本裁判(平成30年特(わ)1799号)が終わってからというものの、一連のストーカー事件が急展開を見せたことに困惑している方が多いのではないでしょうか。かくいう私もそうです。2019年1月31日にストーカー規制法違反で有罪判決を受けた元被告人・大西秀宜(以下、大西元被告)は2月4日に控訴したことを自身のツイッターで発表しましたが、2月18日になって控訴を取り下げて実家に帰る旨を表明し、19日に朝日新聞記者の小松隆次郎氏がツイッターで実際に控訴を取り下げたことが確認されたとしています

 そればかりではなく、大西元被告は19日以降、自らがソシオパスであるパーソナリティー障害であるなどと、精神疾患を抱えている可能性があると主張をするようになりました。そして21日には、自らの行為がストーカーにあたるものだったと認め、ストーカー被害者Aさんに対する謝罪の言葉さえ述べてみせました。そして自らの主張を垂れ流していたブログは閉鎖し、ツイッターアカウントも新しいものを作った上で、一時は以前のアカウントを鍵付きにしました。※(2/28追記)その後、要望を受け一瞬だけ非公開設定を解除しましたがすぐアカウントを削除し、27日には新規アカウントも削除しました。

 ネット上の反応を見ていると、多くの方が大西元被告の豹変ぶりに驚き、歓迎の意を示した人がいる一方で、私のようになお大西元被告の反省ぶりに疑惑の目を向けた方々も少なくありません(2月19日2月21日のエントリーをご参照ください)。

 何度も書きますが、本当に大西元被告が改心し、Aさんの身が安全になるのでれば、それはもちろん歓迎すべきです。しかし個人的には大西元被告の主張の振れ幅が大きすぎることに、また別の懸念を感じています。思い切り自らの主張を否定するところまで振り子が触れたということは、逆にまた元の場所まで戻ってしまうこともあるのではないかと危惧しています。

 一連の反省の言葉が本当に本心からくるものなのか、誰かから言われて書いているのではないか、という勘ぐりすらネット上では見受けられます。が、ここではそうした下衆の勘繰りはやめておこうと思います。というのも、これからさらに深い下衆の勘繰りをしようと思っているからです。


■大西元被告はわかっていた?

 大西元被告が逮捕される前から動向をチェックし続け、裁判を傍聴した立場から、大西元被告の現在の豹変ぶりには驚かされます。今の主張は法廷での姿からはとても想像できません。

 大西元被告に問いたいことがあります。あなたはずっと、自らの主張が詭弁に過ぎないことを、実は心のどこかでわかっていたのではないですか、と。

 しかし、こう問うても大西元被告は否定する気がします。

 大西元被告の豹変ぶりを説明する試みがネット上で続いています。拘置所から外に出てきて現実を思い知った、心療内科の薬を服用し始めた、保護司に説き伏せられた…中には、大西元被告ではない別人が書いているのではないかという、陰謀論に近い説さえ散見されます。別人説はともかくとしても、あそこまで頑固に自らの主張を崩さないまま公判を突っ走った大西元被告が、そんなに簡単に自らの主張を翻すとは、私にはどうしても信じられないのです。薬の力を借りたのかもしれませんが、しかし個人差はあるにせよ、あまりに短期間に劇的に効きすぎではないでしょうか。

 私には、大西元被告が元来から自らの主張が道理の通らない、詭弁に過ぎないものであることを心のどこかで自覚しており、それがここに来て何かの拍子に一気に大西元被告の心の大勢を占めるようになったと考えたほうが、よっぽどしっくりくるのです。もちろんそのきっかけが先に述べたような理由であった可能性はあります。しかし、根本的にはそこまで自説に自信がなかったのではないでしょうか。

 仮にそうだとすると、あの裁判は一体何だったのかと、余計に救いがたい気持ちになってしまいます。判決が下ったその日に私は「なんとも救いようのない裁判だった」と書きましたが、それ以上にやるせない気持ちになります。なぜなら、この推測が正しいならば、一連のストーカー事件はもっと早くにケリをつけることができただろうからです。大西元被告は逮捕・起訴され、執行猶予がついたとはいえ前科一犯となりました。被害者Aは家族も含めて大きな恐怖心を抱き、Aの芸能活動が大きく阻害されることとなりました。ここまでひどい状況になるしかなかったのでしょうか。いずれにせよ、大西元被告の犯した罪はあまりにも大きいと言えます。


■本当に危険は去ったのか

 大西元被告は反省の言葉を口にはしているものの、先程も述べたとおり、私は全く警戒心を解くべきではないと考えています。これまた先述したことですが、ここまで態度が豹変すると、また元の方向にも豹変するのではないかという懸念が拭えず、少なくとも手放しで喜べる状況だとは到底思えません。大西元被告が宣言しているとおり兵庫県のご実家に帰るのであれば、首都圏や東北を中心に活動しているAとは物理的な距離は広がるわけで、それは安心材料にはなるでしょう。しかし、ネットが繋がっていれば極端な話、地球の裏側からでも罵詈雑言や嫌がらせを行うことはできます。ご実家に帰られようが危険が完全に去るわけではありません。

 いずれにせよ大西元被告は自ら精神疾患を抱えていると主張するならば、心療内科にて診察を受けて正式な診断を下してもらうべきで、そこから今後の人生を考えるのが一番良いのではないでしょうか。

 以上となります。今後ともに最大限の警戒をもって対処してまいります。なにか不審な動きを見せた場合は即座に関係各所に通報する手はずも、整えています。



文責、サイト管理者:A情報局の中の人

平成31年2月23日 記
同2月28日 追記

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最終更新:2019年02月28日 10:09