退役かバージョンアップが終わってる -名無しさん (2018-01-15 15:10:32)
  • 最新
  • >日本の船の名前はなんでひらがなで、海外みたいに人名使ったりしないの?     内容的にはほとんど都市伝説の類かな。陛下のお言葉とかしらせなんかはその通り。 元になる訓令が1960年の話だし、戦前でも艦体に書くのは「カタカナ」だったわけで「ひらがな」でも変わらん。そもそも艦名は旧海軍のものを踏襲しているのでイメージも意味がない。交信は暗号化して更にコードを使用するのが普通。まあ、警備隊の最初の艦名が「くす」や「もみ」「なら」と言った戦時急造艦の名前だし当時はGHQに気を使った言うのはありそう。訓令を作るときにお役所的に前例踏襲で「ひらがな」になったというのが実態のような気がする。 - う~ん、これは (2018-06-03 15:48:54)
  • >魚雷ってそんなに怖いものなの?          二次大戦中から変わらぬ魚雷の欠点は足の短さ。敵艦に近づかないと使えない。魚雷を主兵装とする日本駆逐艦は、本来、戦闘力の低下した大型艦を最終的に撃沈する任務を負っていたが、戦前の想定と実際の戦況が大きく変わったためあまり戦果を挙げていない。代わりに足の長い航空魚雷が主力になった。現在でも足が短いため近接戦闘(距離は二次大戦とは大きく違うが)でないとその威力を発揮できないから、二線級の兵装として運用設計されてる(対潜は別ね)。召喚の世界では、日VSグ帝戦ではESSM16セルで64発×6隻で300機程度の航空機であれば魚雷発射位置までに撃墜できるため、潜水艦ふくめ威力を発揮することは無いだろう(何か想定を入れないと)と思われる。日本側にも魚雷の運用能力はほとんどないため、特にその威力を示す機会は無いと思うよ。 - う~ん、これは (2018-06-03 16:55:38)
    • 残念ながら、その認識は大きく間違っていますね。現代の潜水艦用魚雷の射程距離は、少なくとも40kmに達します。加えて誘導魚雷ですから、命中率は第二次大戦当時とは比べものになりません。現代の潜水艦は、30~40km以内に目標を捉えれば、ほぼ確実に撃沈できると思って良い。 - 名無しさん (2018-06-03 18:08:58)
      • >命中率は第二次大戦当時とは比べものになりません。    まあ、それは確かなことです。が、射程40Kmなら発射位置は20Kmほど、ここまで近接するのは大変だと思いますよ。入れれば威力を発揮するでしょう。 また、対潜が魚雷が主兵装なのはコメントしてる通りです。  召喚の世界の話では大戦中の潜水艦は護衛艦の敵ではないことを明示していますし、逆に日本側が数少ない潜水艦をもって未知の海で攻勢に出る状況が出現するのかどうか。ありうるとすると戦艦の装甲を対艦ミサイルでは抜けないからということで使うか。史実としても正しいのでその線かなとは思っています。 - う~ん、これは (2018-06-04 14:39:18)
  • 巡洋戦艦が過大評価されてたので編集しました。 - 名無しさん (2019-05-27 12:54:53)
  • 海自の空母所有といずも空母化関連の全てのQ&Aはすでに全て古い情報&当たらなかった予想になってるので全て//にしました。 - 名無しさん (2019-05-27 17:18:34)
  • 対艦誘導弾の所を一部修正 - 名無しさん (2019-05-31 11:42:01)
  • 原子力のレールガンの所は、重量エネルギー密度で通常動力に劣る事から削除 - 名無しさん (2024-01-12 19:51:23)
    • 訂正。エネルギー密度→出力密度 - 名無しさん (2024-01-12 19:53:21)
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〔最終更新日:2024年01月12日〕

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最終更新:2024年01月12日 19:48

*1 女王が即位している場合はHerになる

*2 その一方で、日本国内だと旧式鈍足扱いされている扶桑型も、いざその時ということで長門型・金剛型と艦隊行動をしたけど、日本艦特有の凌波性の良さでカタログスペックに反して特に遅いということが問題になったことはないらしい。

*3 レキシントン(CC-1→CV-2、サラトガ(CC-2→CV-3)。

*4 ノースカロライナ級、サウスダコタ級は条約が更新されることを前提にした、4万トン級の設計に収めている。

*5 後の神風(II)型

*6 松型は命名基準が2等駆逐艦のものになっているが、これは秋月(I)型・夕雲型とは用途が異なる事と、大量建造のため命名候補を多数用意する必要があったため。基準排水量は1,000トンを超えることから、日本海軍の内規上は1等駆逐艦だった。

*7 後の睦月型