あの日に見た明日を捨てきれない ◆7WJp/yel/Y
五つの凶悪グループが不干渉を決め込んで、逆に秩序を保っている日本有数の治安が悪い地区があった。
地元商店街の青年団が喧嘩に明け暮れている山王街二代目喧嘩屋、『山王連合会』。
スカウト集団が夜の街と女たちの安寧を守る誘惑の白き悪魔、『WHITE RASCALS』。
ヤクザの育成所とまで呼ばれる全国の荒くれ者どもが集まる漆黒の凶悪高校、『鬼邪高校』。
社会から捨てられた者たちが集まる治外法権の『無名街』を護る無慈悲なる街の亡霊、『RUDE BOYS』。
ヤクザや他のグループからもはみ出されても目的を達成するまで達磨のように何度でも立ち上がる復讐の壊し屋一家、『達磨一家』。
―――その五つの凶悪グループの頭文字を取って呼ばれる、その名も『SWORD地区』。
SWORD地区は、日本最大の暴力グループや海外マフィアからも狙われている。
その驚異に対応するために、『山王連合会』のリーダーであるコブラが提案した協定。
それこそが争っていた五つのグループが手を結ぶ、『SWORD協定』である。
その驚異に対応するために、『山王連合会』のリーダーであるコブラが提案した協定。
それこそが争っていた五つのグループが手を結ぶ、『SWORD協定』である。
「コブラ」
SWORD協定を提案し、それが未だに締結されない状態。
それでも未来のことを考えて、他のグループへと足を運んでいた日々。
そんな日々の中で、コブラはRUDE BOYSのリーダー代表のような立場となっているタケシと話をしていた。
それでも未来のことを考えて、他のグループへと足を運んでいた日々。
そんな日々の中で、コブラはRUDE BOYSのリーダー代表のような立場となっているタケシと話をしていた。
「スモーキーはSWROD協定には乗らない、これは変わらない考えだ」
「……また来る」
「変わらないよ、スモーキーも変えられるやつなんて居ない」
「……また来る」
「変わらないよ、スモーキーも変えられるやつなんて居ない」
折れないコブラに対して、タケシは諦めたようにつぶやく。
だが、コブラの中の炎は消える様子を見せない。
だが、コブラの中の炎は消える様子を見せない。
「……コブラ」
「なんだ?」
「ここ、座れよ」
「なんだ?」
「ここ、座れよ」
そんなコブラに対して、タケシは汚れたベンチに腰掛ける。
そして、ポンポンと隣を叩き、コブラも座るように促した。
コブラは何も言わずにタケシの隣に腰掛けた。
そして、ポンポンと隣を叩き、コブラも座るように促した。
コブラは何も言わずにタケシの隣に腰掛けた。
「俺はな、ガキの頃から音楽を聴くと何が楽しいのか常にビートを刻んでたんだよ」
「あん?」
「俺もよく覚えてないけどな……それを見て面白がった大人が、俺のことを『タケシ』って呼ぶようになったんだ」
「…………………まさか、ビートたけしか?」
「そうだよ」
「あん?」
「俺もよく覚えてないけどな……それを見て面白がった大人が、俺のことを『タケシ』って呼ぶようになったんだ」
「…………………まさか、ビートたけしか?」
「そうだよ」
俺はテレビ見たことないから知らないけどな。
タケシはそう簡単に言った。
笑い話なのかとも思ったが、タケシの表情は真剣そのものだ。
恐らく、タケシはそれが『笑い話になる』ということもわからないのだ。
ビートたけしというお笑い芸人の存在も知らないのだから。
タケシはそう簡単に言った。
笑い話なのかとも思ったが、タケシの表情は真剣そのものだ。
恐らく、タケシはそれが『笑い話になる』ということもわからないのだ。
ビートたけしというお笑い芸人の存在も知らないのだから。
「ピーのやつはいつもピーピーないてたから、周りが『ピー』って呼ぶようになった」
「……」
「スモーキーはな、そんな大人から見てもスモーキーだったんだよ。
煙みたいに、どこか高い場所へとどんどん登っていくやつだったんだ」
「……」
「スモーキーはな、そんな大人から見てもスモーキーだったんだよ。
煙みたいに、どこか高い場所へとどんどん登っていくやつだったんだ」
スモーキー。
確かに、コブラの眼から見ても特別な存在だった。
そこにいるだけで強烈な存在感を示す。
身長などコブラと対して変わらないのに、思わず見上げてしまうような、そんな雰囲気を持った人物だった。
確かに、コブラの眼から見ても特別な存在だった。
そこにいるだけで強烈な存在感を示す。
身長などコブラと対して変わらないのに、思わず見上げてしまうような、そんな雰囲気を持った人物だった。
「俺は……正直、SWORD協定を結んでもいいと思っている」
「なに?」
「コブラ、俺は怖いんだよ」
「なに?」
「コブラ、俺は怖いんだよ」
タケシは俯き、声が震えていた。
「スモーキーは誰よりも高く飛ぶから、誰よりも空高く飛んでいくから」
それは恐怖だった。
コブラでさえ気圧されてしまうようなスモーキーだ、身近で共に暮らしているタケシからすれば、神様のような存在だろう。
コブラでさえ気圧されてしまうようなスモーキーだ、身近で共に暮らしているタケシからすれば、神様のような存在だろう。
「いつか、俺たちを置いていってしまいそうで、本当に空の上まで行っちまいそうで、俺は怖いんだ」
だからこそ、恐ろしかった。
タケシは、いつかスモーキーが消えてしまうのではないかと。
自分では到底届かない高みへと消えていくのではないかと。
恐ろしくてたまらなかったのだ。
タケシは、いつかスモーキーが消えてしまうのではないかと。
自分では到底届かない高みへと消えていくのではないかと。
恐ろしくてたまらなかったのだ。
「俺じゃ無理だけど、お前やロッキーや村山や日向なら、なんとか出来るんじゃないかと思っちまうんだよな」
忘れてくれ。
タケシはそう言って、無名街の奥へと去っていった。
タケシはSWORD協定が結ばれることを望んでいる。
だが、スモーキーは頷かない。
スモーキーが頷かない限り、RUDE BOYSはSWORD協定に参加しない。
コブラは、空を眺めた。
この無名街の一番高い鉄塔に、スモーキーが立っていた。
無名街を見守るように、あるいは、見下ろすように。
スモーキーがそこに立っていた。
タケシはそう言って、無名街の奥へと去っていった。
タケシはSWORD協定が結ばれることを望んでいる。
だが、スモーキーは頷かない。
スモーキーが頷かない限り、RUDE BOYSはSWORD協定に参加しない。
コブラは、空を眺めた。
この無名街の一番高い鉄塔に、スモーキーが立っていた。
無名街を見守るように、あるいは、見下ろすように。
スモーキーがそこに立っていた。
「やっぱりお前か、スモーキー」
「……コブラか」
「……コブラか」
そんなことを思い出していたからだろう。
コブラがこの殺し合いの場で最初に出会ったのは、他ならぬスモーキーだった。
自衛隊入間基地と称される、恐らくは単なる模倣であろう空間。
その場の最も高い位置に、まるで煙のように登っていたのがスモーキーだ。
よっ、と声を出しながら、ある建物の屋上に踏み入れる。
コブラがこの殺し合いの場で最初に出会ったのは、他ならぬスモーキーだった。
自衛隊入間基地と称される、恐らくは単なる模倣であろう空間。
その場の最も高い位置に、まるで煙のように登っていたのがスモーキーだ。
よっ、と声を出しながら、ある建物の屋上に踏み入れる。
「コブラ、確認がしたい」
「なんだ?」
「俺の家族の名前はあるか?」
「なんだ?」
「俺の家族の名前はあるか?」
そう言って、スモーキーは背中を丸めながら名簿を差し出してきた。
スモーキーも読んだようだったのに、なぜそんなことを聞くのかと不思議に思った。
だが、すぐに気づいた。
スモーキーは漢字が完全には読めないのだ。
もちろん、カタカナなら読めるし、簡単な漢字ならばわかる。
無名街の大人が気が向いたように子どもたちに勉強を教えるからだ。
スモーキーも読んだようだったのに、なぜそんなことを聞くのかと不思議に思った。
だが、すぐに気づいた。
スモーキーは漢字が完全には読めないのだ。
もちろん、カタカナなら読めるし、簡単な漢字ならばわかる。
無名街の大人が気が向いたように子どもたちに勉強を教えるからだ。
「スモーキー、俺は無名街の奴らの名前を全員知ってるわけじゃないぞ」
「全員読んでくれ、音ならわかるんだ」
「全員読んでくれ、音ならわかるんだ」
スモーキーは空を眺めながら、目をつぶった。
コブラはため息をつき、それでも名簿を読み上げていく。
元々頭の良くないコブラでは、いくつか読めない字があったが、誤魔化すように『恐らく』と言った言葉で当てはめていく。
全て読み上げると、スモーキーは立ち上がった。
コブラはため息をつき、それでも名簿を読み上げていく。
元々頭の良くないコブラでは、いくつか読めない字があったが、誤魔化すように『恐らく』と言った言葉で当てはめていく。
全て読み上げると、スモーキーは立ち上がった。
「……そうか。俺の家族は居ないか」
「俺の知ってるやつは雨宮兄弟と、鬼邪高の村山と、スモーキー、お前だけだ」
「ああ、俺もそれだけだ」
「俺の知ってるやつは雨宮兄弟と、鬼邪高の村山と、スモーキー、お前だけだ」
「ああ、俺もそれだけだ」
スモーキーは振り返った。
ボロボロのモッズコートが翻り、痩せぎすの身体が病魔によってさらにやせ細った身体がコブラへと向き直る。
ゾクゾク、と。
身体に悪寒が走る。
ボロボロのモッズコートが翻り、痩せぎすの身体が病魔によってさらにやせ細った身体がコブラへと向き直る。
ゾクゾク、と。
身体に悪寒が走る。
「だからな、コブラ。俺は決心がついたよ」
そう言って、ゆっくりと前傾姿勢になった。
コブラは理解する。
理解したが、信じたくはなかった。
コブラは理解する。
理解したが、信じたくはなかった。
「俺は、この会場にいる誰よりも高く飛ぶ」
――――スモーキーが、殺し合いに『乗った』という事実を。
「スモーキー、テメエ……!」
コブラの言葉よりも早く、スモーキーは動き出す。
地を這うような低い動きで、コブラへと襲いかかり、しかし、攻撃の打点は高い。
コブラの頭部を狙うハイキック。
鋭く、速い。
そこらのチンピラはもちろん、格闘技の経験者でも一撃で沈むであろう一撃。
地を這うような低い動きで、コブラへと襲いかかり、しかし、攻撃の打点は高い。
コブラの頭部を狙うハイキック。
鋭く、速い。
そこらのチンピラはもちろん、格闘技の経験者でも一撃で沈むであろう一撃。
「つまり…………ぶっ殺されてえんだな?」
しかし、その蹴りをコブラは容易く捕まえる。
コブラはかつて、伝説のチーム『MUGEN』の幹部であり、現在ではスモーキーと同じく『SWORD』のリーダーの一人だ。
同じくMUGENというグループの幹部であったヤマトを圧倒していたスモーキー。
だが、ヤマトは優しい男だ。
明確な敵意を持っていない戦闘で、全力を出せるような男ではない。
コブラもまた優しい男ではあるが、タイプが違う。
戦うと決めたならば、数瞬の間に覚悟を決める。
つまり、相手を容赦なく叩き潰すという覚悟を。
コブラはかつて、伝説のチーム『MUGEN』の幹部であり、現在ではスモーキーと同じく『SWORD』のリーダーの一人だ。
同じくMUGENというグループの幹部であったヤマトを圧倒していたスモーキー。
だが、ヤマトは優しい男だ。
明確な敵意を持っていない戦闘で、全力を出せるような男ではない。
コブラもまた優しい男ではあるが、タイプが違う。
戦うと決めたならば、数瞬の間に覚悟を決める。
つまり、相手を容赦なく叩き潰すという覚悟を。
「ふっ!」
「ッ!?」
「ッ!?」
スモーキーは掴まれた脚を解こうとはせず、むしろ、コブラに掴ませたまま、もう片方の両足を宙へと浮かせる。
そのまま、身体を大きく動かし、コブラの頭上へと高く飛び上がったのだ。
コブラが掴んでいたスモーキーの右足は、その動きで激しく動く。
ただでさえボロボロで砂などまみれてザラザラとしていたズボンによってコブラの拘束は解ける。
スモーキーは両足を折り曲げ、膝でコブラの首を締めるように動く。
そのまま、後ろへと倒れ込むように動き、逆立ちをするような態勢で地面に両手をつき、そのまま脚に巻き付けたコブラの頭部を地面へと叩きつけようとする。
そのまま、身体を大きく動かし、コブラの頭上へと高く飛び上がったのだ。
コブラが掴んでいたスモーキーの右足は、その動きで激しく動く。
ただでさえボロボロで砂などまみれてザラザラとしていたズボンによってコブラの拘束は解ける。
スモーキーは両足を折り曲げ、膝でコブラの首を締めるように動く。
そのまま、後ろへと倒れ込むように動き、逆立ちをするような態勢で地面に両手をつき、そのまま脚に巻き付けたコブラの頭部を地面へと叩きつけようとする。
(フ、フランケンシュタイナー!? こいつ、俺の土俵<<プロレス技>>で……!)
いや、地面には叩きつけようとしていない。
ここは屋上。
しかも、立ち入り禁止であるために、柵は低い。
ならば、どこに叩きつけられる。
どこに?
どこに?
ここは屋上。
しかも、立ち入り禁止であるために、柵は低い。
ならば、どこに叩きつけられる。
どこに?
どこに?
「おっ……!?」
決まっている。
地面だ。
『地上四階から地上一階』の地面へと叩きつけようとしているのだ。
地面だ。
『地上四階から地上一階』の地面へと叩きつけようとしているのだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?!?!?」
コブラは浮遊する身体で、必死に腕を伸ばす。
樹木に指がかかるが、しかし、指に激痛が走るだけだ。
恐らく、折れてはいない。
しかし、かなりの激痛だ。
それでもコブラは腕を伸ばす。
太い枝をつかめ、しかし、その枝が折れ、コブラの身体は地面に激突した。
いや、正確にはふさふさと生い茂った垣根に受け止められた。
ズキズキと身体に鈍い痛みと鋭い痛みが同時に走る。
ハァハァと荒い息が漏れる。
ゆっくりと、コブラは身体を起こした。
樹木に指がかかるが、しかし、指に激痛が走るだけだ。
恐らく、折れてはいない。
しかし、かなりの激痛だ。
それでもコブラは腕を伸ばす。
太い枝をつかめ、しかし、その枝が折れ、コブラの身体は地面に激突した。
いや、正確にはふさふさと生い茂った垣根に受け止められた。
ズキズキと身体に鈍い痛みと鋭い痛みが同時に走る。
ハァハァと荒い息が漏れる。
ゆっくりと、コブラは身体を起こした。
「………クソがっ」
ゆっくりと、コブラはポケットの中から一枚のスカーフを取り出す。
痛めた指を固定するつもりだろうか。
いや、違う。
コブラは口元にそのスカーフを巻き付けた。
防塵マスクのように巻きつけられそのスカーフには、コブラが率いる山王連合会のエンブレムが刻まれている。
痛めた指を固定するつもりだろうか。
いや、違う。
コブラは口元にそのスカーフを巻き付けた。
防塵マスクのように巻きつけられそのスカーフには、コブラが率いる山王連合会のエンブレムが刻まれている。
「ぶっ殺す……!」
「俺はお前を殺すつもりだ、コブラ」
「俺はお前を殺すつもりだ、コブラ」
建物から降りてきたスモーキーは、コブラの言葉に答える。
コブラは、ボキボキと音を立てながら痛めた指を動かして拳を作る。
コブラとスモーキーが向かい合い、互いに姿勢を低くする。
コブラは、ボキボキと音を立てながら痛めた指を動かして拳を作る。
コブラとスモーキーが向かい合い、互いに姿勢を低くする。
「シッ!」
二人の太ももの筋肉が圧縮されきったのはちょうど同時だった。
弾かれたように二人は走り出す。
コブラが狙うのは脚だ。
恐らく繰り出されるだろうスモーキーの強烈な前蹴りを更に低いスライディングで駆け抜け、そのまま軸足を取り、回転しながら立ち上がる。
ドラゴンスクリューと呼ばれるプロレス技。
コブラの疾走の勢いをそのままにスモーキーの身体を回転させるその技で拘束し、そのまま絞め技に移る。
弾かれたように二人は走り出す。
コブラが狙うのは脚だ。
恐らく繰り出されるだろうスモーキーの強烈な前蹴りを更に低いスライディングで駆け抜け、そのまま軸足を取り、回転しながら立ち上がる。
ドラゴンスクリューと呼ばれるプロレス技。
コブラの疾走の勢いをそのままにスモーキーの身体を回転させるその技で拘束し、そのまま絞め技に移る。
「なっ!?」
しかし、コブラがスライディングを開始すると同時に、スモーキーは前蹴りを放たずに空中前転でコブラの身体を飛び越えていく。
コブラはすぐに立ち上がり、くるりと振り返る。
コブラはすぐに立ち上がり、くるりと振り返る。
「ガッ!?」
恐らく、着地音から察するに立ち上がった瞬間はコブラとスモーキーは同時だったはずだ。
だが、コブラよりも一呼吸早く、スモーキーのハイキックがコブラの首元に直撃した。
何故か。
答えは簡単だ。
スモーキーは錐揉み回転をしながら空中でコブラを飛び越えたのだ。
スモーキーは着地の時点ですでにコブラへと向き直っていたのだ。
自然と、コブラが背中を向けながら立ち上がった時には攻撃の行動に移れる。
だが、コブラよりも一呼吸早く、スモーキーのハイキックがコブラの首元に直撃した。
何故か。
答えは簡単だ。
スモーキーは錐揉み回転をしながら空中でコブラを飛び越えたのだ。
スモーキーは着地の時点ですでにコブラへと向き直っていたのだ。
自然と、コブラが背中を向けながら立ち上がった時には攻撃の行動に移れる。
「ナメんなッ!」
「っ!?」
「っ!?」
だが、コブラも山王連合会のトップ。
ましてや、スモーキーは病魔に身体を侵されており、全力の状態ではない。
スモーキーが万全の状態ならば、この蹴りで意識を失っていたかもしれない。
だが、現実は違う。
コブラはスモーキーの脚を掴み、そのままスモーキーの身体を掴んでいく。
スモーキーの足の付根へと手をかけ、そのまま身体を持ち上げる。
高い位置、ちょうど地面と垂直の位置まで持っていくと。
ましてや、スモーキーは病魔に身体を侵されており、全力の状態ではない。
スモーキーが万全の状態ならば、この蹴りで意識を失っていたかもしれない。
だが、現実は違う。
コブラはスモーキーの脚を掴み、そのままスモーキーの身体を掴んでいく。
スモーキーの足の付根へと手をかけ、そのまま身体を持ち上げる。
高い位置、ちょうど地面と垂直の位置まで持っていくと。
「オラァっ!!!」
そのまま、地面へと叩きつけた。
パワーボムだ。
パワーボムだ。
「っ!!!!!」
スモーキーの肺の中の空気が全て吐き出される。
追撃のチャンスだ。
コブラは拳を振りかぶり、スモーキーの腹部へと叩き落とそうとする。
しかし、地面に転がったスモーキーのがむしゃらな蹴りが腹部に突き刺さる。
威力こそないが、強く押されるような蹴りで、コブラは体勢を崩す。
そのまま、スモーキーは這うような動きでコブラから距離をとった。
スモーキーが視線を移す。
そこには、鏡があった。
地面にうずくまるスモーキーと、立ち上がってゆっくりと迫ろうとするコブラが映っていた。
追撃のチャンスだ。
コブラは拳を振りかぶり、スモーキーの腹部へと叩き落とそうとする。
しかし、地面に転がったスモーキーのがむしゃらな蹴りが腹部に突き刺さる。
威力こそないが、強く押されるような蹴りで、コブラは体勢を崩す。
そのまま、スモーキーは這うような動きでコブラから距離をとった。
スモーキーが視線を移す。
そこには、鏡があった。
地面にうずくまるスモーキーと、立ち上がってゆっくりと迫ろうとするコブラが映っていた。
「コブラ……」
それに何かを感じたのか。
スモーキーは、言葉を発した。
コブラは、歩みを止めた。
スモーキーは、言葉を発した。
コブラは、歩みを止めた。
「ある場所に、ある男が居た……その男は、何一つとして成し遂げることが出来なかった。
何も、出来なかった。
何かを残すこともなく死んでいった。
一方で、ある男が居た……その男は、素晴らしい男だった。
あらゆる全てを残していった。
世界の幸福に……その男は最も貢献して死んでいった。
その二人に、違いはあるか?」
何も、出来なかった。
何かを残すこともなく死んでいった。
一方で、ある男が居た……その男は、素晴らしい男だった。
あらゆる全てを残していった。
世界の幸福に……その男は最も貢献して死んでいった。
その二人に、違いはあるか?」
スモーキーは蹲りながら、コブラへと尋ねた。
真剣な目だった。
コブラは、考える。
何も残すことが出来なかった人間と、何もかもを残すことが出来た人間。
その二人に、違いはあるか。
真剣な目だった。
コブラは、考える。
何も残すことが出来なかった人間と、何もかもを残すことが出来た人間。
その二人に、違いはあるか。
「違いはある」
確信を持って、コブラは答えた。
コブラの脳裏によぎったのは、一人の男。
幼馴染である、ノボルという男。
ノボルはコブラと違い、賢かった。
弁護士となって、この世の悪を正したいという、立派な夢を持っていた。
同じ場所で生まれたのにそんな立派な夢を持っているノボルが妬ましくて、羨ましくて、それ以上に眩かった。
ゴミみたいな世界でも価値のある人間というのは本当に存在するのだと、コブラはノボルを見て初めて知ったのだ。
だからこそ、ノボルが、多くの男に乱暴をされた恋人の復讐に犯罪を犯した時。
大きな絶望に襲われた。
ノボルの夢は、コブラの夢であることを、コブラはその時、初めて思い知った。
コブラの脳裏によぎったのは、一人の男。
幼馴染である、ノボルという男。
ノボルはコブラと違い、賢かった。
弁護士となって、この世の悪を正したいという、立派な夢を持っていた。
同じ場所で生まれたのにそんな立派な夢を持っているノボルが妬ましくて、羨ましくて、それ以上に眩かった。
ゴミみたいな世界でも価値のある人間というのは本当に存在するのだと、コブラはノボルを見て初めて知ったのだ。
だからこそ、ノボルが、多くの男に乱暴をされた恋人の復讐に犯罪を犯した時。
大きな絶望に襲われた。
ノボルの夢は、コブラの夢であることを、コブラはその時、初めて思い知った。
「人間と人間に……価値の差はある。
ゴミみたいな人間と、まともな人間は、生命の価値が違う」
ゴミみたいな人間と、まともな人間は、生命の価値が違う」
だから、あそこで罪を負うべきだったのはコブラ達であるべきだった。
どれだけの怒りに支配されても、その怒りで未来を潰すべきではなかった。
今でも、夢で見る。
ゴミの吹き溜まりのような街で生まれたコブラ達もまたゴミそのもので。
だから、そんな吹き溜まりから出るような発想すらなかった。
でも、ノボルだけは、幼馴染だけは違った。
ノボルはコブラの希望だった。
この街で生まれた者がこの街から出て、社会的に成功する。
そんな存在がいるだけで、まるでコブラまで救われたような気持ちになれた。
だから、未来が台無しになるのならば、コブラであるべきだった。
ノボルの未来に比べれば、コブラの未来など、正しくゴミのようなものだと今でも思っている。
どれだけの怒りに支配されても、その怒りで未来を潰すべきではなかった。
今でも、夢で見る。
ゴミの吹き溜まりのような街で生まれたコブラ達もまたゴミそのもので。
だから、そんな吹き溜まりから出るような発想すらなかった。
でも、ノボルだけは、幼馴染だけは違った。
ノボルはコブラの希望だった。
この街で生まれた者がこの街から出て、社会的に成功する。
そんな存在がいるだけで、まるでコブラまで救われたような気持ちになれた。
だから、未来が台無しになるのならば、コブラであるべきだった。
ノボルの未来に比べれば、コブラの未来など、正しくゴミのようなものだと今でも思っている。
「――――ああ、そうか」
だが、その言葉こそがスモーキーの逆鱗に触れた。
僅かに残っていた、無名街の外の住民であるはずのコブラに対する、友好の念。
それが、その言葉で消えた。
コブラの言葉はあくまで自分を価値のない人間としての言葉。
しかし、しかし。
無名街という、世界から捨てられた街の住民であるスモーキーにとって。
山王街という低所得世帯の街で生まれ育ったコブラでさえ『恵まれた立場』の人間なのだ。
そのコブラから漏れ出た言葉は、まさしく世界が無名街を否定する言葉であった。
だから、スモーキーの胸からコブラへの友好の想いが消えた。
僅かに残っていた、無名街の外の住民であるはずのコブラに対する、友好の念。
それが、その言葉で消えた。
コブラの言葉はあくまで自分を価値のない人間としての言葉。
しかし、しかし。
無名街という、世界から捨てられた街の住民であるスモーキーにとって。
山王街という低所得世帯の街で生まれ育ったコブラでさえ『恵まれた立場』の人間なのだ。
そのコブラから漏れ出た言葉は、まさしく世界が無名街を否定する言葉であった。
だから、スモーキーの胸からコブラへの友好の想いが消えた。
「だったら、お前は助からない――――!」
モッズコートのポケットの中から、スモーキーは一つのカードデッキを取り出した。
茶色のデッキケースに、金色のエンブレムが描かれたデッキだった。
そのデッキが鏡に映ると同時に、スモーキーの腰へとどこからか現れたベルトが巻かれていく。
茶色のデッキケースに、金色のエンブレムが描かれたデッキだった。
そのデッキが鏡に映ると同時に、スモーキーの腰へとどこからか現れたベルトが巻かれていく。
「―――『変身』ッ!!」
その言葉とともに、カードデッキをバックルへと差し込む。
すると、不可思議なことが起こった。
スモーキーのボロボロの服装が、足元から首筋まで、プロテクターに全身が覆われていく。
そして、ガゼルを模したねじれた角をついた仮面の奥へとその顔が消えていく。
仮面ライダーインペラー。
すると、不可思議なことが起こった。
スモーキーのボロボロの服装が、足元から首筋まで、プロテクターに全身が覆われていく。
そして、ガゼルを模したねじれた角をついた仮面の奥へとその顔が消えていく。
仮面ライダーインペラー。
「なんだ……?」
それが単なるコスプレ衣装とは思わない。
なにか、言葉には出来ない物を感じる。
威圧感というべきなのだろう、ゾワゾワと背筋を襲うほどのものだ。
コブラは腰を落とし、変身をしたスモーキーへと向かおうとする。
対して、スモーキーは膝を折る。
すると、膝下のアンクレットが開き、そこへと一枚のカードを差し込んだ。
なにか、言葉には出来ない物を感じる。
威圧感というべきなのだろう、ゾワゾワと背筋を襲うほどのものだ。
コブラは腰を落とし、変身をしたスモーキーへと向かおうとする。
対して、スモーキーは膝を折る。
すると、膝下のアンクレットが開き、そこへと一枚のカードを差し込んだ。
―― AD VENT ――
機械音声が響き渡る。
ゆっくりと、スモーキーが歩き出す。
スモーキーが前へと踏み出すたびに、異様としか言いようのない怪物が現れる。
ゆっくりと、スモーキーが歩き出す。
スモーキーが前へと踏み出すたびに、異様としか言いようのない怪物が現れる。
「なんだ!?」
スモーキーの背後に付き従うように、上空から降り立ってくる大きな角を持った怪人。
ゆっくりと歩くスモーキーの背後から降り立ち、そして、スモーキーを追い抜いてコブラへと襲いかかる。
握りしめた拳で、怪人――――ミラーモンスター・ギガゼールを代表とするレイヨウ型モンスターを迎え撃つ。
ゆっくりと歩くスモーキーの背後から降り立ち、そして、スモーキーを追い抜いてコブラへと襲いかかる。
握りしめた拳で、怪人――――ミラーモンスター・ギガゼールを代表とするレイヨウ型モンスターを迎え撃つ。
「オラァっ!」
ギガゼールの凄まじい圧を感じさせる攻撃を掻い潜り、顎先へとその拳を叩き込む。
そのまま、ギガゼールは仰向けに倒れ込んだ。
ミラーモンスター、本物の怪物だがコブラの一撃は確かに怪物へと通じている。
そのまま、ギガゼールは仰向けに倒れ込んだ。
ミラーモンスター、本物の怪物だがコブラの一撃は確かに怪物へと通じている。
「ッ!?」
しかし、多勢に無勢。
ギガゼールを打ち倒すには全力を出し切る必要があった。
そして、全力の行動の際には、それだけ生まれる隙も大きい。
いつの間にか背後を取っていたオメガゼールに羽交い締めにされ、そのまま腹部へとネガゼールの強烈な膝蹴りが叩き込まれる。
ギガゼールを打ち倒すには全力を出し切る必要があった。
そして、全力の行動の際には、それだけ生まれる隙も大きい。
いつの間にか背後を取っていたオメガゼールに羽交い締めにされ、そのまま腹部へとネガゼールの強烈な膝蹴りが叩き込まれる。
「ぐぉっぉっ……!」
そのまま、コブラは倒れ込む。
内臓の芯にまで響く、強烈な攻撃だった。
うめき声を上げながら、膝をついてしまった。
ゴブッ、と口元に熱く苦味のある液体が広がる。
血だ。
ただ膝の一撃の直撃で、内臓が損傷して吐血してしまったのだ。
山王連合会のスカーフが血に汚れる。
そのまま追撃を受ければ、コブラは一巻の終わりだが、不思議なことにゼール種のミラーモンスターは離れていく。
内臓の芯にまで響く、強烈な攻撃だった。
うめき声を上げながら、膝をついてしまった。
ゴブッ、と口元に熱く苦味のある液体が広がる。
血だ。
ただ膝の一撃の直撃で、内臓が損傷して吐血してしまったのだ。
山王連合会のスカーフが血に汚れる。
そのまま追撃を受ければ、コブラは一巻の終わりだが、不思議なことにゼール種のミラーモンスターは離れていく。
「コブラ」
代わりに、仮面ライダーインペラーと変身したスモーキーが近づいている。
目と鼻の先、スモーキーのつま先が見える。
そのまま、視線を上げていく。
目と鼻の先、スモーキーのつま先が見える。
そのまま、視線を上げていく。
「俺は誰よりも高く飛ぶ……」
仮面に隠れているが、その目が冷たく染まっていることはよくわかった。
その時、コブラはある言葉が脳裏をよぎった。
その時、コブラはある言葉が脳裏をよぎった。
『コブラ、俺は怖いんだよ』
地面に這いつくばりながら、近づいてくるスモーキーの足音を聴きながら、脳裏には過去の出来事を思い返していた。
それは無名街の住民、RUDE BOYSのメンバーであるタケシとピーの言葉だった。
それは無名街の住民、RUDE BOYSのメンバーであるタケシとピーの言葉だった。
『スモーキーは誰よりも高く飛ぶからさ。俺達じゃ行けないところに煙みたいに上っていくからさ』
珍しくタケシは余所者であるコブラに弱音を漏らしていた。
その言葉を思い返しながら、コブラの首をスモーキーが掴む。
凄まじい力でコブラの身体が持ち上げられ、スモーキーはコブラの身体の向きを手の中で変え、襟元を掴む。
その言葉を思い返しながら、コブラの首をスモーキーが掴む。
凄まじい力でコブラの身体が持ち上げられ、スモーキーはコブラの身体の向きを手の中で変え、襟元を掴む。
『いつか、俺たちを置いていってしまいそうで、本当に空の上まで行っちまいそうで、俺は怖いんだ』
ああ、わかる。
ここで全員を殺したスモーキーを、無名街に帰すわけにはいかない。
だって、それは違うからだ。
スモーキーの戦いは、RUDE BOYSの戦いは常に守るための戦いだった。
亡霊の守護者であるRUDE BOYSは、外敵からの侵略に対して戦う存在だった。
だが、今のこれは違う。
これは侵略であり、蹂躙だ。
他者の尊厳と生命を奪う、征服なのだ。
ここで全員を殺したスモーキーを、無名街に帰すわけにはいかない。
だって、それは違うからだ。
スモーキーの戦いは、RUDE BOYSの戦いは常に守るための戦いだった。
亡霊の守護者であるRUDE BOYSは、外敵からの侵略に対して戦う存在だった。
だが、今のこれは違う。
これは侵略であり、蹂躙だ。
他者の尊厳と生命を奪う、征服なのだ。
「スモーキー……!」
一緒だ。
コブラも、スモーキーも一緒なのだ。
コブラは山王街を、スモーキーを無名街を。
ただ、街を守りたいだけ。
だが、護るためにそれをしてしまえば、スモーキーはタケシやピーと共に居られなくなる。
いや、違う。
タケシとピーがスモーキーと共に居られなくなるんだ。
自分たちのために罪を背負ったスモーキーと同じ場所に、タケシやピーが行けないんだ。
だから、スモーキーを止めなければいけない。
だって、スモーキーは。
コブラも、スモーキーも一緒なのだ。
コブラは山王街を、スモーキーを無名街を。
ただ、街を守りたいだけ。
だが、護るためにそれをしてしまえば、スモーキーはタケシやピーと共に居られなくなる。
いや、違う。
タケシとピーがスモーキーと共に居られなくなるんだ。
自分たちのために罪を背負ったスモーキーと同じ場所に、タケシやピーが行けないんだ。
だから、スモーキーを止めなければいけない。
だって、スモーキーは。
「SWORDは……仲間を見捨てねえ……!」
――――スモーキーは、仲間だからだ。
コブラはもう、二度と後悔したくない。
仲間が手を汚して、元の場所に戻れなくなる。
そんな場面を、絶対に見たくない。
その痛みの先には、なにもないんだ。
ボロボロの身体を動かしながら、仮面ライダーインペラーへと変身したスモーキーの腕を掴む。
口元を覆ったスカーフは、破損した内蔵によって逆流した血で汚れている。
動けるはずのない身体で、視線に意思を込めてマスク越しのスモーキーをにらみつける。
仲間が手を汚して、元の場所に戻れなくなる。
そんな場面を、絶対に見たくない。
その痛みの先には、なにもないんだ。
ボロボロの身体を動かしながら、仮面ライダーインペラーへと変身したスモーキーの腕を掴む。
口元を覆ったスカーフは、破損した内蔵によって逆流した血で汚れている。
動けるはずのない身体で、視線に意思を込めてマスク越しのスモーキーをにらみつける。
「コブラ」
だが、その言葉はスモーキーに届かない。
「俺に仲間は居ない」
掴まれた腕をそのままコブラの喉元へと持っていく。
睨みつけてくる視線を受け止めたまま、スモーキーは言葉とともに力を込める。
睨みつけてくる視線を受け止めたまま、スモーキーは言葉とともに力を込める。
「俺にいるのは、家族だけだ」
ゴキリ、と。
コブラの喉の奥から声ならぬ音が響いた。
コブラの喉の奥から声ならぬ音が響いた。
【コブラ(緋野盾兵)@HiGH & LOW 死亡】
「ハァ……ハァ……!」
荒い息を吐きながら、スモーキーは変身を解除した。
すると、ゼール種のミラーモンスターが消えていく。
そのまま、自身が首を折ったコブラの死体の側へと座り込んだ。
死体がある。
だが、スモーキーは何も思わなかった。
無名街では、当然のことだった。
ある日、どうしようもなく身体が弱って。
気づいたら、朝に目覚めたら家族が死んでいる。
それは、何も珍しいことではない。
コブラでは決してわからない感覚。
コブラが憎いわけではない。
だが、その感覚がわからない人間は、スモーキーの家族ではない。
コブラはスモーキーの仲間になりえても、スモーキーの家族にはなり得なかったのだ。
すると、ゼール種のミラーモンスターが消えていく。
そのまま、自身が首を折ったコブラの死体の側へと座り込んだ。
死体がある。
だが、スモーキーは何も思わなかった。
無名街では、当然のことだった。
ある日、どうしようもなく身体が弱って。
気づいたら、朝に目覚めたら家族が死んでいる。
それは、何も珍しいことではない。
コブラでは決してわからない感覚。
コブラが憎いわけではない。
だが、その感覚がわからない人間は、スモーキーの家族ではない。
コブラはスモーキーの仲間になりえても、スモーキーの家族にはなり得なかったのだ。
「……帰るか」
ぼんやりとした頭と身体で、スモーキーはゆっくりと脚を動かす。
目指す場所は、無名街。
家族が待つ、無名街。
殺し合いの場に作られた、偽りの無名街。
スモーキーが生きたところで、何も世界は変わらない。
スモーキーが死んだところで、何も世界は変わらない。
だが、スモーキーは生まれてきた。
たとえ、世界を救う人物でも。
たとえ、世界に何も出来ない人物でも。
そこに何の違いもありはしない。
だから、スモーキーは帰る。
だから、スモーキーは生きる。
目指す場所は、無名街。
家族が待つ、無名街。
殺し合いの場に作られた、偽りの無名街。
スモーキーが生きたところで、何も世界は変わらない。
スモーキーが死んだところで、何も世界は変わらない。
だが、スモーキーは生まれてきた。
たとえ、世界を救う人物でも。
たとえ、世界に何も出来ない人物でも。
そこに何の違いもありはしない。
だから、スモーキーは帰る。
だから、スモーキーは生きる。
たとえ、何を犠牲にしたとしても。
たとえ、他者を犠牲にした先にあるものが何もなくても。
たとえ、他者を犠牲にした先にあるものが何もなくても。
家族とともに生きるために――――スモーキーは、無名街へと帰る。
【B-4・自衛隊入間基地/1日目・深夜】
【スモーキー@HiGH & LOW】
[状態]:胴部に激しい鈍痛、病気
[道具]:基本支給品一式、仮面ライダーインペラーのデッキ、不明支給品0~4
[思考・状況]
基本方針:全員を殺して、無名街へと、家族の下へと帰る。
1:MAP上の無名街に向かう。
[状態]:胴部に激しい鈍痛、病気
[道具]:基本支給品一式、仮面ライダーインペラーのデッキ、不明支給品0~4
[思考・状況]
基本方針:全員を殺して、無名街へと、家族の下へと帰る。
1:MAP上の無名街に向かう。
【仮面ライダーインペラーのデッキ@仮面ライダー龍騎】
スモーキーに支給。
鏡に向かってかざすことで、仮面ライダーインペラーへと変身できる。
スモーキーに支給。
鏡に向かってかざすことで、仮面ライダーインペラーへと変身できる。
[仮面ライダーインペラーの能力]
[インペラーの召喚機ガゼルバイザー]
右足の脛にセットされているアンクレットタイプの召喚機。
右足を上げた状態から中にアドベントカードを装填することで、そのカードの能力を使用できる。
[アドベントカード]
[インペラーの召喚機ガゼルバイザー]
右足の脛にセットされているアンクレットタイプの召喚機。
右足を上げた状態から中にアドベントカードを装填することで、そのカードの能力を使用できる。
[アドベントカード]
- アドベント
ギガゼールとの契約カード。使用した際には他の同種モンスターも一斉に現われる。
レイヨウ型モンスター。
50mのジャンプ力が特徴のギガゼールのほかオメガゼールやマガゼールなどがおり、いずれも優れたジャンプ力を持つ。
二又の刃が先端についた杖を武器としている。
レイヨウ型モンスター。
50mのジャンプ力が特徴のギガゼールのほかオメガゼールやマガゼールなどがおり、いずれも優れたジャンプ力を持つ。
二又の刃が先端についた杖を武器としている。
- スピンベント
『ガゼルスタッブ』。
ギガゼールの角を模した2連ドリルで、右腕に装着して使用する。巨大な岩をも粉砕する程の威力がある。
ギガゼールの角を模した2連ドリルで、右腕に装着して使用する。巨大な岩をも粉砕する程の威力がある。
- ファイナルベント
『ドライブディバイダー』。
ギガゼール種のモンスターたちに一斉に相手を襲わせ、最後にインペラー自身が左足で飛び膝蹴りを決めてとどめを刺す。
ギガゼール種のモンスターたちに一斉に相手を襲わせ、最後にインペラー自身が左足で飛び膝蹴りを決めてとどめを刺す。
前話 | お名前 | 次話 |
Debut | コブラ(緋野盾兵) | Eliminated |
Debut | スモーキー | もがき続けてCrazy,Crazy,Crazy |