艦隊これくしょん -艦これ-

艦隊これくしょん -艦これ-

【かんたいこれくしょんかんこれ】

ジャンル 育成シミュレーションゲーム
対応機種 ブラウザゲーム
Android*1
配信元 DMM GAMES
開発元 C2機関
配信日 2013年4月23日
価格 無料(一部課金アイテムあり)
プレイ人数 1人
ポイント DMM GAMESの筆頭作品
軍艦の擬人化+シミュレーション
運要素が多く難易度が高い


概要

DMM GAMESが誇る2013年から今に渡る人気筆頭の作品であり、その代表ともいえる作品。本作の登場で、これまで以上に擬人化が進んだ上、軍艦ものの派生ゲームが多く生まれることになった。良くも悪く業界に多大な影響を与えた作品であることは間違いなく、ある程度ゲームを嗜んだことがある諸兄なら一度は耳にしたことがある作品といえるだろう。メディアミックスを多く行っており、アニメ化、劇場アニメ化、ノベライズ、コミカライズ、家庭用ゲーム移植、アーケード化、オフラインイベントと幅広く行っている。


特徴

深海棲艦と呼ばれる謎の生物に制海権を奪われてしまった世界。この状況を打破すべく、世界各国の軍艦が擬人化された「 艦娘 」を運用し、深海棲艦と戦っていく。今こそ、暁の水平線に勝利を刻め!


システム

母港フェーズ

  • 資材
    • 燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトをそれぞれ貯蔵し、出撃時に消化して艦隊を運用する。それぞれの上限値は300000。
  • 建造
    • 資材を消費して、艦娘を召喚する。より多くの資材を投入する「大型建造」もある。
  • 開発
    • 資材を消費して、艦娘が装備する艤装を作る。
  • 解体・廃棄
    • 不要になった艦娘を解体(装備は廃棄)することで、資材を入手する。
  • 補給
    • 出撃で消費したエネルギーを資材をもってして回復させる。
  • 入渠
    • ダメージを受けた艦娘を修理する施設。艦種やダメージの度合いで時間は決められているが、特定のアイテムを使えば瞬時に回復可能。
  • 航空基地支援
    • 出撃前に特定の戦闘機を配備することで、出撃マップの任意のマスに攻撃指示を行う。
  • 遠征
    • 特定の編成を組み、資材を入手することができる。資材の度合いによって、完了にかかる時間は異なる。資材ではなく、任務のトリガーになるものもある。
  • 連合艦隊(イベント限定)
    • 二艦隊による合計12隻からなる連合艦隊を編成し、いつもとは違う戦闘を行う。
  • 任務
    • 特定の条件を満たすことで報酬がもらえる。
  • 近代化改修
    • 余った艦娘を使い、艦娘の強化を行う。
  • 改造
    • 特定レベル(特定アイテムが必要だったりも)に達した艦娘に資材を投入することで「改」「改二」へと強化*2する。
  • 装備改修
    • 工作艦「明石」を旗艦にすることで、特定日、かつ特定艦を随伴艦とし装備を強化する。
  • ケッコンカッコカリ
    • 1隻目以降は課金が必須。レベル99に達したキャラに使うことで、結婚(のようなもの)を行い、レベル上限を突破させる。なお、結婚(のようなもの)のときはADVのようなボイスパートが入る。

出撃フェーズ

  • 出撃
    • 一艦隊最大6隻を編成し、複数のマスからなるマップを攻略する。
  • 進撃・撤退
    • 1マス目を攻略後に次に進むか帰還するか決める。
  • 中破
    • HP(耐久)が50%以下になると、服や艤装が破壊され、専用のグラフィックに変化する。また、能力値も下がる。
  • 大破
    • HP(耐久)が25%以下になると、服や艤装が破壊され(中破していた場合はそのまま)、専用のグラフィックに変化する。また、能力値も下がる。この状態で進撃すると轟沈する可能性が発生する。
  • 夜戦
    • 昼での戦闘で敵を全滅出来なかった場合に選択する。一部の艦種のみ攻撃が可能。
  • 轟沈
    • 大破状態で進撃(夜戦までなら大丈夫)すると、残ったHPを超えるダメージを受けることで轟沈し、 永久ロスト する。なお、特定アイテムを装備させれば轟沈から復帰できる。
  • 羅針盤
    • 特定の編成や運によって行き先が変化する。なぜかこのときミニキャラが当たり前のように回す。そういうものじゃないんだが。
  • 能動分岐
    • 分岐するマスに対し、提督が方向を任意に決定できる。
  • 陣形
    • 様々な効果を付与するもので、敵編成に最も効果的なものを選ぶことが推奨される。
  • 制空権
    • 相手との「対空」値を比較し、勝っていた場合はこちらに有利な攻撃が可能になる。
  • 演習
    • ランキングの近い他の提督の艦隊と戦う。轟沈はなく、ダメージは終了時に全快するが、資材は減る。

評価点

  • これまでにない独自の戦略性
    • これまでソシャゲーといえば「課金をして魔法石で強力なスキルを持つキャラを手に入れてクリア」というものがほとんどだったが、本作は「長期的に兵站を行い、資材を投入してキャラをゲットし、必要な装備をもってクリア」という戦略性の高いシステムを取り入れた。また、轟沈システムという「 二度と復活できない 」、ある意味ソシャ(キャラ)ゲでは 禁じ手 とされたシステムも導入し、攻略に高い緊張感を生むことに成功している。
      また本作の攻略は基本的には運営からあまりアドバイスはなく*3、ユーザ同士で話し合いながらあれやこれや攻略に勤しむことは是としている。これはある意味、掲示板などを介したMMO的な要素であり、ユーザ間のコミュニティを第一としたものといえよう。
  • 個性豊かな艦娘
    • どれも史実に則ったくせの強いキャラ付がされている。例えば軽巡洋艦の川内は「夜戦が大好きな夜戦狂」駆逐艦の曙は「本当は優しいのだが、提督に素直になれず悪口を言うツンデレキャラ」戦艦の金剛は「エセっぽい英語を使うノリのいいお姉さん」といったもの。これらはあくまで有名所で、他にも様々なバリエーションを持つキャラが多く存在する。
      また、雲龍型空母の3隻(雲龍、天城、葛城)の とある特徴 にもしっかりとした理由付けがされているなど、なかなかにこだわりがわかって面白い。
  • 特殊能力の実装
    • これまではどの艦娘は、艦種ごとの能力数値や装備できる種類の違いはあれど、それ以外に差別すべき点が存在しなかったのだが、2018年に実装したイギリスの「ネルソン」に、特殊攻撃「ネルソンタッチ」が備わり、一度に複数の敵を攻撃することが可能となった。また、追従するように「長門改二」「陸奥改二」にも同様の特殊攻撃が実装され、攻略に大きな可能性が見いだせるようになった。これまで実装された艦はすべて「ビッグ7」と呼ばれる世界に名だたる7つの艦という共通項目があるので、今後実装が予想される他の4艦*4にも期待が寄せられている。

問題点

  • 運要素が多すぎる難易度
    • 最適な編成や装備を整えたとしても、道中で中破や大破が出た場合、本来の力を発揮できずにボスマスで倒しきれない、ということは日常茶飯事。攻撃時はとにかく見ることしかできず、プレイヤーが介入できるのは「夜戦を行うかどうか」のみ。エリアクリアは敵の旗艦(一番上のアイコン)を倒す必要があり、その敵キャラを狙わないなんてことはいつものことである。しかも、攻撃フェーズは中(大)破演出や攻撃動作などがあまり速くなく、倍速機能もないので否が応でも時間がかかる。
      イベント海域は特に顕著であるが、難易度の選択が可能なのでこの辺は「クリアできなきゃ難易度を下げる」という救済要素が存在する。
  • 限定ドロップ艦
    • イベント海域でよく取りざたされる。特定のマップのボスマスにて、S勝利(敵艦全滅)でないと新規実装の艦娘がドロップしないことが多い*5。ドロップ率はせいぜい 5% 程度であることが多い。5%であれば高いのでは?と思われるが、まずボスマスまでにかかる戦闘をすべて(運頼みで)すり抜け、更にボスマスで(運頼みで)勝利する必要がある上、この全工程は少なく見積もっても「10分以上」時間を要するのだ。ここまで手間をかけて5%というのは、低すぎるというしかないだろう。このドロップシステムには否定意見が圧倒的に占めており、「ドロップ率を上げてほしい」「ドロップ艦は廃止して海域突破報酬にとどめてほしい」という提督の要望は数多く存在する。
      過去ドロップした艦は、通常海域でドロップするよう後追い実装をしたりするが、そのための時間は数年以上を要する。次のイベントで再ドロップする機会もあるが、その場合は確率が絞られるのが基本となっている。
  • 使いにくい任務画面
    • 任務を進めるには、その任務にチェックマークをいれる必要がある。そのチェックをいれられる上限はたったの「 5個 」(特定のアイテムで6個まで増える)。今やソシャゲブラウザゲの任務といえば自動進行が当然になっているというのに、この設計はあまりにも面倒でガラパゴスすぎると評判が良くない。

賛否両論点

  • 一部面倒な任務
    • ウィークリー任務かつ、様々な派生任務の元になる「あ号作戦」および「ろ号作戦」が非常に面倒。加えて条件も前者はかなり複雑で、計画的に攻略する提督はほぼいない。基本的には一定数以上通常マスおよびボスマスで勝利すればいいのだが、序盤の海域をひたすら回すのが最良である。キラ付け*6のついでに行えるので、口実としてはちょうどいい任務といえる。しかし作業感が半端なく、1週間あっても終わらないこともある。
      後者の「ろ号作戦」は一定数補給艦を撃沈すればいいのだが、その必要数なんと「50」隻。ピンとこないかもしれないが、補給感が出るエリアは非常に限定で、1回の出撃で最低「2」隻、運が良ければ「4」隻撃沈がいいとこといえばおわかりだろうか。「あ号」は延々と回せるのだが、「ろ号」については出撃後の疲労度抜きのためインターバルが発生するのが嫌らしい。
      なお、これらと同じウィークリー任務で「い号作戦」というものも存在するが、そちらは空母を「20」隻(しかも敵空母は結構遭遇しやすい)撃沈。この差は一体……。
  • 公式の同人じみた対応
    • 艦娘はある程度キャラ付けがされているものの、普段のボイスがそこまで多くないので、正しい性格などはあくまでユーザの判断に委ねるようにしていた。そのため、二次創作界では公式ではないとされるキャラ付けが非常によくされており、これを楽しむことが提督同士の清涼剤にもなっていた。
      ところが、この二次創作要素を本家に逆輸入することがままあり*7、この点は「公式が同人のノリ」と批判されがち。しかし、そのキャラ付けがある程度同人界ではかなり一般化され、幅広く認知されているものも多いため、運営からすれば「ユーザの希望を多少反映した」と考えれば一種のファンサービスと取ることができる。
  • 改二と限定グラの格差
    • 改二というのは、能力や見た目が大幅に変化する一種のお祭り事であり、その艦娘を愛する提督にとっては朗報というべき更新要素である。しかし、本作では実装から数年経過しても改二はおろか、期間限定のグラフィックも一切実装されない艦娘が存在し、この格差に不満を上げる提督は少なくない。限定のグラフィックはあくまでおまけ要素なので割り切るにしても、改二は能力向上が約束されているので、「使いたくても改二がこないので難しい」とやきもきする提督は多い。この辺りはイラストレーターとや仲介業者などのやりとりが発生するので、色々と難しい問題なのだろうが。
      また、限定のグラフィックは多くあるのに、改二が未だに来ない艦娘も実は結構存在する。

総評

ブラウザゲームに新たな旋風を巻き起こし、一躍ブラウザゲームの筆頭となった。しかし、ゲームそのものは決して褒められた出来ではなく、ユーザ同士のコミュニティを優先したとしても「不親切」「ガラパゴスすぎる設計」「ユーザビリティのなさ」といった印象が非常に強い、高難易度ゲームであることは間違いない。

それでも、ストイック極まる本作に惚れ込んだユーザは多く、未だに艦これのブランドはコラボ商品がすぐに完売するほど、根強い力を持っていることは確かである。少し歯ごたえのあるゲームを希望する方は、是非艦娘と共に大海原へ抜錨してみてはいかがだろうか。


メディアミックス

  • 艦これ改
    • PS Vitaにて2016年2月18日に発売。
  • 艦これアーケード
    • セガゲームス開発。2016年4月26日より全国のゲームセンターで稼働。
  • アニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」
    • 2015年1月から3月にかけて放映。全12話。
    • 2019年に二期制作が決定。
  • 劇場版「艦これ」
    • 2016年11月26日から4ヶ月間に渡り全国ロードショー。
  • コミック、ノベル
    • 多岐に渡るため省略。いずれも角川文庫。
  • オフラインイベント
    • ファミリーマート(アニメ限定)、ローソン、三越、富士急ハイランドなどで定期的に実施。

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最終更新:2022年03月05日 19:20

*1 DMM GAMESからのダウンロードのみで、Google Playからは不可。

*2 海外艦の場合は表記が異なる。

*3 最近はツイッターやイベント画面である程度ヒントが出されたりするが。

*4 ロドニー、コロラド、メリーランド、ウエストバージニア。

*5 一定数倒して勝利するA勝利でも出ることは出るが、確率が下がる。

*6 コンディション状態を良好にし、命中と回避が高くなったり、遠征で大成功が出やすくなる。

*7 アニメのときは非常にそのノリが強く出され、結果的に散々な評価の作品となってしまった。無論、原因はそれだけじゃないが。