Unearthed Arcana:改変ルール(2015/6/8)

Unearthed Arcana: Variant Rules

今月の『未知なる神秘』では、君が君のキャンペーンで使用できる若干の改変ルールを示している。これらの選択肢の少数のものはD&Dゲームの以前の版のプレイヤーたちには見慣れたものであるかもしれず、いくつかは、そうした以前の版においても改変版として紹介されたことがあるものである。

改変ルール:プレイヤーがすべてのロールを行なう

Rules Variant: Players Make All Rolls
この改変ルールでは戦闘のすべての部分に関して、モンスターの攻撃ロールやセーヴィング・スローも含めて、プレイヤーがダイスのロールを行なう。卓のプレイヤー側でダイスが動かされることによって、この選択ルールはDMとしての君の作業を簡単なものにしてくれる。加えて、君がプレイヤーたちをゲームに留めておくためにできることをより活動的に行なうほど、彼らはより積極的に参加してくれるようになる。
これは君のプレイヤーたちがダイスをロールすることが好きであり、君が発生しうる事柄に対して事前に多少の作業をしておかねばならないことを嫌がらないのであれば、良い選択ルールである。

攻撃と防御

Attacking and Defending
プレイヤーは彼らのキャラクターの攻撃を通常通りにロールするが、君は敵のロールを行なわない。代わりに、キャラクターたちが攻撃の目標となったとき、プレイヤーは防御ロールを行なう。
防御ロールはキャラクターのAC-10のボーナスを持つ。このロールの難易度は攻撃者の攻撃ボーナス+11である。
防御ロールに成功すれば、うまいこと避けたか、キャラクターの鎧によって吸収したか何かで、攻撃は失敗となる。もしキャラクターが防御ロールに失敗したなら、攻撃は命中する。
もし攻撃者が通常はその攻撃ロールに“優位”を得るのであれば、代わりに君は防御ロールに“不利”を受け、攻撃者が“不利”持つのであればその逆になる。
もし防御ロールのd20で1が出たなら、その攻撃はクリティカル・ヒットになる。もし攻撃者が通常であれば19か20でクリティカル・ヒットになるのであれば、1か2でクリティカル・ヒットになり、それ以上に広いクリティカル可能域を持つのであれば、以下同様である。

セーヴィング・スロー

Saving Throws
キャラクターが敵に対してセーヴィング・スローを行なうよう強いるとき、そのプレイヤーが代わりにセーヴィング・スロー判定を行なう。セーヴィング・スロー判定に対するd20ロールへのボーナスは、その効果のセーヴ難易度-8に等しい。
この判定に関する難易度は11+目標のセーヴィング・スロー修正値に等しい。判定に成功すると、そのキャラクターは目標の抵抗を打ち破り、その目標がセーヴィング・スローを失敗したものとして扱う。判定に失敗したなら、その目標はそのセーヴに成功したものとして扱われる。
攻撃の場合と同様に、目標がそのセーヴィング・スローに“不利”を得ているならセーヴィング・スロー判定には“優位”が与えられ、その反対もまた然りである。

対抗判定と判定

Contests and Checks
NPCやモンスターが通常であれば能力判定を行なったり、イニシアチブをロールしたり、対抗判定の一方を担ったりするようなときにはいつでも、君もプレイヤーもどちらもd20をロールしない。代わりに、結果を求めるために受動判定のルールを使用すること。受動判定に関するより詳細な情報については、『Player’s Handbook』の第7章「能力値の使用」を参照すること。


選択ルール:生命点

Optional Rule: Vitality
一部のDMはヒット・ポイントは面倒なものだと気付く。ファイターはファイアーボール、トロールの引き裂く爪、そして100フィートもの落下を生き抜くことができるが、たった一撃のコボルドのダガーの前に斃れることもありうる。この選択ルールは、負傷からキャラクターが被る損耗をより現実的に反映するものである。
各キャラクターはヒット・ポイントに加えて生命点の蓄えを持つ。キャラクターの最大生命点はキャラクターの【耐久力】の値に等しい。キャラクターが1回の攻撃や効果から10以上のダメージを受けたときにはいつでも、そのキャラクターは生命点を失う。ダメージを10で割り、端数を切り捨てる。その結果がキャラクターが失う生命点となる。言い換えると、キャラクターは攻撃や効果によって被ったダメージ10ポイントにつき1生命点を失う。
もしキャラクターがクリティカル・ヒットを受けたなら、2倍の生命点を失う。そのため、キャラクターはダメージ10ポイント毎に2生命点を失う。もしクリティカル・ヒットが10未満のダメージを与えたとしても、それでも生命点は1点減少する。
生命点の喪失はキャラクターのヒット・ポイント最大値の減少を引き起こす。キャラクターの現在の最大値について、【耐久力】の代わりに生命点を用いて計算すること。したがって、生命点が減少することで、キャラクターのヒット・ポイントを決定するための【耐久力】修正値も減少することになる。
0生命点まで減少したキャラクターは即座に0ヒット・ポイントに減少する。もしキャラクターが0ヒット・ポイントまで減少したものの、彼あるいは彼女の生命点が0より上であるなら、追加のあらゆるダメージは代わりにそのキャラクターの生命点に適用される。キャラクターはヒット・ポイントと生命点の両方が0に達するまでは気絶しない。
大休憩を取り終えることで、キャラクターの生命点は1+キャラクターの【耐久力】修正値の分だけ、最大でキャラクターの最大生命点まで上昇する。ヒット・ポイントを回復させる効果は生命点には影響を与えない。しかしながら、最大ヒット・ポイントを持つキャラクターが治癒を受けたなら、代わりに10ポイントの治癒につき1生命点を回復する。


改変ルール:属性のカスタム

Rules Variant:
属性はキャラクターとモンスターの一般的な態度を同様に示す便利なラベルとして使われる。これは分類するための仕組みとして機能し、どのクリーチャー、派閥、そしてNPCが本質的な味方や敵であるかを評価するための大枠を提供している。
標準的な属性システムはD&Dにおける緊張関係の基礎を成すポイントを包含している:一方では善と悪の間の争い、他方では秩序と混沌の間の衝突だ。この配置の良い点は、善属性のパーティ内部であっても緊張関係が起こり得る点にある。秩序―混沌軸での分割は、どのようにしてこの世界に善を水深していくかという点で、キャラクターたちの意見が異なることもありうることを意味している。
属性はキャラクターの簡便な要約として役立つものであって、厳密な定義を与えるものではない。これは開始点ではあるが、欠点や絆のような要素がキャラクターのアイデンティティのもっと詳細な肖像に色付けをする。
善と悪、秩序と混沌の属性選択は、君のキャンペーンにおいてはあまりに抽象的すぎると感じるかもしれない。君は善属性のクリーチャーである英雄と悪属性である悪党という無条件の区分のない、もっと微妙な差異を持つ考え方を好むかもしれない。簡単な解決方法は、君のキャンペーンにおける重要な抗争を最前線へ持ってくる代替システムを選んで、属性をなくしてしまうことである。

抗争を同定する
下記の質問に答えることで、君のキャンペーンにおける重要な対立する勢力について考えてみること。連続する正反対の結末と置き換えることができるのか? 複数の対立が存在するのか? 鍵となる抗争は何で、ばらばらの抗争すべてがどのように相互作用するのか?
君の独自の属性システムについては、少なくとも2つの道を作るようにし、プレイヤー・キャラクターにはどちらか選ぶことができる選択肢の幅を与えること。もうひとつの道はキャラクターたち(彼らの味方を含む)と彼らの敵の間で世界を分割することができる。
たとえば、世界を死の荒野へと変える危険な死霊術士の秘密結社によってもたらされた環境的な危機に見舞われているキャンペーン・セッティングを考えてみる。属性を作るひとつの道は、生命と死の対立する勢力である。善や悪の選択の場合と同様、この対立はこのセッティングを定義しており、君はほとんどのプレイヤー・キャラクターは生命側に属すること、少なくとも死霊術士たちの計画を支援するという関係性においては中立の立場に立つことを期待しているだろう。
第2の対立の道としては、保存と破壊というものがあるかもしれない。土地を守るために集まった人々は死霊術士を攻撃することにも滅ぼすことにも同意しないかもしれず、また、代わりに死霊術士のパワーですらそれを圧倒できないほどに自然の秩序を強化することに精を出すかもしれない。

複数選択
良い側と悪い側という明確な分類を避けるもっとざらついたゲームでは、2つより多くの選択肢を持つ属性の道を作り出すかもしれない。たとえば、陰謀と権力闘争に焦点を当てたゲームでは、属性とはすなわちキャラクターが支援する派閥をすみやかに照会するものであるかもしれない。キャラクターたちの属性の1要素は、彼あるいは彼女の貴族家やギルドとの同盟関係を示すものであるかもしれない。第2の要素はそのキャラクターがどの神格やパンテオンと結びつきを持っているかを示すものであるかもしれない。

中立属性
君の属性システムを作りだす際、中立性の役割について考慮し、あらゆる属性の道について中間というものがあるかどうかを決定すること。中立のクリーチャーは抗争の外に位置しているのか(善対悪の場合にしばしばそうであるように)、あるいは両方の側から勢力と見なされているのか(秩序対混沌の場合のように)、選択することができる。君のキャンペーンにおけるこの選択をした者の役割は君の中心的な抗争の視点において意味を成すものであるべきである。

最終更新:2017年05月19日 17:36