地理：闘士地区（サザリン市）

CHAMPION’S DISTRICT
闘士地区はサザリン市の西の境界にそびえており、兵士、剣闘士、傭兵、そして戦士たちといった、この都市の最初の市長であった、コード神の僧侶タラクニアンの足跡を辿る者たちの地区である。闘士地区は貴族地区とはあまり良い関係ではなく、この地区の市民たちは、自分たちこそが、この都市の真実の、そして正統な指導者であると考えている。
闘士地区を代表する貴族はローチェスター家であり、その血筋は、ほとんどサザリン市の設立当時にまで遡ることができるほど古く、この都市においてその地位を確立した一家である。この一族の家長、ネルドラク・ローチェスターは、世間一般から自己中心的で腹黒いと思われている。最近、ローチェスター家は、サンダー川における伐採事業の所有権を巡って、棍棒地区のタスカーヒル家と衝突している。本拠地近くにおいては、彼らは闘士地区の別の貴族家であるトレグソン家と争っている。ローチェスター家とトレグソン家の間の争いの原因は、鍛冶屋ギルドに関わるなんらかの事柄だという噂である。
また、闘士地区における特筆すべきものとしては緋色団大使館の存在がある。この比較的新しい建物は、不吉で信頼できない（と言う者もいる）緋色団の大使アンテキ・アルレシアンの住居となっている。この都市における、そして闘士地区におけるアンテキの存在は、表向きはさほど悪いものではない――彼は公共事業に対してそれなりの資金を提供しているし、大使館の方針は訪問者に対して扉を開いている。しかしそれでも、この大使館が、海からの緋色団による襲撃への防衛体制を誤らせるために、サザリン市を油断させるための緋色団の隠れ蓑として使われているにすぎないという噂は絶えない。

剣闘士競技

サザリン闘技場は、サザリン市において最も人気のある娯楽施設の1つである。ゼルカルーンの角団として知られる、傭兵、狩人、そして探検家の組織によって、最低でも1週間に1回は試合が組まれる。通常、サザリン闘技場における試合が死ぬまで行なわれることはないが、しばしば、借金清算のためや、人々や組織間の抗争の決着をつけるために使われることがある。そうでなければ、ゼルカルーンの角団が主催する“竜の挑戦”として知られる試合があり、地元の英雄や傭兵たちが危険なクリーチャーとの戦いを繰り広げる。角団は、はるか北方のグレイホーク市で年1回行なわれる、世界的に有名な“チャンピオンズ・ゲームズ”を模倣して、数多くの剣闘士チーム同士を戦わせる年1回のイベントを準備していると言われているが、いまだ第1回の競技会の予定を出せずにいる。

都市警備隊

闘士地区の都市警備隊は7つの警備隊の中で最も勇猛である。そのメンバーは、日常業務においても完全軍装で闘士地区を巡回している；この地区における彼らの存在は、法の執行というものをはっきりと示すものである。警備隊のメンバーは月1回の闘技場のイベントに参加することが期待されており、勝利をコードの教会に捧げることが求められている。闘士地区の警備隊は、暗闇地区の警備隊を、その地区を根城としていることが知られている犯罪者たちよりはちょっとましという程度に見なしており、（文字通りの意味でも、比喩的な意味でも）見下している。7つの警備隊の中で、闘士地区の警備隊は最も忠誠心が高く、最も清廉潔白なメンバーによって構成されている；彼らの高い賃金と士気とによって、内部汚職はほとんど全く知られていない。

市民

もし君が闘士地区出身であるなら、君は下級貴族家に属しているかもしれず、またもしかするとサザリン闘技場に何度か出場したことがあるかもしれない。君は闘技場で戦っている人物が誰であるか知っているかもしれないし、いつかは君自身がそこで気概を試したいと思うかもしれない。あるいは、ゼルカルーンの角団のために、君はトロフィー（生きているものでも、死んでいるものでも）を集めるためにアメディオ・ジャングルを探検することに興味を抱くかもしれない。もし君が戦いの才覚に恵まれていないにも関わらずこの地区出身だというのであれば、おそらく君は緋色団大使館と何らかの関わりがあるのであろう。君が緋色団の完全なメンバーであるということはまずないであろうが、その大使館は、折にふれて、エージェントや年季奉公人として地元の人間を受け入れることで知られている。君はたぶんコード神か、あるいはもしかすると聖カスバート神を信仰しているであろう。もし君がウィー・ジャス神を信仰しているなら、その信仰は私的なものにしておき、極力秘密にしている。

重要なNPC

アンテキ・アルレシアン（男性の人間）

アンテキは、不吉なる緋色団から派遣されてきている大使である。彼は礼儀正しい態度を維持しているし、尊敬を受けうるほどの物腰すら持っているが、多くの者は、彼がサザリン市において秘密の任務を持っていると疑っている。

ネルドラク・ローチェスター（男性の人間）

ローチェスター邸の君主にして、暁の評議会における闘士地区の代議員である。ネルドラクは慎重かつ狡猾という評判を取っている。

トーマジル・グレッド（男性の人間）

現実的かつユーモアのない人物であるトーマジルは、コード教会の高僧である。

ウリク・トレグソン（男性の人間）

トレグソン邸の主人にして、商人地区にある鍛冶屋ギルドホールの所有者であるウリクは、闘技場において彼自身が企画する試合において名声を勝ち得た名士である。

ザスカー・グランクス（男性の人間）

かつてバーバリアンであったこの（たとえ恐ろしいとしても）愛すべき人物、ザスカーは、ゼルカルーンの角団として知られる、猟師と傭兵の集団を運営している。

闘士地区の主要な場所

1：六剣屋（居酒屋）
2：ゴロゴロ根性亭（居酒屋／宿屋）
3：サザリン郵便局（郵便サービス）
4：ローチェスター邸（地区の代議員）
5：ゼルカルーン会堂（博物館と闘技場の付属設備）
6：レッドウォールの厩舎
7：サザリン闘技場
8：トロフィー狩りの店（骨董品屋）
9：金貸しギルドホール
10：剣闘士の友（良質の武器屋）
11：トレグソン邸（小貴族）
12：ほろ酔いトログロダイト亭（居酒屋）
13：三人ドワーフ穴掘り亭（居酒屋／賭博場）
14：闘士地区のジム
15：カイリーおばさんの店（売春宿）
16：カンテラ回船ギルドホール
17：闘士地区都市警備隊詰所
18：闘争博物館（闘技場の戦いの博物界）
19：ノレーボ神の社（ギャンブルの神格）
20：コード神の館（地区教会）
21：ルラーグ神の社（獣と力の神格）
22：フェンダルのペット屋（珍しいペットと番獣）
23：ライオマーの鎖屋（良質なチェインメイル製品）
24：ヴィルディヴァーの店（弓、矢、遠隔武器）
25：瓶詰め蜜蜂（ポーション）
26：コードの飲み屋（居酒屋）
27：カタパルト使い（居酒屋／賭博場）
28：闘士地区灯台
29：秘められし渦（占い師）
30：スネイヴァーの動物小屋（動物の訓練士）
31：剣術用呪文の店（魔法の店）
32：コードの市場（日常品、武器、鎧、金属製品）
33：緋色団大使館
34：ケラネンの社（剣術の神格）