種族:ゴライアス

Goliath
ゴライアスたちは有益な仲間であることを証明するが、決して弱みは見せない。やつらは山の石と同じくらい堅く執念深く、山の酷寒の風と同じくらいに冷たく無慈悲だ。もしおまえが力をもってやつらに近づくなら、おまえのことを仲間として認めてくれるやもしれんて。
――トルデク、『山頂への案内書』

最も高い山の頂――木々が生える斜面の遥か上で、空気は薄く、凍てつく風がうなりを上げる場所――に、世を捨てたゴライアスたちが居住している。ゴライアスの姿を見たと言う者は数少なく、彼らと友情を結んだと言う者はそれ以上に少ない。ゴライアスは吹きさらしの岩と風と冷気の世界を放浪する。彼らの肉体はあたかも山の石から彫り出したかのような外見で、大いなる肉体的パワーが与えられている。彼らの魂はさすらいの風に似ており、山頂から山頂へと渡り歩く遊牧民となっている。彼らの心には彼らの住む凍てつく世界への冷たい敬意が込められており、その部族や死の挑戦における居場所を手に入れるにあたって、各ゴライアスには自己責任が課されている。


駆り立てられる競争者

Driven Competitors
ゴライアスには毎日が挑戦の日々である。最も高い高度の山の中では食糧、水、そして雨風をしのぐ場所もめったに手に入らない。ひとつの失敗が部族全体に悲劇をもたらしかねず、一方で個人の英雄的業績によってグループ全体の生存が確実になることもある。
こうして、ゴライアスは自給自足と個人的技能に高い価値を置くようになっている。彼らは他者と比較するために自らの業績を数え上げ、その功績を記録するという形で得点を点けようという衝動を持っている。ゴライアスは勝利を愛しているが、敗北も自らの技能を向上させるための刺激と考えている。
こうした競争に対する献身には暗い側面もある。ゴライアスは残忍な競争者であるが、何にもまして過去の業績を打ち破ることに駆り立てられる。もし1人のゴライアスがドラゴンを殺したなら、彼あるいは彼女はもっと大きく、もっと強力なワームとの戦いを求めるかもしれない。ゴライアスの冒険者で老年まで生き長らえる者は少ない。ほとんどの者は自らの過去の業績を乗り越えようという試みによって死んでしまうのだ。


フェアプレー

Fair Play
ゴライアスにとって、競争は互角の条件が整えられている場合にだけ成り立つ。競争とは才能、献身具合、そして努力の度合いを測るものである。こうした要素は彼らの故郷の縄張りにおける生存を決定付けるものであり、どちらかを優位にするような魔法のアイテム、金銭、その他の要素は頼りとしない。ゴライアスはそうした利益を喜んで利用するが、そうした優位は常に失われる可能性があることを注意深く覚えている。そうした物に過度に頼っているゴライアスは自己満悦に陥っていき、山の中での災いを招くことになる。
この特徴はゴライアスが他の種族と対するときに最も強く出る。百姓と貴族の関係はゴライアスを非常に困惑させる。もし王が民を導く知性と指導力を欠いているなら、王国で最も才能ある人物がその地位を手に入れるべき事は明白である。ゴライアスはそうした見解を内に秘めておくようなことはまずなく、社会構造に依存し、権力を維持するために支配するような人々のことを馬鹿にする。


適者生存

Survival of the Firrest
ゴライアスの間では、部族に何の寄与もできない成人は追放される。孤立したゴライアス、特に老齢であったり弱っていたりする者に生存のチャンスはほとんどない。ゴライアスは自分で自分の面倒を見ることができない成人に対してはほとんど哀れみを持たないが、ゴライアスのフェアプレーの概念のために、病気や負傷している人物は手当てする。
恒久的な傷を負ったゴライアスは、それでも部族のために務めを果たすことが期待される。一般的にはそうしたゴライアスは付いて行こうと試みる中で死亡するか、あるいは寒空の下に置き去りにしてその者の運命に任せるかする。
ある意味では、ゴライアスは衰弱や死といった恐るべき不可抗力に自分が打ち負かされるくらいならと奮迅しているようなものである。ゴライアスの多くは、老齢による緩やかな衰弱をじっと耐えるくらいなら、その力と技量が頂点にあるときに戦闘で死のうとする。年配のゴライアスに出会った者というのはほとんどおらず、たとえ自らの民の下を去ったそうしたゴライアスであっても、自らの肉体的な技量が衰えるにつれ、自分自身の命を絶とうという誘惑にとりつかれてしまう。
危険覚悟の性質ゆえに、ゴライアスの部族は、長期に渡るリーダーを持つという経験は慢性的に欠いている。彼らは自分たちの指導者に天性の知恵を望み、年を重ねることで育つ知恵というものを考慮することはめったにない。


ゴライアスの名前

Goliath Names
あらゆるゴライアスは3つの名前を持つ:生まれたときに母親と父親から与えられた個人名、部族の長から与えられた通り名、そして家族や氏族の名前である。個人名は最大でも3音節までで成り立っている。氏族名は5つ以上の音節を持ち、最後は母音で終わる。
個人名が性別と結び付いていることはあまりない。ゴライアスは女性と男性を全く同一に見なしており、性別によって役割を与える社会を不可解でバカバカしいものだと見なしている。ゴライアスにとって、ある仕事に最善の力を発揮する人物こそ、その仕事を果たすべき人物であるべきなのだ。
ゴライアスの通り名は族長や部族の長老の気持ちひとつで別のものに変えられるその人物を説明する描写である。それはそれが成功したのであれ失敗したのであれ、そのゴライアスによって成された卓越した偉業に言及するものである。ゴライアスは他種族の友人にも通り名を点け、それを使用し、個人的な卓越した偉業に言及するためにそれを別のものに変えたりする。
ゴライアスは自己紹介する際には、これら3つの名前全てを、個人名、通り名、そして氏族名の順番で伝える。打ち解けた会話では、彼らは自分の通り名を使う。
個人名:アウカン、イリカン、ヴァウネア、ヴィマク、ウサル、エグラス、オリロ、ガウサク、ガエアル、クオリ、ケオシ、サライ、ソサム、ナラ、バアヴ、ペサニ、マヴェイス、マンネオ、ロカグ。
通り名:暁を呼ばわる者、糸を縒る者、恐れ知らず、熊殺し、言葉を描く者、鋭き目、空の見張り手、角を彫る者、長跳び、二度孤児となりし者、ねじれた四肢、根を砕く者、火打石の探し手、ゆるがぬ手。
氏族名:アナカラシ、ヴァイメイラガ、エラニシノ、オゴラカス、ガサカナシ、カソオラヴィ、カラギアノ、コラエギレアナ、スヌカラシ、スリアガ。


ゴライアスの種族的特徴

Goliath Traits
ゴライアスはお互いに共通するいくつかの特徴を有する。

能力値上昇

君の【筋力】の値は2上昇し、【耐久力】の値は1上昇する。

年齢

ゴライアスは人間と同じような寿命を持つ。彼らは十代後半で成人になり、通常は1世紀を超えて生きることはない。

属性

ゴライアスの社会では、明確な役割と仕事の分担を持ち、強く秩序に偏っている。ゴライアスは公正という感覚を持ち、自給自足と自己責任に強い比重をおいているため、中立の傾向がある。

サイズ

ゴライアスは7~8フィートの身長で、体重は250~340ポンドの間である。君のサイズは中型サイズである。

移動速度

君の基本歩行移動速度は30フィートである。

生来の運動選手/Natural Athlete

君は〈運動〉技能に習熟している。

石の持久力/Stone's Endurance

君はときに負傷を無視するべく集中することができる。ダメージを受けたとき、君はリアクションを使ってd12をロールすることができる。ロール結果の数値に君の【耐久力】修正値を加算し、その合計値をそのダメージから差し引く。この特徴を使用した後、君は小休憩か大休憩を取り終えるまでは再びそれを使用することはできない。

優れた体格/Powerful Build

君は運搬能力を決定する際や、押したり引いたり、持ち上げたりできる重量を決定する際に1段階サイズ分類が大きいものと見なされる。

山地生まれ/Mountain Born

君は高度20,000フィートを超える場所を含め、高地での生活に順応している。また君は、『Dungeon Master’s Guide』の第5章で説明されている寒冷な環境にも、生まれつき適応している。

言語

君は共通語と巨人語を話し、読み、書くことができる。


最終更新:2017年05月09日 21:36