始まりと終わりどっちが強いのか実験だよ実験 ◆PVWD2bdQT.
鬼舞辻無惨の足を止めたのは、困惑だった。
「なんだ……?」
始まりの鬼たる鬼舞辻無惨が持つ鬼としての力は強大であり、制限という名の枷をはめられた今でも彼は多くの能力を扱うことが出来る。
一撃でダイヤモンドよりも硬い男を遙か遠くまで吹き飛ばせる、人の身を大きく超えた膂力。
頸を斬られようとも、身体が木っ端微塵となろうとも死なない再生力。
白銀御行をそうしたように、血を分け与えることによって人を鬼にする力も健在だ。
だから、配下の鬼のおおまかな位置情報を把握できる能力に関しても十全に発揮し、今も死んだはずの下弦の伍、累の元へ向かっている最中であった。
一撃でダイヤモンドよりも硬い男を遙か遠くまで吹き飛ばせる、人の身を大きく超えた膂力。
頸を斬られようとも、身体が木っ端微塵となろうとも死なない再生力。
白銀御行をそうしたように、血を分け与えることによって人を鬼にする力も健在だ。
だから、配下の鬼のおおまかな位置情報を把握できる能力に関しても十全に発揮し、今も死んだはずの下弦の伍、累の元へ向かっている最中であった。
「なんだ、この気配は」
だから、鬼舞辻無惨は困惑する。
上弦の弐、童磨の近くで『沸いた』としか思えない鬼の気配に、眉を顰める。
いや、恐らくは以前から存在はしていたのだ。だが、今の今まで気付くことが出来なかった。
それが制限のせいなのか、それとも別の何かがったのかは分からない。
だが、一度気付くと無視できないおかしさがその気配にはあった。
最初は童磨が何かしでかしたか、ならば仕置きをせねばなるまいと早とちりしそうになったが。
上弦の弐、童磨の近くで『沸いた』としか思えない鬼の気配に、眉を顰める。
いや、恐らくは以前から存在はしていたのだ。だが、今の今まで気付くことが出来なかった。
それが制限のせいなのか、それとも別の何かがったのかは分からない。
だが、一度気付くと無視できないおかしさがその気配にはあった。
最初は童磨が何かしでかしたか、ならば仕置きをせねばなるまいと早とちりしそうになったが。
「鬼だが……人でもある、だと?」
混じっている、とでも言えば良いのか。
鬼の部分を感じることはできるが、かといって鬼そのものであるわけでもない。だから今まで気付けなかったのかもしれない。
しかも、鬼の部分が膨れ上がったかと思えば萎み、また膨れ上がり、と、まるで鬼であることを自らの意思で制御しているかのような心地である。
自分が直接鬼にしたモノではない、ということを差し引いても、その気配は無惨が初めて感じる類のものであった。
鬼を感じる。強く感じる。弱弱しくなる。消える。また感じる。強くなる、弱くなる、強くなる。
常に変化を繰り返し、その場その場における最適な姿に『成っている』ような有様である。
鬼の部分を感じることはできるが、かといって鬼そのものであるわけでもない。だから今まで気付けなかったのかもしれない。
しかも、鬼の部分が膨れ上がったかと思えば萎み、また膨れ上がり、と、まるで鬼であることを自らの意思で制御しているかのような心地である。
自分が直接鬼にしたモノではない、ということを差し引いても、その気配は無惨が初めて感じる類のものであった。
鬼を感じる。強く感じる。弱弱しくなる。消える。また感じる。強くなる、弱くなる、強くなる。
常に変化を繰り返し、その場その場における最適な姿に『成っている』ような有様である。
そうだ、それは変化し続けていた。
鬼であるにも関わらず、誰よりも自由であるように振る舞っていた。
鬼であるにも関わらず、誰よりも自由であるように振る舞っていた。
この鬼舞辻無惨よりも。
それは、女どもの群れの中に一人だけ女装した男が混じっているかのような違和感だった。
それは、並べられた人間の肉の中に一切れだけ猿の肉が混じっているかのような異物感だった。
それは、無惨の居城たる無限城の中に一室だけあの産屋敷の部屋があるかのような…………
それは、並べられた人間の肉の中に一切れだけ猿の肉が混じっているかのような異物感だった。
それは、無惨の居城たる無限城の中に一室だけあの産屋敷の部屋があるかのような…………
「不愉快だ」
この瞬間芽生えた気持ちに、無惨は不快感という名を付ける。
無惨はイレギュラーを好まない。特に変化というものを殊更に好まない。
鬼という存在はすべからくが自分の元で管理されるべきであり、それはこの地においても変わらない。
変わってはいけないのである。鬼舞辻無惨のように。
鬼という存在はすべからくが自分の元で管理されるべきであり、それはこの地においても変わらない。
変わってはいけないのである。鬼舞辻無惨のように。
だから無惨は踵を返し、北へ向かった。
歩きは早足となり、ついには疾走にまで至る。
あの鬼舞辻無惨が、走らされている。
歩きは早足となり、ついには疾走にまで至る。
あの鬼舞辻無惨が、走らされている。
彼を突き動かす原動力は怒りだろうか。焦りだろうか。
それとも――――恐れか?
分からない。無惨自身にも分からない。そのことにまた腹が立った。
そうして鬼舞辻無惨は気配の元へと辿り着く。
始まりの鬼は出会う。
終わり(ジ・エンド)の鬼に、出会う。
始まりの鬼は出会う。
終わり(ジ・エンド)の鬼に、出会う。
限りなく完璧に近い存在が。
完璧な存在に出会ってしまう時が来た。
【D-2・童磨と黒神めだかの戦っているすぐ傍/1日目・黎明】
【鬼舞辻無惨@鬼滅の刃】
[状態]:健康、極度の興奮
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:あの忌々しい太陽を克服する。
1.不快な気配と接触する
2.配下の鬼に有象無象の始末は任せる。
3.配下の鬼や他の参加者を使って実験を行いたい。
[備考]
※刀鍛冶の里編直前から参戦しているようです。
※鬼化は、少なくとも対象が死体でない限り可能なようです。
[状態]:健康、極度の興奮
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:あの忌々しい太陽を克服する。
1.不快な気配と接触する
2.配下の鬼に有象無象の始末は任せる。
3.配下の鬼や他の参加者を使って実験を行いたい。
[備考]
※刀鍛冶の里編直前から参戦しているようです。
※鬼化は、少なくとも対象が死体でない限り可能なようです。
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