Unearthed Arcana: Psionics & Mystic, Take 2
これら非公式のゲーム・ルールは下書きであり、君のキャンペーンで使用することはできるが、プレイテストと繰り返しのデザイン作業によって完璧に調整されたものではない。これらは不安定なものであるかもしれない;もし君がこれらを使用するなら、持ち上がってくるあらゆる問題に裁定する準備をしておくこと。これらは鉛筆書きの段階であり、インクで書かれたものではない。こうした理由から、このコラムの内容はD&D Adventurers Leagueのイベントでは公式扱いではない。
今月の『未知なる神秘』では、キャラクター・クラスのミスティックとサイオニックに関するルールに再登場してもらう。君たちが我々に送ってくれたプレイテスト・フィードバックに基づいて、君たちが期待できるいくつかの変化がある:
- 今回、このクラスは10レベルまで行くことができる。中核となるコンセプトは我々がそれらを進めようと確信を持つことができるくらいに十分な支持を得ていた。
- サイオニックはより柔軟性を持つようになった。君はサイキック集束を持ち、それによって1つの“修練”を得て、そこから絶えず機能する特殊な利益を得ることができる。あるいは、君は修得しているあらゆる“修練”を使用するためにポイントを消費することができる。
- 今回、サイオニックには、呪文の使い手の初級魔法に相当するサイオニック・タレントが含まれるようになった。
- サイオニックの“修練”は、今やミスティックの結社によらず、すべてミスティックに利用可能となった。しかしながら、君の結社はそれと関連する“修練”の使用について利益を与える。
君はこれらの下書き版ルールについてのフィードバックについて1ヶ月かそこらでアンケートを受けることができるだろう。その時点で、我々は必ずしもこれらの選択肢のいずれとも結びつかずとも良い。この力作は単にサイオニックを第5版にどのように取りかかれば最高の作品となるかのスタート地点を計る最初の下書きであるにすぎない。読んで、楽しんで欲しい。
サイオニック
Psionics
サイオニックはクリーチャーの精神内部から湧き上がるパワーの源であり、それによってその肉体的能力を増幅し、他者の精神に影響を与えることができる。サイオニック能力はサイオニック修練と呼ばれており、それらそれぞれが、サイオニック・パワーを振るうための正しい物の見方にクリーチャーを位置付けるために必要とされる厳格な精神的訓練で構成されている。
修練はいくつもの能力を提供するが、それらのいくつかは、それらの効果を生み出すために追加のエネルギーと訓練を必要とする。
サイオニック・タレントは修練とみているが、これらにはサイ・エネルギーを必要とせず、回数無制限で使用することができる。これらはほとんどミスティックの生来の能力の一部である。
加えて、サイオニックの使用に熟練したクリーチャーはそのサイオニック集束をサイオニック修練に働かせることができる。この効果によって、クリーチャーはその修練からの定常的な利益を得ることができる。
この世の物ならぬパワー
Otherworldly Power
あらゆるD&D世界でサイオニック・パワーを同じ程度に扱っている訳ではない。サイオニックは、既知の多元宇宙の境界外次元である“彼方の領域”を間接的な起源としている。“彼方の領域”はその世界独自の異質な物理法則と魔法法則を持つ。その影響力がこの世界まで伸びるとき、“彼方の領域”は常にそれ独自の法則に従うよう現実をねじ曲げた、恐るべきモンスターや狂気を生み出した。
現実法則がねじ曲げられる際、個人の精神は現実の形態と性質に命令を下す宇宙的支柱に気付くことができる。“彼方の領域”によって引き起こされる精神的動揺は本来であれば眠りについている精神を揺り動かし、目覚めさせることができるエコーを生み出す。そのようにして目覚めたクリーチャーは、二次元の世界を見下ろすことができる三次元世界に存在するクリーチャーと同じようにしてこの世界を見るようになる。現実を見る目がもっと制限されている者には不可解にしか見えないが、彼らは可能性、選択肢、そして関係性というものについて良く見える。
比較的安定しており、コア・ルールブックに紹介されている典型的D&D設定に近い世界では、サイオニックは珍しい存在である――あるいは全く存在しないかもしれない。そうした場所では、多元宇宙を定義する宇宙的拘束力が強固であり、サイオニックによって与えられる可能性を知覚できる精神の持ち主はほとんどいない。そうした世界のミスティックはあまりに少ないため、他のサイオニックの技の実践者に出会うことはほとんどないかもしれない。キャラクターたちは思いがけずサイオニックの潜在力に目覚めたのかもしれないし、ミスティックの古代の書物、日誌、その他の説明だけを頼りにこのパワーを磨きあげたのかもしれない。
歪みねじ曲がった現実を含む世界では、サイオニックはより一般的である。ダーク・サン・キャンペーン世界のアサスは、サイオニックが一般的な世界の最も典型的な例である。神々は不在であり、魔法は生態学上の負荷となるようにねじ曲がっており、多くのD&D世界を束ねている共通の糸がばらばらになっている。それとは対照的に、エベロン世界は現実世界の境界に試練が与えられているが、完全に崩壊はしていない。サイオニックはアサスほどエベロンに浸透している訳ではないが、ゾリアットの持つこの世のものならぬ影響力によってそれは知られており、学問的な技となっている。
サイオニックと魔法
Psionics and Magic
サイオニックと魔法は2つのまったく別系統の力である。一般的に、呪文に影響を与える効果は、サイオニック効果には影響を与えない。このルールにはひとつ重要な例外が存在している。呪文を再現するサイオニック効果は魔法として扱うのだ。呪文を発動することをサイオニック・クリーチャーやキャラクターに許すとき、サイオニック効果は呪文を再現する。この場合、サイオニック・エネルギーは魔法につぎ込まれ、呪文を発動するためにそれが使われる。
たとえば、『Monster Manual』掲載のマインド・フレイヤーは「生来の呪文発動(サイオニック)」の特徴を持つ。この特徴はマインド・フレイヤーにサイオニック・エネルギーを使っていくつかの呪文を発動することを許している。これらの呪文はディスペル・マジックやそれに類する効果によって相殺されうる。
Mystic
ミスティックの結社
Mystic Orders
サイオニックはほとんどのD&D世界において謎めいたパワーの形態である。秘密結社は、その起源と応用方法を研究している一方で、常にサイオニックが達成できる事柄の境界線を押し広げている。
各サイオニック結社はサイオニック・パワーに関して特定の目標を追求している。この目標は結社のメンバーがサイオニックをどのように理解するかを形作り、彼らが体得する修練を決定する。
Order of the Awakened
Order of the Immortal
サイオニック修練
Psionic Disciplines
サイオニック修練はミスティックの技術における真髄である。これらは精神修養であり、内なる意志を触知可能な効果へと鍛え上げるのに使われるサイキックの公式である。
修練は異なる結社によってそれぞれに発見されたものであり、それらの創造者の倫理観と専攻を反映したものとなる傾向がある。しかしながら、ミスティックはその関連する結社に関わらず、いかなる修練でも修得することができる。
修練の使用
Using a Discipline
それぞれの修練には、それを使用可能ないくつかの方法があり、すべてその説明文に含まれている。修練にはその効果の選択肢を使用するのに必要とされるアクションの種類とサイ・ポイントの数値が指定されている。また君がその効果に精神集中しなければならないのかどうか、どれだけの数の目標に効果を及ぼすのか、それに要求されるセーヴィング・スローは何かといった事柄についても説明されている。
下記の項目は修練の使用に関するさらに詳細な内容が示されている。
サイキック集束
Psychic Focus
修練のサイキック集束の項目には、サイキック集束をその修練に充てることを選択したときに君が得られる利益が説明されている。
効果の選択肢とサイ・ポイント
Effect Options and Psi Points
修練はサイ・ポイントと共にそれを使用する方法について異なる選択肢を提供する。それぞれの効果の選択肢にはその名前と、名前の後の括弧の中にその選択肢のために必要なサイ・ポイント・コストが示されている。君はその選択肢を使用するためにその数値のサイ・ポイントを消費しなければならないが、君のサイ限界値によって制限がかけられている。もし君が十分なサイ・ポイントを残していないか、あるいはそのコストが君のサイ限界値を超えているなら、君はその選択肢を使用することはできない。
いくつかの選択肢にはサイ・ポイントの特定のコストではなく、その幅が示されている。その選択肢を使用するために、君はそのポイント幅の範囲でポイントを消費しなければならないが、やはりサイ限界値の制限を受ける。
各選択肢にはその効果に関する特定の情報が記されており、それには使用に要求されるアクション、その距離、そして精神集中が必要であるかどうかなどが含まれる。もし選択肢にアクション、ボーナス・アクション、あるいはリアクションとして使うことが明記されていないなら、その使用には何のアクションも必要としない。
構成要素
Components
修練には多くの呪文が要求されるような構成要素は要求されない。修練の使用には発声や身振りや物質要素を必要としない。サイオニックのパワーは精神から発するのである。
持続時間
Duration
修練の選択肢にはその効果がどれだけの時間持続するのかが指定されている。
瞬間。もし持続時間が指定されていないなら、その選択肢の効果は瞬間である。
精神集中。一部の効果の選択肢は精神集中を要求する。この要求事項はその選択肢のサイ・ポイント・コストの後に“C”を付して示してある。
修練に対する精神集中は呪文に対する精神集中と同じルールに従う。このルールは同時に呪文と修練に精神集中することはできない事を意味し、また同時に2つの修練に精神集中することもできないことを意味する。
目標と効果範囲
Targets and Areas of Effect
サイオニック修練は目標の決定と効果範囲に関して呪文と同じルールを使用する。『Player’s Handbook』の第10章「呪文発動」参照。
セーヴィング・スローと攻撃ロール
Saving Throws and Attack Rolls
もし修練がセーヴィング・スローを要求するなら、セーヴの種類とセーヴィング・スローに成功や失敗したときの結果について記されている。難易度は君のサイオニック能力によって決定される。
一部の修練には修練の効果が目標に命中したかどうかを決定するために君に攻撃ロールを行うことを要求する。この攻撃ロールには君のサイオニック能力を使用する。
サイオニック効果を組み合わせる
Combining Psionic Effects
異なるサイオニック修練の効果はそれらの修練の持続時間が重複している間、累積する。同様に、1つのサイオニック修練の異なる選択肢は、それらが同時に起動しているなら、組み合わさる。しかしながら、1つのサイオニック修練に由来する特定の1つの選択肢は、その選択肢を複数回使用しても、それ自体とは組み合わさらない。代わりに、その効果の持続時間が重複している間、最も強力な効果――通常はその効果を生み出すのに使われたサイ・ポイントがどれだけであるかによって決定される――が適用される。
サイオニックと魔法は別々の効果であり、それゆえにそれらの利益と障害は累積する。呪文を再現するサイオニック効果はこのルールの例外である(前述の「サイオニックと魔法」と、『Player’s Handbook』の第10章「呪文発動」にある「魔法効果を組み合わせる」参照)。
修練の説明
Discipline Descriptions
下記の修練は五十音順で紹介している。
サイオニック・タレント
Psionic Talents
サイオニック・タレントはサイオニックの才能を必要とするが、ミスティックのサイオニック・エネルギーを吸い取ることはない能力である。タレントは修練と似ており、同じルールを使用するが、3つの重要な特例が存在する:
- 君はタレントにサイキック集束を使用することは決してできない。
- タレントはそれらを使用するのにサイ・ポイントを消費する必要がない。
- タレントはサイオニックの結社と結びついていない。
ソウツ・スピア
Thought Spear/思考の槍
サイオニック・タレント
アクションとして、君の120フィート以内で君が見ることができる1体のクリーチャーをサイキック的に打つ。その目標は【知力】セーヴィング・スローを成功させなければ、1d8[精神]ダメージを受ける。
このタレントのダメージは君が5レベルに達したとき(2d8)、11レベルに達したとき(3d8)、そして17レベルに達したとき(4d8)に上昇する。
ナイト・アイズ
Night Eyes/夜の目
サイオニック・タレント
アクションとして、君は距離30フィートの暗視を自分自身に付与する。この利益は1時間持続する。
ビーコン
Beacon/かがり火
サイオニック・タレント
ボーナス・アクションとして、君は自分の肉体から半径20フィートに明るい光、そこからさらに20フィートに薄暗い光を発する。この光は君が好む色にすることができる。この光は1時間持続し、ボーナス・アクションで消すことができる。
ブレード・メルド
Blade Meld/刃の融合
サイオニック・タレント
アクションとして、君が保持している単純武器か軍用武器1つを君の肉体の中に溶け込ませる。この過程は君と武器には害をもたらさない。この武器が再出現するまで、それは利用不能であり、そのあらゆる特性も同様に利用不能である。君は同時にはこの方法で影響を受けた武器を1つだけ持つことができる。君はボーナス・アクションで君の手にその武器を招来できる。もし君が気絶状態や死亡状態になると、それは君のいる空間に再出現する。
マインド・スラスト
Mind Thrust/精神刺突
サイオニック・タレント
アクションとして、君の5フィート以内で君が見ることができる1体のクリーチャーにサイキック・エネルギーを爆発させる。その目標は【知力】セーヴィング・スローを成功させなければ、1d6[精神]ダメージを受ける。もしその目標がこのダメージをいくらかでも受けると、君はその者を君から最大で10フィートまで押しやることができる。
このタレントのダメージは君が5レベルに達したとき(2d6)、11レベルに達したとき(3d6)、そして17レベルに達したとき(4d6)に上昇する。
マインド・メルド
Mind Meld/精神の融合
サイオニック・タレント
ボーナス・アクションとして、君の120フィート以内で君が見ることができる1体のクリーチャーとテレパシーで意志疎通することができる。君のテレパシーの言葉を理解させるのに君がそのクリーチャーと言語を共有している必要はなく、そのクリーチャーがそもそも言語を持たないとしても、その者は君の言うことを理解する。君はそのクリーチャーからテレパシーによる回答を受け取ることができるが、このようにして意志疎通するためにはその者が少なくとも1つの言語を理解できる必要がある。意志疎通するこの能力は君の次のターンの開始時まで持続する。君は同意しないクリーチャーと意志疎通することはできない。
ライト・ステップ
Light Step/軽やかなステップ
サイオニック・タレント
ボーナス・アクションとして、君は自分の密度と体重を変化させて機動力を上昇させる。君のターンの残りの間、君の歩行移動速度は10フィート上昇し、君が次に立ちあがるとき、君はそうするために移動速度をわずか10フィート分消費するだけで良い。
最終更新:2017年03月03日 23:58