Falcom Sound Team jdk Maniacs@Wiki

ハイレゾのススメ

最終更新:

匿名ユーザー

- view
メンバー限定 登録/ログイン

ハイレゾで楽しむファルコムサウンド

目次


ハイレゾとは

ハイレゾとはつまり言うとCDよりもさらに情報量が増えた音楽データのこと。いわばTVの4Kや8Kなどといった高解像映像の音楽版。解像度が上がれば映像がより鮮明になるが同様に音もさらに繊細さや奥行き感が増すようになる。そしてファルコムにおけるハイレゾとは制作環境で使われている生のマスターデータと言われている*1。このハイレゾ以上の高音質なデータはないはずだ。

ファルコムは他社と比較してハイレゾには積極的な方で2014年に書き下ろしとして発売されたアレンジアルバム「軌跡jdkアクースティックス」を皮切りにその後発売されるオリジナルサウンドトラックは必ずCDと同時にハイレゾでも各ダウンロード販売サイトで発売されるようになっている。今現在発売されているアレンジアルバムや歌もの以外のハイレゾオリジナルサウンドトラックは閃の軌跡I~IV、創の軌跡、イースVIII、イースIX、東亰ザナドゥ、東亰ザナドゥeX+の合計9本。e-onkyoやmoraなどといったハイレゾダウンロード販売サイトで買うことが出来る。値段的にもフィジカルメディアのCDとそう大差なくサマーセールなどといった大型セールでは閃の軌跡、閃の軌跡II、東亰ザナドゥ、イースVIIIのサントラが半額で買えてしまうのでハイレゾを聴くことが可能な環境の人はこちらも選択肢に入るだろう。


波形比較

さてここからが本題だがまずは音声編集ソフト「Audacity」による波形データをご覧いただきたい。スクショ画面上段の波形はCD、下段の波形はハイレゾ。

閃の軌跡(flac 48kHz/24bit)2014年7月発売

  • Belief
  • Don't be Defeated by a Friend!

閃の軌跡II(flac 48kHz/24bit)2014年11月発売

  • Blue Destination
  • 迫る巨影

東亰ザナドゥ(flac 96kHz/24bit)2015年10月発売

  • Hazy Moon
  • 始まりのテレパシー

イースVIII(flac 96kHz/24bit)2016年08月発売

  • THEOS-DE-ENDROGRAM
  • SUNSHINE COASTLINE

東亰ザナドゥeX+(flac 96kHz/24bit)2016年10月発売

  • Vesper Umbra
  • Ardent Undulation

閃の軌跡III(flac 96kHz/24bit)2017年11月発売

  • Brave Steel
  • Erosion of Madness

閃の軌跡IV(flac 96kHz/24bit)2018年12月発売

  • The End of -SAGA-
  • With Our Own Hands!!

イースIX(flac 96kHz/24bit)2019年11月発売

  • DESERT AFTER TEARS
  • WILD CARD

創の軌跡(flac 96kHz/24bit)2020年12月発売

  • Glittering Mirage
  • Wind-Up Yesterday!

ハイレゾの是非

波形で見てみるとイースVIII以前の4タイトルはCDとハイレゾで波形の違いは殆ど見られない。聴感的にも殆ど差異は感じられない。双方を入れ替えてハイレゾかCDかを当てようと試みても至難の業だろう。閃IとIIは48kHz/24bitというハイレゾとしては半端なスペックということもあるのかもしれないがスペックがやっとハイレゾらしくなったイースVIIIや東亰ザナドゥでも正直そこまで聴感的に分かる違いはない。ただ東亰ザナドゥeX+以降はまず波形にそれぞれ一目瞭然な差があった。具体的にはCDのほうが波形が大きくて一部ではピークに突き当たりそうになっているのに対し、ハイレゾでは波形が小さくなっていてピークまで相当余裕がある。実際に聴いてみてもこの波形通りCDのほうが音圧が高くハイレゾのほうがCDよりも音圧が低く感じられる。双方入れ替えてどっちがどっちかを当てようとしたら簡単に当てられるだろう。何故こうゆう差が出ているのかは分からないが東亰ザナドゥeX+以降の制作環境に何らかの機材の変更かハイレゾポリシーの変化があったのかもしれない。

実際にCD版のサントラを聴いていたら音圧の高さが災いして強奏時には喧しくなり過ぎていた、言うなれば音のブロックが眼前に立ちはだかるようなイメージ。特にイースIXではそれが顕著に感じられた(波形にもそれがよく現れている)。その結果全体が音圧の高さでマスクされてしまい音の奥行きや繊細さや空気感が失われていたように思う。例えばロック系の激しい曲は音がマッシヴになり過ぎて聴き疲れを起こしたり甲高く鳴る音はまるで高音が頭打ちになったかのように詰まった音に聴こえたりスローテンポな曲もどこか雑然とした質感となっていてニュアンスや空気感にも乏しくなっていたりもした。

一方、東亰ザナドゥeX+以降のハイレゾではこれらの不満点は殆ど無し。ただ綺麗に整音されているけど音圧がCDより低いからかやや迫力には欠けている…そういった印象でもある。ただこれが本来の音圧なのだろう。楽曲制作している環境でそのまま流れているマスターデータの音のはず。ハイレゾを最初に聴いていたならそういった不満はなかったと思われる。やはりCDは媒体柄どんな環境でもどのような再生機器でも例えばラジカセやカーステレオなど色々な状況でもちゃんと聴こえるように鳴らす必要があるのである程度音圧がマスタリング段階で上げられている、でもハイレゾを買う人は間違いなく拘って聴く人なので環境を考慮して音圧を調整しなくてもいい、作られたそのままの音で出しても大丈夫ってことなのだろう。結果ディティールは無闇に音圧に覆い被さられずに済みヴェールが1枚剥がれたかのようなすっきりとした音を感じられるようになった。つまりCDでは失われていたソノリティ(響きや聴こえ方)が確かにあったということだ。

ただハイレゾならではの情報量の多さってのは正直なところあまりピンときてはいない。確かに音圧が適正になったから聴き取りやすくはなっているがイコール情報量が増えたかというとそうでもないような。途端にこれまで聴こえてこなかった音がミルミルと聴こえるようになったってのは特に無い。実際CDでもきちんと耳を澄ましてしっかりと聴いていれば聴き取ることは可能だった。それこそハイレゾは高音質なはずというプラシーボ効果でなんとなく音が多く聴こえるようになったっていう思い込みがあるのではないだろうか。なのであくまでも個人の感想だがハイレゾに過度な期待や盲信は止めておいたほうがいい。自分にとってのハイレゾの利点は聴きやすいというところが一番大きい。だから聴き疲れもしずらいから耳に優しくてずっと音楽に浸っていられる。同じ曲、同じアルバムを毎日のように延々と聴き続ける自分にとってはこの上ない喜びだ。さらにはこれまでちょっと煩くて苦手だった曲もハイレゾで聴いたら好きになったりした曲もあった。結果的に楽しく聴ける曲が増えてすごくお得に。ハイレゾバンザイ。

無音時間比較

ハイレゾは曲の終わりに無音部分がかなり切り詰められている。以下各ハイレゾアルバムの残り無音時間(ポストプリギャップ)とCDとハイレゾの再生時間比較をおこなってみた。時間差が短いほどCDとハイレゾの間では無音時間の差はないということ、その下のCDとハイレゾの時間は曲が終わって音が完全に鳴り止んでいる位置から再生時間の終わりまでの時間のこと。(単位=秒)

閃の軌跡(flac 48kHz/24bit)

  • 近郊都市トリスタ
    • 時間差=1.98
    • CD = 2.66
    • ハイレゾ = 0.70
  • The Decisive Collision
    • 時間差 = 1.98
    • CD = 2.25
    • ハイレゾ = 0.30

閃の軌跡II(flac 48kHz/24bit)

  • Heteromorphy
    • 時間差 = 2.08
    • CD = 3.34
    • ハイレゾ = 1.25
  • 輝ける明日へ
    • 時間差 = 2.08
    • CD = 2.82
    • ハイレゾ = 0.83

東亰ザナドゥ(flac 96kHz/24bit)

  • Believe It!!
    • 時間差 = 2.09
    • CD = 2.26
    • ハイレゾ = 0.19
  • Revolt Against Doom
    • 時間差 = 2.09
    • CD = 2.25
    • ハイレゾ = 0.21

イースVIII(flac 96kHz/24bit)

  • ERODED VALLEY
    • 時間差 = 0.01
    • CD = 2.74
    • ハイレゾ = 2.73
  • YOU'LL SEE OUT THE END OF THE TALES
    • 時間差 = 0.01
    • CD = 2.70
    • ハイレゾ = 2.69

東亰ザナドゥeX+(flac 96kHz/24bit)

  • Earnestly Advance
    • 時間差 = 2.24
    • CD = 2.69
    • ハイレゾ = 0.53
  • Happy Halloween!
    • 時間差 = 2.25
    • CD = 3.61
    • ハイレゾ = 1.38

閃の軌跡III(flac 96kHz/24bit)

  • スタートライン
    • 時間差 = 2.09
    • CD = 2.66
    • ハイレゾ = 0.57
  • Accursed Tycoon
    • 時間差 = 2.09
    • CD = 3.06
    • ハイレゾ = 1.04

閃の軌跡IV(flac 96kHz/24bit)

  • 彼の地へ向かって
    • 時間差 = 2.08
    • CD = 4.72
    • ハイレゾ = 2.73
  • 縁 -つなぐもの-
    • 時間差 = 2.09
    • CD = 4.90
    • ハイレゾ = 2.78

イースIX(flac 96kHz/24bit)

  • MONSTRUM SPECTRUM
    • 時間差 = 2.09
    • CD = 3.97
    • ハイレゾ = 1.88
  • ANIMA ERGASTULUM
    • 時間差 = 2.09
    • CD = 3.47
    • ハイレゾ = 1.38

創の軌跡(flac 96kHz/24bit)

  • 陽溜まりにただいまを
    • 時間差 = 2.06
    • CD = 4.70
    • ハイレゾ = 2.86
  • Maliciousness in the Mirror
    • 時間差 = 2.08
    • CD = 4.63
    • ハイレゾ = 2.68

無音時間の是非

もちろん誤差はあるだろうが大体どの曲もこれと似たような結果になっていると思う。

ハイレゾは基本無音時間がCDよりも数秒短い。なので曲が終わったらすぐに次の曲にいってしまう。CDなら大体3~5秒ぐらいの無音が用意されているから曲の余韻を味わえさらに次の曲に向けての心の準備も出来たがハイレゾではそういった情緒はあまり無い。人によっては終わったらすぐに次の曲を聴きたいからむしろありがたいという人もいるだろうが個人的には余韻を感じたい派なので残念な仕様だ。その中でもイースVIIIは何故か最もCDとハイレゾで無音時間の剥離が少なくそういった不満をこれまで覚えたことはない。イースVIIIの他には無音時間が最低限適切に設けられているのが無音が3秒近くある閃の軌跡IVと創の軌跡だ。他のハイレゾも何故このようにしてくれなかったのか…。

ちなみにWindowsPC限定の方法だが音楽再生ソフト「foobar2000」のDSPプラグインで「Affix silence」というものがある。これは曲の前後に指定した秒数の無音時間を挿入するプラグインだ。foobar2000のDSP Manager画面でプラグインをアクティブにして設定画面にあるAfterに挿入したい無音時間を入れる。単位はミリ秒で指定が出来て例えば再生後に4秒無音を挿入して欲しかったら"4000"と書き入れる。その右にはこの設定を無効化するフォルダを指定することも出来る。通常のサントラCDはそもそも無音は不要だしハイレゾのイースVIIIや閃IVと創の軌跡はCDとそう大差ないのでこのプラグインの効果は不要、なら除外したいそれらのハイレゾファイルを別フォルダに移してそのフォルダパスをここに指定すればいいだけ。セミコロンで複数フォルダパスも指定が可能だ。これで再生が終わったら指定した秒数がカウントされてからそのあと次の曲の再生に移ることになる。これでやたら無音時間が短い東亰ザナドゥや閃の軌跡IIIの不満点は解消された。自分と同じような悩みを抱えている人は(多分居ないだろうが…)試してみて欲しい。

サイズ

ちなみに無音時間の差と連動して総再生時間にも当然明確な差が出ている。閃の軌跡から創の軌跡までのサントラ9枚を合わせると…。

  • ハイレゾ : 25時間05分19秒
  • CD : 25時間22分59秒

おおよそ18分近くハイレゾのほうが総再生時間が短い。

さらにハイレゾともなると容量が飛躍的に巨大化する。DAPなどに収めるために気になる人もいるだろう。

タイトル 曲数 フォーマット ハイレゾ(FLAC) CD(WAV) CD(FLAC) MP3(320kbps)
閃の軌跡 87 48kHz/24bit 2.92GB 2.41GB 1.51GB 561MB
閃の軌跡II 50 1.84GB 1.43GB 945MB 333MB
閃の軌跡III 90 96kHz/24bit 4.61GB 2.26GB 1.47GB 541MB
閃の軌跡IV 69 3.70GB 1.84GB 1.17GB 448MB
創の軌跡 81 4.20GB 1.35GB 2.10GB 500MB
イースVIII 67 3.10GB 1.42GB 962MB 344MB
イースIX 62 2.81GB 1.40GB 911MB 327MB
東亰ザナドゥ 71 3.60GB 1.68GB 1.11GB 392MB
東亰ザナドゥeX+ 16 820MB 412MB 262MB 93.6MB
合計
593 27.6GB 15.0GB 9.6GB 3.12GB

極端な話、今現在発売されているハイレゾサントラのみを収めるのなら32GBのmicroSDカードで安価に抑えることは出来る。ただギリギリなので実際には全て入れられない可能性もあり現実的には最低でも64GBはあったほうがいいだろう。もちろんファルコムからは今後も毎年ゲームは発売されるわけでその都度ハイレゾサントラも増えていく。毎年4GB前後は増えていくことになるのでそのことも踏まえると余裕をもって256GBを買うのが正解だろう。もしくは一気に512GBを買うのもありだ。

特典

ダウンロード販売で買うと音楽ファイルしかないんじゃないか、ブックレットとかも見たいのに…、と心配する向きもあるだろう。自分はe-onkyoでハイレゾを買っているがこちらで買ってダウンロードすると特典として600x600サイズとZIPファイルに格納された1654x1654サイズのジャケット画像、そしてPDF化されたブックレットを入手することが出来る。ただし閃の軌跡IとイースVIIIにはZIPファイルに大きいサイズのジャケット画像は入っていなかった。PDFはCDに付属するブックレットと全く同じでありデジタルデータのお陰か紙のブックレットよりよっぽど鮮明で見やすい。最大まで拡大してもジャギー感が出ないのが利点だ。moraでもこうした特典が付くのかどうかは分からない。ハイレゾでもない古いサントラになるので参考にはならないとは思うがmoraで買ったイースI完全版のサントラは1400x1400サイズのジャケット画像のみ、モナークモナークは600x600サイズのジャケット画像のみだった。


まとめ

音圧の問題や無音時間など着実にファルコムのハイレゾサントラは改善してきている。今後自分はフィジカルメディアでは買わずハイレゾのみを買うつもりだ。スリーブケース仕様や初回限定仕様など所有感の喜びも確かに味わいたいがそれ以上に現在のファルコムのサントラCDはマイナス材料が大きい、ハイレゾのアドバンテージのほうがCDをずっと上回っている。今後も引き続き聴く側に立ったリスニングに優しいハイレゾサントラ作りをして欲しいと思う。もしこれからファルコムのハイレゾを楽しみたいって方は東亰ザナドゥeX+や閃の軌跡III以降から手を出すのがいいのではないだろうか。正直それ以前のハイレゾサントラはCDと大きな差はあまりない。逆に言うと大差ないので自分にとって都合が良いほう、値段的にお得なほうを買えばいいということ。CDを持っていない人は閃の軌跡Iから買い揃えていってもいいしCDを持っている人は東亰ザナドゥeX+以降からハイレゾに乗り換えていってもいい。

投票

選択肢 投票数 投票
参考になった 7
参考にならなかった 0
分からない 0

コメント

名無しさん
コメント:

すべてのコメントを見る


免責
※当wikiは非公式です。情報の妥当性や正確性について保証するものではなく一切の責任を負いかねます。
※当wikiを利用することによって生じたいかなる損害も当サイトでは補償致しません。
※ご利用につきましては自己責任となりますのでご注意ください。
※また当wikiおよび当wikiの管理人は日本ファルコム様とは一切関係はございません。
※当Wikiにて新たに執筆した文章の著作権は私にあります。内容の複写、転載はお控えください。
※無料のWikiサービスを利用しているため内容とは関係のない広告が表示されます。ご理解ください。
Disclaimer
※This wiki is unofficial. We do not guarantee the validity or accuracy of the information and cannot assume any responsibility.
※This site does not compensate for any damage caused by using this wiki.
※Please note that you will be at your own risk.
※Also, this wiki and this wiki administrator have nothing to do with "Nihon Falcom".
※The copyright of the text is on this wiki. Copying or reprinting the contents is prohibited.
※Because you use a free wiki service, you will see ads unrelated to this. Please understand.

タグ:

音質 資料
記事メニュー
目安箱バナー
注釈

*1 philewebでのインタビュー記事より>https://www.phileweb.com/interview/article/201509/08/305.html