寺生まれのフレンズその4

377 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ bf12-ylxw)[sage] 投稿日:2017/12/10(日) 11:50:13.34 ID:2jn1tQQ80 [1/4]
最近テレビのニュースでバイト先の近くの神社にアライさんの慰霊碑を立てるって話を聞いた。
正直言ってあんな奴らのために慰霊碑を立てるなんて金の無駄遣いにしか思えない。
そのことをバイト先でふと洩らすと先輩がこんなことを言った。
「もしアライさん共が悪霊になって祟ってきたらめんどくさいだろ?」
確かに、生きているアライさんなら殺せばいいが、万が一化けて出てきたらどうしていいかわからない。

そんで、アライさん慰霊碑が出来て数日経ったある日のバイト終わりの深夜。
やたらと周りを気にしている三人組の男を見つけた。
もしかして、と思った俺たちはその怪しげな三人組の後を追うことにした。
向かった先は案の定、アライさんの慰霊碑。

「おら!アライさんごときに慰霊碑なんて勿体ねーんだよ!!」
全くその通り、強くそう思う主張を繰り返しながら慰霊碑を壊していく三人組。
止めるつもりはないが、完全に壊されたら修理費やら何やらでまた金が無駄に使われる。
ある程度壊したところで警察に通報してやろう、そう考えていたら・・・・

「のののーあ!」「てんかとゆのりゃあ~」「いだいのだぁあああ!!」「ふはははーっ!」
なんと、壊された慰霊碑の中から次々とアライさんとアライちゃんが湧きだしてきたのだ!!
いや、あれはもうアライさんやアライちゃんじゃない!
怨霊アライさんと怨霊アライちゃんだ!!

「くるちぃのりゃあ~」「ヒトしゃんのせいなのや~」「うらめしいのだ~」「うんちするのだ~」
醜いガイジ顔が無数に空を舞っている余りにも悍ましい光景に俺も三人組もすっかり腰を抜かしてしまっていた。
「ふくしゅーなのりゃ!」「ぶっこよすのや!」「アライさんは偉大なんだぞお!!」「身体が欲しいのだ~」
人間への復讐心で怨霊アライさんたちの心が一つになったのだろうか、怨霊が一カ所に集まっていく・・・・
ああ!一つになった怨霊が誰かが奉納したアライさんっぽい形をした白い石に憑りついた!!

「……ふ、ふはははーっ!アライさんたち完全復活なのだ!!ンッン~~♪実に!スガスガしい気分なのだッ!」
なんてこった、白い石を新しい身体として怨霊アライさんが復活、いやアライ白石として誕生しちまった!
「歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分なのだ~~フフフフハハハハ」
「……でも、人間にアライさんたちがされたことを思い出したら折角のイイ気分がぶち壊しなのだ!!」
「ひぃぃ~~~~~~~~~!?」
アライ白石が手を掲げただけで三人組の一人が空中に持ち上げられる。
「うわあぁぁあああああ~~~~~~~~!!た、助けてぇええ~~~~~~~~~~~!!!」
「逃がさないのだ!!」
逃げようとした二人もアライ白石の怨霊パワーに捕まり空高く掲げられた。
やばい、どうしよう?どうしましょう先輩!?


380 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ bf12-ylxw)[sage] 投稿日:2017/12/10(日) 12:00:41.80 ID:2jn1tQQ80 [2/4]
「どうするもなにもこうするんだよ、破ぁーーーーーーーーーーーーッ!」
すると、一緒に三人組を追っていたバイトの先輩で寺生まれのTさんの両手から青白い光弾が飛び出し
「ば…バカなッ!……こ…このアライさんたちが……… このアライさんたちがァァァァァァ──────ッ」
アライ白石の身体を吹き飛ばし中の怨霊を全て消し去った。

「死んだアライさんくらいそっとしといてやろうぜ…… 今みたいに化けて出てこられても困るだろ?」
そう言いながら腰が抜けて立てない三人組を立たせてやるTさん。
「線香はないからこれで勘弁してくれよ?」と咥えていたタバコを慰霊碑の前に供えるTさんを見て
寺生まれってすっごーい!君は霊能力のあるフレンズなんだね!深く深くそう思った









最終更新:2018年04月06日 02:13