【ストリート】SSその2

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【ストリート】STAGE 試合SSその2


大勢のストリートギャングが一人のストリーキングを囲んでいた。

「はっはっは、誰も怪我がなくてなによりだ。お詫びにチョコをあげよう」

ストリートギャングの群れに飛び込んだストリーキングこと張本は尻の割れ目からチョコを差し出した。

「ふざけるな!そんなんで許されるか!モグモグ、俺達は受信料をもらうまで許さねえ!モグモグ」

ギャングのリーダー的存在の少年がチョコをほおばりながら詰め寄る。
彼らはNHKの受信料取り立てを目的として他人の家の前に何時間も居座る恐るべき集団、
決して退かぬ鉄の尻を持った集金団、略して『ケツカネ団』である。

だが、ダンジョン内の受信料支払い率は低下していた。
以前は毎月払ってくれてた家すらも「これからは全ての給料を南のガッキー様にささげるので」と訳のわからない事を言って払わなくなった。。
おのれディケイド。

ギャングは舐められたら終わりだ。
だが、もらったチョコを舐めないといけないほど彼らは追い詰められていた。

「ふむ・・・」

少年達の身なりと言動から彼らの現状を察した張本は少し考えこむと、尻から財布を取り出し近くのTSUTAYAに入って行く。

「おいチョコの人、まだ話は終わってねえぞ」
「少し待ちたまえ」

張本は店員に事情を説明し金を支払う。
数十分後、ケツカネ団全員分の会員カードが発行された。
ケツカネ団の少年達は思わず喉をならす。
明日の食事にも苦労していた彼らにとってTSUTAYAの会員カードはあまりにも遠い存在。
それが、突然手に入ったのだ。
少年達は会員カードに書かれた名前やナンバーを見せあい喜んでいたが、
りーだら的存在感を放つ少年だけはまだ張本を怪しみ睨み付けていた。

「あんた、何でこんな事を」
「ここには国からの依頼で来ていてね、前金で10万ドルポンとくれたのさ」
「金の出所は聞いてねえよ。因縁つけてカツアゲしようとしてきた俺らにこんな事するなんてどんな裏があるんだよ」

りぃでら的少年の疑問に対し、張本は遠い目をしながら答える。

「さっきも言ったが私は国からの依頼でこのダンジョンの制覇を目指している。
だが、この依頼は本来はノイマ・ノイマと言う人物が受ける予定だった」
「死んだのか、その人?」
「無事ではあるが、事情があってね。そして、本来ここに来るはずだったノイマさんは困っている子供を見たら自分を犠牲にしてでも助ける人だったと聞いている」

※若い頃のノイマさんが未熟な魔人少女達を守った話しについてはAマホを参照してね。

「だからノイマさんの代理として来た私はノイマさんがするであろう行動を実行したまでさ。
それに、こういう行動ってラブニカポイントむっちゃ上がりそうだし」
「・・・信念って奴か」

リーブラ級少年は納得する事にした。
ラブニカの部分だけ全くわからなかったが、ここをつつくとめっちゃ早口で目を輝かせながら延々と話し続ける展開が予想されたのでスルー。

「ありがとなチョコの人」
「張本負切州だ。ラブニカかマッケーかラブニカかシュナイゼルかラブニカと呼んで欲しいな」
「じゃあ張本さんで」

張本の顔が一気に曇った。TSUTAYAカードを手にする前の少年達の三倍強の曇りっぷりだ。

「TOKIO城島気質の少年・・・!」
「どうしたんだ張本さん?突然怖い顔して。あ、こっちの自己紹介がまだだったな。
俺の名はオノレガって言うんだ。漢字で書くと己我」
「オノレガ君には是非ともラブニカと呼んで欲しいなって・・・」
「ワリイ、何か生理的に無理」

張本は無言でオノレガのTSUTAYAカードをひったくると、目の前でゆっくりと折り曲げていく。

「俺のTSUTAYAカードー!」
「オノレガ君、私の名前もう一回言ってみて」
「ムリムリムリ!それ以外では何でもするからTSUTAYAカード返してくれー!」

張本は悲しい目をしながら、渋々TSUTAYAカードを返した。
そして、何でもすると言われたので自分の対戦相手の情報を持ってないか聞く事にした。

「オノレガ君はこの辺りを仕切っているのだろ?私以外のこの街の新参者について何か知らないかい?」
「ああ、『ガッキー様』か」
「ガッキー様?」
「こっから南にジャスラッ組と言うヤクザ事務所があるんだが、最近そこのボスが変わったらしい」
「ほうほう」
「んで、それ以来俺達ケツカネ団の縄張りも段々おかしくなっていって、今やこの街の殆どがガッキー様の奴隷さ。いくら粘っても受信料を払おうともしねえ」

ガッキー様の話を聞いた張本は直感的に理解した。
この人物こそが自分の探していた一人目のモンスターだと。

「ガッキー様の被害にあった人物はどんな感じだったか覚えているか?」
「俺は専門家じゃないが、素人目にもやりたくもない事を見えない力で強制されて見えた」
「間違いない、そのガッキー様が私の対戦すべき相手だ。オノレガ君、ジャスラッ組までの案内をしてくれないか?」
「いや、それはちょっと」
「ジャスラッ組が潰れるか昔の状態に戻るかすれば君達も窮地を脱する事ができるはずだ」

張本がそう言い説得するも、オノレガは首を縦に振らない。

「まだ私を信頼できないかい?」
「だってよ、相手はヤクザ事務所を乗っ取ったんだぜ?悔しいが下手に手を出したら洗脳されて終わるに決まってる!俺達もあんたも!」
「その心配はない。何故なら私も洗脳能力者。そして同能力ならばプロ魔人(今は無職)の私が必ず勝つ。君にも私の力を見せてやろう!」

張本が両手を広げると股間のウシガエルの目が赤く光る。
TSUTAYAカード贈呈とノイマさんの話て既にケツカネ団への条件はクリアしていた。

「さあ、ガエルに集え!」
「ゲロゲーロ!」

ケツカネ団全員がお目々グルングルンの命令待ち状態になったのを確認し命令を与える。

「君達は最早力なき少年ではない!魔人に匹敵する力を持ち、自由と誇りの為にジャスラッ組を打ち倒すラブニカの騎士だ!」
「イエス!」「ユア!」「ハイネス!」
「俺達は!」「ジャスラッ組を倒すまで止まらない!」

「「「「「「張本の騎士!!」」」」」」

少年達(TSUTAYAカード折り曲げられたオノレガ除く)に無限の勇気と準魔人級の力か、張本には絶対洞窟制覇してラブニカと呼ばせてやるという意志が備わる。

「さあ、オノレガ君、今度こそジャスラッ組まで案内してくれるね?」
「ああ、わかったよ!連れてきゃいいんだろ!」

オノレガを肩車した張本を先頭に南に向かって爆走する張本騎士団。
全員がパワーアップした今なら走って15分でジャスラッ組に着く予定。
その予定は大きく狂った。
街の南側からヤクザ達が同じ様に爆走してきて両陣営は街を二分するストリートで鉢合わせる。
ステージノルマ達成。

「ようケツカネ団。会いたかったぜだ」
「語尾は?」
「は、はいっ!会いたかったぜだワン!」

ヤクザの先頭に立つのは犬の様に四つん這いになったケツアゴの男と、
そのケツアゴ男の背中に乗り物理的にも精神的にも尻に敷いている十歳ぐらいの少女。

「どうやらそちらも出陣した所だった様だな。どうも初めましてガッキー様、貴方のラブニカ張本負切州です」

張本はケツアゴ犬野郎に正々堂々自己紹介する。

「違う違う」
「どうしたオノレガ君」
「そっちの落ちるとこまで落ちてるのはジャスラック礼二。楽曲利権ヤクザ、ジャスラッ組の元組長」
「それじゃあ上に乗ってる方が」
「ガッキー様だろうな。俺も初めて見たけど」

などと話している間に推定ガッキー様はジャス礼からヒラリと華麗に降り、オノレガに向かって挨拶する。

「牝垣パルフェ、この街ではガッキー様って呼ばれてるわ。短い戦いになるでしょうけど少しは楽しませてね」
「ガッキー様、違うワン違うワン。そっちの人生どん詰まりな顔してるのは北でNHK受信料回収している己我プンプンだワン」
「えっ、じゃあこっちのキモイのが」
「ガッキー様の対戦者と思うんだワン」

ガッキー様は能面の様な表情になった後、静かにムーンウォークでモブヤクザの後方まで下がった。

「ジャス礼、あんたと子分達で潰しなさい」
「えっ、でも組を出るときの命令は『楽しみたいから邪魔しないで』って」
「はぁ!?」
「す、すみません。野郎ども!どうせケツカネ団はいずれ潰すつもりだったんだ!やるぜ・・・だワン」

ガッキー様の命令を受けて一斉に襲いかかるヤクザ達。
迎え撃つは張本率いる張本騎士団。
張本騎士団の強化は凄まじく、なんとヤクザ相手にギリギリ持ちこたえていた!

「いや、ギリギリじゃダメだろ!張本さん、俺達は魔人に匹敵するんじゃなかったのかよ!」
「はっはっは、どうやら向こうも洗脳による強化が可能という事か。しかも、強化度合いは向こうの方が上っぽいな」

相手を言いくるめて同意を得る張本。
そんな手順知ったものかとばかりに強制するガッキー様。
引き出せる力の限界はガッキー様の方が上で当然。後日の反動がやばいだろうが今この時はヤクザ陣営の方が強い!

「どうするんだよ!勝てる戦いじゃなかったかのかよ!」
「落ち着きたまえオノレガ君、今から私の愛の言葉でヤクザの洗脳を上書きする」
「わかった!信じてるからな!」

オノレガを脇にどけた後、張本はいつも通りラブニカポイントが高そうなポーズを取りながらヤクザに語りかける。

「君達、それでいいのか?現在君達のボスはガッキー様によって犬の様に扱われている。
そこに愛は存在するか?いや、ない。
君達ヤクザは本来は任侠という名の慈愛に生きる者達のはずだ。
今からでも遅くはない、私と共に愛を取り戻すのだ!」
「でもなー、間違ってるけどむっちゃ可愛いロリータと何か良いこと言っている全裸マンならロリだよなー」
「む・・・」
「あんたも幼女スキーだろ?こっちこいよ」

張本は体を百八十度回転させオノレガに拳を向ける。

「残念だったなオノレガ君、私達の道は別れてしまった様だ」
「お前がモブヤクザに説得されてどうするんだよ!」
「はっはっは、冗談だ冗談。それにしても洗脳の優先権もあちらが上とはな。可愛いは正義、勉強になった」
「マジでこっからどうする?」
「まずは無事な戦力を集め・・・あっ」

戦況を確認した時、張本は気付いた。
既に張本騎士団の大半が寝返り、ヤクザと肩を並べて戦っている。

「は・・・はうあ!こちらの戦力が寝返ってはる!」

よく見ると、乱戦の合間を縫ってガッキー様が超スピードで走り回り、張本騎士団にローキックやストンピングを浴びせていた。
攻撃を受けた張本騎士団はガッキー様の「こちらに付きなさい」の一言であっさりと寝返っていく。

「あー、いいなー、あんな簡単に洗脳できるんだ」
「おい!」

張本は呑気に感心。オノレガは我慢の限界だった。

「あんたを信じてこのざまだ!仲間は壊滅、敵は全てにおいて上位互換。こっからどう逆転するんだよ!?」
「大丈夫だ。敵もこちらの予想以上にやる様だが必要な情報は揃った。多少の犠牲は出たが・・・」
「オラァ!」

オノレガのパンチが張本の頬を打つ。
一般人の攻撃は簡単に避けられるはずだが張本は避けようとはしなかった。

「・・・気は済んだかね?」
「これっぽっちも。あんたなんかを信じて夢を見た自分が嫌になるぜ」
「反省は後にして現実を見よう。オノレガ君がこの街の王になって私は次のステージに進む。その方法は見つかったが、それには君の協力が必要だ。オノレガ君、ちょっと膝曲げて」
「こうか?」

この期に及んでまだ張本の言う事を聞いちゃうオノレガは本当にいい奴。プリキュアか。
そんなキュアオノレガに対し張本はさっきのパンチのお返しとばかりに膝カックンを食らわせた。外道か。

倒れたオノレガにヤクザが群がる隙に張本は反対方向へと猛ダッシュ。あっという間に後ろ姿が小さくなっていく。

「ふっ、さらばだケツカネ団。すぐ戻って来るのでもうちょっと時間稼ぎシクヨロー」
「たった一人で時間稼ぎとかできるわけねー!」

こうして、張本の離脱とオノレガの捕獲によりケツカネ団は事実上の全滅。
後はステージ内を逃げる張本を人海戦術で追い詰めていけばガッキー様の勝利が確定するのだが、

「ねえ今どんな気持ち?底辺に生まれて、しんどい中でお山の大将になって、煽られて、馬鹿やって、こんな事になって、ねえどんな気持ち?さっさと張本の身柄を差し出せば良かったと思ってるのかな?」

ガッキー様、逃げた張本そっちのけでオノレガで遊び中。
どうやら先程の戦いで見せた悲惨っぷりが気に入られた様で、入念に踏みつけてからこうして言葉責めしたり芸をさせたりして楽しんでいる。

「オノレガ、ヘッドスピンしてー」
「うおおおお!!!」
「前髪を扇風機みたいに回転させてー」
「うおおおお!!!」
「エイサイハラマスコイ踊ってー」
「うおおおお!!!」
「次はケツカネ団の皆でオノレガに一発ずつパンチ」
「すみません、団長」
「ぐあああ!!」
「チョーうける」

ガッキー様ご満悦!しかし、その時ご満悦タイムを終わらせる存在が現れた。
当然流れ的に張本だ!

「そこまでよ!」
「え、誰?」

中央ストリートの北側、ちょうど張本が逃げていった方向から一人の女性がハイヒールをカンカンと鳴らしながらガッキー様の方へと歩いてきた。
ごめん、張本じゃなかった!

「モンスターの狼藉は私が許さない!」
「誰だって聞いてるんだけど」
「聞かれたならば教えてあげるわ」

女は両手にナイフを構えてシャキンとポーズを取りながら自己紹介を始めた。

「顔は仮面舞踏会にいつでも行ける様にマスクつけっぱ!」シャキン!
「服装はおニューのパーティードレス!」シャキン!
「パンツにはカエルちゃんの立体プリント!」シャキキン!
「私はモンスター倒す仮面、略してモンタオス仮面よ!」バァーン!

どうやら彼女はモンスターの悪事を見かねて立ち上がった謎多きヒロインとかなんかそんなポジションの人の様だ。

張本が居なくなってから現れ、二本のナイフや股間のカエル等の張本との共通点を持つモンタオス仮面、一体何者なんだ・・・。

「と言うわけで私は、悪い奴を叱りにきたのよ」
「五月蝿いよオバサン」
「私がオバサンならあんたは中年のオジサンでしょ。全く、こんか変態オカマに皆騙されてるんだから」
「えっ」

ガッキー様と配下達全員フリーズした。
やがて言葉の意味を理解したヤクザとストリートギャング達がざわめき立つ。
モンタオス仮面はこう主張しているのだ。
牝垣パルフェは年齢と性別を偽っていると。

「まじかよ信じられない・・・」
「でも、モンタオス仮面自信満々だぜ」
「もう少し話を聞いた方がいいかなあ」

ガッキー様はまだ思考停止したままだし、その場の全員がどうしたらいいかわからないでいると、

「ガッキー様がオカマと言うのはつまりはこういう感じよ!そう、あれはまだガッキー様が心身共に中年男性だった頃・・・」

モンタオス仮面の仕切りで勝手に回想が始まった。

◇◆◇◆◇

(ホワンホワンホワ~ン)

ワイは牝垣パルフェ四十歳。
ラーメン屋やったけど仕事中に鼻くそほじっとったら潰れてもうた。
はぁ、金は無いけと風俗行きたいンゴねぇ・・・。
せや!正座した状態で踵で自分のチンコいじったら気持ちええかもしれんな!
さっそくやったるわ!

グリグリグリ

うーん、もう少しプラスアルファが欲しいンゴね。
次はJSに踏まれとる妄想しながらや!

グリグリグリ

これはJSの踵なんや。ワイは今JSに踏まれとるんや。

グリグリグリ

いや、寧ろワイこそがJSでお金貰ってオッサンのチンコ踏んでるんや

グリグリグリ ピか~

ほげー!気がついたらホンマに美少女になってもた!

(ホワンホワンホワ~ン)

◇◆◇◆◇

「・・・こうして魔人になったガッキー様は能力を悪用し続けて今に至るのでした、オシマイ」


ここでようやくガッキー様がショックから立ち直る。
今まで他の女性が嫉妬むき出しでブスと言ってきた事はあったが、オカマオッサン扱いは流石に未経験。
そして、暫くは反論もできずにボンヤリしている間に過去が捏造されオカマ説が広がりつつある。まずい。

「わ、私がオカマだとかそんなの有るわけないから!あんた達、早く、そのオバサンを処分してよ!」

ガッキー様は命令を飛ばす。だが、能力で支配しているはずのヤクザもギャングも誰一人として動かない。

「なんで、なんで命令に従わないの!」

ガッキー様は知らなかった。自身の魔人能力は己の美貌が前提で成り立っていた事を。
『ガッキー様=踏まれたい美少女』という公式がモンタオス仮面の言葉のせいで揺らいでしまったのだ。

「無駄よ。もう誰も貴方に支配されない。変態女装中年に踏まれて誰が喜んで従うのよ」
「だからっ、違うって!でたらめ言わないで」
「まだ誤魔化し続けるのね。だったら証拠を見せるわ」

モンタオス仮面はパーティードレスを捲ってタイツに包まれた下半身を皆に見せつける。

「どう?これが本物の女の美脚と美尻よ。ヤクザさん達、好きなだけ観察なさい。そこのオカマとは形状も感触も匂いも全然違うから」

ヤクザ達はグヘヘとヨダレを垂らしながら、タイツの上からモンタオス仮面の下半身を触ったりクンカクンカしたり舐めたりして堪能した。
ケツカネ団?子供にはこういうのまだ早いよ。

「さあガッキー様、貴方が本当に女だと言うのなら私と同じ様に下半身を触らせる事ができるはずよ!」
「そーだそーだ!」
「おさわりプリーズ!」
「あやまだが生み出してぽこぺんが動かすキャラがオカマじゃないわけねえだろいいかげんにしろ!だワン!」

考えてみればおかしな話だ。
仮にモンタオス仮面とガッキー様の下半身に違いがあったとしてもガッキー様がオカマだという証拠にはならない。
モンタオス仮面こそがオカマとも考えられる。

だが、モンタオス仮面はそう思わせない様に動いた。
戦いが一段落した後で完璧なタイミングで登場し、全てを知ったかの様なオカマ発言でドギモを抜き、お触りサービスでダメ押しする。
これはモンタオス仮面がミステリアスな美人だからこそ成功したのであり、仮に張本がガッキー様をオカマだと言っても鼻で笑われて終わっていただろう。
そう、張本だ。彼はケツカネ団を見捨て本当に逃げ出してしまったのだろうか。
そして、ケツカネ団とジャスラッ組の戦いをモンタオス仮面はどこから観察していたのだろうか。


「触らせろ!」
「オカマだっんだなら許せねえ!」
「脱がす!脱がす!」

あらぬ疑いを掛けられた上に集団セクハラを受けそうな目にあっているガッキー様は混乱の極み。

「ひっ・・・!」

洗脳が一時的に効かなくなっただけで戦闘力は未だガッキー様がダントツ、なので冷静になればこの状況は突破できる。
しかし、今まで人生超余裕だったガッキー様は勝ち筋を見つける事ができず、

「わ、ワイオカマじゃないわ!ニキ達のアホ!話ならんし帰るわ!ほなな!」

試合放棄を選択した。
武術家でも軍人でも変態でもない、強い能力を持っただけの十歳女子にここで踏ん張れというのも無理な話だ。
ガッキー様はただちにダンジョン入り口に瞬間移動された。

「終わったわね。それじゃあ私は次のダンジョンの悪を倒しにいくわ。とおっ!」

さようならモンタオス仮面。
本当に一体何者だったのか。
そして、自由を得たケツカネ団とジャスラッ組の面々が今回の件をどう締めるかを話あった。

「ジャス礼、今回はお互い災難だったな」
「ま、死人が出なくてよかったぜだワン」
「悪いのは洗脳モンスター二人、俺達は被害者」
「それで行こうだワン」

あれれー、ガッキー様だけじゃなく、張本まで悪者にされてるぞー?
でも仕方ないよね。張本も住人を洗脳して手駒にしたのは変わらないんだし、
余所者に責任を被せて街の平和が守られるなら仕方のない事かもね。

「どうしよう、凄く出ていき辛い・・・」

ガッチリと握手するオノレガとジャス礼を遠くから見つめなから、このまま次のステージに行くかオノレガに別れの挨拶をすべきか悩む張本だった。


《次回予告》
みんな、ラブニカポイントはちゃんと貯めてるかい?張本負切州だ。
突然だけど皆はアニメは好きかな?私の一押しはコードギアス。
特に好きなキャラはシュナイゼル。一期でラスボスフラグをしっかり建て、二期で満を持してラスボスとして君臨する。
私はそのラブニカポイントの高いムーブにメロメロさ。だけどこの間友人からシュナイゼルはギアスのラスボスじゃないって言われたんだ。
そんなはずはないとTSUTAYAでギアスを借りて確認してみた。結果は・・・、誰かラスボスかよくわからなかった。
友人は若本皇帝がラスボスと言い、うちの父さんはナナリーがラスボスと言い、友人の父さんなんかはルルーシュがラスボスとか言いだす。
もちろん私はシュナイゼル。よければ皆も投票コメでギアスのラスボスは誰と思うか教えてくれ。
次回『張本死す。世間のギアスのラスボスイメージは自分が思っていたのと違う』
レッツラブニカン!

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