プロローグ(張本負切洲)

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プロローグ(張本負切洲)


私立ダンジョン前中学校の理事長、瀬戸内情弱は激怒した。
ダンジョンができてからずっと学校は休校で生徒は自宅学習。生徒の親からは入学金と授業料返せとクレームが止まぬ。

情弱には学校経営がわからぬ。しかし、元凶たるダンジョンをなんとかしてやるという強い意志があった。

「もしもし警察であるか?わしである。ダンジョンをなんとかするである」

警察への電話から三日後、スタイリッシュなオカマがバイクに乗って学校に来た。

「こんにちはー、政府の依頼できましたノイマよぉ」

オカマはノイマ・ノイマという名の魔人だった。

「オカマ、お前強いのであるか?」
「私より強い魔人はいっぱいいるわ。でも魔物がいるダンジョンで長期戦をするなら私が一番かもね」

情弱は安心した。ノイマは魔物狩りを得意とするだけでなく、昔似たようなダンジョンを完全制覇した事もあるんだってさ!

「じゃ、行ってくるわね」
「超期待してるのである」

バイクでダンジョンに飛び込むノイマ。
三秒後、飛び込んだ時の倍の速さでダンジョンから飛び出し情弱を轢いた。

「痛いのである!」
「ごめん」

情弱は激怒した。何故オカマが自分を轢くのか。
情弱には理由がわからぬ。

「何でわしを轢くであるか!というか、何ですぐ戻ったであるか!ハンカチ忘れた?」
「違うわよ、ダンジョンが私は過去に同じタイプのダンジョンに入った事があるからダメって拒んだのよ」

どうやらこのダンジョンは過去にノイマが入ったものと同類のものらしい。
作者は激怒した。今回のキャンペーンならノイマさんで楽勝だと思ったのに、昔ダンジョンに潜って願いを叶えた設定のせいでアウトじゃねえか!

んー、どうしよ。そうだ、昨年末キャラクター投稿受付期間が10時間しかなくて送り損ねた奴がいたわ。あいつ使おう。

と言うわけで新キャラ登場である。

「ちょっといいかな、この近くにダンジョンがあると聞いたのだが」

背後からの声に情弱は振り返り、硬直する。
そこにいたのは両手に一本ずつナイフを持った全裸の男だった。
よくみると股間にウシガエルを張り付けて大事な部分は隠してあるが、まあ全裸といっていいだろう。
魔人であろう事を考慮しても変質者だ。
ノイマがマトモに見えるレベルのアウトな人だ。

「お、お前は誰であるか!」
「お答えしよう」

情弱は何者かを聞き全裸男は返答。会話の通じる変質者であった。
全裸男はシャキンとポーズを決めなから自己紹介を始める。

「顔はコードギアスのラスボス激似のイケメン!」シャキン!
「ウェディングケーキを切り裂くナイフ二刀流!」シャキン!
「そして股間には愛を象徴するガエル!」シヤキキン!
「私が噂のラブマゲドン覇者ラブニカ・アイエルだぁー!」バアーン!

なんと、全裸男はダンゲロスssラブの優勝者ラブニカその人だったのだ。

「先日ダンジョン探索申請した張本負切洲(はりもと まけぎりす)君ね?」
「あっ、はい。張本マッケー26才ノージョブてす」

すいません、嘘つきました。作者はダンゲロスssラブには参加すらしていません。
後、彼の名は張本でした。でもラブニカと呼ぶと喜びます。マッケーでも可。張本呼びはちょっと不機嫌。なので皆さんぜひ張本と呼んであげてね。

「と言うわけで、ラブニカと呼ばれたい張本負切洲ただいま登場!さあダンジョンへの案内を」
「はぁい、ご新規様一名入りまーす」
「いやいやいや、待つである」

情弱は引き止めた。
情弱には張本の実力はわからぬ。だがこいつは色んな意味でダメな気がした。
たとえ変態であっても、無駄に命を散らすのを黙って見ていられる情弱ではなかった。

「待てとゆーにである」
「どうしたのですか、ご老人」
「わしにはお前がダンジョン制覇できるように見えんである。カテゴリーエラー感半端ないである」
「張本君は国の審査を通ってここまで来た強者よ」
「んな事言われても・・・ハッ!」

情弱は気づいてしまった。張本はこの格好でここまで来た。通報される事もなく!

「お前ここまで一人でどうやってぇである!!」
「気づいたか。ならば実演して納得してもらうとしよう」
「実演である?」
「そうだ。このラブニカの化身(願望)である私がダンジョンを制覇できると今ここで証明しよう。協力頂けるかな?」
「どんとこいである」
「では問題。ダンジョンとは漢字でどう書くでしょーうかっ!」

唐突なクイズ。情弱にはとんちがわからぬ。なので直球で答えた。

「・・・迷宮であるか?」
「なるほど。ではノイマさんの答えは?」
「私もやるの?そうね、未踏地帯かしら」
「ブッブー二人とも不正解!正解は男女と書いてダンジョンでしたー!」
「「はあ!?」」

情弱とノイマは軽くキレた。なんだこのふざけたクイズはという思いが心を支配する。
だが、それと同時に何で男女でダンジョンなのかという疑問が頭をよぎる。
二人はこの時既に張本の術中にあった。

「何故男女と書いてダンジョンなのか、気になるだろう?」
「そ、それは確かにである」
「私も」
「では説明しよう。ダンジョンとはこれ以上ない危険地帯。つまり吊り橋効果マキシマムホルモンな恋愛スポット」

確かにダンジョンは恋愛イベントが発生しやすい場所である。
最近のラノベでも難関ダンジョンの最深部で主人公が亜人ヒロインと出会いマッハで惚れられる展開が人気となっている。

「恋愛スポットを制するのは誰か?それは恋愛マスター!ラブニカをおいて他にない!」
「だ、確かにである!」

情弱に対する論破が成功したその時、張本の股間のウシガエルの目が赤く輝く。

「さあ、ガエルの下に集え!」
「ゲロゲーロ!」
「「うおっまぶし」」

これこそが張本の魔人能力『ガエルを持つ私に逆らうのか!』だ!
恋愛論で言いくるめた相手を洗脳し、命令を一つ実行させる!
情弱とノイマは張本の忠節な僕となった!

「さあ、ご老人は私の実力を認め足止めをやめるのだ。ノイマさんは、そのバイク便利そうなので貸して下さい」
「「イエス・ユア・ハイネス」」

お目目グルグルになって命令に従う情弱とノイマ。
二人が正気に戻ったのは張本が秋葉流式ライドでバイクに乗りダンジョンの中へ消えた後の事だった。

「凄い能力だったであるな」
「そうね、でも魔人の戦いに絶対は無いわ」
「あの男は無事に戻ってこれるであるか?」
「私が今言えるのは一つ。そこに立っていると危ない」

三秒後、入っていった時の倍の速度でバイクが飛び出し情弱を轢いた。

「痛いのである!」
「やっぱりこうなるのね」

このバイクはノイマと共にダンジョンを駆けた相棒だからアウトと判定されたのだ。

そして、これにより被害を受けたのは情弱だけではない。

「んほあぁぁぁぁ!!!!」

秋葉流式ライドでノイマバイクに乗っていた張本は時速80キロで投げ出され、第一階層に文字通り飛び込むはめになったのだった。


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