――いらっしゃい
――お前さん、見ない顔だな。この街は初めてか?
――……成程、街でキョロキョロしてたら兵士に職質されたのか。それでここを紹介されたと。
――まぁ、兵士さんたちも仕事なんだ、悪く思わないでやってくれ。俺が代わりに一杯奢ってやるから。
――おっと、名乗り遅れた。俺はここで相談所を営んでいる「ありま」ってもんだ。
――お前さんのような新顔に、街のことを教えてやるのも俺の役目ってわけだな。
――それはともかく、お前さんは初めてこの街を訪れたわけだ。
――夢か希望か、勇気か無謀か、はたまた絶望か諦観か。何を抱いてやってきたのかは俺は知らない。
――だがそんなお前さんに、月並みだがこの言葉を贈らせてくれ。
『R研城下町へようこそ!』
――あなたとこの街に幸多からんことを。
最終更新:2017年11月22日 23:14