勢力陣営:エメラルドの波頭団

Emerald Crest

紋章

黒い碇に覆いかぶさる緑の波で、通常は刺青として身につけている。

背景

船乗りたちが、敢えて広大な大海原を探検し、水平線の彼方に横たわるものを探し求めている間は、船乗りたちの間には非公式の、暗黙の了解が存在している。波の下に隠れた危険、そしてその中に存在する驚異と異常についての知識を共有することは、どんな法よりも強力な力となってくれる。それを無視したり、一人で貯め込んだりすれば致命的なことになる。しばしば、乗組員全員の生命が、この無言の合意の下で成り立っている。
ここ最近の1世紀の間に、緩やかな結びつきを持った海の探検家たちの組織が形成された。彼らの唯一の目的は、この世界にある未知の、そしてまだ説明されていない海域を調査することである。その組織は自らをエメラルドの波頭団と称し、そのメンバーは、新たな航路の海図を作り、新たな地図を製図し、遭難した船舶の救助を行ない、そして神話や伝説を証明しようとしており、その一方で、彼ら自身の後進を育てている。
通常の船乗りの敵(海のモンスターや海賊)はエメラルドの波頭団の敵でもある。緋色団の船舶は伝統的な敵であるが、ここ数年は、深紅の艦隊こそが憎むべき敵のリストのトップに躍り出てきている。他のあらゆる海に生息するクリーチャーや船乗りは、エメラルドの波頭団傘下のメンバーに友や味方を見つけることができる。

メンバー

エメラルドの波頭団はあらゆるクラスの者に門戸を開いているが、参加するための基本前提条件として、最低でもある程度の船乗りとしての訓練を受けていなければならない。

称号と義務

エメラルドの波頭団のメンバーは、積極的に公海上の危険の知識や正確な位置を探し求め、発見したことを他のメンバーと共有することが求められている。これには、途中ですれ違った他の船舶との間での非公式なものも、彼らのギルドホールにある勢力陣営内の記録に公式な目録を作るもののどちらでも良い。彼らはまた、ギルドホールを訪問してその仕事を援助してもらう際にはいつでも、収入のおよそ10%を会費として支払うことが求められている。(詳細は下記参照)。
水夫よりも高いランクに昇進したなら、すべてのエメラルドの波頭団の加入者は波と碇の刺青を入れられる。彼らはまた、片面に勢力陣営の紋章を、もう一方の面に1羽のアホウドリを描いた独自の硬貨を鋳造している。この硬貨は幸運のお守りと見なされており、真に絶望的な状況に陥らない限り、船乗りたちはこれを進んで手放そうとはしない。
表:エメラルドの波頭団の地位と称号
名声 称号
0 メンバーではない
1 水夫
3 一等航海士
10 船長、前提条件:5レベル以上
25 提督、前提条件:10レベル以上
50 上級提督、前提条件:15レベル以上

各称号の説明

名声0(メンバーではない)

一員ではない。

名声1(水夫)

特に利益は得られない準メンバーとみなされている。
波と碇の刺青を入れられる。

名声3(一等航海士)

一等航海士以上の地位の者は毎月収入の10%を波頭団に収めることが求められる。この会費を支払わない場合、滞納分が支払われるまで団の特典はなにひとつ使えなくなる。
片面にこの勢力陣営の紋章、もう片面に1羽のアホウドリが描かれた独自の硬貨(通常は銅貨)1枚を手に入れる。
君は“船旅”の特徴を得る。これは『Player’s Handbook』の船乗りの背景で得られる特徴と同一である。すでにこの特徴を有している場合、民衆の英雄の背景で得られる“素朴なもてなし”の特徴を得る。
航海道具か乗り物(水上)のどちらかへの習熟を得る。もしすでに両方の道具に習熟しているなら、代わりにゲーム道具(任意の1つ)、木彫道具、織工道具、大工道具、地図作成用品のいずれか1つに習熟する。

名声10(船長)

前提条件:5レベル以上
航海道具か乗り物(水上)のどちらかに対して、それを使った能力判定に加算する習熟ボーナスを2倍にすることができる(船長になったときにどちらか1つを選ぶこと)。
1ヶ月に1本まで、ポーション・オヴ・ウォーター・ブリージングかポーション・オヴ・レジスタンス[冷気]をそれぞれ1本ずつ支給を受けることができる。ただし、すでにそれぞれ1本以上持っている場合にはもらえない。
『Dungeon Master’s Guide』の第9章に説明されている「火器」の内、ルネッサンスのアイテムを購入できるようになる。またピストルとマスケットに習熟する。

名声25(提督)

前提条件:10レベル以上
持ち船1隻にカノン(『Dungeon Master’s Guide』の第8章の「攻城装備」参照)を1台取り付けてもらえる。カノンそのものは無償だが、弾丸と火薬は別途購入しなければならない。
カノン用の弾丸は1個で60gp、重量40ポンド。1発発射するために火薬20ポンドを要する。火薬は20ポンド入りの樽で250gpである。
エメラルドの波頭団の傘下にある船舶を最大で同時に3隻まで徴発して指揮下に置くことができる。どんな船舶が徴発可能であるかはDMが決定する。

名声50(上級提督)

前提条件:15レベル以上
エメラルドの波頭団の傘下にある船舶であればどんな船舶でも徴発することができ、同時に徴発可能な数に制限はない。どんな船舶が徴発可能であるかはDMが決定する。

最終更新:2017年08月26日 02:29