種族:トリトン

Triton
ああ、トリトン。エルフが2~3世紀ほど海の底深くで過ごしたところを想像してみなよ。そこでやつらの傲慢さと自負を妨げられることなく成長するだろう。少なくとも、トリトンはサフアグンやそれ以上に悪い何かと戦うことに時間を費やしており、それゆえに、君たちは戦闘で彼らを評価できる。
――ブレーゴ・ストーンハート、海のキャプテン
トリトンは海の底を守護しており、深い溝、元素界へ通じるポータル、その他陸生の民の眼には危険に見える場所の傍に小さな居留地を建設している。底深い海底に長らく定着した守護者で、近年、高貴なトリトンがじょじょに上の世界での活動を増加させてきている。


水棲の聖戦の闘士

Aquatic Crusaders
何世紀も前、トリトンたちは悪のエレメンタルの驚異が増大していったことに対応してこの世界に入って来た。トリトンは水の元素界において彼らの敵と数多くの戦争を遂行してきており、それらを“暗き深海”へと追い払い、敵は圧倒的な水圧と完全な暗闇の中へと逃げ込んだ。やがて、トリトンは彼らの古代からのエレメンタルの敵が静かになっていったことに気付いた。その深遠への探険によって、クラーケン、サフアグン、そしてそれ以上に悪しき敵が水の元素界から物質界へと逃げ出していたことが明らかになった。
義務感と責任感に衝き動かされているトリトンは、彼らの敵がそれほど容易に逃げることを許さなかった。トリトンの偉大なる秘密会議は物質界に入り、彼らの敵を探し求める探険軍の一員となる、武器と魔法に熟練した志願者を選んだ。
こうしたトリトンたちはこの世界の海のあちこちに散らばり、深い海溝、ポータル、海底洞窟、その他の敵が潜んでいそうな場所を見張る保護領を確立した。彼らは敵を見つけ出すとそれらを打ち破り、残った物を隠れ家へと追い払う。
敵を海の最深部へと追い払ったときには、トリトンは彼らが戻ってくる兆候を見張るために定住した。時の経過と共に、トリトンたちは最初の定住地から彼らが見張る海底の管理地を拡張していき、他の種族と交易をおこなうための前哨地を建設した。この拡張にも関わらず、彼らのことを知る民はごく少数である。l彼らの居留地はマーフォークとシー・エルフにとってすら余りにも辺鄙な場所であるため、彼らと遭遇することはめったにない。


高慢な貴族

Haughty Nobles
孤立性と物質界に対する限られた理解の結果、トリトンは高慢で横柄な印象を与えることがある。彼らは自分たちのことを海の管理人と見なしており、他のクリーチャーは彼らに対して、完全なる服従とは言わないまでも、深い敬意を払うべきだと考えている。
この態度は他者との間に軋轢を生むが、ある種の真実から生じている。恐るべき海底の驚異に対するトリトンたちの偉大なる勝利を知る者はごく少ない。トリトンたちはそのような無知を許し難く、他の者たちが彼らに対して追っている大いなる借りについて大喜びで詳述する。
またトリトンは、他の民が彼らのことを敬意を払うべき味方や指導者として迎え入れるのであれば、孤立した場所から姿を現す傾向がある。その上、考え方の違いがこの態度をさらに駆り立てる。こうしたトリトンの持つ世界に対する限定的な視点は、地上世界の王国、戦争、その他の抗争に関して彼らを無知なままにさせている。トリトンはすぐにそうした出来事を些細な出来事と見なし、世界の真の守護者であるトリトンの役割にとっては二次的な問題と考える。


揺るぎなき信念の闘士

Staunch Champions
彼らの感じの悪い態度にも関わらず、トリトンは本当は慈悲深く、他の文明化された種族は彼らの守護を受けるに値すると確信している。彼らの態度は軋轢を生むかもしれないが、海賊艦隊が海をさまよっていたり、クラーケンが眠りから覚めたりしたときには、彼らは他者を守護するために最初に立ちあがる者たちとなる。
トリトンは公共善のためであれば快くその身を犠牲にする。彼らは間違いなく人間、マーフォーク、その他のクリーチャーのために戦い、死ぬことを厭わない。彼らの自己中心的な性質は他のクリーチャーの歴史を見逃す原因となっているが、同時に彼らは水の元素界の悪の存在が物質界に入り込むことを許してしまい、その住民たちに脅威を与えていることに対する罪の意識にも耐えている。トリトンは彼らが世界に対する名誉という負債を負っていると信じており、それを支払うために彼らは戦い死ぬつもりである。
時に、彼らの熱烈さと世界への無知が彼らを迷いへと導くこともある。他のクリーチャーと初めて出会ったトリトンは相手を見くびり、トリトンはペテンに引っかかるかもしれない。彼らの強力な軍隊的な伝統により、トリトンはときに戦いに発展することを熱烈に要望しすぎることがある。


陸棲者にとっての異邦者

Strangers to the Surface
彼らの孤立性ゆえに、大部分のトリトンは地上世界に行ったことはない。彼らは水の外へはそんなに簡単に行ったり来たりはできないという考えに取りつかれており、また季節の変化というのは彼らにとって謎めいている。
またトリトンは様々な協会団体、王国、その他の慣習というものに当惑を覚える。彼らの栄光ある文化すべてにとって、彼らは地上世界の小さな子どものような者のままである。典型的なトリトンの保護領は、共通の大義を中心として厳格に管理され、組織化され、そして一体化されている。地上にいるトリトンは、当惑させられるほどの一連の同盟、敵対、そして些細な不平不満によって容易に混乱させられ、そうしたものこそが地上の住民が真に一体化することを妨げていると考えている。
最悪の状態では、トリトンの横柄さは、トリトンが地上世界のやり方を理解しない性質なのだと折り合いをつけられる。トリトンが地上の民の野蛮性、弱さ、あるいは卑怯さと感じるものの上に社会的習慣があると戸惑っているためだということは容易である。


トリトンの個性

Triton Personality
完璧とは程遠いこれら善のチャンピオンたちは、良かれと思ってやっているのだが、他者を苛立たせることがままある。君は「表:トリトンの奇癖」からそのトリトンに特徴的な奇癖1つを選択するか、ロールするか、それを脚色することができる。君が自分のキャラクターをどのように描写するかの特徴づけとして、この奇癖を使うこと。
表:トリトンの奇癖
d6 奇癖
1 君はお願いをする際に、相手が言われた通りにやることを当然だと思っているような命令口調を使う。
2 君はすぐに自らの文明の偉大さを自慢する。
3 君は古風な共通語を学んでおり、会話の中でそれとなく「汝は」とか「そなたが」といった言い回しを使う。
4 君は人々が地元の慣習や期待について真実を述べていると決めてかかる。
5 地上世界は驚異に満ちた場所で、君は航海日誌にすべての事柄について詳細に目録を作っていく。
6 君は地上の人々が当然のこととして君の民の歴史について知っており、感銘を受けているものだと誤って思い込んでいる。


トリトンの名前

Triton Names
ほとんどのトリトンの名前には2つか3つの音節がある。男性の名前は一般的に母音とsの文字で終わり、女性の名前は伝統的にnで終わる。トリトンは姓として彼らの故郷たる保護領を用いて、保護領の名前の末尾に母音のthを付けて名前にしている。

トリトンの女性の名前

アリン、ウォリン、ヴラリン、オタニン、シャルリン、デュジン、フェロレン、ベルジン

トリトンの男性の名前

コラス、デルニス、ジマス、ケロス、モロス、ナロス、ヴォドス、ズニス

トリトンの姓

アーロルサス、プマナス、ヴーヴァクサス


トリトンの種族的特徴

Triton Traits
トリトンのキャラクターは下記の種族的特徴を有する。

能力値上昇

君の【筋力】、【耐久力】、そして【魅力】の値はそれぞれ1ずつ上昇する。

年齢

トリトンはおおよそ15歳で成人に達し、200歳くらいまで生きることができる。

属性

トリトンは秩序にして善の傾向がある。海の最も暗い領域の守護者である彼らの文化は、彼らを秩序と慈悲深い性質にした。

サイズ

トリトンは人間よりもやや背が低く、平均するとだいたい5フィートくらいの背の高さである。君のサイズは中型である。

移動速度

君の基本歩行移動速度は30フィートであり、水泳移動速度は30フィートである。

水陸両生/Amphibious

君は空気中と水中の両方で呼吸することができる。

風と水の支配/Control Air and Water

海の子供である君は、風と水のエレメンタルの魔法を呼び出すことができる。君はこの特徴によってフォッグ・クラウドを発動できる。3レベル以降、君はこの特徴でガスト・オヴ・ウィンドを発動することができ、5レベル以降、ウォール・オヴ・ウォーターを発動することができる(この呪文についてはサイドバー参照)。いったんこの特徴で1つの呪文を発動したなら、大休憩を取り終えるまでは再びこの特徴を実行することはできない。これらの呪文について、君の呪文発動能力は【魅力】である。

海の使い/Emissary of the Sea

水棲の野獣は君の民と特別な親和性を持つ。君は水中呼吸することができる野獣と単純な概念を意志疎通することができる。それらは君の言葉の意味を理解できるが、君は返答としてそれらが述べることを理解する特別な能力を持つ訳ではない。

深海の守護者/Guardians of the Depths

最極端の深海にさえも適応している君は、[冷気]ダメージに対する抵抗を持ち、深い、水底の環境によって生じるあらゆる障害を無視する。

言語

君は共通語と始原語を話し、読み、書くことができる。


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最終更新:2017年05月09日 22:13