アライさん流の子育て、アライさん流のサバイバル

277 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 15:41:37.71 ID:CCeH/o4bd [2回目]

ジャパリパークが火山の噴火で崩壊し、たくさんのフレンズ達が日本に渡ってきた。

フレンズ達はラッキービーストにジャパリまんを貰いながら生きていたため、
自分で餌を探すことは得意ではなかった。

野生動物ですら、生まれつきできるわけではない。
親に育てられ、独り立ちしていく過程で、少しずつ学習しながら餌の取り方を覚えていく。

それ故に、ラッキービーストの保護下かりきなり放り出されたフレンズ達は、自力で食糧を得ることは非常に難しかった。

加えて、義務教育すらできないフレンズ達には、人間社会で独り立ちして労働することも無理だ。

しかし、フレンズ達には優しい心と、可愛い容姿がある。
人々は彼女達を受け入れ、簡単な仕事の手伝いをさせることで、その対価として食糧を分け与えた。

フレンズ達もまた、人々に感謝し、一生懸命労働した。

…ただ一種のフレンズを除いて。


278 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 15:52:54.01 ID:CCeH/o4bd [3回目]
アライさん「フェネック!来てやったのだ!食べ物を寄越すのだ!」ガチャッ

フェネック「う、うぅ…はいよー…」

もちろんそれは、アライさんである。

ジャパリパークでは、フェネックにつきまとい、無理矢理自分に従わせていた。

その様子を「フェネックとアライさんは仲良しコンビ」等と勘違いする者もいる。

しかし、心も見た目も醜いアライさんと自ら進んで仲良くしたがる者などフェネック含めて誰もいない。

アライさん「ふぅー、今日はパン屋さんでたくさんパンを食べたのだ!美味しかったのだ!」

皆様ご存じの通り、アライさんは自己中心的で、利己的で、すぐ他者に暴力を振るう。

他者の持ち物を自分のものだと思い込み、無理矢理強奪する。

協調性がなく欲張りで、自分以外誰も愛さず、誰にも自分のものを分け与えようとしない。

狂暴で誰の言うことも聞かず、誰かのために働くことなどあり得ない。

しかも醜い性格に加えて、アライさんは誰もが認める通り顔もまた醜い。

クソみたいにムカつくつり目と、下膨れの頬、害虫のような尻尾は、見る者すべてを嫌悪させる。

そんなアライさんが人々と協調できるはずもない。


279 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 15:56:27.92 ID:CCeH/o4bd [4回目]
フェネック「持ってきたよ、アライさん…」スッ

フェネックは、揚げパンを持ってきた。

アライさん「美味しそうなのだ!くちゃくちゃ…」クチャクチャ

アライさんは感謝の言葉もなく、フェネックが持ってきた揚げパンを奪い取って食べた。

アライさんは街中で窃盗を繰り返しながら、ジャパリパークと同様にフェネックにつきまとい、食べ物を貰っていた。

フェネックも本当はアライさんと縁を切りたいのだが…。

アライさんを放置すると誰に迷惑をかけるか分かったもんじゃないため、しぶしぶ自分のところに来させているのである。

アライさん「ふぃー美味しかったのだ!うぅーっ!」ブリブリ

アライさんは、フェネックの家の中で脱糞した。

フェネック「や、やめてよアライさん…!」

アライさん「何でなのだ?これはアライさんの習性なのだ!気に入ったところにはうんちの匂いつけるのだ」

フェネック(うぅ…また片付けなきゃ…)


280 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 16:04:45.01 ID:CCeH/o4bd [5回目]
その時。

警官達「警察だ!アライグマ、お前を連続暴行および窃盗の疑いで逮捕する!」ジャキィ

警官達が、フェネックの家に乗り込んできた。

アライさん「げげ!お前たちは、アライさんの食事をいつも邪魔したり、アライさんが悪者をやっつけるのを邪魔する巨悪なのだ!」

フェネック「…!」

警官「捕獲する!」ジャキィ

警官達は、テーザー銃をアライさんに向ける。

アライさん「怖いのだ!助けるのだフェネック!親友ならアライさんのために体を張るのだ!」サッ

アライさんは、フェネックの後ろに隠れようとするが…

フェネック「け…けいかんさんたち!助けてぇ!」ダッ

フェネックは警官の方へ逃げた。


281 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 16:08:06.43 ID:CCeH/o4bd [6回目]
アライさん「うぅー、こうなったら逃げるのだ!」スポッ

アライさんは、フェネックの家に勝手に開けた天井の穴から逃げた。

警官「逃がすな!追え!」

結局、アライさんは見つからなかった。

これはアライさんが高い逃走能力を持っていたからではない。

止まったサッカーボールすら蹴れず、川も泳げないほど運動神経が悪く、頭も悪いアライさんに、自力で警察から逃亡する実力など有りはしない。

ただ…運が良かっただけだ。

アライさんには、『ゴリ押し』という謎の強い力がある。

他の可愛らしいフレンズ達よりも、『ゴリ押し』の力が圧倒的に強い。

そのため、ろくな努力をせずとも、何の魅力もなくとも。

アライさんは、ゴリ押しによって他のフレンズ達よりもいい結果を得ることが多い。

今回も、『ゴリ押し』の力によって、アライさんは森へ逃げ込むことに成功した。


282 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 16:20:56.05 ID:CCeH/o4bd [7回目]
しかし…

自然の中では、ゴリ押しなど通用しない。

アライさん「お腹が空いたのだ…食べ物はどこなのだ…」グーギュルルー

ただひたすらに、自分自身のサバイバル知識だけがものを言う。

いくら原種がサバイバル能力に長けたアライグマといえど、
今まで何の苦労もせず、ラッキービーストに貰ったジャパリまんや、人間フェネックから奪った食糧だけで生きてきたアライさんには、
サバイバル知識など一切存在しない。

アライさん「ジャパリまんはどこにあるのだ!?人間はどこにいるのだ!美味しい揚げパンはどこなのだあ!」スタスタ

アライさんは、出来合いの食べ物を探していたが…

アライさん「本当にお腹が減ってペコペコなのだ…」グーギュルルー

アライさん「でも、街に戻ったらあの悪いやつらがアライさんを差別して虐めに来るのだ…」

アライさん「フェネックもアライさんを裏切ったのだ…。許せないのだ」

いくらバカなアライさんとはいえ、逃亡中にさんざん警官に追っかけ回されたため、
『きっともう大丈夫なのだ!』と街に戻ろうとすることはないようだ。

アライさん「うぅ…。とにかく、食えそうなものを食べるのだ…」

アライさんは、カエルや虫など、簡単に捕まえられるものを見つけ、手当たり次第口に放り込んでいった。


283 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 16:26:41.45 ID:CCeH/o4bd [8回目]
そんな時…

アライグマ♂「キュルルルルルル」ガサッ

アライさん「のだ!」

雄のアライグマが現れた。

アライさん「おお可愛いのだ、こっち来るのだ」

自分以外の誰も愛さないアライさんが、自分以外の誰かを可愛いと思うことなど本来はあり得ない。

しかし、静的欲求がそうさせたのであった。

アライグマ♂「キュルルルルルル」パンパン

アライさん「ああ~気持ちいいのだ!」

アライさんは、野生アライグマと欲望のままに交わった。


284 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 16:37:14.38 ID:CCeH/o4bd [9回目]

アライさん「なんか知らないけどお腹が大きくなってきたのだ…。しかもお腹がすごく減るのだ…」

アライさんは、常に空腹状態であった。

アライさん「この森も食べ物がなくなってきたのだ…」

アライさん「うぅ!?お腹が痛いのだ…!」ズキズキ

アライさん「のだあああああ!」

アライちゃん1「なのりゃー」ズルズル ヌポォ
アライちゃん2「なのりゃー」ズルズル ヌポォ
アライちゃん3「なのりゃー」ズルズル ヌポォ
アライちゃん4「なのりゃー」ズルズル ヌポォ

アライさん「はぁ、はぁ…」ゼェハァ

アライちゃん1~4「「「なのりゃー」」」

アライさんは、子供を4匹出産した。

アライさん「おぉ、アライさんの赤ちゃんなのか…!?可愛いのだぁ!おーよしよし」ダキッ

他者を思いやらないアライさんだが、我が子を見て、可愛い仔猫を見た時のような可愛らしさを感じていた。

アライちゃん1&2「「ちゅぱちゅぱ…」」ゴクゴク

アライさん「おおおー!気持ちいいのだあ!」

アライさんに他者を思いやる気持ちなど一切無く、誰かを愛する気持ちなど全く無いのは、誰もが知る純然たる事実だ。

とすれば当然、自分の子供に対してさえ、思いやりの気持ちや愛情などのような親心を抱くなどあり得ない。

だがそんなアライさんでさえ、意外かもしれないが、子猫などのペットを見て可愛いと思う時はある。

アライさんは、乳首を吸われる気持ち良さもあってか、赤ちゃん達をペットのように可愛がった。


285 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 16:47:01.11 ID:CCeH/o4bd [10回目]
アライさん「そろそろ寝るのだ…」

アライさんは、赤ちゃん達を地面に置いて寝た。

アライちゃん達「「「のあ…のあ…」」」zzz

アライちゃん達は、すやすやと寝た。

アライちゃんは人間の赤ちゃんと違って、普段あまり泣かない。

そもそもなぜ人間の赤ちゃんは、他の動物の赤ちゃんと違って、母親が育児ノイローゼになるくらいよく泣くのか…?

人間以外の動物は、母親のお腹の中である程度自分の身を守れるように成長してから産まれてくる。

しかし人間は脳が発達しすぎたため、他の動物と比較するとまだ未成熟なままで生まれないと、産道から頭が通らない。

生まれてからかなりの期間自分で身を守る(走る。歩く)ことはおろかほとんど何も出来ないため、なるべく自分の存在を示し、仲間に守ってもらう道を選択せざるを得ない。

これが泣くという行為につながっている。

また、人間以外の動物は、声をあげると他の動物に気づかれて襲われることもあるが、

人間は火を使えるため、赤ん坊が安心して泣けるのである。


アライちゃん達「「「のああ…のあああ…」」」zzz


知能の低いアライさんの赤ん坊は、人間以外の動物の赤ちゃんに近いといえるだろう。


286 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 16:51:25.63 ID:CCeH/o4bd [11回目]
アライさん「起きたのだ!さあ食べ物を探しに行くのだ!」スタスタ

アライちゃん1~4「「なのりゃー」」

アライさん「おおそうだ、おっぱいをあげるのだ」

アライさんは赤ちゃんに授乳した後、食べ物を探しに行った。

アライちゃん1~4「「「すぴー…すぴー…」」」zzz

こうして、4匹のうち2匹は、野生の蛇に食われたり、アライさんが玩具代わりに遊んでいるときに首の骨が折れて死んだが、
残りの2匹は離乳期まで育った。


287 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:01:05.72 ID:CCeH/o4bd [12回目]
アライさんの赤ちゃん達は、人間の赤ちゃんほど手がかからない。

とても弱く、母親に授乳してもらわないと生きていけない。

だが、大人しいし泣かないし、暴れたりもしない。

そのため、我慢強さも根気も親心も思いやりもないアライさんであっても、
乳首オナニーのついでにペット感覚で育てることができたのである。

ある日…

アライさん「うぅ?おっぱいが出なくなったのだ」

アライちゃん1「ちゅぱちゅぱ」シャブシャブ

アライさん2「ちゅぱちゅぱ」シャブシャブ

アライさん「まあいいのだ、出ないこともあるのだ」スッ

アライさんは、集めてきた食べ物(虫やカエル、木の実)を食べ始めた。

すると…

アライちゃん1&2「「なのりゃー」」ヨチヨチヨチヨチ

赤ちゃん達が、集めてきた食べ物に近寄ってきた。

アライさん「どうしたのだ?」

アライちゃん1「はぐはぐ」クチャクチャ

アライちゃん2「あぐあぐ」クチャクチャ

アライさん「…!」

赤ちゃん達は、母親が集めてきた食糧を食べ始めた。

ほんの少しでも自分以外を思いやる気持ちがある生き物なら、我が子の成長を喜び、食べ物を分け与えるだろう。


290 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:13:30.92 ID:CCeH/o4bd [13回目]
だが…

アライさん「うぬぬ~!チビ達!それはアライさんが苦労しながら集めてきた食べ物なのだ!アライさんのなのだぁ!」ゲシィ

アライちゃん1「ぴぎっ!」ボテッ

アライちゃん2「ぴぃ!」ボテッ

なんとアライさんは、我が子を蹴った。

アライさん「アライさんはなぁ!偉大なんだぞぉ!毎日必死にへとへとになりながら、食べ物を自分で取ってるのだ!」フゥーッ

アライさん「それなのに、お前らは今アライさんから食べ物を泥棒しようとしたのだ!巨悪なのだ!ガイジなのだ!」ゲシィ

アライちゃん1&2「「なのりゃあ!なのりゃあ!」」ゴロンゴロン

アライさんは、まだ言葉も喋れない我が子に向かい、まくしたてるように罵りながら蹴りを加える。


291 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:19:40.88 ID:CCeH/o4bd [14回目]
…そう。
皆が知る通り…

アライさんに、誰かを思いやったり、自分が独り占めした食糧を分け与えるような優しさなど、存在しないのである。

例え、その相手が我が子であっても。

もしもそんな優しさが一片たりともアライさんにあろうものならば、
かばんちゃんを泥棒扱いして帽子をひったくるような狼藉などしたはずもない。

帽子を返す際に嫌みったらしく「一旦」などと付けて、いまだ自分のものであることをアピールするような陰湿なマネなどするはずがない。

人間社会から追放されるほど嫌われることもあろうはずがない。

アライさん「いいのだ!?食べ物泥棒め!今度二度とアライさんの食べ物を盗むことは許さないのだ!アライさんのおっぱい以外吸う以外ダメなのだ!分かったか!?」

そうは言っても、とっくにアライさんの母乳は出ないし、アライちゃん達も離乳期が来ている。

アライちゃん1&2「「はぐはぐ」」ガツガツ

言葉が分からない上に、母親に似て他者を思いやれず、他者の気持ちを汲み取れないアライちゃん達は、
先程と同じように母親の食べ物を正々堂々と食べた。

アライさん「…」スタスタ

…アライさんはもう、目の前の我が子達を、可愛いペット等と思っていなかった。

アライさん「…」ガシィ

アライちゃん1&2「「のだ?だあだあ」」シッポフリフリ

自分の言うことを聞かず…
自分が汗水流してかき集めた食べ物を横取りし…
自分をイライラさせる…
ワガママな『害獣』としか認識していなかった。


292 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:25:41.70 ID:CCeH/o4bd [15回目]
アライちゃん1「なのりゃー」ブラン

アライちゃん2「のりゃ!のりゃ!」ブラン

アライさん「お前達みたいな、食べ物泥棒なんて…!もう!大嫌いなのだああ!」ドガァドガァ

アライさんは、2匹のアライちゃん達を掴み、その頭同士を激しく何度もぶつけ合わせた。

アライちゃん1&2「「びぎぃ!ぶぎぃ!ぐびゃあ!」」グシャグシャブリブリブリジョボボボボ

アライちゃん達は、脱糞しながら失禁している。

アライさん「こんな!巨悪は!許しておかないのだああ!たあ~!たあ~!たあ~!」ドガァドガァドガァ

アライちゃん1「」グチャグチャ

アライちゃん2「」グチャグチャ

アライちゃん達の頭は潰れていた。


294 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:40:47.39 ID:CCeH/o4bd [16回目]
アライさん「ふぃ~、スカッとしたのだ。これでアライさんの食べ物を横取りする悪い奴はいなくなったのだ」ポイッ

アライちゃん1「」ドチャッ

アライちゃん2「」ブチャァ

アライちゃん達は激しくゴキガイジムーブしながら死んだ。

アライさん「おお!今日はご馳走なのだ!はぐはぐ…」クチャクチャ

そして、我が子の死骸を食い漁り始めた。

…そう。
このように…。

我々が知るアライさん像が正しければ…。

我々が知る通り、一度自分のものと認識したものを、決して誰にも分け与えようとしないほど強い独占欲を持っていれば。

我々が知る通り、自分以外誰も愛さず、誰も思いやろうとしないほど、自分勝手で利己的な性格であれば。

我々が知る通り、自分のものを取られた時、手加減せず本気で相手に暴力を振るうほど狂暴であれば。

我々が知る通り、腹が立ったとき、一切我慢せず、すぐ暴力に頼るほど短気であれば。


アライさんには…

我が子を離乳期より後まで育児することなど…

自力でヨチヨチし、喋ったり畑泥棒ができるようになるまで成長させることなど…

心理構造上、絶対に不可能なのである。


295 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:41:32.81 ID:CCeH/o4bd [17回目]
もしも、我が子を喋ったり畑をできるまで育てられるアライさんがいたならば…

それは、我々が知るアライさんと違い…

自分のものを、他者に分け与えることができる程度には、思いやりや分け合う心があり。

食べ物を勝手に食べられても許してあげれる程度には、自分以外の誰かを愛する優しさがあり。

弱い我が子に暴力を振るわない程度には、自力の怒りを抑える我慢強さがあり。

他者へお仕置きするときに、死なない程度に手加減できる手心がある…


そんな、我々の知る正しいアライさん像とはかけ離れた、一欠片の『善の心』を持ったアライさんといえるだろう。

もっとも、そんな存在はあり得ないため、アライさんが子育てを成し遂げることなどあり得ないと断言できるのだが。


296 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:48:04.62 ID:CCeH/o4bd [18回目]
アライさん「ふぅ、お腹いっぱいなのだ。ため糞して寝るのだ!うぅ~っ!」ブリブリ

子育てを終えたアライさん。

だが、寂しさはなかった。

我が子に対する愛情など最初から無かったし、

害獣へ変貌したペットを処分することにも、何ら抵抗など無かったのだから…。


だが、アライさんの前に強大な敵が訪れた。

それは、野生の熊でも、人間でもない。

『冬』である。


猛吹雪の中、アライさんは木陰で震えていた。

アライさん「ううぅうぅぅう…!さ、寒いのだ…!凍えて死にそうなのだ…!」ブルブルガチガチ

知能が低く、学習能力も低く、計画性もないアライさんは、越冬の準備などしていなかった。

冬籠もりをするための住み家作りも。

冬を越すための保存食集めも。

何一つ、やっていなかったのである。

アライさん「お腹もぺこぺこなのだ…!食べ物が何もないのだ…!」グーギュルルー


297 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 17:54:41.66 ID:CCeH/o4bd [19回目]
アライさん「し、死にたくないのだ…。そうだ、フェネック…フェネックのところに行くのだ…」フラフラ

ジャパリパークで、心身共に醜いアライさんのそばに、常にフェネックが一緒にいた理由。

それは、友達だからではなく…
フェネックがアライさんに付きまとわれていたから、というのは一般的な定説だ。

アライさんは基本的に、困った時にすぐにフェネックを頼る、一人では何もできない無能である。

今までは、食べ物が多い時期と場所だったため、比較的でイージーモードで自力で生きてこれた。

だが、ここからはハードモードである。

アライさん「きっともうみんな、アライさんのこと怒ってないのだ…。フェネックも、きっとアライさんに会えなくて寂しがってるのだ」フラフラ

アライさん「へねっく…へねっく…」フラフラ

体力の限界になりかけているアライさんは、街へ戻ろうとして、吹雪の中をふらふらとさまよい歩いた。


298 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 18:00:47.62 ID:CCeH/o4bd [20回目]
突然、吹雪が明るくなった。

アライさん「ん…?何なのだ…?」

…吹雪の中から、大型トラックが飛び出してきた。

運転手「!?ひ、人だ!?青信号なのに!ぶっ、ブレーキ!ひっ止まら…」キキキキキ

アライさん「のあああ!?」

大型トラックは、アライさんを勢いよく撥ね飛ばした。

アライさん「ごぶぎゅぅぅっ!」ドッガアアァァ

そして、電柱に頭から衝突した。

アライさん「じび!!!」グシャアアッ

アライさん「」ズルズル ドチャア

運転手「きっ君!大丈夫か!?き、救急車を!」ユサユサ

アライさん「」グチャア

運転手「あ、ああ、これはもう助からない…」

顔がグシャグシャに潰れたアライさん。

かつての醜いつり目やピカピカガイジ顔が破壊されており、撥ね飛ばされる前ほど醜い顔では無くなっている。

運転手「な、何のフレンズだろう…。たぬきちゃんかな…」

運転手は、警察に電話した。


300 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 18:03:16.07 ID:CCeH/o4bd [21回目]
やがて警察と救急車が来た。

警官1「これは…アライさんですね」

救急隊員「なんだ、では怪我人はいないんですね。撤収撤収」ブロロー

救急隊員達は撤収し、警官達はアライさんをゴミ袋へ詰めてパトカーで搬送した。

運転手「あ、あの、俺は…」

警官2「仕事中なんでしょ?行っていいよ。明日交番で、アライさんから受けた被害の状況とか聞かせてください」

運転手「は、はい…」


301 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 18:16:52.14 ID:CCeH/o4bd [22回目]

こうして、世間を騒がせたクソ害獣は、無事にこの世から消えた。

「アライさんが大繁殖するのでは?」と騒がれていたが…
それは杞憂であったようだ。

アライさんに自力で越冬を成功させる程の知能はないため、たとえトラックに轢かれずとも、最初の冬を越すことはできない。

そして思いやりの心が一切無く、自分のものを誰にも一切分け与えず、暴力を一切加減しないアライさんには、
そもそも子供を授乳期から先へ育成することなど出来やしない。

もしもアライちゃんに、離乳期を過ぎたら親要らずで自力で生きていけるたくましさがあれば、母親に殺されることは無かったかもしれないが、
たとえそうだとしてもやはり冬を越すことはできない。

このように…
ジャパリパークから来たアライさんが大繁殖するなどという悪い予想は、アライさんの無能さ故に最初から起こり得なかったのだ。

事件の後、「ジャパリパークから来たアライさんが大繁殖し人々を襲う」とか、
「アライちゃんが親と一緒に畑泥棒するのを制裁して駆除する」という旨のフィクション小説がいくつか出発されたが…

ケチで短気で暴力的で利己的でバカで無能なアライさんが、実際にそのような被害を起こす可能性はゼロだと断言できるであろう。

小説という夢物語の中のアライさんは、実際のアライさんとは違い、子育てができる一欠片の優しさと、越冬ができる程度の一欠片の利口さを加えられた別物として書かれている…。


302 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 18:17:49.34 ID:CCeH/o4bd [23回目]


299 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワンミングク MMea-SqH2) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 18:02:51.45 ID:vD4AvyLuM [1回目]
どんなDQN親でも一応成人するまで育ててる奴は結構いるし
屑が子育てできないとは違うと思うなー
ましては繁殖本能強い虫みたいなアライさんが主流だし


305 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-US76) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 18:50:00.18 ID:CCeH/o4bd [24回目]
299
人間社会では、児童虐待したり餓死させたら警察に逮捕されるから
子育てが嫌になっても育てなきゃいけないからね

森のアライさんは虐待や餓死を咎める存在がいないから
嫌になったら気分次第で育てなくても逮捕されない(育てても駆除はされるけど)

人間でさえ育児放棄して逮捕される屑親は毎年いるし、
アライさんがそれ以上ということはない、というのがこの作品内での位置付け


304 名無しさん@お腹いっぱい。 (スッップ Sdfa-wvmP) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 18:32:44.40 ID:EbpuVcFfd [1回目]
最近このスレで出ていた話題を取り込んだ上で、上手くまとめていてすごく面白かった
惨めに滅びるアライさんもいいね


314 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW 8972-ZY9B) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 21:21:51.95 ID:jIb6HrBi0 [1回目]
305
読みごたえありました。
アライさんのアライちゃんへのアラ虐から、最後はアライさん自身の愚かさからセルフアラ虐になるところがよかった!


315 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 0512-NEzo) sage ▼ New! 2018/05/20(日) 21:57:57.89 ID:C4v37n/j0 [3回目]
301
いい話だった。
展開がすごくて、引き込まれちゃいました。







最終更新:2018年05月23日 00:26