クラスの特徴:超自然的パトロン「ヴェスティジ」

The Vestiges
契約魔法を練習する者たちはそれを簡単に説明する。
バインダーはパワーを乞うために跪いたり、ほんの僅かな呪文の秘密を掴むために何時間もかび臭い書物を学んだりする必要はない。
彼がいったん契約魔法の基本を学んだなら、彼はどんな時でも痕跡霊を呼び出し、そのパワーを彼のものとすることができる。
痕跡霊は契約を拒否することができず、彼らが与えるパワーへの見返りは僅かしか要求しない。

しかしながら、契約魔法の魅力的な簡単さと、そうした性質を持つ存在の魂との呪縛の必然性は、完全に異質なものであり、その専門家に対する疑惑の念を引き起こさせる。
多くの教会は積極的にバインダーを狩ろうとしており、信者がそうした神々の手が届かないところに存在することができる存在を学ぶことを妨げるために、契約魔法の証拠を示す者を根絶しようとしている。
契約魔法へのこうした一般的な糾弾ゆえに、それ自体が非常に簡単なものであるにも関わらず、それを学ぶことを困難なものとしている。

多くのバインダーは、秘密の寺院の図書室に隠匿された異端の書物から、痕跡霊と接触するための儀式を発見し、契約魔法の技法を手にしてしまった、聖職を負われた司祭や助祭である。
また別の者は、古代の廃墟を調査しているうちに契約と秘文の秘密を発見し、この道へと足を踏み入れている。
ごく僅かな者は、年長のバインダーからバインダーの技法を学んでいるが、ほとんどのバインダーが秘密主義を保持しており、その技を使わなければならない場合にも疑われないようにしているために、そうした監督を受ける機会というものは稀である。


拡張呪文リスト

Expanded Spell List
痕跡霊は君がウォーロック呪文を修得するときに拡張された呪文リストから呪文を選択することができるようにしてくれる。
下記の呪文が君にとってのウォーロック呪文リストに加えられる。

表:痕跡霊の拡張呪文
呪文レベル 呪文
1 アイデンティファイ、コマンド
2 エンハンス・アビリティ、ディテクト・ソウツ
3 グリフ・オヴ・ウォーディング、ビストウ・カース
4 コンパルジョン、フリーダム・オヴ・ムーヴメント
5 ドミネイト・パースン、プレイナー・バインディング


魂への呪縛

Soul Binding
1レベル時、君のパトロンは痕跡霊と接触し、それらと契約を結ぶ能力を付与してくれる。
■ 痕跡霊の説明

痕跡霊と接触するには、君は何らかの表面(通常は地面)に、特異な秘文を描かなければならない(この秘文は儀式毎に描き直す必要がある)。
その後、対応する痕跡霊を招来するための儀式を実施しなければならない。
秘文の描画と儀式の実施には10分間の精神集中を必要とし、秘文を起動するために呪文スロット1つを消費しなければならない。
消費する呪文スロットのレベルが、呼び出そうとする痕跡霊のレベルと同じかそれより高いレベルでなければ、この儀式は自動的に失敗する。
また、個々の痕跡霊によっては、それぞれの説明文に記載されているようなその他の特殊な必要条件が設定されている場合もある。

儀式の間に君は秘文に触れ、その痕跡霊の名前と称号の両方を呼ばわらなければならない。
もし君が音を聞くことができないなら、この儀式は失敗する。
この儀式に使用する呪文スロットはウォーロックの“契約魔法”のクラスの特徴から得ているスロットでなければならず、大休憩を取り終えるまでは回復しない(通常、契約魔法によって得ている呪文スロットは大休憩か小休憩で回復するが、痕跡霊と契約を結んでいる間は小休憩によって回復することはできない)し、20レベル時に獲得する“魔道の達人”の能力によっても回復しない。

君が儀式を終えるや否や、秘文のある場所に痕跡霊の顕現が出現する。このイメージは痕跡霊そのものではない。
それは単なる虚像である。
この幻術は何らかのクリーチャーを傷つけることはできないし、何らかのクリーチャーによって傷つけられることもない。
このイメージと相互作用したクリーチャーや、注意深く観察したクリーチャーは、それが幻にすぎないことに自動的に気付く。
招来されたイメージは君以外の全ての者を無視する。
君が1ラウンド以内に話しかけることができなかったなら、それは消え去る。痕跡霊は君が呼び出すのに使った言語で話す。

招来した痕跡霊と契約を交わすには、君は呪縛判定を行わねばならない。
呪縛判定は【魅力】判定(難易度=13+痕跡霊レベルの2倍)であり、君はこの判定に習熟ボーナスを加算することができる。
この工程には1分間を要するが、君は呪縛判定に“不利”を受けることで、1回のアクションとして大急ぎでの呪縛判定を行うこともできる。
君はこの危険な契約を自分ひとりで実行しなければならない。
いかなる方法をもってしても、他者がこれを援護することはできない。

呪縛判定に成功しようが失敗しようが、24時間が経過するか、次に大休憩を取り終えるまで、その痕跡霊からパワーを与えられる。
その間、痕跡霊を君から取り除くことはできない。

呪縛判定に成功したなら、痕跡霊は君の行動への支配権を持たず、君の人格へ影響を与えることもない。
この場合、君は“上手な”契約を結んだことになる。

呪縛判定に失敗したなら、痕跡霊は君の人格と行動に影響を与えることになり、君は“下手な”契約を結んだことになる。
痕跡霊の影響下にある間、それが要求する事柄を君は全精力を注いで堅く守らなければならない。
もし君の意識があって自由意志を持っていて、禁止されている行動を我慢できなかったり、そうするように要求されている行動をしなかったりする状況に遭遇したなら、痕跡霊が君から去るまで、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、能力判定に対して“不利”を受けるようになる。
もし2つ以上の痕跡霊の影響を受けているなら、君はそれら全ての影響に沿った行動を取らなければならない。

痕跡霊を呪縛している限り、君はその説明文にある通り、その存在を示す得意な肉体的徴候を発現する。
この徴候は現実のものであり、幻や変身効果によるものではなく、そのため誰かがトゥルー・シーイングを使って見ても、そのままの姿が見えることになる。
ペナルティを受けることなく、非魔法的な方法もしくは魔法的な方法でこの徴候を隠すことができるし、君が“上手な契約”を結んでいるなら、徴候が表れるのを完全に抑制することもできる。

痕跡霊は契約によって君の魂と呪縛される。
いかなる手段によってもこれらを目標としたり排除したりすることはできない。

痕跡霊によって与えられるパワーに対するセーヴィング・スローの難易度は、君の呪文セーヴ難易度と同じである。
痕跡霊によって与えられる攻撃ロールを必要とするパワーは、君の呪文攻撃修正値を使用する。

痕跡霊の呪縛は同時に同調することができる魔法のアイテムの数の勘定に含められる。
すなわち、魔法のアイテムを同調していない状態であれば、(契約のための呪文スロットが許す範囲で)3つまでの痕跡霊を同時に呪縛できる。


痕跡霊排斥

Expel Vestige
6レベル時、君は自分が呪縛している痕跡霊を追い出す事ができるようになる。
そのためには、秘文を描いて召喚の過程とそっくり同じことを再度行なわなければならない
(秘文を描いて痕跡霊を呼び出すのに10分、その後、契約を解除するための再度の呪縛判定に1分)。
再度の呪縛判定に成功すると、大休憩を取ることなく痕跡霊を追い出すことができる。
このようにして痕跡霊を追い出すことに成功したなら、その痕跡霊に消費していた呪文スロットは通常通りに大休憩か小休憩を取ることで回復できるようになる。
排斥するための呪縛判定に成功したかどうかに関わらず、次に大休憩を取る前に行なうあらゆる呪縛判定には“不利”が課され、その間、大急ぎで契約を結ぶ(アクションで契約を結ぶ)ことはできなくなる。


魂の守護者

Soul Guardian
10レベル時、君が呪縛している痕跡霊は君の精神を守護するようになる。
君が最低でも1つの痕跡霊を呪縛している間、君は[精神]ダメージに対する抵抗を得、恐怖状態と魅了状態にされることに対抗するためのセーヴィング・スローに“優位”を得る。


上級魂の守護者

Greater Soul Guardian
14レベル時、君はレイスによる生命力吸収のような、ヒット・ポイントの最大値が減少する効果に対する完全耐性を得る。
また[死霊]ダメージと[精神]ダメージに完全耐性を得る。


契約の恩恵

Pact Boon
3レベル時、超自然的パトロンとして痕跡霊を選択しているウォーロックは契約の恩恵の選択肢として既存のウォーロックの契約の恩恵の代わりに下記のものを選択することができる。

聖句箱の契約

Pact of the Phylactery
君のパトロンは契約の羊皮紙が収められた聖句箱(“契約の櫃”と呼ばれる)を君に与える。
この“契約の櫃”は呪縛している痕跡霊からさらなるパワーを引き出す。
痕跡霊を呪縛する際、下記のリストから1つの能力を選択できる。
新たに痕跡霊を呪縛したときには、新たに能力を選択することができる
(同時に同じ能力を選択することはできない)。
その痕跡霊の呪縛が終了するとこの能力も失われる。
  • ウォーロック・レベルあたり+1ヒット・ポイント
  • [酸]、[電撃]、[火]、[雷鳴]、あるいは[冷気]のいずれかひとつのダメージ種別に対する抵抗を得る。(複数の痕跡霊を呪縛しても複数のダメージ種別への抵抗を得ることはできない。)
  • ガイダンスの初級魔法を修得する。
  • トゥルー・ストライクの初級魔法を修得する。
  • ブレード・ウォードの初級魔法を修得する。
  • レジスタンスの初級魔法を修得する。
  • アーマー・クラスに+1のボーナスを得る。
  • イニシアチブ判定に習熟ボーナスの半分を加算できる。
  • 近接武器攻撃のダメージ・ロールのダイスで1の出目をロールしたとき、そのダイスを再ロールできる。再ロールの出目が再び1の場合はもはや再ロールすることはできない。


最終更新:2017年03月21日 17:38