ラリッサの日誌「結び」

結び
日衰月の第1日、CY593年
私がファーショアを出発してからかなりの時が過ぎ、そして―最近起こった悲劇を鑑みて―おそらくこれが最後の記述となるだろう。私がこの記録を整理し、この島の生態系に関する正式な論文を出版するときまで保管するために、私たちがサザリン市に戻ったときに、私はこの大量の仕事の成果を一族の金庫に預けておくつもりだ。とはいえ、私の観察の成果が最終的にどんな形にまとめられるにせよ、私はこの著作物を、この許されざる土地で命を落とした人々に捧げたいと思う。
彼らの犠牲が、この獰猛な自然と始原の残忍性に対する警鐘とならんことを。この島の名前こそそれらすべてを適切に要約していると言えよう。すなわち“恐怖の島”と。


最終更新:2017年09月30日 08:59