アラ縄工場外伝

130 :アラ縄工場外伝 [sage]:2018/07/30(月) 00:32:46.25 ID:THMarUEt0
さて、アラ縄の強靱性に注目した技術者が、これをもっと細くして繊維にできないだろうか、と考えた。

その結果生まれたのが「マイクロアライファイバー」である。

基本的な考え方はアラ縄と同じである。しかし、材料がアライちゃんである以上、絞り上げるといっても、その細さに限界はある。

なので、マイクロアライファイバーは、アライちゃんよりももっと小さいものを材料にするわけである。

工員「オーライ、オーラーイ」

トラックに積まれて搬入されてきたのは、アラ肉工場紹介の際にもお見せした「アライちゃん生体プラント」である。

ご存知の通り生命維持と妊娠・出産機能に特化した姿に加工されたアライさんのことであるが、このプラントは少し特別な仕様をしている。それはおいおい紹介させていただこう。

まず、アライちゃん生体プラントを活性状態にし、種付けを行う。これはアラ肉工場などと同様の措置である。

この工程の後、アライちゃんの受胎が確認されると、エコーなどを駆使して胎児の形成が確認されたところで、プラントはマイクロアライファイバーの素材摘出工程に回される。

その工程が行われる部屋は、一見して手術室のような印象を受ける。

手術台のような作業台にはプラントががっしりと固定されている。

作業員1「ではアラマテリアル摘出を開始します」

アライさん1「こんなものに閉じこめてなにするきなのだ…アライさんのおててとあんよを返すのだぁ…」グッタリ

アライさん1の反応から察するに、このプラントはまだ「摘出」を行われたことがないらしい。

作業員1がそばの台からメスを手に取ると、アライさん1はみるみる青ざめた。

アライさん1「ひっ…こ、こわいのだぁ。アライさんにそれを近づけ」

作業員1はかまわずアライさんの下腹部を裂いた。

アライさん1「ぴぃぃいいぃぃぃいだいのだああああぁぁ?!!!!!!」ジョバー

コストカットのために麻酔などはしていない。

ので(当たり前だが)とんでもない激痛に苛まれ、アライさん1は失禁した。

プラントシェル下部に設けられたドレーンにホースが接続されており、アライさん1の排泄物はそのまま床下の排水システムに流れていく。

アライさん1を開腹した作業員1は、そのまま素早くアライさんの子宮にアタリをつけ、またもや縦一文字に裂いた。

アライさん1「いぎゃあああああああぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!」ブリブリジョバー

絶叫がさらに大きくなる。アライさん1は思わず大便も漏らすが、そちらも尿と同様、ドレーンから直接排泄されていく。

作業員の集中を乱すようなことはない。

アライちゃん?「……ノ…ダァ」ピクピク

子宮の中には、胎児のようなアライちゃんらしき動体が認められた。

人間の常識から考えれば驚くべきことに、もうすでにアライちゃんとわかるような姿形が形成されつつあり、あのお決まりの鳴き声のようなものも発しているのである。

作業員1「摘出します」チャキッ

作業員1はピンセットを手に取り、アライさん1の子宮からその胎児アライちゃん ア
ラマテリアルを引きずり出した。

へその緒は引っ張ればちぎり取れた。

アライさん1「ぎいいぃ、ぎひぃ、いだいのだああ…!!!」

胎児アライちゃん「…ノダァ……」ピクピク

当たり前だがこの胎児アライちゃん、放っておけば死ぬ。

未熟児とかいうレベルじゃきかないのだから当たり前だ。

なので摘出されてすぐサンドスター濃縮液に漬けられ、すぐに連結工程に回される。

作業員1「計5個か…多めに採れたな」

作業員2「連結工程にもっていきます!」

作業員1「よろしくお願いします」

別の作業員がやってきて、濃縮液に使った胎児アライちゃんたちを運んでいった。

アライさん1「いだいのだ……アライさんの赤ちゃん返すのだぁ!」ゼェゼェ

作業員3「摘出は完了しましたか?」

作業員1「ええ。確認しました。あとはお願いします」

作業員3「了解です。…おい、取りかかれ!」


131 :アラ縄工場外伝 [sage]:2018/07/30(月) 00:33:30.98 ID:THMarUEt0
作業員1はその場を離れた。どうやらまた別のプラントにとりかかるようだ。

入れ替わりにやってきた作業員3は、一匹のツライさんをつれていた。

ツライさん1「………」

ツライさんとはみなさんもご存じの通り、無害化加工を施されたアライさんである。

指、牙、子宮の除去に始まり、近年は子宮をどかしてできるスペースに糞尿タンクを増設し、長時間連続で稼働させられるものも存在する。

作業員3「ほら、やれ!」

ツライさん1「わかったのだ……」コスリコスリ

ツライさん1は軽くハエガイジムーブを行ったかと思うと、その両手を裂かれたプラントアライさんの腹部にかざした。

すると、じょじょにだが…アライさん1の傷がふさがっていった。

ツライさん1「ツライのだ……」コスリコスリ

ツライさんの役割はこの通り、術後のケアである。

手術のように最小の開腹にとどめ、おまけにこのアライさんの回復能力で傷を直すことで、プラントを長持ちさせるとともに、次の種付けもすぐに行えるのだ。

もちろん傷を癒やすと言っても万能ではない。

ツライさん2「もう……無理なの、だ……ツライ…のだぁ」バタン

他のプラントに対して能力を使っていたツライさんが、ぼそりと音を上げたかと思うと、目眩を起こしたかのようにふらつき、ばったりと倒れ込んだ。

作業員がうつ伏せのツライさん2を蹴っ飛ばしてひっくり返すと、ツライさんはピクピクと痙攣し、白目を向き、泡を吹きながら鼻血を流していた。

作業員4「ツライさん個体が耐用限界の模様。回収班どうぞ」

回収員「了解」ゴロゴロー

作業員から要請を受けた回収員が、台車を押してやってきた。

台車には、ステンレスと思われる浴槽のような形状の容器が載っている。

回収員「よいしょ」ドサッ

ツライさん2「ツ…ラ………の…だ……」ピクピク

回収員は倒れ伏したツライさんのしっぽをむんずと掴むとその容器に投げ入れた。

作業員5「プラントの治癒状況が芳しくない」

作業員1「ツライさんはまだ大丈夫そうだが…こっちは破棄か」

アライさん2「ぎひぃぃ……ころして……もうころしてほしいのだ……」ビクビク

そのプラントのアライさんはいかにも顔色が悪く、体躯もげっそりとした印象を受ける。

ツライさんの治癒を施されているにも関わらず開腹の傷は塞がらない。

都合 10 回以上「摘出」を受けている肉体の、生物的な限界だった。

作業員5「よし、治癒は打ち切り! 回収版お願いします」カチャカチャ

回収員「了解です」ゴロゴロ

作業員はプラントのシェルをいじくり回して、中身のアライさんを開放する。

排泄システムのドレーンや、センサー、それに薬理調整システムなどの接続をすべて外せば作業完了だ。

シェルは洗浄と整備を経て次のプラント作成に使い回される。

回収員「よいしょっと」ドサッ

回収員は四肢のない開腹されたままのアライさんを、さきほど回した壊れたツライさんの上にどしゃりと放り入れた。

回収員「一旦置いてきまーす」ゴロゴロ

作業員3「はーい」

これら廃棄されるアライさんやツライさんは、大部分は適切に「処理」され再利用される。

回収員「廃棄出ましたー」

作業員「はーい」

台車で再利用加工エリアに運ばれてきたアライさんやツライさんのうち、プラントだった単なるアライさんは、そのまますぐにベルトコンベアの上に放り投げられる。


132 :アラ縄工場外伝 [sage]:2018/07/30(月) 00:34:14.01 ID:THMarUEt0
廃棄アライさん1「ぎひぃ…!」ベシャッ

廃棄アライさん2「……!」ドシャッ

廃棄アライさん3「いたいのだぁ……!」ズシャア

いっぽうツライさんの場合、糞尿タンク搭載型はそのまま処理はできず、装備を摘出する必要がある。

廃棄ツライさん1「ツライ…のだ……もう…やめてほ…」

解体台に寝かせた廃棄ツライさん1を、作業員が電動丸ノコでおへそあたりから真っ二つにした。

廃棄ツライさん1「ぎひいい、ぃ、あ…」ギュイイイインギャリギャリブチブチ

両断された上半身は廃棄アライさんのようにコンベアに載せられる。

廃棄ツライさん1の上半身「……ツ…ラ……」ピクピク

下半身は、肉を削ぎ落とされてタンクを摘出されてからコンベアに載せられる。

廃棄ツライさん1の下半身だったもの「」ドチャア

そしてコンベアの進む先は、エリアの奥のプロセッサーである。

廃棄アライさん1「ぎぃ…ぐぅ……ぅ、なん…なの、だ…?」ゼェゼェ

廃棄アライさん1が、プロセッサーの第一エリア…粉砕機に吸い込まれていった。

廃棄アライさん1「う、ぎぃぃぃぃ! やめるのだ、アライさんを食べないでほしいのd」

ばきばきばきばきぃっ!
ずしゃずしゃずしゃ!
ごうんごうん…ぐちゃんぐちゃん…

廃棄アライさん1は粉砕機で処理された。

廃棄アライさん3「ぴぃぃぃ…! あそこまで行ったら殺されるのだぁ…!」ノロノロジタバタ

廃棄アライさん2「…やっと[ピーーー]るのだ…」

廃棄ツライさん1の上半身「…ツ……の…だ……」ピクピク

廃棄アライさんたちは次々と処理されていく。

この工程はコンベアに乗せてしまえばあとは自動化されており、この粉々にされたアライさんたちから野生開放誘発剤やサンドスター濃縮液の素を抽出し、残りカスはアラミンチとしてツライさんやアライちゃんプラントのエサとなるのだ。

さて、廃棄のようすを見ているうちに、摘出作業が完了したようだ。

作業員1「全プラントの摘出終了しましたー」

作業員3「はーい。じゃあツライさん撤収しまーす。 …おい、行くぞ!」グイッ

ツライさん1「わかったのだ……」トボトボ

アライさん1「おいっ、そこの辛気臭いお前! アライさんを助けるのだ!」

退出していくツライさん1を見咎めたアライさん1がわめき出した。

アライさん1「おててもあんよも奪われて、こんなものに閉じ込められて、お腹も裂かれたのだあ! アライさんがかわいそうなのだあ!! アライさんをたすけ」


作業員1「うるさいなあ」カシャン

作業員がプラントのシェルの蓋を閉じ、アライさんの露出部分は無くなった。

作業員3「何してるんだ、さっさと進め! いつもと同じく、エサを食ったらさっさと寝ろよ」

ツライさんたちはアラミンチを与えられるときと、治癒作業を行っているとき以外は、潜水艦の水兵のそれぐらい狭いベッドに押し込まれ、休息させられる。

治癒の力を回復させるためだ。

ツライさん1「……ツライのだ…」トボトボ

ツライさん1は俯いたまま給餌所へと歩いていった。

プラントはこのあと少し経過を観察し、問題がないようであれば再び種付けされる。

さて、では本題の摘出されたアラマテリアルであるが…

基本的な考え方は、アラ縄のそれと変わらない。

ただ大きく事情が異なるのが、連結され絞り上げられるアライさんの耐久性だ。


133 :アラ縄工場外伝 [sage]:2018/07/30(月) 00:34:50.32 ID:THMarUEt0
いかに野生開放誘発剤やサンドスター濃縮液で補助しようが、しょせんは未熟児ともよべない何かでしかないアラマテリアルは、そう長くは生きられない。

なので迅速に加工する必要がある。

この小さいアラマテリアルたち相手の精密な作業を、時間制限ありでこなしていくパートの皆さんには頭が下がる思いである、とは工場長さんの弁だ。

また、どうしても加工が間に合いそうもない場合は、この工程にもツライさんを導入する場合もある。

ツライさん3「ツライのだ…」コスリコスリ

ツライさん4「からだが…あついのだぁ……」コスリコスリ

その場合、通常の水準の能力では足りないので、ツライさんにも野生開放誘発剤を投与する。

ツライさん3「ツラ…ぐふっ! ぐへっ、げへぇっ!」ビシャア

ツライさんのうち一匹が吐血しだした。

加工が間に合わないとアラマテリアルの損失を出してしまうが、この対処法はこれはこれでツライさんを潰してしまうことがほとんどなので、現場としても苦渋の決断なのだそうだ。

こうして現場の努力によって加工されたマイクロアライファイバーは、クロスなどに加工され、皆さんのお手元に届いているのだ。

商品を購入される際、使用される際には、少しでも現場の皆さんがたの努力を思い出していただけると幸いである。


134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 00:37:33.12 ID:THMarUEt0
連投失礼しました。アラ虐もっと流行れ(挨拶)

あと今更ですけど、プラントとかツライさんとかいろいろ他のSSからの影響があります。
気になるひとはWikiとか見てみてください。みんな面白いですよ。


135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 01:33:09.42 ID:GyP6Ev8c0
アライさんの回復能力って自己単体のみで他者には無理じゃなかったっけ?


136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 02:06:13.90 ID:THMarUEt0
アプリ版のスキルだとそうらしいですね。
ダルマで開きにされた同族を無理やり治させられているという絵面のために無視しました。


137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 06:50:17.41 ID:Ii1LACq1O

医療用ツライさんとか普通に外科医療に活用できそうだな


138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2018/07/30(月) 08:44:56.21 ID:lwBYQiPko
乙ー
他者に回復出来るとか色々応用できそう


139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 19:33:07.13 ID:GNZUSjOX0





最終更新:2018年08月06日 23:02