サザリン市の土地

この都市の市壁の外側では、サザリン市が周辺地域に持ついくつかの資産を直接に支配し、そこからの産物に依存している。

アメディオ幹線道路

Amedio Highway
その全長のほとんどをサンダー川と平行に走っているアメディオ幹線道路は、サザリン市をコールドロン市と結んでいる。この姉妹都市は休火山のカルデラの高地に位置している。この2つの都市の交易と交流は非常に活発であるが、この道路の長さは、他の旅人たちぶつかることなく旅することができるほどである。川と同じように、アメディオ幹線道路は比較的安全で、商人と材木によって混雑しており、沼沢地とサザリン市近辺の大農園を通っているが、ジャングルを押し進む者たちは、リザードフォーク、ジャングルの捕食者たち、そして地獄炉山脈の高みから時折やってくる狩人たちによる待ち伏せの危険がますます増加していくことに気づく。

ブリスターウォール要塞

Blisterwall
恐ろしい外観の、地獄炉山脈の赤い岩と、ぞっとする沼地のかび類の継ぎはぎとは、ブリスターウォール要塞にその名前と絶え間ない苦痛とを与えることになり、壊疽にかかったような見た目となっている。サザリン市東部の荘園をジャングルの脅威から守るために置かれたもので、比較的遠隔で隔離されており、絶え間なく湿った地域であるため、サザリン市の軍の中ではここに配属されることを嫌がる傾向がある。他部署への転属をいつも拒否しているただ1人の軍人がアーリン・シュヴェルド(男性のハーフエルフ)であり、彼は何匹もの地獄炉山脈に住むヒッポグリフを捕まえては訓練を施す偵察兵であり、この地域で最も経験を積んだ山岳追跡者であると見なされている。

レイキン城

Castle Rakin
レイキン城の補強された木製の柵は、サンダー川を通る樹木伐採人たちと交易商人たちの正規の停泊地点である。この城は本来さほど印象的なものではなく、2面の頑丈な木製の壁によって囲まれた3階建ての石造りの要塞であるが、この砦全体は“城”と言及される。ここには小さな部隊が詰めているだけであるが、この砦は防衛拠点というよりも交易拠点としての役割で発展しており、その波止場沿いに、商品やサービスを売りに来る商人、ガイド、ジャングルの原住民、そして山師らで賑やかにごったがえしている。レイキン城で行なわれている商売の多くは、サザリン市の中では眉をひそめて見られるようなものであるが、砦の司令官、大オーグスティン・メラヴァンチ(女性の人間)への相当量の賄賂によって、これらの商売が妨害されないことが保障されている。

フェンデワー砦

Fort Fendawor
分厚い壁で囲まれた海岸沿いの砦であり、かつてこの地を支配していたシー・プリンスの手によって建造された。現在、フェンデワー城はサザリン市の弱体化した海軍の軍港として使われている。砦の防衛用バリスタの下にあるこの天然の港には、航海に耐えるような船は数少ないが、そのほとんどが、海賊を撲滅するために海岸沿いと遠洋をパトロールしている。気性の激しいコモドア・ブランドロック(男性の人間)がフェンデワー砦でこの海軍を指揮しており、彼の個人的使命感から、この地の海賊行為を撲滅しようと奮迅している。不幸なことに、彼の努力は、限られた人員、限られた資源、限られた船舶、そしてまた誤った報告によって挫折している――彼が最も恐れているのは、彼の砦の内部に、“深紅の艦隊”のスパイが入り込むことである。

荘園

Plantations
サザリン市のすぐ外側、サンダー川沿いのおよそ25マイルほどのジャングルや沼地はきれいに取り除かれ、広大な、私有地荘園となっている。この都市に食用作物と輸出品を提供するものであり、この川の定期的な氾濫によって土地は特別肥沃になっているが、この土地を耕作する農民たちは、ジャングルの草木や獣による再侵略と戦い続けている。キャッサバ、コーヒー、綿花、雑穀(アワ、ヒエ)、サトウキビ、茶――さらにいくつかのもっと伝統的な農産物――が、サザリン市の荘園において最も大量に生産されている作物である。これらの作物の他には、いくつかの荘園では何も生産していない。

ブーディノット荘園

Boudinot Plantation
太っちょボスのレミング・ブーディノットによって経営されており、噂によれば、彼の背の高いサトウキビ農場は、違法な作物を偽装したものであるとか、他の不正な取引を隠すためのものであるという。

ドロンダル荘園

Dromdal Plantation
この地域には、口は悪いが育ちの良いヨシア・イムフリッド・ドロンダルが経営する最大の荘園(綿花と茶)がある。彼の一番の自慢は、彼の素晴らしい大邸宅と、彼が大きく期待している娘チャブリスである。ヨシアの6人の大柄な息子たちは、彼と彼らの妹の名誉を守ろうとする。

ミシュロイ荘園

Misroi Plantation
呪われた場所、この放棄された荘園と燃え尽きた屋敷は、かつて、底なし沼に妻を突き落として殺した残酷な男、アントン・ミシュロイの持ち物であった。裏切り者の夫を殺しに彼女の死体が舞い戻ってきたとき、この荘園の怯えきった働き手たちがこの屋敷を焼き払って逃亡し、二度と戻ってこなかった。


最終更新:2017年03月08日 22:38