Unearthed Arcana:未知なる神秘:エベロン(2015/2/2)

Unearthed Arcana: Eberron

『未知なる神秘』の第1回記事へようこそ。これは君のゲーム・テーブルで使用することができるよう、D&DのR&Dグループがさまざまな新しく興味深いRPGデザインを発表するための月刊発行の実験場である。このシリーズで紹介されている素材については、第5版で最初に行なっていたプレイテスト版と同じように考えてもらって良い。これらのゲーム機能は下書きであり、君のキャンペーンで使用することができるが、プレイテストや反復設計による完全な調整はなされていない。これらは非常に流動的なものであり、変更される可能性がある;もし君がこれらを使用するなら、起こり得るあらゆる事態を裁定する準備をしておくこと。これらは鉛筆書きの記事であり、インクで書かれたものではない。
『未知なる神秘』で紹介されている素材は、我々がいつかサプリメントとして発表したいと思っている内容から、我々が共有したい我々のホーム・キャンペーン由来のハウス・ルールまでさまざまで、大規模戦闘のような中核システムに対する選択肢から、この記事に含まれているエベロン用アップデートのような、特定のキャンペーン設定用に作られた素材までさまざまである。いったん発表されたなら、それがどのように機能するか、それを向上させるのに我々にはどんな事ができるのかといったことを君たちと共にチェックしていくことが期待できる。
エベロンのアップデート:今月の記事は比較的明快なものである。君のエベロン・キャンペーンを第5版用に変換する助けとなるいくつかのルールを公開している。エベロン・キャンペーン・セッティングはキース・ベイカーによって作り出され、2004年にD&D用として初めて発行された。それは、魔法仕掛けのテクノロジーによって飛行船、列車、そして20世紀初頭のヨーロッパに相当する技術的発展がもたらされた世界に、パルプ小説の冒険と陰謀を組み合わせたものである。エベロンにおける中心地たるコーヴェア大陸では、サイアリ王国を、モーンランドと呼ばれる、生けるものがいない灰色の荒野へと変えてしまった恐るべき抗争、最終戦争から現在立ち直りつつある。この大災害は残った王国に衝撃を与え、不安定ながらも平和を維持させている。
エベロン・セッティングに関する完全な説明については、dndclassics.comを通じてPDF製品を入手することができる。この記事ではエベロンに特有な重要な要素のいくつかについてその仕組みを変換することに焦点を当てている。

新しい種族

New Races
エベロン・セッティングには複数の特有な種族が存在しており、それぞれがこのキャンペーンの雰囲気を形作るのに役立っている。ウォーフォージドは最終戦争の遺産の生ける証であり、コーヴェアの直面する不確かな将来を思い起こさせる存在である。チェンジリングは陰謀と詐欺の達人であり、陰謀劇のキャンペーンにとって完璧な選択となる。シフターは、拡大している都市と魔法テクノロジーが野生世界を押しやっていることでコーヴェアの自然世界とその将来の間にある緊張関係を体現する存在である。
君は今回のアップデートにカラシュターが含まれていないことに気付くことだろう。カラシュターはサイオニック種族であるが、D&D第5版にはまだサイオニックのルールが存在しない。そうしたルールが利用可能になったなら―おそらく『未知なる神秘』の将来の記事において―彼らにも通行証を渡すことができる。

チェンジリング

シフター

ウォーフォージド


新しいウィザードの伝統:アーティフィサー

New Wizard Tradition: Artificer
アーティフィサーはエベロン世界の鍵となるパーツである。彼らは未開の予測不能な力から大衆が利用できるものにまで魔法が発達したことの説明をする存在である。魔法のアイテムはコーヴェアの五つ国では日常生活の一部である;パーティにアーティフィサーがいれば、彼らはあらゆる冒険遠征隊の一員となれるだろう。
過去の版のエベロン・セッティングではアーティフィサーは個別のクラスであり、神秘的な強化を施した武器や鎧に専門化した近接戦闘員であった。第5版ルールでは、アーティフィサーを神秘的な発明品に特化したウィザードの新しい伝統として扱い、2レベル時にその道を進むことを選択できる。
新しい秘術の伝統:アーティフィサー

アクション・ポイント

Action Points
エベロン・キャンペーン・セッティングでは、偉大な何かを成し遂げる運命を誇張して表現された英雄という面を反映させるコンセプトが紹介された。アクション・ポイントによって、プレイヤーたちは任意のd20ロールにボーナスを加算することができ、それによって不運な効果を回避したり、あるいは少なくとも軽減したりすることができるようになる。このルールは『Dungeon Master’s Guide』の第9章に紹介されている「ヒーロー・ポイント」のルール選択ルールに触発されたものである。
君は1レベル時に5アクション・ポイントを持ってゲームを開始する。君がレベルを獲得する毎に、消費しなかったアクション・ポイントはすべて失われ、新たに5+レベルの半分に等しい分を獲得する。
君は攻撃ロール、能力判定、あるいはセーヴィング・スローを行なうためにd20をロールするときであればいつでも、1アクション・ポイントを消費することができる。君はロールを行ない、成否を知るまではその決定をしなくても良い。もしアクション・ポイントを消費したなら、d6をロールし、それを君のd20の結果に加算することができ、それによって失敗を成功に変えることができるかもしれない。君は1回のロールにつき1アクション・ポイントしか消費できない。
加えて、君が死亡セーヴィング・スローに失敗したときにはいつでも、1アクション・ポイントを消費することで、それを成功したことに変えることができる。

ドラゴンマーク

Dragonmarks
ドラゴンマークは精巧な皮膚上の紋様であり、刺青に似ており、それを持つ者に生得の呪文発動能力を与える。それぞれのマークはそれぞれエベロンにおける異なる工業や商取引を支配する大規模な拡大家族と結びついている。特定の家族の全てのメンバーがドラゴンマークを持つわけではない;反対に、単にドラゴンマークを持つというだけで氏族の中で特別な地位が与えられる訳でもない。
ドラゴンマークを獲得するためには特技を使用しなければならない。君は相当するドラゴンマーク氏族(影のマークの場合には2つの氏族がある)のメンバーであり、そこに掲示されている種族に属していなければならない。

ときおり特異型ドラゴンマークが出現し、それはドラゴンマーク氏族と結びついておらず、さまざまな効果を持つ。君のキャラクター用に特異型ドラゴンマークを表現するには、『Player’s Handbook』収載の《魔法の手ほどき》特技を選択すること。
表:ドラゴンマーク
マーク 氏族 種族 影響
リランダー ハーフエルフ 飛行艇ギルド、雨乞いギルド
移動 オリエン 人間 急使ギルド、運動ギルド
フィアラン エルフ 芸人ギルド、職人ギルド
チュラーニ エルフ 影のネットワーフ
監視 クンダラク ドワーフ 銀行ギルド、監視ギルド
歓待 ガランダ ハーフリング 旅行者ギルド
刻印 シヴィス ノーム 公証人ギルド、弁士ギルド
創造 カニス 人間 鋳掛け屋ギルド、製作者ギルド
探知 メダーニ ハーフエルフ 警戒ギルド
治癒 ジョラスコ ハーフリング 治癒ギルド
調教 ヴァダリス 人間 調教人ギルド
発見 タラシュク ハーフオーク、人間 発見者ギルド
歩哨 デニス 人間 剣術ギルド、守護兵ギルド

新しい特技:ドラゴンマーク


最終更新:2017年05月21日 12:53