地理:ファーショア礼拝所(ファーショア)

入植地の中心地近くに立っている日干しレンガでできた小ぎれいな造りの建物である。
この一階建ての教会にはファーショアの他のどの建物よりも高くそびえる鐘楼塔を備えており、その鐘楼は日常の業務の開始を告げるだけでなく、入植地に警告を伝える役割をも果たしている。
ベンチ席が並ぶ大きな部屋は、遠征評議会の会合や、他の公的な集会のための公会場としての役割を果たしている。

この建物の第一の目的は入植地の宗教上の中心となることである。
入植地の最初の大きさは複数の寺院を建設できるほどのものではなかったため、入植者たちは様々な信仰を一つ屋根の下に共有することに同意した。
主礼拝室は特定の宗派に属さないものであり、壁沿いには様々な神々の小像を収めたアルコーヴが並んでいる。
ここで崇拝されている最も人気のある神格はアローナ(この寺院の現在の管理者のパトロン神格)、ペイロア、ファラングンであるが、『プレイヤーズ・ハンドブック』附録Bの「表:グレイホークの神々」に掲載されている悪ではない神々すべてがここの社に祭られている。
この教会の住職にして管理者を務めているのはヴェサリン・キャサリー(中立にして善、男性のハーフエルフ、プリースト)である。
彼はぶっきらぼうで、力強く、非常に快活な男性であり、特定の信仰を排除する事なく、ファーショアにおいて精神的な指導者としての役割を果たしてきており、当然彼はその仕事を誇りに思っている。

ヴェサリンは“渦巻く怒りの寺院”のメンバーであるが、それは周知の事実ではない。
彼はこの地域におけるデーモンの影響の噂について耳にしたため、“恐怖の島”へと旅することを決意し、そうした影響についてできる限りの時間を費やして調査したい(そして可能ならそれを排除したい)と考えている。
今これまで、彼はその機会に恵まれず、ファーショアの人々の要求を満たすことに時間の大半を取られ続けている。
もしいずれかのPCがこの“寺院”のメンバーであるなら、彼らが到着するや否や、彼らの援助を得ようとヴェサリンが接触してくる。

ヴェサリンに仕えているのはたった4人の侍僧(人間、アコライト)だけであるが、ブルー・ニクシー号の到着によって、彼はより強力な従者を得た。
“翡翠の鴉部隊”のリアメイ・テスリカリアとPCたちが最後に話したときには、この気まぐれな人間のソーサラーはほとんど宗教に興味などないように見えたが、『シー・ワイヴァーン号航海記』においてブルー・ニクシー号とシー・ワイヴァーン号を別れ別れにさせた嵐による臨死体験によって彼女は昏睡状態になった。
その際、幸運にも彼女はその状態から抜け出すことができた。
この教会で意識を取り戻して以来、リアメイは全く新しい魔法の技を身につけたことに気づいた。
彼女の死からの幸運な脱出は、幸運の女神ラッドの注意を惹いた(あるいは、もしかしたら、その介入を招いた結果であるかも知れない)。
今や、ラッドのフェイヴァード・ソウルとなった彼女は、ヴェサリンを助言者と見なしている。

ほぼこの1年の間、ある事柄がヴェサリンの良心を蝕み続けている。
それはノルトゥス・イナーソルという名前のペイロアの宣教師の運命である。
彼は1年以上前に他の入植者たちとは別個にこのファーショアにやって来た。
ノルトゥスはオーマン人たちの半島のあちこちで彼の信仰の教えを広めようとし、この島の内地へと出発する前に、ここファーショアで布教活動のための準備を整えるのに数日を費やした。
それ以来彼の姿を見た者はなく、ヴェサリンは彼の無事を祈っている。
彼はPCたちが“恐怖の島”本土を探検しようと企図していることを知ると、この行方不明の宣教師の痕跡に目を配ってくれるようPCたちに依頼する。

アップグレード

0労働力量、1週間/【知力】、〈宗教〉、〈説得〉、難易度20
このアップデートは最大8回まで実行可能。

ヴェサリンは教会の日常業務を遂行するために彼が得ることができるあらゆる聖職者としての援助を歓迎する。
治癒呪文を発動できるあらゆるPCは、治癒、扶養、説教、他、精神的な支えとなる様々な仕事について彼を手伝う事に1週間を費やすことができる。
成功すれば入植者の精神的な安寧が士気を向上させた事を意味する。
最終更新:2018年09月06日 14:25