トルカーナ公国

国名 トルカーナ公園
公用語 レオネッサ語
首都 モンツァ
最大の都市 同上
国家元首 オリンド・スカルキ公爵
領域 30
人口 1100万人
通貨 ヤードルーブル
宗教 円十字教会
先代 東ヤード帝国

概要

トルカーナ公国とは、イクファターナ中央部に位置する君主制国家。東はリントヴルム朝ヤード帝国、西はソフィア王国、北はカラシュ公国と接する。元はリントヴルム朝ヤード帝国の一荘園だったが、ヤーディシア大戦後のスタックバラ条約により独立した。

地理

北は環カラシュ山脈と山岳地で占められている。4大河川( ・ ・ ・ )が環カラシュ山脈を水源に山岳地を削るように谷を形成しながら南へ流れる。南方は4大河川による自然堆積物によってできた平原が広がっている。
環カラシュ山脈にぶつかった雲がその場で降雨で消滅してしまい、乾燥した空気が峡谷にそって中央海までながれこむため、年中の降水量は少ない。これらの空気は峡谷をそうように強風を発生させるため、「風の国」という別称がある。気温は中央海気候で年中温暖。

首都モンツァは「大堤防」によって堰き止められ干拓され拡大していった水の都である。風の国の風車は大堤防の内側の海水をひたすら汲み出し、新たな農地をもたらした。
しかしヤーディシア大戦によって大堤防は破壊され、首都全域は大きな被害を受けた。十万人以上が死亡し、現在も再建途上にある。

政治

元首はスカルキ公爵で、スカルキ家の当主による男子世襲制であり、公爵家は政治的権限を強く有しているが、公爵の統治能力に問題がある場合は評議会による執務の一時停止もしくは退位できる事が定められている。
議会は一院制の「評議会」と称され、議員数は30人、任期は5年、解散ありの直接選挙。

スカルキ公

猜疑心に凝り固まり、権力に固執する醜悪な老人。7616年時点で80歳。
人をはめることばかり考えてきた人間であり、ヤーディシア大戦前は冷徹で狡猾、権謀術数と自己保身にすぐれた老巧の宮廷政治家と評されていた。しかし現在では首都水没や敗戦といった衝撃から半ば発狂してしまっている。
改革や変化を嫌い、過去の栄光に固執しており、自分の地位を脅かすと判断したものには制裁と粛清を行なっている。
政策運営の特質は、(1)現実無視、(2)国益無視、(3)二枚舌、二重基準(4)誤りを認めない、(5)無為無策である。
記憶障害からか妄想じみた言動不一致は様々な分野に及び、「シュタイナーが来ればソフィアを撃滅できる」「埋蔵金がある」「企業が内部留保を溜め込んでいる」などと大真面目に家臣に語る。
戦前から生活レベルを落とすことができず、また帝国やカラシュ貴族に対する面子のために変わらぬ豪奢な生活を送っている。

「水没都市」モンツァ

トルカーナの首都モンツァは古くからの灌漑政策によって造られた土地に建設され、美しい歴史的建造物が建ち並ぶ街並みは「風の国の水の都」「中央海の真珠」などの異名を持っていた。
しかしヤーディシア大戦時の「大堤防」の破壊とそれによる水害により、モンツァ市街は地獄と化した。無数の腐乱死体が浮かび上がり、ハエや腐肉クワガタを始めとする害虫が大発生し、疫病も流行した。現在でも市街の45%が水没したままであり、屋根だけが水面上に残っている有様である。また家を失った人々は仮設住宅を乱造したため、スラムが広がる事となった。
モンツァには今やかつての栄光は無く、代わりに「水没都市」という異名を頂戴することになった。

ヴェン・デ・エリック城
モンツァ郊外に存在する、代々のトルカーナ公爵家が居住する宮殿。壮麗なゴシック建築の建物であり、「お伽噺に出てくる城」とも呼称される。周囲には薔薇園を初めとする広大な庭園を持つ。
大戦前は毎週土曜日には舞踏会が催され、庭園が市民に解放され大いに賑わっていた。
現在では見る影も無く、宮殿は居住自体は可能なものの損傷が著しい。庭園は濁流と土砂によって荒れ果てたまま放置されている。

「見えない子供」問題

ヤーディシア大戦時のソフィア兵のレイプによって生まれた子供たちは「見えない子供」と呼ばれている。
「見えない子供」は推定2万人存在する(つまり、凄まじい件数のレイプ事件が発生したということである)。彼らは悪逆なるソフィア人の子供であり、周囲から憎悪と軽蔑、偏見と憤怒、そして悪意に曝されている。
そして当人達の多くも名も知らぬ父親を憎悪し、ソフィア人への復讐を望んでいる。
必然として彼らの大多数は家庭環境に問題を抱えており、捨てられたものも多数存在する。その多くはギャングとなって犯罪と暴力に耽溺している。

麻薬問題

トルカーナ社会の荒廃を現すかのように麻薬の流通が深刻な問題となっている。
最も流通しているのは大麻だが、流通ルートは不明
また、戦争時に兵士たちにナハト市が開発した覚醒剤が「勇気の出る薬」として配布されており、多くの兵士が後遺症に悩まされている。流通量は不明だが現在でもナハト市からトルカーナに覚醒剤が供給されていると考えられている。
反ドラッグ主義者たちが麻薬の依存者や売人を晒し上げ、リンチを加えるという事件も多々起きている。

レオネッサ王国による西トルカーナの占拠

 ヤーディシア大戦後西トルカーナに進駐したレオネッサ王国軍は、講和条約の締結と共に撤退する取り決めとされていたが、レオネッサ王国はトルカーナはレオネッサの正当な領土であるとして撤退を拒絶した。また、アガルタ島のリントヴルム朝ヤード帝国復帰問題で不満を爆発させたレオネッサ王国は、
「ヤード帝国による不法なアガルタ島占拠はトルカーナでも実施される危険があり、レオネッサ王国としてはかような犯罪行為を未然に防ぐべく、トルカーナに駐留し続ける事は全く合法的な行為である」と主張している。
 西トルカーナは現在レオネッサ王国軍10個師団が駐留しており、レオネッサ支配の元でレオネッサ式の法令、制度が導入されている。トルカーナ・リットリア党は西トルカーナを活動拠点にしており、トルカーナ・ミリツィアはここで軍事訓練を受けている。

反政府勢力

トルカーナ・リットリア党(軍事部門トルカーナ・ミリツィア(TM))
レオネッサ・ファシズム系反政府組織。レオネッサ王国青年ファシスト党や国防義勇軍の後援を受け、レオネッサ式の黒シャツ隊の制服、レオネッサ製の武器で装備している。レオネッサ王国が占拠している西トルカーナからレオネッサ編入を訴えるこの反政府勢力は危険な状態にあるトルカーナで勢力を伸ばし、リットリア党員5万人、TMは3万人の兵力を有する油断しがたい勢力に成長している。

トルカーナ共産党(軍事部門トルカーナ人民軍)
共産主義系反政府勢力。清河人民社会主義共和国が後援しているとみられる。トルカーナ公国政府ともトルカーナ・リットリアとも対立している。構成員は2万人。貧困層、労働者層を中心に勢力を拡大している。

歴史改竄問題

戦前のトルカーナは主戦派が多数を占めており、ヤーディシア大戦の緊張を高めた一要因であったが、現在では官民一致してそういった事実は完全に封殺されている。
「トルカーナは平和を愛好し、戦争に反対していた純粋な被害者である」
「残虐で好戦的なソフィア人が突如侵攻してきた」
「カラシュと帝国がごり押しで戦争を開始した」
などの言説が新聞やラジオにて繰り返し放送されている。
そのため歴史認識においてトルカーナ人と外国人が論議することは極めて困難な状態となっている。

ハイパーインフレ

トルカーナ政府は大戦によって壊滅した財政を立て直すために、紙幣の発行を乱発した。
結果、必然的に過度のインフレが発生し、物価が短期間に数倍、数十倍に上がった。この傾向は年数を経ても悪化する一方であり、最終的に物価は数十億倍にまで達し、紙幣は紙屑として街に捨てられることになった。

階級社会

ヤーディシア大戦での混乱により崩壊しつつあるが、トルカーナでは貴族制度、及び農奴制度が現存している。
貴族階級に所属する人間はスカルキ家の当主に忠誠を誓うことと引き換えに、数々の政治的、経済的な特権を有する。
農奴階級は所属する人間は職業選択や移転の自由がなく、所有権を初めとする権利が彼らを管理する地主領主によって保留される。
どちらにも属さない人間は自由民階級とされる。自由民は選挙権を有するが、被選挙権は貴族階級のみであることから、評議会は全員貴族階級によって占められている。

人身売買問題

人身取引は、ヤーディシア世界では麻薬に次ぐ第2の犯罪産業である。
その目的は「性的搾取」「強制労働」「臓器取引」に大別され、甘い言葉や詐欺、暴力によって弱者を支配下に置き、強制的に利益を得ることにある。
トルカーナでは「ヤード帝国工場での労働者募集」など、一見してまともな外面をしていることも多い。犠牲者は就労先でパスポートや身分証を取り上げられ、自分が奴隷に堕ちたことを知らされるのである。面接が奴隷の選別となっていたりもする。
カラシュ公国の誘拐団、ムスルマーネンの奴隷商人、トルカーナやヤード帝国のマフィアなどが複雑な利権構造を構築しており、その全貌は闇の中にある。国境を越えた問題であることや、犠牲者が弱者であることから、各国の警察組織も捜査に乗り気でないことが多い。

経済

農業を基準とした農業国家。特に南方の牧畜とトルカーナイモが有名。北では石炭ガスと亜鉛、金の採掘が主力産業として地域経済を維持している。

農業

平地が続く南方でトルカーナイモの生産が行われており、同国の国民食として食されている。風を利用した風車で地下水をくみ上げているため、農地に風車がいくつも点在するこの国特有の風景を作り出している。

工業

工業はあまり発展していない。羊肉とジャガイモ痛めの缶詰工場があり、国外に輸出されている。

鉱業

北の山岳地を中心に、石炭と石炭ガス、亜鉛と金が採掘されている。特に金はトルカーナを代表する産品で、古代ヤード帝国時代から主要産業になっていた。

交通

川を使った水運が主流。平地部を横断するように大陸横断鉄道が通っていたが、ヤーディシア大戦にて破壊され、復旧の目処は立っていない。

国民

種族

レオネッサ人とヤード人が半々程度の割合で暮らしている。

言語

レオネッサ語話者が大半を占める。

宗教

円十字教信者が大半を占める。

軍事

トルカーナ公国軍はリントヴルム朝ヤード帝国トルカーナ荘園軍時代の系譜と伝統を受け継ぐトルカーナ公国の正規軍。軍制はヤード帝国を踏襲している。徴兵制。

公国陸軍

総兵力20万人の陸軍を有する。装備品は殆どヤーディシア大戦時から更新されておらず、老朽化し、使用不能になった装備をリントヴルム朝ヤード帝国リンディスヴァート制憲諸邦同盟から輸入、更新している。

  • 編成
憲兵師団 1
騎兵師団 1
歩兵師団 8

公国海軍

戦後の軍備制限により余剰となったリントヴルム朝ヤード帝国の駆逐艦や装甲巡洋艦などの旧式艦を譲渡され、編成された海軍。艦艇の旧式化や燃料不足による訓練不足など課題が非常に多い状態になっている。

  • 公国海軍艦艇
名称 分類 製造 備考 隻数
ヴァイオレット 巡洋艦 リントヴルム朝ヤード帝国 ヤーディシア大戦以前の旧式偵察巡洋艦。完成当時は高速の巡洋艦だったが、今日では旧式化、老朽化により以前のような速度は発揮できる状態にない。 1
アルテマ 駆逐艦 リントヴルム朝ヤード帝国 ヤーディシア大戦以前の旧式駆逐艦。中央海艦隊のアルテマ級駆逐艦の残存艦2隻 2
レジェンスキィ 駆逐艦 リントヴルム朝ヤード帝国 ヤーディシア大戦以前の旧式駆逐艦。中央海艦隊のレジェンスキィ級駆逐艦の残存艦2隻 2
リープクネヒト 駆逐艦 リントヴルム朝ヤード帝国 ヤーディシア大戦以前の旧式駆逐艦。中央海艦隊のリープクネヒト級駆逐艦。本級は全艦がヤーディシア大戦を生き残り、トルカーナ公国海軍に譲渡された。 4

公国空軍

トルカーナ公国空軍は設立当初はヤーディシア大戦時のリントヴルム朝ヤード帝国製の航空機を運用していたが、間もなく旧式化が著しくなったため、新たにリントヴルム朝ヤード帝国から戦闘機や爆撃機を購入した。

  • 運用機
名称 分類 製造 備考 機数
ハル級 空中巡洋艦 リントヴルム朝ヤード帝国 ヤーディシア大戦時に生産された簡易な装甲を施した空中巡洋艦。殆ど硬式飛行船といって差し支えないレベルの空中巡洋艦だが、4隻がトルカーナ空中艦隊に配備されている。 4
F31ヴァンパイア 戦闘機 リントヴルム朝ヤード帝国 高翼固定脚の戦闘機。帝国の新興航空機メーカープワフスキ社が開発したが、帝国では採用されずに輸出用に生産された。現在プワフスキ社は新型ヴァンパイア2を初飛行させており、トルカーナ公国空軍はヴァンパイアの調達を70機で打ち切り、ヴァンパイア2を160機調達する予定である。 70


外交

対ソフィア王国

 ヤーディシア大戦におけるソフィア王国軍の数々の残虐行為により、トルカーナ公国ではソフィア王国に対して
「すべての国民の子々孫々に至るまで、骨髄に染み渡る程のソフィア人に対する憎悪と怨讐を抱いている」
と言われるほど国民レベルでソフィア王国を憎悪している傾向がある。こうした悪感情は今日でも継続され、両国に緊張関係を齎している。

対レオネッサ王国

西トルカーナをレオネッサ王国に占拠されており、関係は極めて悪化している。レオネッサ王国はトルカーナ公国を承認しておらず、反政府活動を後援している。

対リントヴルム朝ヤード帝国

元宗主国であり、現在でも最大の交易相手国。トルカーナは市場や販路を持っていないため、帝国との交易は生命線である。現在の自分たちの生活が貧しいのは帝国と切り離されたためであり、帝国に復帰すればかつての美しいトルカーナを取り戻せると信じている。
四六時中ヤード帝国とソフィア王国の関係悪化を目論んでいるか、実行に移している。

対カラシュ公国

トルカーナと同様の立ち位置でありながら、大戦で戦場になることを免れ、政治体制を変わらず維持できていることに嫉妬と憎悪の念を抱いている。
吸血種や人狼に対する差別意識もあり、その眼差しは友好国に向けるものとは言い難い。

歴史

「早く戦争になーれ!」──開戦前のトルカーナ市民
「ソフィアなど、軍隊を派遣して思い知らせてやればいい」──開戦前のトルカーナ市民
「攻勢ではありません。大攻勢です」──開戦前のトルカーナ参謀
「大軍を以てソフィア領土奥深くへ進攻する。それだけでソフィアの人間どもの心胆を寒からしめることができましょう。」──開戦前のトルカーナ参謀
「トルカーナを橋頭堡となし、ここからソフィア領深く進攻する。さすれば、ソフィア軍は狼狽してなすところを知らないでしょう。荘園軍の空前の大軍団が長蛇の列をなし、ヤード帝国正義の旗をかかげて進むところ、勝利以外の何物もありえないのです!」──開戦前のトルカーナ参謀
「…そもそも、この遠征は衆愚政治の暴政に苦しむソフィア王国1000万の民衆を解放し救済する崇高な大義を実現するためのものです。これに反対する者は結果としてソフィア衆愚政治に味方するものと言わざるをえません。小官の言うところは誤っておりましょうか。」──開戦前のトルカーナ参謀
「必要以上に敵を恐れ、過剰に評価するは敵に利することになりましょう。どうか御注意願いたい。」──開戦前のトルカーナ参謀
「万歳! ついに開戦だ!」──開戦直後のトルカーナ株式市場。速くも戦勝ムードに包まれ、株価が高騰
「降誕祭にまた!」──第一次動員時のトルカーナ兵士
「友軍とは言え、稚拙な戦術に無能な司令官。無様ですな…」──カスパー・ロウ男爵
「ソフィア軍は小細工を弄して敗着までの時間稼ぎをしているに過ぎない。ジタバタしているだけだ。帝国が本気になればすぐに終わる」──ソフィアの反攻に際して。トルカーナ参謀
「早くこのことをみんなに知らせなければ!」──トルカーナ偵察兵の最後の言葉
「帝国領邦の市民には本当に申し訳無いことをした。だがトルカーナだけは自業自得だ」──皇帝ドミトリー3世
「トルカーナは敗れたのではない。背後からの一突きがあったのだ」──トルカーナラジオ
「次の戦争は、僕らの望んだ戦争だ!」──トルカーナの子供

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最終更新:2019年08月09日 18:56