アライちゃん無害化手術・前編

209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 16:02:33.06 ID:MlKjGZYJO
物心ついているアライちゃんに無害化手術をするために一芝居

この世界ではアライちゃんを飼う際は牙を抜き、爪を引っこ抜いて生えなくするか腕や足ごと切断することで無害化することが義務付けられている。(腕や足の付け根から指の第一関節まで好きなところから先を切り落とすことができる。そこは飼い主が決めてよい。)

また、野良アライちゃんを拾って飼う場合は一ヶ月以内に無害化しなければならない。

ここに、末っ子ゆえに身体能力がまだ低かったせいで餌場に連れていってもらえず、結果駆除はされなかったが孤児となって餓死寸前だったところを拾われたアライちゃんがいる。

アライちゃん「あったかいおふろでピカピカにしてくれて、おいちーごはんもいっぱいたべさせてくれて、ひとしゃんしゅきしゅきなのりゃ~!」シッポフリフリ

アライちゃん「おかーしゃんもおねーちゃんもいなくなってしんじゃうところだったのりゃ…。ひとしゃんはいのちのおんじんなのりゃ!このままあらいしゃんのかぞくになってほしいのりゃ!」

すっかり懐いている。
しかし物心ついたアライちゃんから爪や牙を奪ったり、腕や足を切断すると当然ながらこの関係は崩れる。


210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 16:03:10.15 ID:MlKjGZYJO

そこで、飼い主の信頼を損なうことなくアライちゃんを無害化する方法が、演技、芝居である。

飼い主が出掛けた家に侵入し、アライちゃんを拐い、牙を抜いて腕や足の処理を飼い主の要望通りにする。

麻酔無しで処置をすることで激痛により何故か適切な処置が行われていることの疑問を抱かせず、切った部位を目の前で料理して食べるなどをしてそのまま殺されるかもしれない恐怖を植え付ける。

そして連絡を受けた飼い主が駆けつけ、助け出し、優しい言葉を沢山かけてあげることで二度目のいのちのおんじんとなるシナリオなのだ。


212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 17:17:15.20 ID:MlKjGZYJO

無害化手術当日

アライちゃんを拾ってから、より仲良くなりながら人間のライフサイクルを覚えさせた。朝は仕事に行き夕方までは帰ってこないなどなど。

飼い主「行ってきまーす。晩御飯はお肉にするからいい子に留守番しててねー」

アライちゃん「行ってらっしゃいなのりゃー!おっにく♪おっにく♪」シッポフリフリ

………
……

業者「おはようございます!本日はアライちゃん無害化手術出張劇団をご利用いただきありがとうございます!」

飼い主「おはようございます。今日はよろしくお願いします。合鍵どうぞ。」

業者「どうも!手術内容は腕の肘から下を切断、足は膝から下を切断でお間違いないでしょうか?」

飼い主「はい間違いないです。現在アライちゃんは玄関を入って真っ直ぐの部屋のベッドの上で、遊んでいると思います。」

業者「分かりました!切断した手足は返却しましょうか?」

飼い主「くっつけろとか言われると面倒なので例の恐怖心の植え付けに使ってください。」

業者「ありがとうございます!助かります!ではそろそろ始めます。終了時間は長ければ夜になりますが余裕を持って連絡致しますのでごゆるりとお過ごしください!」

そう、いかにも仕事に行くような雰囲気で家を出たが今日は休みを取っておいたのだ。

業者(しかしこのサービス使う人ってつくづく信なのか虐なのかわからん。頭のおかしい信は衝動的にアライどもを拾っては無害化なんてせずに捕まってるし虐なら自分で面白おかしく切断以上のことをやってのけるし、善良な一般市民ならペットアライちゃんを買うだろうに…)


213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 18:37:06.87 ID:MlKjGZYJO

ガチャッ キィー バタン
玄関が開閉する音がした。

アライちゃん「かいぬししゃんわすれものなんておっちょこちょいなのりゃ~」ヨチヨチシッポフリフリ

別れたばかりの飼い主と、思わぬ再会を想像して少し嬉しそうだが…

業者「よう害獣」クロヅクメ-ン
業者2「速く取っ捕まえてずらかりやしょうぜアニキ」クロヅクメグラサンキラ-ン

アライちゃんにも分かるほどのテンプレ悪役を演じきっている

アライちゃん「!!??なんなのりゃおまえりゃ!?ここはあらいしゃんとかいぬししゃんのおうちだぞぉ!でてくのりゃ!それからあらいしゃんはがいじゅうじゃないのりゃ!」フゥーーーッ!フゥーーーッ!

逃げずに威嚇し、牙をむき、爪を立て続ける勇敢なアライちゃん

アライちゃん(さいきんなかなかするどくなってきたじまんのきばとつめでおいだしてやるのりゃ!かいぬししゃんにおにく2まいもらうのりゃ!)

に敬意を示すことなく、厚い手袋をした業者2はアライちゃんの胴体を、痛みはあるけど怪我はしない程度の強さで鷲掴みにした。

アライちゃん「ぐぎぅぅぅぅ!ぐるじぃのりゃぁぁぁ!ごれでもぐらうのりゃ!」ガブッガブッバリバリバリバリ

業者2「効かねぇぞ害獣」ニギニギ
業者「さっさとずらかってバラすぞ」(間違ったことは言っていない)

アライちゃん「ぐぎぃ!?どごにづれでいぐのりゃ!?あらいじゃんはるずばんだのまれだのりゃ!はなずのりゃ!」バリバリガブガブ

業者2は手袋と同じ材質の袋にアライちゃんを突っ込み、袋の口を縛った。ダセーダスノリャー

向かう先は、外装は悪そうなアジト、内装は黒を中心とし装飾も悪っぽいが普通の動物病院である。こんなサービスをしているがもちろん持ち込みも可。


214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 21:18:45.93 ID:MlKjGZYJO

飼い主の家と同じ市内にあるその動物病院に到着した。

業者2「お連れしましたぜぇボス!」

袋から出されたアライちゃんは、今度は腕ごと鷲掴みにされ抵抗の余地無く拷問部屋っぽい装飾が施された手術室に運ばれ、大の字の板に仰向けに拘束された。人間の力ならグニャリと曲がり、形を変えることで座らせることも可能だ。穴が開いており邪魔な尻尾を後ろに通すことで足の切断時に尻尾を傷つけないよう工夫されている。

アライちゃん「ここどこなのりゃ!?あらいしゃんをかいほーするのりゃ!おうちにかえすのりゃー!」カオシッポブンブン

業者3「ようクソ害獣。お前まだ生きて帰れると思ってるのか?」

白衣を黒く染め上げたような服を着て黒いマスクを着けたおっさんが現れた。なんとこの動物病院の院長である。腕は確かだ。以下院長

アライちゃん「!?どーゆーいみなのりゃ?いきてかえれないのりゃ…?」

みるみる青ざめていくアライちゃん。
聞き返してしまったがその言葉の意味は既に教わっていた。死の概念も含めて。

院長「そのままの意味だよ。お前はここで死ぬんだ。しかも一瞬じゃない。まず足を、それから腕を、切っては傷口を塞いでいっぱい苦しんでから死ぬんだよ!」

アライちゃんはその言葉と、この動けない状況に絶望し、大粒の涙をボロボロと流し、大声で泣き出した。

アライちゃん「やあああああなのりゃぁぁぁぁあ!!!あらいしゃんもっといきていたいのりぁぁぁぁぁぁあああ!!!かいぬししゃんとずっとしあわせにくらすのりゃあああああ!!!かいぬししゃああああああん!!!のりぁああああああああん!!!」

業者「その飼い主が出ていった後を狙ったんだぜ?夕方まで帰って来ねぇのはリサーチ済みよぉ!」
業者2「お前が拐われてることにも気づいちゃいねぇだろうさ!」
飼い主を責めないようフォローを入れる業者であった。

院長「じゃあ始めようか」


215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 23:47:45.96 ID:IekSF0tTo

そう言うと、医者は大きな枝切り鋏のようなものを持ってアライちゃんに近づけた。

アライちゃん「ひっ…おねがいなのりゃ…それをちかづけないでほしいのりゃ…おててとあんよをとらないでほしいのりゃ…グスッ」ポロポロ

アライちゃんはもう泣きながら懇願することしかできない。

業者「うるせぇな黙ってろ」
業者はそんなアライちゃんの口にタオルを噛ませ、後ろで縛った。

アライちゃん「むーっむぐーっ!」

麻酔なしで処置をするので、これを噛み締めることで痛みに耐えさせるためである。

院長「まずは足からだ。」
と言い鋏を開いてその間に左足の膝の部分を挟んだ。

ジョギン!

と鈍い切断音がした。肉を骨ごと断ち切った音である。

アライちゃん「むぐううううううう!!!ふぅーーーー!ふぅーーーー!」涙ボロボロ
タオルを噛み締め必死に痛みに耐えるアライちゃん。
ここでしっかり止血をするのだが、その方法は…

院長がアライちゃんを拘束している十字架ならぬ大字架の、腰の部分を折り曲げアライちゃんを座らせると、体から離れた足と大量の血を見てしまったアライちゃんは目を閉じ今までよりももっと多くの涙を流し始めた。

院長「おい害獣知ってるか?お前たちアライさんはその手で怪我をした場所をコスると傷口が塞がる能力があるんだ。その能力でその切断面を治してみろよ。じゃないともっと痛い方法でその血を止めなきゃいけなくなるぞ。」

そう言って、腕や肘の部分も折り曲げて足に届くようにした。

アライちゃん「むぐー…ふぅーふぅー…」コスリコスリ

アライちゃんは切断された足と、先の無くなった膝から目を背けながらも、自分さえも知らなかった衝撃の能力を半信半疑で実行した。

すると、ほんの少しずつだが確かに傷口が塞がっていった。だが完全に血が止まるまでにはかなりの時間を要した。

院長「よく頑張ったね。じゃあもう片方もいってみようか。」

そう言うと、またアライちゃんを大の字に戻し、反応が聞きたくて口のタオルをずらした。

アライちゃん「ぶはぁ…うぅ…あらいしゃんのあんよ…くっつけてほしいのりゃ…もうかたほうもきらないでほしいのりゃ…グスッ」ポロポロ

喋っているうちに、この先自分の身に起こることを想像してしまい再び泣き始めた。

業者2「予想通りの反応だな」

口にタオルを戻すとアライちゃんの涙が大粒となった。


217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/27(月) 05:08:06.46 ID:ujv/W2Vh0
おっつ乙。続き楽しみに待ってまっせ





最終更新:2018年09月03日 18:01