地理:旭区(サザリン市)

SUNRISE
棍棒地区と同様に、旭区は元来住宅地である。彼らの多くがサザリン市周辺地域に点在する数多くの荘園に資金をつぎ込んでいるために、旭区の少なくない市民が、一般的にその隣人たちよりも若干良い暮らし向きをしている。
旭区を代表する貴族家はノウラン家である。他の地区の貴族とは異なり、ノウラン家はエルフである。アニフェイタス・ノウラン卿と彼の家族は、この地域の野生をその中心部に保存することに力を傾けており、サザリン市のスタンディング・ストーン・パークの設立は、彼らが最も誇りに思っている業績の1つである。

勢力陣営

サザリン市の市民として、君のキャラクターはまた、この都市を基盤とするいくつかの勢力陣営組織の1つに所属しているかもしれない。これら7つの勢力陣営の概略は次の通りである――もしこれらの内1つが君のキャラクター用として興味深いものであると思われたなら、その勢力陣営のメンバーとしてキャンペーンを開始することについてDMに問い合わせること。

暁の評議会

サザリン市を支配する貴族階級は暁の評議会として知られているが、実際のところ、この勢力陣営は、小貴族家、賢者、筆記人、書記、その他この都市の日々の行政を手助けする人々すべてによって構成されている。サザリン市の都市警備隊は暁の評議会によって統制されており、さらに7つの公的教会がこのグループを任命してもいる。サザリン市の市壁を超えると、暁の評議会のエージェントは、大使、使者、宣教師、そしてスパイとしてすら働いている。クレリック、バード、パラディン、そしてファイターが、この勢力陣営に最も適したクラスである。

怒りの竜巻の寺院

おそらく、ここで紹介する6つの勢力陣営の中で最も神秘的な組織が“怒りの竜巻寺院”であり、デーモンの物質界侵略に対抗し、同時に彼らのパトロンであるエラドリン・パラゴンのグウィンハーウィフへの崇拝を行なう同志たちによる準秘密結社である。
彼らは、公然と危険な軍勢と対抗すれば、公然と復讐をうけるという理論のもと、サザリン市の中にその存在を潜めている――そうするよりも、情報を集め、不意討ちの利を取る方が良いと考えているのだ。怒りの竜巻の寺院が説く教義は「すべては大いなる善のために」というものであるが、この教会はあらゆる職業の者と技術者を受け入れる。それゆえに、彼らはしばしば法の影の面でその活動を行なうことになる。クレリック、バーバリアン、そしてレンジャーが、この勢力陣営に最も適したクラスである。

エメラルドの波頭団

サザリン市が独立を取り戻して以来、その船乗りたちは世界中の海に乗り出して行った。海賊、海のモンスター、嵐や暗礁地帯といった自然の脅威に、船の墓場や幽霊船といった超自然的な脅威に満ち溢れた危険な海で生き残るためには、連帯することが必要だと悟った船乗りたちは、ここ最近の1世紀の間に、緩やかに結びつきを持った海の組織を形成した。このメンバーたちは新たな航海の海図を作り、新たな海図を製図し、遭難した船舶の救助を行ない、神話や伝説の謎を解明しようとしつつ、後進の教育にも当たっている。海の神格を崇めるクレリック、バード、ファイター、ローグがこの勢力陣営に最も適したクラスである。

ゼルカルーンの角団

ゼルカルーンの角団はとりわけ、彼らがサザリン闘技場において運営している大人気イベントの開催地、闘士地区を基盤としており、剣闘士、大型猛獣専門のハンター、傭兵、そして周辺の荒野の探検者で構成されている。サザリン市の市壁を超えると、角団のメンバーはしばしば単独活動(あるいは少人数のメンバーでの活動)を開始し、闘技場の戦いに出すための新しいクリーチャーを探したり、あるいは単に彼ら自身の名声や栄光を高めるために冒険と財宝を求めたりする。バーバリアン、ファイター、レンジャー、そしてローグがこの勢力陣営に最も適したクラスである。

探求者団

探求者団はほとんど世界中のあらゆる大都市に存在しているが、彼らの存在を知っている者は数少ない。良くても財宝収集を目的とする冒険者の集まり、悪くすれば盗賊と墓荒らしを生業とする邪悪な結社と見なされているが、探求者団自体は、個人的な利益や目的のために古代の秘密や失われた魔法を探し回る探検家、冒険学者、そして財産目当ての求婚者たちによる、緩やかなつながりのグループである。すべてのキャラクター・クラスが等しくこの勢力陣営に適している。

緋色団

緋色団自体は船を操る暗殺者、スパイ、あるいはもっと悪い存在として悪名高いが、サザリン市における彼らの存在は、緋色団大使館の設立によって大きな転換を迎えた。このグループは他の国ともっと暴力的ではない交流を模索している。数多くの国々を操るための最近の企ては、緋色団に途方もない出費となった。もちろん、多くの人たちは緋色団大使館の設立は、緋色団の邪悪な世界征服の試みの新たな段階にすぎないと信じている。このグループの計画をはっきりと知っているのは、この勢力陣営のメンバーだけである――緋色団の謎めいたリーダーが意図している事の真相すべてを分かっているわけではないとしても。バード、モンク、そしてローグがこの勢力陣営に最も適したクラスである。

魔女看守団

サザリンの魔術師ギルドは何世紀も前にウィー・ジャスに仕える神官魔術師によって設立されたが、現在、魔女看守団はもっと世俗的なものとなっている。そのメンバーたちはあらゆる形態の魔法を学んでおり、新しい呪文を発明したり、世界中を回って古代遺跡から失われた知識を取り戻したりしようとしている。彼らは魔法的な脅威から都市を守る責任を負っており、そのメンバーの多くが都市の上流社会とつながりを持っている。ウィザード、ウォーロック、ソーサラー、そしてバードがこの勢力陣営に最も適したクラスである。

都市警備隊

棍棒地区と同様、旭区は元々は住宅街であるが、材木置場の存在や、青空地区に隣接しているために、その辺縁はやや活動的である。旭区都市警備隊はペイロア寺院の影響下にあるが、この地区の安全を守るにあたって、そのほとんどの場合、彼らだけで何とかやっている。7つの警備隊の中で最大の組織を持っており、その結果、その指揮官がすべてを管理することが困難になっている。ここでは汚職はかなり一般的となっているが、衛兵たちは通常は正しいことを行なっていると信頼されている。

市民

もし君が旭区出身であるなら、君の持つ平等精神、人懐こさ、そして楽観主義といったものに誇りを持っている。もちろん、サザリン市にもやくざ者は山ほどいるが、いろいろな理由で、彼らのほとんどは旭区を避けている。君は自然世界に対して健全な興味を持っているかもしれず、その場合は、スタンディング・ストーン・パークの安全地帯を散策することに長い時間を費やしていたのだろう。ここに住む人々の多くは南にある荘園の1つで働いており、適正な日当をもらって農場で働いたり、荘園経営のための使用人や専門家として働いていたりする。君の知る人々のほとんどはペイロア神を信仰しているが、ここではサザリン市で公的に認められているあらゆる宗教が歓迎される。

重要なNPC

アニフェイタス・ノウラン(男性のエルフ)

ノウラン邸の君主にして、暁の評議会における旭区の代議員であり、他のどの市民よりも長くサザリン市に住んでいる。

ベイサー・フィン(男性の人間)

ベイサーは、市壁の外に住む数多くの荘園主たちが不在のとき、これらの勤勉な人々を代表する人物である。

ケラ・ゴサラー(女性の人間)

ケラはペイロア寺院の高位の尼僧である。彼女はサザリンの犯罪は不幸な事柄だと見なしているが、それらに対する撲滅運動を行なうよりは、この都市のまともな人々に、放蕩や犯罪がこの都市に災難をもたらすものだという事を訴えかけていく方を好む。

旭区の主要な場所

1: 橋の小屋(賭博場)
2: メドウダスクの家(賢者――〈知識:自然〉)
3: サンダー川の材木
4: イスタスの社(運命の女神)
5: 土地所有者会館(荘園主たちの集会所)
6: 不眠のライオン亭(居酒屋)
7: 狩人の罠亭(居酒屋/賭博場)
8: ウィンメスターの宿(宿屋)
9: サイレンの家(宿屋)
10: 日の出市場(日常品)
11: 旭区都市警備隊詰所
12: 無限の闇(賢者――〈知識:ダンジョン探検〉)
13: テピナルの売店(日常品)
14: 剥製師ギルドホール
15: レルディバーの店(日常品)
16: 震える猫亭(居酒屋)
17: エメラルド・ウォーター孤児院
18: 飢えたゴリラ亭(居酒屋)
19: ハイローニアスの社
20: たばこ屋ギルドホール
21: 曙光の孤児院
22: ゴンドラ乗り場
23: 歴史学者ギルドホール
24: ゴンドラ乗り場
25: ノウラン邸(地区の代議員)
26: スタンディング・ストーン・パーク
27: 暁の家(地区教会)
28: マイアヘンの社(保護と武勇の女神)
29: ラオの社(平和と静穏の神格)
30: ゴンドラ乗り場

最終更新:2017年02月25日 22:19
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