種族:リザードフォーク

リザードフォーク
Lizardfolk
もしおまえたちが鱗のある奴らを一緒に冒険に連れて行くつもりなら、重要なことを忘れちゃならん。奴らがおまえたちを見つめるその目にあるおかしな非人間的なきらめきは、おまえたちが新鮮な焼き肉ステーキを見つめるときのものと同じ目つきなんだってことをだ。
――トルデク、ドワーフの戦士にして冒険者

リザードフォークを目にして、単に鱗がある人型生物に過ぎないと思うのは愚か者だけである。彼らの肉体的形状にも関わらず、リザードフォークは人間、ドワーフ、エルフよりも、イグアナやドラゴンにより共通する点が多い。リザードフォークは異質で不可思議なものの見方を持ち、彼らの欲望や思考は温血のクリーチャーのものとはまるっきり異なった基本原則によって動かされている。彼らの陰鬱な沼地の故郷は最も近い人間の居留地からは何百マイルも離れた場所に位置しているかもしれないが、彼らの考え方と柔らかい肌の者たちとの間に横たわる隙間は、それよりも遥かに大きい。
彼らの異質な外見にも関わらず、一部のリザードフォークは、彼らなりの方法で、他の種族の者たちのことを理解しようと努力し、友情を結ぼうとする。そうしたリザードフォークは忠実で優れた仲間となる。


異質な精神

Alien Minds
リザードフォークの爬虫類の性質は彼らの外見にだけ発露するのではなく、彼らがどのように考え行動するかにも影響を与えている。リザードフォークは他の人型生物よりもずっと限られた感情的生活しか経験しない。ほとんどの爬虫類と同様、彼らの感情の大部分は恐怖、攻撃性、そして愉楽をめぐって展開される。
リザードフォークはほとんどの感情をクリーチャーや状況についての客観的描写として体験する。たとえば、怒れるトロールに遭遇した人間は本源的な部分で恐怖を体験する。彼らの四肢は震え、思考は恐慌と混乱に支配され、衝動的な反応を示す。恐怖の感情は彼らの行動を縛り支配する。それに対して、リザードフォークは感情を他のクリーチャー、物品、状況に対して割り当てられた特性と見なしている。リザードフォークは「オレは怯えている」とは考えない。代わりに、攻撃的で強いクリーチャーは、リザードフォークに対して、可能ならば避けるべき恐ろしい存在として示されるのである。もしそうしたクリーチャーが攻撃すると、リザードフォークは逃げ出し、追い詰められた場合にだけ戦う。リザードフォークはトロールに怯えることはない;代わりに、彼らはトロールは恐るべき、危険なクリーチャーであると理解し、それに応じた対応を取る。
リザードフォークは他の者がそうするようには怒ったりしないが、戦いで打ち破ることができ、他の何らかの方法で対処できないクリーチャーには攻撃的行動をとる。食べたいと思う獲物や、彼らを傷つけようとするクリーチャーなどに対しては攻撃的である。
楽しい人々や物はリザードフォークにとってもっと楽な生活をもたらす。楽しい物は保存され守られるべきであり、ときにリザードフォーク自身の安全をも代償にする。ほとんどの楽しいクリーチャーと物はリザードフォークに恐ろしいものではなく、有益なものとして評価されている。


冷酷で打算的

Cold and Calculating
ほとんどの人型生物は、冷血動物の人々を感情や共感能力が欠如していると描写する。同じレッテルがリザードフォークの描写にもよく使われる。
あらゆる内的な感情反応が欠如しているリザードf-クは全く異なる振る舞いをする。彼らは倒れた仲間のために嘆いたり、敵に対して激怒したりしない。彼らは単純に状況が許すように観察し反応するだけである。
リザードフォークは過去との重要な感情の絆を欠いている。彼らは自分たちの現在と生来の有用性や重要性に基づいて状況を評価する。死者に対するリザードフォークの態度ほど強力にこれを示している例は他にない。リザードフォークにとって、死んだ仲間は潜在的な食糧源となってしまう。その仲間はかつては戦士であり狩人であったかもしれないが、今やその肉体はたった今殺されたばかりの新鮮な肉であるに過ぎない。
他の人型生物の間で生活するリザードフォークは、時が経つにつれて、他のクリーチャーの感情を考慮することを学ぶことができる。リザードフォークがこれらの感覚を共有することはないが、代わりに同じく客観的な態度でそれらを評価する。そう、倒れたドワーフは食糧としてこそ最も有益ではあるかもしれないが、ステーキにしようとしてその死体を叩き切れば、他の人型生物の攻撃を招き寄せ、彼らにとって都合のよくない戦いを引き起こすことになるのだ。


有用性と生存

Utility and Survival
リザードフォークのものの見方は不必要に残酷に見えるかもしれないが、それは敵意ある環境で彼らが生き延びるのに役立っている。彼らが居住する沼地には膨大な種類の脅威が溢れている。リザードフォークは、感情抜きで何よりも生存することに集中している。
リザードフォークは有用性という観点であらゆる人物、あらゆる物を評価する。芸術や美というものは彼らにはあまり意味をなさない。鋭い剣は便利で素晴らしい目的に役立つが、なまくらな剣は研ぎ石がなければ重荷に過ぎない。
リザードフォークは将来についての1つ先の季節より先を見通す必要はあまりないと見ている。この考え方は、彼らが現在世界に及ぼしている影響力のレベルを維持することを可能にしているが、彼らの成長を制限している。リザードフォークは文書を発達させることや、長期的な計画を立てること、あるいは狩猟採集民としての単純な生活をそれ以上のものに発展させるほかの方法を磨きあげることに全く興味を持っていない。


哀れな柔らかい奴ら

Hapless Soft Ones
彼らの心底では、リザードフォークは他の人型生物を哀れみにも似た無関心で見ている。頑丈な鱗や鋭い歯もなしにこの世界に生まれついていながら、彼らがそれほど長い間生き残ることに成功していることは不思議である。典型的な人間は沼地ではかろうじて1日生きていられるかどうかである。
それでも、他のクリーチャーがリザードフォークにとって有益であると証明すれば、それらのクリーチャーは弱そうに見える者が強い者すべてに引き起こす、守ってやろうという反応を引き起こすことができる。リザードフォークはそのような存在を幼生体と同じように評価する。自分の身を守ることはできないが、彼らの面倒を見てやれば将来役に立つこと間違いない子供たちということだ。


リザードフォークの個性

Lizardfolk Personality
リザードフォークのキャラクターの個人的な奇癖を決定するためや、独特な態度を作り出すインスピレーションを得るために、君は「表:リザードフォークの奇癖」を使うことができる。
表:リザードフォークの奇癖
d8 奇癖
1 君は無駄な浪費を嫌い、倒れた敵を食い漁らない理由はないと考える。指は美味いし持ち運ぶに便利だ!
2 水の中にほとんど全身を浸かって眠るのが最高だ。
3 君にとって金は全く意味がない。
4 君が思うに、人型生物には2種類しか存在しない:リザードフォークと肉だ。
5 君は笑う事を学んだ。君は全ての感情的な状況でもこの才能を使うことで、仲間ともよりよくやっていける筈だ。
6 君は今なお暗喩というものがどういう機能を果たすのか理解していない。あらゆる機会をとらえてそうしたものを使うことを止めない。
7 君が生まれつき与えられているものに匹敵する、チェイン・メイルや剣を必要とする事に気付いた柔らかい人型生物について、君は高く評価する。
8 君はまだ活きの良いのたくったままの食糧を喰らうのが好きだ。

リザードフォークの名前

Lizardfolk Name
リザードフォークは竜語から名前を付ける。彼らは個々の顕著な偉業や行動に基づいて部族から与えられた単純で説明的な名前を使う。たとえば、ガラートを翻訳すれば「斧」であり、オークを倒し、その敵の武器を奪ったリザードフォークの戦士に付けられる。動物を待ち伏せする前に葦の茂みの中に隠れることを好むリザードフォークはアクエイクと呼ばれ、それは「緑」という意味で、彼女が葉むらの中にどのようにとけ込むかを描写している。
リザードフォークは名付けの伝統に男女の差異を持たない。それぞれの名前の例には括弧内に翻訳した意味を示している。

リザードフォークの名前

アクエイク(緑)、アライト(戦)、イアトス(秘密)、ヴァーガッチ(戦)、ヴァリグナト(燃える)、ヴィース(鋼鉄)、ヴェルシカ(山)、ヴサ(黒)、ウスク(鉄)、オゾケント(賢い)、ガラート(斧)、ケセンド(宝石)、ケペスク(嵐)、コース(危険)、コサール(デーモン)、サーキア(夜)、サウリヴ(目)、スローデン(数多い)、コスジ(小さい)、ダラストリクス(ドラゴン)、ベイシュラ(動物)、ミリク(歌)、ヤンク(槌)、リトリクス(鎧)


リザードフォークの種族特徴

Lizardfolk Traits
リザードフォークのキャラクターは下記の種族的特徴を有する。

能力値上昇

君の【耐久力】の値は2上昇し、【判断力】の値は1上昇する。

年齢

リザードフォークは14歳くらいで成体になり、60年以上生きることはめったにない。

属性

ほとんどのリザードフォークは中立である。彼らはこの世界を捕食者と獲物のいる場所であり、生と死は自然な過程であると見なしている。彼らはただ生き残りたいだけであり、他のクリーチャーを彼ら自身の道具として残しておくことを好む。

サイズ

リザードフォークは人間よりも多少大きく、身長が高く、彼らの色彩豊かなフリルのためにそれ以上に大きく見える。君のサイズは中型である。

移動速度

君の基本歩行移動速度は30フィートであり、また30フィートの水泳移動速度を有する。

噛みつき/Bite

君の牙が生えた大あごは肉体武器であり、これを使って素手攻撃を行うことができる。もしそれを命中させたなら、君は通常の素手攻撃で与える[殴打]ダメージの代わりに、1d6+君の【筋力】修正値に等しい[刺突]ダメージを与える。

狡猾な職人/Cunning Artisan

小休憩の一部として、下記のアイテムの1つを作成するために、君は殺した小型サイズかそれより大きい野獣、人造、竜、魔物、あるいは植物クリーチャーから骨と皮革を採取することができる:シールド、クラブ、ジャヴェリン、1d4本のダーツかブローガンの針。この特徴を使うには、君はダガーのような刃か、革細工道具のような適切な職人道具を必要とする。

息こらえ/Hold Breath

君は15分間、息を止めておくことができる。

狩人の知識/Hunter’s Lore

君は下記の技能から2つ選択して習熟を得る:〈隠密〉、〈自然〉、〈生存〉、〈知覚〉、〈動物使い〉。

外皮/Natural Armor

君は頑丈で鱗のある肌を持つ。君が何も鎧を着用していないとき、ACは13+君の【敏捷力】修正値になる。君が着用している鎧が君のACをそれよりも低いものにしてしまうなら、ACを決定する差異に君の外皮を使用できる。シールドの利益は君が外皮を使っているときにも通常通りに適用される。

飢えた顎/Hungry Jaws

戦闘中、君は凶暴なまでの食欲の狂乱に自分を投げ込むことができる。ボーナス・アクションとして、君は自分の噛みつきを使って特殊な攻撃を行うことができる。もしこの攻撃が命中したなら、それは通常通りのダメージを与え、君は自身の【耐久力】修正値に等しい(最低でも1)一時的ヒット・ポイントを獲得し、小休憩か大休憩を取り終えるまでは再びこの特徴を使うことはできなくなる。

言語

君は共通語と竜語を話し、読み、書くことができる。

最終更新:2017年05月09日 22:22