消化器内科研修医・レジデントにおすすめの本・教科書・参考書をご紹介します.
上部下部消化管内視鏡,腹部エコーなどの手技も多くありますので勉強する範囲がなかなか広いですよね.
● そもそも消化器内科って?
消化器学(しょうかきがく、英:gastroenterology)は、主に内科学の一分野。
元々の語源となっているように「胃腸学(Gastroenterology)」を元として、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸等から、肝臓、胆嚢、膵臓などの「肝臓学(Hepatology)」を含む消化器(digestive)全般を取り扱う分野としている。
外科学分野では消化器外科学が携わる。診療科としては消化器内科と消化器外科が共に消化器センターを設置している施設もある。
<wikipediaより>
● 消化器内科で何を勉強したらいいの?
個人的は以下があげられると思います.
①「管」,つまり口腔内~肛門までにかけての消化管疾患.
②肝胆膵疾患
③腹部エコー
④消化器悪性疾患
⑤(興味・必要があるならば)消化管内視鏡
①②の「消化管」「肝胆膵」(悪性疾患除く)はどんな科にいってもその知識が
③の腹部エコーは医師の教養として
必要になることが多いように思います.
また,消化管で化学療法を行う場合は④の勉強をしたほうがいいでしょう.
⑤も消化器内科で学んでおきたいところですね.
特に消化器内科に行く場合や外科に進む場合は勉強しておきたいですね.
● 1.消化器内科全般
■ 消化器内科レジデントマニュアル ■
消化器内科レジデントマニュアル (レジデントマニュアルシリーズ)
消化器内科領域における白衣のお供ですね.
多くの白衣のポケットに入るサイズで便利です.
消化器内科全般について,臨床上で必要な知識が確認できます.
無難に持っておきたい一冊です.
この手の本って何科でもだいたいありますよね。
正直なところ、わかりやすいかどうかは別として必要な事項がこの手の本には網羅されてのっています。
常に必要とされるタイプの本です。
このようなレジデントマニュアルだけでは勉強するのは大変ですが、臨床現場に持っていくに適しているんでしょう。
私が医師になったころよりレジデントブック類がどんどん分厚くなってる気がするんだよなー。
何科でもレジデントブックって以外とずっしりしてませんか?
そのうち白衣のポケットに入らなくなったりして・・・。
■消化器内科グリーンノート■
消化器内科レジデントマニュアルと人気を二分する、ポケットの中のお供系です。
すでにこの ”グリーンノート” シリーズは循環器内科で人気を博しています。
うたい文句の通り、救急でも、病棟でも、外来でも大活躍の一冊です。
特に、使い勝手を重視して消化器内科領域の初診患者への対応について記載されているのはとても心強く感じます。
他の科に行っても消化器内科領域の知識は必須なので、この "初診患者への対応" の知識はぜひ身につけておきたい知識です。
新世代として出版されている分、歴代のポケットブック系統の本の進化版のような位置づけです。
個人的には、レジデントブックよりも使い勝手がいいように思いますが、あとは好みかもしれませんね!
■ 消化器内科研修ノート ■
★科別 人気第1位!
実践的参考書から辞書の中間のような本です.
白衣には入りませんが実践的な知識と考え方が書いてあり,
ボリュームもありぜひ医局に一冊置いておきたい本です.
他の科でもこのシリーズは好評ですね.
● 2.肝胆膵
■ 肝疾患レジデントマニュアル ■
肝疾患レジデントマニュアル (レジデントマニュアルシリーズ)
肝,胆,膵に自信ありますか.
私はいつまでたってもなかなか自信持てません.
臓器と管が複雑な迷路のように,入り組んでいるイメージがあります.
その中でも特に肝臓の役割は大きく,肝障害に対するアセスメントの
基礎知識はもちろんのこと,代謝に大きく影響してきます.
LDLコレステロールが高い人は卵を食べてはいけないと思いますか?
中性脂肪を下げるには油ものを控えればいいと思いますか?
この辺は生化学ですね.本当に肝臓は代謝の中心です.
生化学に興味がある方は下記もどうぞ.
余談ですけど、肝胆膵にかかわる値って、上がるとき急に跳ね上がりますよね。
AST/ALTがいつもちゃんと二桁だった人が急に1000台とかになったり・・・
肝胆膵みたいなパイプが詰まる系の疾患の特徴なんでしょうけど、外来でテンパります、本当に。
検査部から急に電話かかってきたりして。
■ 好きになる生化学 ■
● 3.腹部エコー
■ 腹部超音波ポケットマニュアル ■
■ 劇的!救急エコー塾 ■
あてて見るだけ! 劇的! 救急エコー塾〜ABCDの評価から骨折、軟部組織まで、ちょこっとあてるだけで役立つ手技のコツ
マイナー科にすすむのでなければ腹部エコーは内科・外科ともに必須になってきますよね.
救急当直でももちろんエコーは大活躍です.
下の<あててみるだけ~>は救急でのエコーを想定している本ですが,とてもわかりやすい本です.
関係ないですが,昔の漫画 で「胸あたってるんですけど・・」 「あててるのよ」というくだりがあって興奮しました.
それを思い出しました.今ではそれぐらいのことでは興奮しません,多分. 嘘です.
● 4.消化器悪性疾患
■ がん診療レジデントマニュアル ■
がん診療レジデントマニュアル 第6版 (レジデントマニュアルシリーズ)
いつもこの本ばかりおすすめしてすみません.
でも本当にいい本なんです.
一時腫瘍を専門にやっていた時期がありましたが
このサイズで,悪性腫瘍のマネージメントの実践的なことをこれだけおさめるのは並大抵の
ことではないです.
ローテートで悪性腫瘍みることも多いと思いますし,心底おすすめの本なんです.
● 5.内視鏡の必須アイテム
■ 消化管内視鏡 適切な検査・治療のための手技とコツ ■
★カテゴリー人気第1位!
カラー写真で必ずわかる!消化器内視鏡―適切な検査・治療のための手技とコツ (ビジュアル基本手技 3)
レジデントになってからバイトで内視鏡できたら強いですよね.
無難に間違いない一冊です.
上部・下部消化管内視鏡セットになっているのも特徴で,お得です.
このシリーズは外れないし私が知っている本の中では
上下が共に載っている本としては最も定番です.
● 5-1.胃部レントゲン検査の必須アイテム
■シェーマ+内視鏡像+病理像で一目瞭然! これなら見逃さない! 胃X線読影法 虎の巻■
★カテゴリー人気第1位!
胃部X線は基本的な検査でありながら、なかなかとっつきやすいまとまった本が多くありません。
そんな中でこちらの本は消化管透視についてとても基本的なことからわかりやすく説明してくれています。
X線だけではなく、病理と内視鏡増とリンクさせて気持ちのいい解説が進むので、構造的な理解が非常にはかどります。
胃透視を勉強する一冊としておすすめです。
● 6.おすすめの組み合わせは?
1.一冊だけに絞るなら
もし一冊だけに絞るならば,こちらでしょう.
消化器内科で役立つ,幅広い範囲を網羅した
実践的な本でまずポケットに装備したいですね.
2.しっかりローテートしたい
レジデントマニュアルに加えて,研修ノートをおすすめします.
白衣のポケットに入るサイズではないですが,医局のデスクに
おいておきたい本です.
幅広く勉強できて,おすすめです.二冊にするならばこちらはいかがでしょうか.
内視鏡(ないしきょう、英: Endoscope)は、主に人体内部を観察することを目的とした医療機器である。
本体に光学系を内蔵し、先端を体内に挿入することによって内部の映像を手元で見ることができる。細長い形状をしている一般的なものの他、カプセル型のものもある。また、観察以外に、ある程度の手術や標本採取ができる性能をもつものもある。
<wikipediaより>
とにかく症例数!ではけっしてありません.
学生時代に習った,有名な言葉があります.
「大事なことはすべて患者さんが教えてくれる」
私はこの言葉は違うと思います.
患者さんがすべて教えてくれるならソクラテスの時代に医学は完成しているはずです.
その後の長い医学の歴史の蓄積で今の医療があります.
しっかりと本と,人と,経験から先人のレガシーを学び
それを基礎としたうえで経験を積むことに意味があります.
基礎を作ったうえで経験を積んでいきましょう!
■ 消化管内視鏡 適切な検査・治療のための手技とコツ ■
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上部・下部ともに網羅している本としては一番スタンダードな本なのではないでしょうか.
写真・イラストが多く,胃部のことも大腸のこともひととおり書いてあります.
初学者のころはさらっと全体を見通せる本が必須だと思いますが,
そんな位置づけの,入門に本当にもってこいの本です.
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上部消化管内視鏡の検査に関連する本としてはまずこれからがいいと思います.
丁寧に検査の準備の仕方,スコープの選び方,挿入の仕方から始まります.
そしてその後実際の所見の見方を系統立てて,きれいな画像とともに解説していってくれます.
頻度の高い症例についてもきちんと記載されています.
これだけの内容をコンパクトに,わかりやすく,整理して網羅している洗練された本です.
上部消化管内視鏡で迷ったらまずこちらがおすすめです.
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大腸内視鏡をはじめてやる方から,ある程度できるようになった方にとてもおすすめの本です.
特につまずきがちな,挿入とその前後について非常にわかりやすく書かれており
読んでから検査にかける時間が短縮するのではないでしょうか.
付属のDVDの動画も秀逸で,こちらもぜひ参考にしたいところです.
大腸内視鏡を学びたいなら,まずおすすめです.
肝胆膵とひとまとめに言いますが,迷路みたいで複雑ですよね.
肝酵素は外来採血のルーチンに入っていますし,実際に肝機能障害に
悩まされることも多いです.薬剤?肝炎?なんなんだろう,みたいな.
本当に脂肪肝って言いきっていいのか・・・・
また,肝炎のマネージメントも大事です.
これらのことを学んでいきたいですね.
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まずはお決まりのレジデントマニュアルから.
確かに,必要事項だけ羅列してあってナイヨウがわかんナイヨウな
ページも,レジデントマニュアルにはあるのですが,それでも!
それでもポケットの中の見方は必要なんです.
とりあえずまずはこの一冊は手に入れたいですね.
肝胆膵はカンタンスイスイ・・・とはいかない.
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肝炎は遭遇する機会の多い,肝機能障害の原因です.
慢性肝炎の病勢評価などは学生のころは何回やっても
覚えられませんでした.
eがつくとエンベロープがどうとか・・・・
急性肝炎も慢性肝炎もありますがマネージメントはぜひできるようになっておきたいですよね.
C型肝炎の診療も今大きく変わろうとしている時期ですし(2016年現在),肝炎を
勉強する際にはぜひどうぞ.
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急性膵炎は消化器領域のみならず,一般内科医,救急現場でも押さえておかなくてはいけない疾患です.
アルコール多飲の患者さんで本当によく見る・・・・
輸液はもちろん基本ですが,ガイドラインは年々更新されています.
よくみる疾患だけに,知識をアップデートしていきたいですね.
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こちらは慢性膵炎です.
コンプライアンス含めてマネージメントが難しい病態ですが,がんばりどころ
なのではないかと思います.
● おまけ
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