アライさん絶滅都市―雑用アライさん編

397 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 921d-+g9t)[sage] 投稿日:2018/02/09(金) 23:05:31.95 ID:YZ/9xpGy0 [5/8]
ここはアライさん駆除と生態系の維持を両立する「ゆるやかなアライさんの絶滅」の実験都市。
この実験は住人に隠されているため、正確な都市名を述べることは出来ません。よって便宜上アライ市とします。
今日は大学で研究されている雑用アライさんについてお話ししましょう。

雑用アライさんと聞いてアライさんに掃除や手伝いをさせる雑用を連想されがちです。もちろんそういう研究もあります。
しかし今回紹介するのは、雑に使用するアライさんを略した雑用アライさんです。

この雑用アライさんはアライさん駆除のために作られる駆除道具の一種です。
まずアライさんに何種類かの麻薬、自白剤等を注射し、アライさんの記憶や自我、自分が何者であるかをわからなくさせます。

次にアライさんに色々なアライさんやアライちゃんの画像を見せ、同時に電流ショックを与えアライさんに「このカタチの動物を見ると不快」だと繰り返し教え込みます。
次に虐殺されたアライさんやアライちゃんの画像を見せながら、幸福感を感じる脳内麻薬を分泌させる薬を打ち込む作業を繰り返します。
この薬の投与と同時にアライさんやアライちゃんの肉を食べさせ、アライさんやアライちゃんの肉を食べると幸福を感じる条件付けも行うそうです。

こうしてアライさんを見ると不快感を覚え、死んだアライさんを見たり、食べたりすると幸せを感じるアライさんになります。
あとはアライさんが虐殺されている動画を見せ「どうすればアライさんが死んだアライさんになるのか」を教え込めば9割完成です。
最期にアライさんの脳のリミッターを壊す薬を注射します。これによって通常のアライさんでは太刀打ちできないスペックをこのアライさんは持ちます。

こうしてできたアライさんを森に放してアライさんの駆除を行わせるのです。

ここで皆さんが疑問に思うのは「この雑用アライさんは他のフレンズや人間、動物を襲わないのか」という事です。
早速私も質問してみました。この質問に対して

研究員「アライさんの自我や感情を奪っているので、他のフレンズやヒト、動物、作物に対して興味を持たないようになっています。つまりアライさんにとってアライさんやアライちゃん以外は見えているのに見えていない物になっているのです。」

つまりアライさんやアライちゃんを殺して食べるだけの存在になっていると。

研究員「そういうことです。過去に何度も失敗例がありましたが、現在の雑用アライさんはアライさんとアライちゃん以外を襲うことはありません。」

最後に、なぜこのアライさんは雑に使う、雑用アライさんと呼ばれているのですか?

研究員「雑用アライさんは脳のリミッターを外してありますが、肉体面は普通のアライさんですのでそのうち無理が生じます。そのうち死んでしまうわけですね」

なるほど、雑に使ってのたれ死なせるアライさんなわけですね。わざわざ処理する手間も省けます。雑用アライさんは何日ほど生きるのでしょうか?

研究員「長くても2週間程で死んでしまいますね。」

人知れずこういった雑用アライさんがアライさん駆除を行っているのですね。この分野はまだ始まったばかりとの事、これからの成長が期待されます。

それでは今回はここまで。みなさま次の記事までごきげんよう。


398 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 921d-+g9t)[sage] 投稿日:2018/02/09(金) 23:06:18.26 ID:YZ/9xpGy0 [6/8]
天気の良いある日、アライさん一家が仲良く川辺で果物を食べていました。

アライさん「今日はほうさくなのだ!ヒトさんのはたけに生えていたまんまるを3個もてにいれたのだ」
アライちゃん1「おかーしゃんはしゅごいのだはぐはぐ」
アライちゃん2「このまんまるのまんなかのあきゃいぶぶん、とってもおいっしのりゃ」
アライさん「ふっふっふ、みんなそんなに急がなくてもまんまるはにげないのだ」
アライちゃん3「ありぇ?むこうにだりぇかいるのりゃ」

アライちゃんの視線の先には、一匹のアライさんがいました。そのアライさんは遠くを見つめているようで、それでいてこちらをしっかり見ているような、そんな不思議なアライさんでした。
そのアライさんはどうやらこちらに気が付いたようです。ゆっくりとこっちに近づいてきます。ちょうどそのアライさんの位置から一番近いアライちゃんはまんまるを食べながらそれを見つめます。
アライちゃん3「どうしたのりゃ?まんまるたべたいのりゃ?」
口を赤い汁で汚して見つめるアライちゃんの顔面に、その「雑用アライ」さんは振りかぶった手を振り下ろしました。

アライちゃん3「みぎゃあああああ!!」

叫び声をあげてその場にうずくまるアライちゃんの首筋に雑用アライさんは噛みつきます。

ブチブチブチブチブチッ!

アライちゃん3「ひぃー!ひゅーひゅーやべ・・・ひゅーひゅー」

喉を噛み切られ、その傷口から血の泡と声にならない空気を吐き出しながらアライちゃんは母親や姉妹に自分の危険を伝えようとします。
しかしその引きずった足を雑用アライさんは爪で切り裂きます。足の腱を切られたアライちゃんは痛みで自分の体を丸めます。

アライちゃん3「(いちゃいのだ・・・にゃんで、にゃんでアライちゃんがこんな目に)」

自分はただまんまるを食べていただけなのに、どうしてこんな目に、そう考えるアライちゃんの体から血液は失われていき、そして、
小さくケプッっと鳴いた後、動かなくなりました。
雑用アライさんは、アライちゃんが死んだことを確認すると、今度は仲良くスイカを分け合っているアライちゃん2匹に背後から襲い掛かります。
まずはアライちゃん2をスイカから引きはがし、そのやわらかいお腹に噛みつきました。その牙はアライちゃんのやわらかい内臓に容易く食い込みます。

アライちゃん2「うぎゃあああああああああ、いだいのりゃあああああおかああしゃああああん」
アライちゃん1「なんなのだ!いもーとをはなすのりゃ!」

アライちゃん1が勇敢にも雑用アライさんにポカポカと殴り掛かります。しかし雑用アライさんはアライちゃん2を咥えたまま、アライちゃん1の両目をその鋭い爪で抉り取りました。

アライちゃん1「びぃいいい!ありゃいさんなにもみえにゃくなああああ」

両目を抑えてのたうち回るアライちゃん1の叫び声でやっとアライさんは異変に気が付きました。

続く


399 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 921d-+g9t)[sage] 投稿日:2018/02/09(金) 23:06:46.71 ID:YZ/9xpGy0 [7/8]
アライさん「ななななななななんなのだ!アライさんのこどもたちになにをするのだ!」

雑用アライさんは何も答えず、口に咥えているアライちゃん2を両手に持つとそのままアライちゃん2の内臓を雑に食い破り始めます。
ボタボタと腸だったもの、食べていたまんまる、血液等が地面に落ちていきます。

アライちゃん2「おぶっ…・・・たすけて・・・たす・・・ぶっ・・・ぶっ・・・・・・ぶっ」

食べた物と血と自分の内臓の混じった固体交じりの液体を口から吐きながら、アライちゃん2はビクビクと痙攣を繰り返すだけの物体と化してしまいました。
雑用アライさんは頭を大きく振るとそのアライちゃんだったものを飛ばします。その物体は自分の内臓をまき散らしながら川に落ち、流れていきました。

アライさん「やめるのだ!かわいいアライさんの子供達になにをするのだ!」

突然の事に混乱気味のアライさんに雑用アライさんは容赦なく襲い掛かります。アライさんを押し倒すとまずは片目を抉りだします。

アライさん「やめるのだ!やめるのだ!アライさんのおめめをなくさないでほしいのだ!」

雑用アライさんにその言葉は届きません、失った片目をかばうようにかざした右手をつかみ、何度も何度も噛みつきます。
悲鳴を上げるアライさんがなんとか手を引き抜いた時には、その手には指が一本もついていませんでした。

アライさん「あががががが、あらいさんのおててがズタズタなのだ。なんなのだおま」

アライさんは抗議の言葉を最後まで言えませんでした、雑用アライさんがアライさんのお腹をその鋭い爪で貫いたのだ。

アライさん「ぶっ!げぇえええええ、やめりゅのだ!アライぶっ」

雑用アライさんは何かを探すようにアライさんの体の中をまさぐります

アライさん「いじゃいのだ!あべべべぶ」

必死に抵抗しても雑用アライさんには全く勝てません。アライさんは弱々しく抵抗することしかできず、内臓をかき回され続けました。

雑用アライさんは何かを見つけたようで乱暴にアライさんの体から手を抜きます。そこにはアライさんの肝臓が握られていました。

アライさん「アライさんの・・・アライさんの内臓なのだ・・・かえすのだ・・・」

雑用アライさんは肝臓を右手に持つと、両目を失いのたうち回る最後のアライちゃんに近づきます。そしてその背中を何度も何度も踏みつけました。
骨の砕ける音、内臓が潰れる音、アライちゃんが嘔吐する音が辺りに響き渡ります。

アライちゃん1「へぶ!げぶっおぼっぶっぎゅげぇおぇえええ・・・え・・・え・・・」

お尻からフンを漏らしながら息絶えたアライちゃんに興味を失ったのか、雑用アライさんはお腹を押さえて苦しむアライさんの方へ戻りました。

アライさん「一体アライさんが…なにをしたのだ…まんまる…がほしかったら・・・いえば・・・よかったのだ」

雑用アライさんは、アライさんを仰向けにすると一度付けた傷口にまた手を刺し込み、腸を引きずり出しました。アライさんは口から大量の血を吐き、ガクガクと痙攣します。

アライさん「アライさんの・・・アライさんの内臓が・・・戻らないのだ・・・戻らないのだ・・・」

必死に腸を戻そうとあがくアライさんを雑用アライさんは遠くを見ているような、近くを見ているような瞳で見つめると、肝臓を食べながらその場を去っていったのです。
今日はとても天気が良い、清々しい日です。しかし雑用アライさんにとっては今日も、明日も、晴れも、雨も変わりません。
ずっといやなものを、すきなものにかえていくだけの毎日なのです。自分の命がなくなる。最後のその日まで。


おわり




最終更新:2018年04月06日 02:21