第18回(2018/8/26)

参加PC

ドーラ・アラバニ
メロス
レイノール
J.M.
ユリア・テシャトフ

ラッツ・エンドからの襲撃者

ファーショア入植地は彼らだけの力で数年を生き抜いてきており、この人里離れ、困難に奮闘する小さな町は、テムートという小さな島の西海岸に位置している。
島は狭い水路を挟んだ北側にある過酷な土地を矮小化したものであり、切り立った山々、絡み合ったジャングル、そして道なき沼沢地といった地形で覆われている。
ここは“恐怖の島”であり、その資源と隠された財宝は、そこにある脅威に見合った代物である。
これらすべてが危険ではあるが、ファーショアに破滅をもたらすのは、島の本土からやってくる非人間のモンスターの侵略だけではなく、海を越えてやってくる完全に人間のモンスターたちの侵略さえも含まれる。

恐怖の島に漂着し、本土を命からがら切り抜け、オーマン人のモーラ村を脅かしていたコプルーを退治して恐怖の大豪雨を鎮めたPCたちは、ようやくのことに当初の目的地であるファーショアに到着した。
モーラ村のオーマン人たちのカヌーで海からファーショアに近づいて行くにつれ、ファーショアで起こっている騒乱に気付いた。
煙に包まれた大気に叫び声がこだまし、汚らしい鎧に身を包み錆びついてみすぼらしい武器を振るう男たちが、組織化されていないファーショアの防衛隊を圧倒している場面であった。
丘の上の方では、いくつかの建物に火がついて燃えており、その近くにいる者たちからは死に物狂いの叫び声が上がっている。別の建物の正面の砂地には、着飾った男性が胸部に血まみれの傷を受け、顔にひどい深傷を負って倒れている。
彼の体の周りには、彼が運んでいたのであろうガラス製品が砕けて散らばっている。
彼の胸部はかすかに上下に動いているが、それもいつまでもつかは定かではない。
もっと南には、汚らしい男たちの大集団が、教会のように見える建物の窓を嬉しそうに叩き割っている。
多くの海賊たちが、教会の正面玄関を重い木製の角材を使って叩き壊そうとしている。
衝角の打撃の合間合間に、内部から怯えた悲鳴が聞こえてくる。
近くでは、染みのある黄色い皮膚をした体格の良いハーフオークが、赤毛の若い女性を追いかけりつつ下品で性的な誘い文句を叫んでいる。
村の奥の方では、剣で武装した若い男性の一団が海賊のリーダーと思しき者と対峙している。そのリーダーは背が高く危険な様子の人間で、明らかに彼らの攻撃を容易にそらしており、にやりと笑っている。
最後に、入植者たちの一団が南東にある大きな建物を焼き尽くそうとする火を消火しようと必死になっており、その一方でその中に閉じ込められている者たちを救い出そうと果敢に炎に立ち向かう者たちもいる。
もっとひどい騒動が村のもっと奥の方から聞こえてくるが、濃い、うねるような煙がそこで起こっている事をうまいこと隠してしまっている。

この状況を発見したパーティは早速ファーショアの防衛隊に助力するべく上陸を慣行した。
上陸にあたってパーティは3手に分かれてそれぞれの地点の救援に向かった。
燃えている建物に閉じ込められた女性ヒルデ・スウェンテン(農婦)はレイノールが救出した。
胸を刺されて出血多量で死にかけていたヘヴリク・アルドワトル教授(ウィザード)はユリアが通りすがりに治癒した。
バリケードを張って多くの人々を中に避難させていた教会は数多くの海賊たちに囲まれていたが、これはJ.M.、ユリア、ドーラで海賊たちを始末して中にいた人々を救いだした。
ルビーという女性(織工)
を追いかけまわしていた下品なハーフオークの海賊はメロスが倒した。
燃え上がる公文書館を消火しようと必死になっているジェラン・エムリカド(公文書館の館長)とその指揮下にある村人の手助けをして火を消し止めた。

そして、ついにファーショアの広場にいた真っ黒に日焼けしたなめし革のような皮膚をした背の高い海賊を見つけた。
彼は周囲をファーショア防衛隊の剣士の一団に取り囲まれていた。
彼は片手で禍々しく反りのついたレイピアを、もう片手でパンチング・ダガーを振るい、結び目のついた輪状のロープを、いくつももつれ合うように腕と胴体に巻きつけていた。
それらのロープの多くは引き結びになっており、そこから顎骨、骸骨の手、革製のトロフィーといった忌まわしい装身具がぶら下げられていた。
彼の首からはぼろぼろになった絞首刑用の縄の輪がぶら下がっており、彼はこの広場にいる入植者たちとの戦いを指揮しつつ、仲間たちに呪詛の言葉と咆哮を上げていた。
この男こそファーショアを襲撃した海賊たちの首領、首つり縄のピートであった。
PCたちはピートを打倒し、ピートが倒されたことを知った海賊たちは浮足立った。
各所でファーショア防衛隊が海賊たちを撃退し、ようやくのことにそれを退けることに成功した。

戦い終わって

海賊たちの攻撃を撃退すると、打ち壊された建物や避難場所から怯えた市民たちがゆっくりと現れてきた。
疲れきって当惑した様子のラヴィニアが、“翡翠の鴉部隊”と共に煙の外へと姿を現した。
彼女はすぐにPCたちを見つけ、大急ぎで走って来て彼らに挨拶をし、再会と海賊の攻撃の脅威を追い払ったことを喜んだ。
PCたちがラヴィニアとの再開を果たしてほどなく、新たな人物がその場に姿を現した。
この人物はマンサレイ・メラヴァンチ卿で、非常に背が高くハンサムな男性で、良く手入れされた顎鬚を持ち、輝くようなミスラル・チェインメイルを身に着けていた。
PCたちと一緒にファーショアに帰還したアヴナー・メラヴァンチの叔父であり、彼はすぐにPCたちを放っておいて叔父マンサレイに挨拶に行った。
マンサレイはアヴナーの姿を見て少し驚いたようだったが、その表情の奥に落胆と怒りが潜んでいることをPCたちは見抜いた。
ラヴィニアはすぐに、PCたちを含めてこの海賊たちの不意討ち攻撃について討議するために教会に主要な人々を集めた。
PCたち、ラヴィニア、“翡翠の鴉部隊”、そしてメラヴァンチ家の2人と共に、ヘヴリク・アルドワトル教授、疲れて心配そうな様子の教会の守護者ヴェサリン・キャサリィ、痣だらけで怒り狂っている薬草師にして博物学者の女性テルダ・サイレン、そして無愛想で気の短いファーショア民兵隊の隊長である男性ウルヴァー・カバンジャが集まった。
また、PCたちと共にここまでの旅を共にしてきた一等航海士アメラ・ヴェンカリー、ノームの博物学者ウロール・フォロールも加わった。

この襲撃による被害状況は、いくつかの建物の損傷、若干数の火事による消失、そして若干数の死者が報告されたが、結局のところ、ファーショアは幸運だったことが分かった。
殺害された入植者は10人だけで、結果としてこの植民地の人口は現在240人となっていた。
海賊たちは組織化されておらず、実際に損害を与えることよりも、恐怖を広めて人々から略奪することに興味を持っていたように見えた上、PCたちの偶然の到着が海賊たちの攻撃による被害を最小限に抑えてくれたと皆が一致した感謝を表明した。

その後、ラヴィニアはPCたちと嵐の中で離れ離れになって以来の互いの消息について話しをし、町の有力者たちに彼らを紹介した。
そうしたことごとが終わったころになり、海賊たちが乗って来た海賊船ヘルフィッシュ号の船内から恐るべき事実が発見されたことの報告がもたらさた。
すなわち、今回の海賊による襲撃がただの斥候部隊にすぎないという事実である。
“深紅の艦隊”がファーショアにやって来ることが判明したのである。

海賊レフティへの尋問

この戦いの中で、ラッツ・エンドの海賊の1人が生け捕りになっていた。
この捕虜はレフティという名前で、けちで取るに足らない悪漢に過ぎないが、貴重な情報を有していた。
彼は元々は商船の乗組員だったのだが、仲間と共に船長に反乱を起こして船を奪って逃げ出したのだが、結局はスコーピオン島の岩場に打ち寄せる波につかまって遭難することになった。
手造りの筏で何とかスコーピオン島を脱したものの、すぐ南のエメラルド島に辿り着いたところでラッツ・エンドの海賊たちに遭遇して捕まってしまった。
彼とその仲間たちは海賊たちの娯楽のために、血で血を洗う暴力的な競技を乗組員仲間と戦わされ、そこで仲間を殺害して自らの価値を示すことで、海賊に加わったのであった。
ファーショアの評議会とPCたちは彼から次のような情報を得た:
レフティと仲間の海賊たちはエメラルド島にあるラッツ・エンドからやって来たことを白状した。
彼らの首領は“首吊り縄”のピートといい、この攻撃が斥候任務であったという。
“首吊り縄”のピートは“深紅の艦隊”と接触をもっており(レフティはその方法は知らず、ただ「魔法が関わっている」とだけ告げた)、2~3週間の間にファーショアを発見できれば、ラッツ・エンドの海賊たちに艦隊における然るべき地位が与えられるという約束が与えられていたという。
どうやら、“深紅の艦隊”の大海軍が「別の仕事」のためにこの地域にやって来る計画があり、その時に彼らはファーショアを略奪したいと思っており、勝利を確実とするためにラッツ・エンドの海賊たちによって集められた情報を利用しようとしているのだという。
“首吊り縄”は彼の手下たちに“深紅の艦隊”がどれだけの船でやって来るのかを明かさなかったが、彼単独でファーショアを攻撃しようと決めたとき、その地を略奪し、“深紅の艦隊”がやって来る前に略奪品を持ってどこか他の水域に逃げるためには2ヶ月とちょっとしかないという事をピートが述べていたという。

レフティの情報からすればあと2カ月と少しで“深紅の艦隊”の大艦隊がファーショアを襲撃するということなのだ。

恐るべき探索行

“深紅の艦隊”の進発のニュースはPCたちを含めたファーショアの生存者たちの背筋を凍らせるに足るものであった、
ラヴィニアは入植地の防衛準備を整えるためにPCたちに力を貸してくれるよう手助けを求めてきた:
  • ファーショアには防衛力を強化し、要塞化することができる箇所が多数存在する。防衛力強化が可能な場所のリストには教会、港、診療所、民兵隊、防柵、そして見張り塔が含まれる。
  • ファーショアの民兵隊は大規模な攻撃に対する防御力としては不十分である;たった1隻の小型船にかろうじて対抗できたに過ぎないという事からもこれは明らかである。近隣の7つの村々に居住するオーマン人の島民たちの助けなしには、明らかに深刻な事態となるであろう。ラヴィニアはPCたちに、全速でタナロア村(7つの村々の中で最大の村)まで旅をし、何としてでもオーマン人戦士たちの援助を獲得してくるよう要望した。
  • 加えて、その他、島の内陸部に生息する奇妙な人型生物の部族の手助けを得ることができれば、間違いなくファーショアの防衛力は大きく向上するであろう。ファナトンはそうした部族の1つである。彼らの手助けを得ることは、ファーショアの防衛力への助けとなる。また地元の伝説では、“ラカスタ”と呼ばれる猫に似た人型生物種族のことが語られている。地元民たちはラカスタは最後の1人まで死に絶えたと信じているが、彼らは高品質の武器を持つことで有名であった。もしかすると、ラカスタの古代寺院のあった場所には、今でも彼らの秘密の武器庫が残されているかも知れない。
  • このたびの攻撃で多くの必需品が損傷を受けた。シー・ワイヴァーン号で運ばれてきた貨物によって物資を補給できるかも知れない。さらに言えば、もしシー・ワイヴァーン号そのものも修理できるかも知れず、その存在はファーショアにとって、海賊に対する防衛力向上に大いに貢献できるだろう。ラヴィニアはPCたちに難破した地点まで戻り、適切な修理を施し、その積荷と共にシー・ワイヴァーン号を回送してくるように要望する。
  • “恐怖の島”そのものが、役立つこと間違いない資源の供給源である。島には大きなタール穴があり、損傷を受けた船や建築物の防御力の強化や修理に使うことができるタールを供給するが、そのためにはタール穴との通行を確立しなければならない。
  • ファーショアのあるテムート島の中央近くにはトログロダイトの部族が棲息しており、彼らを悩ませている。その部族の住処の近くには船舶建造や修理用の木材として理想的な木々が生える森があるのだ。彼らを倒せば貴重な資源となる木材に容易にアクセスできるようになる。


倉庫泥棒

ファーショアの倉庫から何ものかが盗みを繰り返しているという情報があった。
PCたちは手始めにこの盗人を何とかすることにした。
捜索の結果、犯人が人間ほどの大きさで何本も腕があり、腹に大きな口が付いて全体に白っぽくぬめっとした魚の腹のような質感を持つ1本脚の怪物だと判明した。
それはイセリアル・フィルチャーとして知られる、魔法のアイテムや光り輝く品を好んで盗む怪物であった。

イセリアル・フィルチャーが隠れ家にしている海沿いの洞窟を突き止め、そこに突入した。
洞窟を進むうちに、洞窟の中で1人の老人を発見した。
その人物は地べたに直接座り、派手派手しい羽根飾りのついたケープを身にまとい、エイプの頭部で作られた飾り物を被っていた。
首からは2本線のギザギザを囲む円形が刻まれた石をひもで吊り下げていた。
PCたちに気付いた老人は彼らの方に顔を向けると、その両眼があるべき場所にはぽっかりと空虚な穴が空いていた。
かさかさの皮膚はなめし皮のように骨に張り付いており、ところどころ穴があいて下の骨が露わになっており、この人物が生きてはいないアンデッドであることが察せられた。
老人が口を開くと、そこには僅かに残された歯が見え、からからに干からびた干物のような舌が見えた。
その発声などしえないような乾き切った喉からおぞましい声が漏れてきた。
「カウィブサの民よ、大いなる猿の祖先を求めよ。導きの手は黒曜石と共にもたらされるだろう。」
この人物はゾンビーであり、自動人形のようにその言葉を繰り返すだけであった。
洞窟の奥へさらに進むと、そこでフィルチャーを発見し、これを倒して盗まれた品々を回収した。

トログロダイト部族

小さいが強力なトログロダイト部族がテムート島中央部近くで勢力を張っている。
これを退治して木材にアクセスできるようにすることにしてPCたちは出発した。
途中でオーマン人のワイトを倒しつつ、洞窟を発見し、突入した。
ジャイアント・リザードに騎乗するトロッグたちを倒しつつ洞窟を奥へと進んでいき、ついに敵の首領のいる部屋まで侵入した。

報酬と時間経過

経験点

■モンスター分
ラッツ・エンドの海賊の戦い・・・1人あたり1,440XP
テムート島での探険・・・1人あたり930XP
合計1人あたり2,370XP

■特別経験点
ヒルデ・スウェンデンの救出・・・1人あたり200XP
アルドワトル教授を治癒・・・1人あたり200XP
教会にいる全員を救出・・・1人あたり500XP
ルビーをハーフオークから救出・・・1人あたり200XP
公文書館の火事による全焼から守る・・・1人あたり400XP
合計1人あたり1,500XP

金銭報酬


入手アイテム


特別報酬


時間経過

5日

名声

暁の評議会

ラッツ・エンドからファーショアを防衛した・・・名声+1

探求者団

イセリアル・フィルチャーの詳細を報告・・・名声+1
最終更新:2018年12月18日 23:15